No9・・・急性中耳炎

 中耳炎は水泳やお風呂で外耳道から水が入っておこるものだと思っている人が多いようですが、鼓膜に初めから穴が開いている特別な場合は別として、実際にはそんなケースは殆んどみられません。それよりも鼻や咽喉(のど)に炎症がある場合、例えば「かぜ」の時などに耳管(鼻の奥にあって左右の耳にそれぞれ通じている管。大人では3p位の長さですが、子どもでは耳管が未発達で太く短かいので、耳へ炎症が及びやすく中耳炎にかかりやすい)を通じて細菌が中耳腔へ侵入して急性の中耳炎をおこしてくるのです。だから中耳炎は夏よりも「かぜ」の多い冬に断然多くおこってきます。  鼻みずや鼻づまりがおこると誰でも鼻をかみますが、そのかみ方が悪い(むやみに強くかんだり、両方の鼻を一緒にかんだりする)と中耳炎になりやすいので、お母さんは平常からお子さんに鼻の上手なかみ方(片一方の鼻をきちんと押えて軽くすんすんとかむ)を教えてあげて下さい。それだけでも少しは中耳炎を防ぐことが出来ますよ。  急性中耳炎になると耳痛が激しく、耳だれが出てきます。これは中耳腔に炎症がおこり鼓膜を破って膿汁が出てきたのです。また、38℃以上の熱が出てきます。こんな時には局所の治療をうけるとともに抗生物質を服用すると治ゆします。もし、治療をしないで放置すると鼓膜に開いた穴はそのままになって水泳が出来なくなり、さらに慢性化すると聞えが悪くなったり、脳の方にも影響が出てくる場合もあるので必らずきっちりと治療して下さい。  予防としては、「かぜ」にかからないようにすること! 日頃から皮膚を鍛えて、偏食をしないよう一般的な健康に気をつけることが大切だと思います。