あいあん採集記 

あいあん



¶ あいあん採集記 檜枝岐編 その1

5月4日1人で檜枝岐に行く。檜枝岐に着いていつもの林道を走っていると、路上に大きなブナの倒木。 どうやら前日の雨で斜面を転げ落ちてきたらしい。通行の邪魔になるし・・・と自分に言い聞かせつつ割ることにした。

ところが割る前から、あちらこちらに食痕の跡。数回ナタを入れただけで、大きめの3令をゲット。どう考えてもコクワ・アカアシじゃない。 ミヤマなら形が全然違うし、オオクワorヒメオオは確定。その後同じぐらいの大きさの3令を1頭、2令を2頭ゲットしたところで、 倒木を道路の端に寄せこのポイントをあとにする。 しっかしブナは堅い。

次にコルリをゲットすべく広沢林道へ向かう。 ところが・・・
御池の国民宿舎から先は冬季通行止め。 知らなかった。開通は5月中旬から6月上旬とのこと。年によって違うらしい。 今年は5月中旬には開通するだろうとは宿舎の方の話。

仕方がないので、伊南村のオオクワど真ん中ポイントへ向かう。 昨年の12月ここで2令を2頭ゲットし、オオクワの可能性極大だったが、 2頭とも☆してしまい、再チャレンジしたかったのだ。 ところがここではボーズ。

しかたなくとなりの斜面に移動。下から見上げると斜面の中腹あたりに良さそうな立ち枯れがある。頑張って登ってみたが、たいしたことのない木だった。 結局ナタを振るまでもなく下山。ところが、登ると降りるでは大違い。下を見るとほとんど垂直状態だ。おまけに下草が冬の雪の名残で、下を向いていて、 あともう少しというところで、案の定滑落してしまった。その際左頬を切ってしまい、軍手は血だらけになってしまった。「もう、しばらく崖登りは止めよう」 と思わせるに十分な痛さだった。

その後、適当なポイントが見つからず、結局最初の林道の倒木を割ることに。さらに、3令2頭と2令1頭の計7頭を採ったところで、日没サスペンデッドとなった。

GWのど真ん中の帰りの東北道は渋滞56キロ!! 当然最初のサービスエリアで仮眠をとる。午前2時、私の車に衝突の衝撃。 飛び起きて相手の車を確認。 しかし奴は逃げやがった。ナンバーは控えておいたが、これで警察は動いてくれるだろうかと思いつつ再び仮眠。(まだ届けを出していない) 午前2時半渋滞もほとんど解消され帰路につく。

5月5日午前5時、帰宅。帰宅したとたんに、また檜枝岐に行きたい気持ちになっている。どうやら「檜枝岐病」に感染しているらしい。 この病気は死ぬまで治らないといわれている。


¶ あいあん採集記 韮崎編 その1

5月19日夕方、一昨年オオクワ幼虫をゲットしたポイントへ向かう。(当時はオオクワだとは思わなかった)


(オオクワの木)


オオクワの木(筆者が勝手に命名)の2カ所ある洞の部分から 甘ーく発酵した樹液の臭いが鼻をくすぐる。夏を実感する瞬間だ。懐中ライトで洞を照らす。コクワが1,2・・・計6頭。羽化不良の1頭をキープし残りはリリースする。 7〜8月にはカブトやミヤマも姿を現すが、この時期まだまだコクワの独壇場らしい。

オオクワ幼虫をゲットした倒木を割ることにする。当時は路上にあった物が、道路舗装時に落とされたのであろう。2m下の沢方向に転げ落ちている。チェンソーを使いカットにはいる。 1カット、2カット・・・何もでない。3カット目で大きな食痕が現れる。こいつはオオクワクラスの食痕だ。タコ採れくんを使って丁寧に削るが食痕は途中で途絶えた。 残念。

さらにカットしようとするが、ガス切れのため一時中断。日も暮れてきたので結局チャージすることなくその場をあとにする。次回が楽しみだ。

別ポイントをいくつか廻る。どこもかしこもコクワだらけだ。穴山のポイントでは2〜3匹のスズメバチに混じって14〜5頭のコクワが一本の木にとまっていた。 コクワと言えど壮観な眺めである。コクワ以外では中央道沿いのポイントでノコ♂を1頭ゲットしただけでこの日の採集を終える。

翌日午前、帰宅途中に一宮御坂の河川沿いを見てまわる。樹液ダラダラの木が100本以上あったが、昼ということもあり見かけたのはやはりコクワのみだった。 しかしここも次回が楽しみだ。

今年も檜枝岐病につづいて韮崎病も併発している自分に気づく。東南アジア病に感染する日もそう遠くないだろう。


¶ あいあん採集記 檜枝岐編 その2

5月30日土曜、午前6時うちを出る。檜枝岐病に感染してしまった私は助手席な人を拾い、途中渋滞もなく舘岩村の知人宅に11時頃到着。6月20〜21日開催予定の檜枝岐オフ時の宿泊のお願いを済ませ、早速ポイントへ向かう。知人宅から3分。道路沿いにヤナギがあったので車を止めた。 すると、いきなり「いた、いた、いた〜〜〜。ミヤマっ!」 と助手席からおっきな声。車を降りるとたしかにまあまあのサイズのミヤマだ。


