1.はじめに 私がクワガタを飼育するようになってようやく2年目を迎えます。3月号でも 書きましたが、素人であり、今年、羽化した成虫のほとんどが”小オオクワ”で した。マット飼育で、多くが中歯型...お恥ずかしいばかりです...^ ^); 今回もKidsが思っていることなどを徒然なるままに記述していったものに 過ぎませんが”人の振りみて我が振り直せ”とはよく言ったものでKidsの振 りみて、でっかいのんを育てて下されば幸いです...(^_^)/ 2.マットの発酵 こいつがなかなか難しい話でそもそも”何故、発酵させる必要があるのか?” が分からない。去年は”みんながやるから”Kidsもやってみた...失敗した。 というより発酵させたつもりが未発酵だったのか、それとも水分が多かったのか 気温が高くなると温かいを通り越して”熱かった”のだ。 外出して戻ってくると幼虫はマットの上に這い出て避難している...ふたを開け てやると、また潜っていくことから酸欠が一番の原因だったかも知れないが、と にかくこんな状態が幼虫にとって良いはずもなく...^ ^);;; 今年は春先から20〜30リットル発酵させ、なかなか良好なものができたと 思っています。暑い日にも去年のように極端な温度上昇も今のところ見られない し、見た目にもなかなかおいしそうです。 結局”マットの発酵は幼虫が落ち着ける環境を作ってやるために必要”なもの であり、発酵したマットを更に2〜3週間はおき熟成してやると良いでしょう。 この間に余分な水分もとばします。 発酵を上手に成功させるコツなんてものはスコップなどの道具を使って”毎日 混ぜる”...これに尽きます。多少、水分や添加物が多めでも腐敗することはまず ないと思います。(^_^) 3.採卵(割り出し)について もちろん、マットの準備ができても肝心の幼虫がGETできなければお話にな りません。産卵させるのは簡単です。良質の産卵木を適当に半日くらい水に浸け て、ケースになるだけ多く詰め込むだけです。新成虫のメス(初産)の場合には 大体、15個くらいは採れるそうですし、新成虫でなければ90個も産卵したと いう報告もあります。 Kidsが、3月中旬ペアリング開始(25度一定:4月中旬まで)し、5月 中旬に割り出した結果ですが、産卵木2本から ・卵10、初齢幼虫12、2齢幼虫2 計24 でした。卵1は黒く腐っており、初齢3は割り出し時にぷちゅ、2齢1は容器に 詰めた直後、落としてしまい、むにっ!です。合掌... 現時点でさえ29個の産卵が確認できており、上記した初産の平均的数値の2倍 くらいは期待できそうです。 |
卵は成虫飼育ケースのマットでそのまま埋め込み、幼虫は菌糸ブロックを20 cc程度の小さい容器に取り分け、すぐに入れた。菌糸が回りきる前だったので 少し心配だったが、特に問題無さそうである。 |
ちなみに産卵木はコナラの太いのに、味の素&ローヤルゼリー添加です。産卵 木が良いのか、味の素などの添加が効いているのか、判断は読者のみなさんにお 任せします。ただ、頭幅のでっかいのが出ないかなぁと期待して添加したローヤ ルゼリーは全くのムダだったようです。^ ^); 小さな容器に一時的に保管しておき、幼虫飼育がスタートします。(^^)v 4.徒然なるままに...(1)幼虫のコントロール能力 恥ずかしながらKidsは、このスタートで躓いてるのです、実は...^ ^);;;; |
