No12・・・突発性発しん

 突発性発しんは、赤ちゃんにとって、生まれてはじめての発熱であることが多く、しかも、赤ちゃん自身は比較的元気なことが特徴です。高い発熱が数日続いて心配していると熱が急に下がるとともに、名前のとおり、発しんがでてきます。  1988年にHHV6ウイルスが原因であることが日本でみつけられました。お母さんからの抗体がなくなる生後5〜6ヵ月を中心にほとんどは1歳未満にHHV6に感染し、70%ほどが突発性発しんになります。おとなから感染しているようで、流行はありません。突発性発しんの3人中2人は生まれてはじめての発熱です。また、生まれてはじめての発熱では3分の2が突発性発しんです。熱は3〜4日が多く、発しんは、半分が解熱した日にでますが、解熱する前の日や解熱後1日おいてでることもあります。発しんは、胸やお腹からでて手足にもひろがりますが、顔は少しです。ほかの症状として、軽い下痢や咳がみられ、ときには、まぶたが少しはれたり、大泉門がもりあがっているのが見えます。合併症としては、熱性けいれんがまれにみられます。重症のけいれんや意識障害も極めてまれにみられます。 赤ちゃんが生まれてはじめて熱を出したときに、突発性発しんが原因のことが多いわけです。お母さんは心配してお医者さんに連れていき、医者も元気な赤ちゃんの高熱ということで、おそらく突発性発しんだろうとみたてますが、熱が下がって発しんがでるまでは、確診できません。この病気は、安静にして、ミルクや母乳など水分補給に注意するだけで十分です。しかし、赤ちゃんの発熱には尿路感染症や細菌性髄膜炎など他にもいろんな病気がありますので、発熱で受診した赤ちゃんがその後発しんがでて元気になったのか、小児科医にとっても突発性発しんは気がかりな病気です。