(ヤラセなし画像)


「こいつは幸先良いなぁ」と思いながら広沢林道へ向かう。林道入り口の手前5km程のところで車を降りて、徒歩でヤナギをルッキングする。だが、いない。林道に着く。ここから先はあいにくの雨だ。車に乗り込み峠を越えて下りになったところで再び歩き始める。なかなかいない。ブナの新芽もとうに終了してしまい、コルリの可能性も全くない。2km程下ったところでようやくアカアシを発見。注意深く網を差しだし、ゲット。


(高い枝につかまっていた個体を一旦採集し、近くの枝につかまらせて撮ったヤラセ画像)


さらに林道を下る。ヒメオオを見つけられない。まだ時期尚早か。さらに、ミヤマ1♂1♀をゲットしたところで、雨足が強くなり昼間採集の部は終了する。計10km以上は歩いただろうか。 ふくらはぎがパンパンだ。 檜枝岐村に戻り露天風呂(温泉)につかる。村周辺は晴れていた。ブナの林に囲まれた風呂でリフレッシュ。空の青と、木々の緑と、白い湯けむり。
すばらしい自然に感謝。

風呂を出て晩飯を軽く食べ、灯火の準備にかかる。 オオクワ灯火ポイントで発電器に誘蛾灯を2本つけっ放しにしておき、外灯廻りをする。伊南村で車のフロントガラスに衝撃音。車を降りるとミヤマ♀だった。車の傍らでひっくり返って足をバタつかせている。どうやら無事だったようだ。その後ミヤマを2♂3♀採ったところで発電器ポイントへ戻る。
あれ? 真っ暗だ。 なんとガス欠で発電器は止まっていた。 「ちっくしょー」
天気、風、気温、月齢とも好条件だっただけに悔やまれる。「次回はこんなヘマはしないぞ」と心に誓いつつ福島をあとにする。車内で仮眠したあと、日曜午前11時頃帰宅。
下はリリースしたアカアシを除く全戦果。




¶ あいあん採集記 韮崎編 その2

6月2日、午後からまた山梨方面へ衝動的出撃する。今年はこれで6度目の出撃だ。

はじめに「オオクワの木」ポイントへ行き、前回割り残した倒木に再度挑戦だ。
が、全くダメだ。食痕すらでない。10分ほど格闘したあと蛹室らしき痕を発見したが、きっとオオクワだろうと思われる大きな3令時の脱皮殻がほとんど完全な状態で残っていた。 蛹の抜け殻は確認しなかったが、おそらくここ半月から一月の間に脱出してしまったのだろう。 ぐやじい。

日も暮れ、前回昼間に行った一宮のポイントへ向かう。夜間ということで多少期待したのだが、気温も低く数頭のコ・スジ以外はノコ♀しかいなかった。ほとんど成果らしい成果もなく、計3時間ほど山梨県内に滞在しただけで帰宅の途に着いた。 スジ1♂・ノコ1♀以外はすべてリリースした。

私の場合、衝動的に出かけたときは戦果も少ないようだ。


¶ あいあん採集記 檜枝岐編 その3

6月6日、シーラ邸の関東オフを飛び入り参加の松田氏と共に午後6時には早々と切り上げ、途中あ〜氏と合流し今年3度目の檜枝岐に向かった。舘岩に深夜12時頃到着。その前後3時間ほど外灯を廻るがなんといっても気温9度! 旅館の看板下からようやく松田氏が小型のミヤマ1♂を拾う。御池の駐車場で1台の車に大の男3人が「川」の字になって寝た。少々つらかった。

午前6時活動再開。国道を下っていくと、まあまあのサイズのミヤマ♂がヤナギについていた。


(ヤラセなし画像)


やつは凍っていた。枝を揺らしても、息をかけても触覚すらピクリとも動かない。あの気温なら当然だが、いつからあそこにつかまっていたのだろう? とても不思議だ。

いつものように広沢林道から手をつける。が、いなかった。午前中は晴れて気温も上がったかに思えたが、ヒメオオ、アカアシどころか前の週でさえそこそこいたミヤマさえ全くいない。午後から天気も崩れ、戦果は松田氏とあ〜氏が、道を半分 ほども塞いでしまっている倒木から割り出したアカアシ2♀・スジ1♂・不明幼虫2だけという惨憺たる結果だった。

檜枝岐村まで戻り昼食をとったあとは雨も大降りになり、まさにお手上げ状態。なんとか夕方にはあがり、温泉で一服したあと灯火の準備にかかり外灯廻りと並行したが全く飛んでこない。気温11度。吐く息は白い。 誰だって外には出たくない気温だ。午後9時には早々と撤収し帰路につく。

檜枝岐に来て手ぶらで帰るのは、生まれて初めてここを訪問したとき以来だ。この屈辱は6月20日のオフできっとはらしてみせるぜ!