No14-1・・・三種混合ワクチンのことその1(百日咳ワクチン)

百日ぜきに罹ったお子さんは、一たん眠り込んだ後の深夜に、激しいせき発作が起こります。顔を真赤にして、布団の上に座り込んで、痰が切れるまでせき込む。これが百日ぜきの特長です。このせき発作は一夜に5回も6回も起こり、一ヵ月も続くことがあります。このため母子とも睡眠不足で食欲が低下し、余病が併発したり、乳児ではせき発作時に呼吸が停止することがあります。百日ぜきは子どもにとって決して簡単な病気ではありません。 百日ぜきの予防には、ワクチン接種が最も有効です。破傷風・ジフテリアのトキソイド(ワクチンと同じです)と混ぜ合せて、三種混合ワクチンとして定期接種されています。定期接種とは市町村などの自治体が、公費で責任をもって接種するという意味で、我が国では生後3ヵ月から90ヵ月の間に、計4回の接種を受けて免疫を作ることになっています。特に百日ぜきの免疫は、母親から受け継ぐことが期待できないので、生後2・3ヵ月から3〜8週間隔て3回(第・期初回接種と呼ぶ)、最終接種から12〜18ヵ月後に1回(第・期追加接種と呼ぶ)の接種を受けて、百日ぜきの免疫を出来るだけ早く作るように考えられています。 昭和56年からワクチンが改良されて副反応がほとんどなくなり、生後3ヵ月の赤ちゃんにも接種できるようになりました。またこの新しいワクチンの使用で、百日ぜきの患者さんが激減し、予防効果も抜群であることが判明しています。副反応も少なく安心して接種を受けることのできるワクチンとなっています。ぜひ忘れずに受けて下さい