思い出しつつの後付け日記 1990~(7)

coelacanth



日記1990と始めてしまったが、引き続き「~」をつけて1991年の5月部 分だ。いよいよ感動の初(そして最後(笑))のオオクワワイルドゲットだ。例によって他の人の部分は要約して掲載する。


5/02/91

(みやざき)さんの奥様が、カブトケース大掃除。幼虫は19匹全部生存。ところがハナムグリは20位のはずが減っていたという。古いマットを廃棄して新マット充填。クワガタとカミキリは変化無し。

5/06/91

(coelacanth)

長野から帰りました。今回、妻の妹の嫁ぎ先の木島平村とかいうとこまで行ったのでついでに(というほど近くもなかったが)新潟の胎内という所にできた昆虫の家までいってきました。すばらしく自然の残った所でいきなりなんでこんなど田舎に?というほど唐突に立派な昆虫館でした。標本の数も学習コ−ナ−みたいのも相当充実していて、更に生きている虫の展示コ−ナ−とか触れ合いコ−ナ−みたいのとか、更に7月オ−プン予定の放蝶館なんかも建設中でした。私は死ぬほど沢山のクワガタコレクションを眺めて雌の識別を試みていたのですがやっぱり難しい。なんとなく全て見るのに2時間もいました。土砂降りの日にいったのでまわりで採集はできませんでした。

木島平では妻の妹の嫁ぎ先(長いなぁ、「義理の実家」とかいうのかな?)の人達の話から夏にはミヤマなんかは期待できそうだった。ちょろっと木崩しもしたが、やたら小さいのを1つでやめにした。上田でも小さいの2つ。

帰りにまた山梨のまだ攻めてないところをちょっとあたったが、今度はアカアシクワガタ成虫を雄2雌1をブナらしい立ち枯れから発見!回りの幼虫もそれに違いないので19匹だか捕獲。ついでに根本にミヤマあたりを期待したのだがなんとカブトムシを10匹。いきがけのだちんに採集してしまった。アカアシは初めてとったのでなかなか嬉しい。大きさはコクワ程度で4cm弱といったところ。足の内側が真っ赤で、全体に黒い光沢が強い。アゴの先はするどく小さくわかれていてなかなかかっこいい。みやさん、アカアシ幼虫いります?もうたくさん?

木島平あたりではディスカウントあたりにちっとも虫用品なんかないのに上田あたりのディスカウントではどこもクワガタ・カブト幼虫セット、それら回りの用品が大量にうられている。東京同様、腐葉土から虫飼育箱用脱臭剤、餌、登り木等など。もっとも登り木くらいはちょっと山いけばいくらでもころがっているので大量に失敬してきた。東京ではさすがに森があっても伐採現場なんかないし、やたらに切ってくるわけにもいかない。しかし上田あたりは都会化して子供もああいうのをかいにいくようになっているということのようだ。

家に帰ってみると昨年羽化したノコギリの小さい成虫が出てきていた。生存を確認できてなかなか嬉しい。コクワの蛹は変化なし。他にも蛹室を作っているのが沢山いるのだが蛹化はしていない。

家ではカブトとハナムグリはわけてかっているので、カブトにくわれたりはしないが、そういえば減ったような感じがする。ちょっと他に気を取られていておろそかにしたので乾燥していくらか死んだりちじんだりしたような感じではある。差別して申し訳ない。

最近、どんどん幼虫の好みなどがわかってきたようなきがする。やはり採集はそのヒントとして大きく、すてがたい。カブトはどうも腐葉土より朽ち木が好きな感じがする。

 coelacanth

5/07/91

(coelacanth)

そうそう、全くの余談だけど、土曜日に草津温泉にでかけ、帰りにシラカバがはえてるようなちょっと標高の高いとこで、シラカバの朽ち木があったので崩したら、なんと「ヤマネ」が冬眠してた。これが倒れた部分にもいて2匹捕獲。何食ってるんだろう?とか本屋でたち読み。天然記念物とかでもないみたいだが、動物園なんかでは飼ってない。田舎の人もこんなの初めて見たとのこと。すごくかわいいが昼は寝ているばかり。冬眠中は体温も下がって全く動けない。家で動き出したのでクルミやらトマトやらあげておいた。