割り出した初齢幼虫のうち2頭だけ、添加発酵マットに保管していたのですが 1週間後には共にお★様となってしまっていました。マットの発酵は毎日、混ぜ さえすれば失敗はないと書いていながら...失敗してるんじゃないかっ!と御指摘 される方もおられることでしょう。仕方のないことです。しかし、... 2齢幼虫はその中ですくすくと成長しているのです。 Kidsの発酵添加マットは見かけ上、何ら問題なく良い匂いのするマットで あると思います。少なくとも2齢幼虫にはご好評頂いております...。ただ、初齢 幼虫がコントロールできるレベルを越えてしまった状態にあることは認めざるを 得ません。 周りの微生物や菌の状態に関係した環境コントロール能力を超えてしまったの か、あるいはタンパク質(窒素)過多のような餌の消化能力を越えてしまったの か、どちらが原因であると言い切ることはできませんが、少なくともこれだけは 言えそうです。 卵や初齢幼虫に対しては添加マットを使うのは危険を伴い、特に栄養過多の状 態のマットを与えることは絶対に避けるべきである!オオクワガタって結構、粗 食なんだよ〜ん。 5.徒然なるままに...(2)マット飼育と材飼育 まず、ここに質が同等なクヌギ飼育材が2本あります。そのうち1本は微粒子 に粉砕し、ビンに詰め込みます。飼育材の堅さくらいキツキツに... そこに全く同じ資質を持つ幼虫をそれぞれに入れた場合、同じような成長を見せ るのでしょうか、それとも成長に差異は見られるのでしょうか? これはまちかねBBSで私が独り言をポストさせていただいたフレーズです。 幼虫が木くず、リグニン(?)を分解しやすいのは一度、微粒子化したマット の方だと思いますが、一般的には材飼育の方が無添加・未発酵マットに比べれば 大型の成虫が羽化しやすい...??? マットを粉砕するときに幼虫が好む木の状態をぶちこわす、栄養とか菌とか微 生物とか...こう考えるのが自然に思えます。幼虫の栄養っていったい何なのでし ょうねぇ?難しい話だ〜ね。 6.徒然なるままに...(3)幼虫のストレス うちで今年、羽化した成虫のうち、唯一オオクワガタであると胸を張れるのが オスメスそれぞれ1頭ずつ居ます。オス68mm、メス45mmです...^ ^); |
彼らはシーズン中、ほとんどビンの外壁に食痕を作ることがなかった点で共通 しております。餌として非常によい状態であったために、幼虫がほとんど動かな かったと想像できます。が、この2頭の餌だけ良い状態であったとは非常に考え にくいのです。なにしろ30Lくらい一気に発酵させましたから... すると、何が他の幼虫とは異なっていたのか? ・物理的な要因として、彼らはガラスビンに入っていた。他の多くはブロー容器 に入っており、外気温の変化を感じやすい状態であった。 ・人為的な要因として、食痕が見えないので”★”やろな?と諦めてあまり観察 をしなかった。他は食痕が発見される度に、食痕が正面に見えるように移動さ れていた。m(_~_)m マットの発酵のところで幼虫が落ち着ける環境を作ってやるために必要である と前で書きました。光や振動が与える影響についてきちんと調べたわけではあり ませんが...この例からも、 幼虫は想像以上にストレスに弱いものであるという気がしてなりません。 7.結び 今回の原稿を書いているうちに、大きな成虫を育てるために一番重要なことが 分かったような気がします。それはいかに自分が幼虫の気持ちになって考えてや れるかです。 いくら、栄養をた〜っぷりあげるからなんて言われても、その代わりにマット の発酵の際に起こる酸欠や熱の発生などがあっては喜ぶはずもありません。 餌もこりゃおいしいわいと思えばそんなにいろんなところに出向く必要もなく 裏を返せば、幼虫が動き回る環境って言うのは決して良好ではないことを意味し ています。観察をするといつみても裏側にいるってことからも、観察されるのが イヤだってことですよね。^ ^); そんなことを考えつつ飼育すれば、大きく成長して羽化する親孝行者(?)が 意外と簡単に出てくるかも知れませんよ...(^_^)...Kidsもこれに期待します。 最後に、この投稿を読んで下さってる方々はやはり飼育年数の少ない方がほと んどかと思います。もし、分からないことがあればどんどん私にでもメールいた だければ、分かる範囲でお答えします。それでは...(^^)/~~~ (...9月号くらいに出没するかもよ) |