うっとうしい天候が続いており例年より早く梅雨入りしそうな気配です。ちょっと早いですが室内飼育をされている方々のカブトムシなどはそろそろ羽化を始めるのではないでしょうか? 今回は、「繁殖の促進」と言う話で、カブトにはやっぱりあまり必要のないかもしれない話題なんですけど興味有ります? 必要ないなら違う話題にしろって話もありますが、中には訳ありで大事なカブトをお持ちの方もいっらしゃるはずですので最後まで読んで下さいまし。 先ず、カブトの繁殖の為の準備として当たり前だが飼育ケースを用意する。 水槽でもプラスチックケースでも衣装ケースでも樽でもカメでも何でもいいからある程度の大きさの物、まぁ、蓋がしっかり閉まってあんまり小さくなけりゃいいのでそんなのを用意して、中に10センチ以上マットとか腐葉土を入れておき、そこにカブトのオスメスとひっくり返ったときに起きあがれるよう小枝とかクワガタ飼育で余った樹皮なんか放り込んでおく。エサはゼリーでも果物でも何でも良いから与えておけばOKだけど、水っぽいのは避けよう。ゼリーとかバナナは、ぐちゃぐちゃのバラバラに散らかすから、出来れば皿木をセットしてやろう。 カブトはそんな状況で飼っていれば勝手に卵を産むし、幼虫も育つ。 しかし、これが大事なカブトとなれば、あまりいい加減な事は避けて、何とか多く孵して確実に累代飼育をしたくなるはずだ。海外の友人などは実際(当たり前だが)日本産以外の貴重なカブトを持っていたりするので、そんな人の為にちょっとしたコツをお伝えしよう。 繁殖活動、すなわち交尾はカブトの場合ほとんど強姦状態であり、クワガタのようにオスが合図してメスが受け入れて...なんて事はない。嫌がるメスの背中にしがみつきメスの後ろ足で何度も邪魔されてもどんなに逃げようとも決して許さず無理矢理行為に励む。しかし、小さかったり、つのが曲がっていたり弱いオスなどはメスの後ろ足にはじかれ、他のオスに邪魔されいじけてマットに潜り込んだりする。そんなオスでもきっとどっかで少ないチャンスをものにするだろうとは思うが、でも、そんなのを見たら何とかしてやりたいと言う心情になるのは当たり前だろう。 特に、貴重なカブトなら、自分の目でしっかりと交尾を確認したくなるはずだ。 そこで私は手伝うことにした。オスのお手伝いだ。 前は、メスを押さえつけ、その間にオスに励ませる方法をとったが、カブトは結構力があるからすり抜けるし手も痛くなるので、これではゆっくり落ち着いて観察が出来ない。 そこで私は、もっといい方法はないかと考え、とってもいい方法を見つけたのである。 メスを縛り付けるのだ! 笑っちゃいけない。 繁殖の為、カブトも私も真剣なのである。子孫は残さなくてはいけない。 縛る道具として輪ゴムを用意する。 ![]() そしてメスの足を縛り上げる。 あまりきつくしてはいけない。緩くても充分縛れる。 ![]() ![]() かわいそうだがしかたない。 このままじゃ、オスがしがみつきにくいので、割り箸を用意し、そしてそこに固定する。 女性の方へ。セクハラで訴えないように。 これは真剣勝負なのだ。 ![]() 固定したメスにオスを近づけると... ![]() オスはメスに近づいていく。 ![]() いきなり始まったぞ! ![]() このオスカブトは先月号で紹介したつの曲がりカブトで、他のオスに苛められメスに近づくことも出来なかったかわいそうなやつであるがこれで晴れて立派になった。 この方法のコツは、オスが交尾をせがんでいる時とか、メスを触った手でオスをつかまえたときメスのにおいを嗅ぎつけ、オスが勘違いして人の手と交尾しようとしている時にやると確実だ。 しばらく隔離しておき、頃合いを見てやればいいかもしれない。 あんまり隔離しておくとバナナをメスと勘違いして刺しまくるからやめましょう。 さて、今回はここまで。 次回は採卵及び卵の処理と幼虫飼育をご紹介しよう。 |