アカアシ幼虫は8匹まではクヌギ粉をいろいろブレンドしたビンに一戸建てで住まわせ、残りは現地の木(ブナのような樹皮が割と平坦な木)屑で集団で住まわせている。木が変わると食わないかと思ったが、昨夜は最上部に少し入れた現地の木屑から下にもぐっていたようなのに、今朝見るとどれもこれも全く見えないところにもぐってしまったようだ。コクワなんかに比べてシャイなのだろうか?他のは大抵ビンの表面というか見えるとこに穴あけて住むんだが。エサが合わないとすると問題だ。

採集したときのことだが、すぐそばにアリの巣があり、木を崩すとどっとアリがあふれてきた。こんなにそばに平気で住んでいるくせに、木を崩してしまうとウロウロして幼虫を見つけたアリはすぐに襲おうとする。

 coelacanth

5/09/91

(coelacanth)

会社のカブトの最後の生き残りは連休の中日に死亡してしまった。エサは今度は充分あったのだがやはり寿命か。1カ月は生きたわけで。

アカアシ幼虫はたまたまもぐっていただけのようで昨日今日では、皆ビンの下の方まで掘り進んでいるのが見える。なんとなくエサを気に入ってくれたような感じがする。

自宅の大水槽のカブト1匹が土の表面をウロウロしてたのでなんだか心配だったが今朝はちゃんともぐっている。普通にああいう行動をするんだろうか?土の表面に糞が沢山見られることから、表面に糞をしにくるのかもしれない。

病気のカブトは未だにすごくおかしい。1匹(斑がでたもの)はじっとしてるし、もう一方はやたらに土の上をはい回るばかりでちっとも糞もしてないし、食事もしているように見えない。だんだん小さくなっている気さえする。

購入したオオクワ幼虫の雌1匹はなぜかエサの上の表面に出たきりもぐっていない。こういうときはエサを全交換しろとの指示もあるのだが、エサの状態は他の3つと変わっているとも思えず、不思議だ。多少水分を与えてもう少し様子を見てみる。一応元気ではあるが、糞もしてないので食事もしていないようだ。他のビンも重さを計ってみると10g位は減っているようだったので水をやった。

ミヤマの片方はよくエサも食べ、糞もしているように見える。これは伊豆で取ったクヌギとサクラのブレンドだ。もう一方はあまり活動が見えないのでフタを取って見ると上部にいた。これがちっとも糞もしてないので体重を計ると3月測定と全く同じ5.2gだった。食事をしてないなら減ってそうなもんなのでいくらかしているんだろうか?それにしても順調に育っているとは言い難い。このエサは例の冬に買った、白カビが出てしょうがないチップだが、なぜかこのビンの中だけは全くカビが出なかったというものだが、やっぱりこれはなんだか幼虫のお気に召さないように思える。

 coelacanth

5/13/91

(coelacanth)

5・11、上田においてきた妻子を取りにいく途中、また敷島町あたりで採集した。まずは道ばたの立ち枯れでさんざん削られたものの取り残しで、中くらいの幼虫1(3g)。場所柄、オオクワの可能性もある。次に、以前みやさんとミヤマやカミキリをあてた場所の近くで、とうとうオオクワ成虫を当てた!、、、が雌。35mmなのでオオクワ雌としては全く普通サイズだが(本によれば2000円とか。。。)その前にコクワ雌2、雄1が出たのでその後見るとびっくりするほどでかいと感じた。先にコクワが出なければあきらめただろう(アリの巣がものすごく、それからはずっとアリとの格闘になった)、そしてどでかい幼虫1(9.6g!)。とにかくアリがすごくて、かまれてないか心配だったが、なんとか無事なようだ。しかし途中で驚いて何度もでかい糞をしたので、その前なら10gあったかもしれない。買ったオオクワ幼虫の最大のと同じくらいに見える。たぶん間違いなくこれもオオクワ幼虫であろう。それから同じ木に雄などもいるのではないかとさんざん掘って崩して頑張ったが、あとからあとからアリが出てくるばかりで、結局獲物はこれだけだった。まぁ将来の養殖のためには雌が増えるのは心強い。特に買った雌幼虫の1匹がちゃんと餌にもぐらないという心配な状況な上に、もう一方は小さい。

