No18・・・タバコ

 とてもショッキングなお話ですが、最近では「不慮の事故」、つまり思い掛けない事故が子供の死因の中で大変高い地位を占めています。ご承知のように3歳位までの子供は何でも口に持ってゆきますね。だから有害なものを飲み込んでしまうこともあります。これを誤嚥と言いますが、これが「不慮の事故」の中でもっとも多く、その中でダントツが『タバコの誤嚥』なのです。幸い、固形の儘の場合は「大事に至らず」が多いようですがタバコの汁(浸出物)の場合は毒性がズット増すので大変危険です。ですからタバコは勿論、吸い殻や灰皿は絶対に子供の手の届くところに置いてはいけません。幼児の致死量は10〜20mgですよ。タバコ1本が20〜30mgと聞けばゾーッとしますね。食べた或いは食べた形跡があればすぐに医者に走りましょう。緊急の処置が必要な こともありますから。 実はタバコの煙も曲者で、大人の吐いたタバコの煙で子供の肺の働きが悪くなる、喘息が悪化する、気管支炎や肺炎、中耳炎に罹りやすくなる、行動異常が増えるなどと言われています。もっと恐ろしいのは、母体の喫煙です。それによって赤ちゃんのお産の前後の死亡や低出生体重児の出生が増え、母乳の分泌量や脂肪量が減り、今までまったく健康であった赤ちゃんが突然死亡する突然死症侯群という病気で愛児をなくされた母親にはヘビースモーカーが多かったというに至ってはタバコは正しく「悪魔」です。「煙が目にしみる」なんて粋がってる場合ではありません。おつき合いは程々にしましょう。