他の場所ではまたもやカブト幼虫もいたがパス。それからアカアシ成虫のなかなか大型の雄(39mm)も採れた。前回のアカアシ成虫は雄が31mm、26mm、雌が25mmだ。今回のはさすがに見栄えがする。オオクワ幼虫(大)はフィルムケースに入れるのが困難なくらいだったが、なんとかそれで持ち帰り、大きいビンのエサの上に放すと、ほんの数分後には中程までもぐり、次の日には底までもぐっていた。もう一方は元気がなく、全く動かなかったのだが次の日にはやはり底に達していた。話は飛ぶが、病気カブト(斑のあるの)は死亡した。

 coelacanth

5/17/91

(coelacanth)

最近、家の中でコクワのメスがぽつぽつ家人によって発見される(階段とか風呂場とか。。。)事件が続いたので、どこから逃げたのかと思っていたら調査の結果、バケツにまとめて飼っていた幼虫が早くも羽化して出て来ていることが判明したので袋をかぶせてある。こんなに早く羽化するとは予想外だ。ビンのやつではまだやっとこ蛹が5つというところだ。なぜかまたオスばかりでメスは1つだけ。全部コクワだ。買って来た幼虫はもう少し成長してから蛹になって欲しかったのに、いきなり蛹室を作り始め、じっとしている。また小さいノコになってしまいそうだ。ノコのでかいのを育てる技術を開発できないものだろうか?オオクワ幼虫のメス1は全然餌にもぐらないので別の餌のビンに入れてみたがやはりもぐらない。病気カブトのこともあり、ちょっと心配だ。元気ではあるのだが。体重は6.2gだった。先日採集した9.6gの、及び3gのは元気にもぐって動き回っている。

成虫の方は、コクワ共とヒラタ、アカアシは毎晩活動しているがオオクワメスは全く出てこない。ノコも見かけない。ヒラタは2匹のコクワオスと一緒なのだが、一番強いらしく、いつも餌場に頑張っていてよく喧嘩している。ゼリー状の餌もやってみたがコクワのメスが沢山よってきて頭をつっこんでいるのが面白い。これはコーヒーに入れるスジャータみたいな容器にゼリーが入ったもので、入れてからしばらくほっておけるので便利だ。

 coelacanth

5/18/91

(coelacanth)

やっぱりノコはちゃんと健在だった。昨日、今日と餌を食べている。しかしあらためて計測したけど、ほんとにコクワより小さい。たったの37mmだ。アカアシだって39mmあるのに。しかし買ってきた幼虫はやたらに小さいのに蛹化しようとしてるが、マザ−牧場のはまだがんがん活動していてほんとにでかい。案外、ヒラタやオオクワだったりして。。

今日は、アカアシの交尾を目撃。あの交尾器ってのを初めてまじかにみた。ゼリ−状の餌はどの容器内でも大変人気が高く、しばらくもつだろうと思ったのに、あっというまにすっかすかに喰われている。ううむ。

土曜大工でカブト蛹化観察ケ−スを作った。要は、蟻の巣の観察ケ−スの親玉みたいので、ガラス板2枚を5。5cmほどへだててたてたようなもんだ。幅45cm高さ23cmだ。3匹ほど放したがよく観察できる。来月の蛹化が楽しみだ。

全体に前蛹、蛹がどんどん増えている。なぜか雄が多いようだ。確認困難なのもいるが。バケツも上部をほじくって処理した。成虫(雌)1と前蛹2、幼虫1が出てしまったので、試しに、前蛹はフィルムケ−スにそれらしき空間を作っていれたのと、ただそのまま入れたので実験。コクワなのでまぁおしくはないし、小さいからそれでも蛹化できそうに見える。

Jマ−トにいくと。ようやく念願のクヌギ大王がうってたので3袋ほど買った。

 coelacanth

5/20/91

(coelacanth)

どへー、買ってきた幼虫の1つが蛹化したが、なんとコクワだ!道理で早いわけだ。そうかー、いちいち「ノコギリ」と断って売ってたわけではないがラベルのイラストはノコだぞぉ。。。くっそー。どうしてオスばかり蛹化している(ように見えた)のか多分わかった。つまり採集時の選別で大き目のには一戸建て住宅か悪くても2、3匹の集合住宅を与えておいたからだと思う。小さいのは何匹いるかもわからないバケツとかタッパーに残したからだ。つまりコクワでもやはりオスはいくらか大きく、メスは小さいのだ。バケツから発生して逃げたのはメスばかりだったし、あとでほじくってそこの上部から発見したのもメスだった。いつも観察しているのは当然ながらほとんど一戸建ての方なのだ。

 coelacanth

5/22/91

(coelacanth)

毎晩、アカアシの活動がものすごい。特に最大のオスは攻撃的でしかもすごい好色!夜になるとずーーーーっとメスを追いかけてせまる。大顎で押さえつけるところなどどうみても強姦してるようにしか見えない。そして小さいオスが来るともうはさむ、投げる、追い回す、の乱暴狼藉ざんまい。逃げ回っても狭いのでまたすぐぶつかってやられてしまう。小さい方はやられてスタコラ逃げるばかりで戦おうとはしない。うーむ、別棟を与えるべきかなぁ。

わが家のカブトもとうとう1匹、蛹室を作り、前蛹になりかけている。一戸建ての方だ。大量飼いの水槽は見えないのでわからない。案外すでにいくつか蛹になってるかもしれない。

 coelacanth

5/27/91

(coelacanth)

コクワの蛹は夜、色がついてきたなーと思ったら翌日には羽化していた。まだきれいなアズキ色でやわらかそう。でもフタをとるとちゃんと威嚇のポーズを取る。フィルムケースにただほうりこんで置いた小さいコクワ雄も蛹化。全然問題なかった。カブトも2つ3つ蛹化している。前蛹の時に体表がシワシワになっているのが見え、なかなか不気味。コクワはどんどん蛹化しているのに、ミヤマやオオクワ、ノコギリなどはまだその気配は全然ない。どうも蛹化時期が明らかに違うようだ。アカアシ幼虫は2つ程死んでしまった。近所の子供にアカアシ成虫1と幼虫2、コクワの成虫・幼虫たくさんをあげたら大変喜んでいた。久しぶりにハナムグリをほじくりかえすと全部元気で丸まると太っていた。糞ばかりになっていたので土を全部取り替えた。

 coelacanth

5/28/91

(coelacanth)

急に寒くなったと思ったらゲンキンなものでクワガタ達は全く姿を現さない。木のブロックをどけて見るとコクワとヒラタがいたが非常に動作が鈍い。暑い夜などだと容器を開けただけでパニックになってカサカサとすごい速度で逃げ回る。

フタのない容器に飼っていたカブト幼虫1匹が逃げて玄関に落ちていた。棚から1mも落ちたはずなのにきずひとつない。丈夫なもんだ。ちゃんとフタつきの容器に移しておいた。

 coelacanth

5/30/91

(coelacanth)

タッパーに個別飼育しているカブトが数頭いるのだが2つ程蛹化し、1つは前蛹。これが34gの大型のやつなんだが、なぜか他と違って蛹室をすり鉢状に作ったのでタッパーのフタを取ると上から丸見え!観察に便利だ。大抵は容器の底に作るのだが、フタを地上に転がる木くらいに思って屋根に代用しちゃったのだろう。例のコクワ羽化1号もそうだし。

久しぶりに月刊(とはいえ事実上季刊だ)クガムスが出ていたので、買うといやはや、もう中型のオオクワ養殖なんて楽なもんで、ゴキブリみたいに増えるのにあんなもの9000円で売買されてるなんて信じられない、、、みたいなことまで書いてあった。はっはっは、いや別にいいんですけど。さすがに大型のはそれでも難しいとのことだが、そのためには栄養をこうしてああして、、、とか書いてあるが肝心な具体的処方までは書いてない。まぁまだいろんな人がいろんな添加物を加えていろんな結果を得ているからだろうと思える。小麦粉、酵母、ビタミン、ミネラル、濃縮養分、ホルモン剤を加えて、、、と書かれても実際には何をどのくらい入れるんだかわかりませんよねぇ。小麦粉くらいはわかるか。あとはビタミン剤をすりつぶして、、、まさかねぇ。そもそも「程よく朽ちた木」というのが難しい。朽ち方が足りない時は分解剤としてコーランを使う、って記述もあるがこんなの聞いたことないなぁ。 mnemosyneさんあたりが解説してくれたりして。イスラム教の聖書じゃないからね。

 coelacanth

5/31/91

(mnemosyne)

し、知りません。(苦笑)



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