コルリクワガタはどこじゃー
 
お笑い虫の会with爆発栄螺
 



 

  5月号ではルリクワガタを探しました。今回は色々教えていただいたクワガ太郎さんとオサ屋さんとの2人に引っ付いてコルリクワガタを採集に行きました。ルリとコルリは似ていてもだいぶ違うものである事が少しづつ解って きていましたが、その違いを痛感した採集旅行でした。
コルリとルリはヒメオオとオオクワ位違うのですねー。

行き先はオオクワガタで有名な福島県某所です。福島西ICで20:30に合流する約束をしました。
3人とも帰る予定が合わず3台で行く事になり、高速道路に乗らず一般道で目的地に向かいました。
クワガ太郎さんはかなりのスピード狂のようでハイペースでかっとびます。オサ屋さんの左右ヘアライン仕上げ状態
(枝で擦れまくり)スペシャルジムニーも早い早い。途中のお約束のオオクワポイントもチエックしながら0:30位には目的地に到着しました。

到着すると、まず標本交換会を真っ暗闇でブナ林で行いました。
続いて、オサトラップの設置です。5歩おき位に林道の側にコップを埋めて行きます。
その中にオサ屋さん特製の「秘伝オサのたれ」を入れてセット完了です。
2:00には各自、夢を膨らませながら就寝しました。

朝6:00起床すると、お二人ともすでにお目覚め、どうやら私が一番寝坊ですね。
「夕べ騒さかったでしょ?サルが出てきてよー。あと、林道通る車も多かったー。」
私はサルには気が付きませんでしたが、確かに車の多さには驚きました。
山菜採りラッシュと重なり、車が多かったのです。
その中に1台が私達の車のそばに停まり、しばらくしてから去っていきました。
これは確実にライバルだったのでしょう。「3台もライバルが居ては・・。」
という気持ちは私も解ります。今回は我々の勝利っす。
キツツキがココココココッて鳴いています。
オサ屋さんが教えてくれて初めて知りました。
スズムシみたいに競うのですね。交互に森の奥から聞こえてきます。

これがアカアシ?コクワ?の切り株です。

オサ屋さんは早速、車の前にある切り株を崩しはじめます。
かなり、固い木でナタを入れた跡があります。しばらく崩すと太い食痕発見。
終齢幼虫1をゲットしました。「爆発さん!これいる?」との言葉に「なんでもくれくれタコラ」な私は早速ケースを取りに走りました。アカアシか?コクワか?という大きさでした。昼にもう1度崩すと羽化不全で☆したコクワのオスが 出てきました。という事はたぶんコクワでしょう。
このあたりではアカアシが圧倒的に多く、ブナの原生林にもコクワが存在するのは驚きでした。

ここにブナの芽に頭を突っ込んでるコルリのペアを発見!

おしっこをしようとうろうろしていると、背の高さ位のブナの幼木の芽に頭を突っ込んで交尾しているコルリクワガタを
偶然発見。思いがけない、イージーな出会いでした。「爆発さん!焦る事ないよ。今日の天気だと真面目に採れば
3桁採れるよ。」って声をかけられましたが、私はトリップしちゃってコルリに見入ってました。
 

こ−やってコルリを採ります。
最初、私はブナの枝先の新芽と聞いていたので、ヒメオオ用の長い竿を持ってきたのですが、この場所での採り方は背丈位の木に来るものを手で採るとの事で驚きました。
ルリ系の産卵痕がある立ち枯れのブナ

「気温が上がるまで、朽木割りをしましょう。」との事で、森に入ると早速ルリクワ系の食痕のある太い立ち枯れを発見。
すでに成虫は蛹室を脱出しているようで、出てくるのは全て幼虫でした。
ここでもクレクレタコラな私は出た幼虫全部を頂戴しました。

メインのコルリ採集に向かいます。
この間まで、ルリ採るのにあんなに苦労したのに、今日のこの状態はなんなんでしょう。

こんな感じでコルリはおります。
茶摘み状態でホイホイ採れます。
こ−やって隠れてるですよ−。
包茎の半剥け状態?にコルリは集まるのですねー。包皮に体を突っ込んでいるのです。
包茎・包皮の意味が解らない小学生の君はお風呂にお父さんと入った時に聞いて下さいねー。(なんてためになるレポートでしょ。食事中の人は御免なさい。)

クワガ太郎さんとタコ採れしたコルリクワガタです。
午前中X1人でこれぐらい採れました。という事はこれX3人X2回=今日全員の収穫です。

午前中にもういいやーという感じで採れましたが、外国に送るため私はコルリ・それ以外の雑甲虫を採る義務があったので、午後も同じコースをまたクワガ太郎さんと廻りました。オサ屋さんは他のポイント探してみるとの事でジムニーで山を下って行きました。

私はハムシ・オトシブミ・コメツキムシ・ジョウカイボンをかなり採りました。初めて見たルリヒラタムシは感動でした。ルリクワガタ色して大きいのですから魅力的な虫ですねー。
ルリヒラタムシに見入るオサ屋さん
車に戻るとすでにオサ屋さんは帰ってきており、「いんやー爆発さんの網は穴空てたよー。」。
私の短い竿はコンビニで買った「なかよし印補虫網」だったので、見かねたオサ屋さんが、午後から補虫網 の交換してくれてたのです。
それでもその「なかよし印補虫網」で「ゼフも採っちゃったよーん。」と三角紙に入ったミドリシジミ を見せてくれました。
おそるべし本物の虫屋さん。道具でなく技なんですねー。私も補虫網の素振りでもやって修行しますね。
あと、オサ屋さんは新芽に来てたルリを1頭採ったのこと。クワガ太郎さんがチェックします。
「おおっ!本当にルリだー。これ没収ね。月間むしに投稿すればー。」
ルリが新芽に来るのは稀なんだそーです。これも初めて知りました。
「そりゃー惨いよー。」
クワガ太郎さんとオサ屋さんには取り決めが有り、クワガタ採れたら全部クワガ太郎さんのもの。
オサムシ採れたら全部オサ屋さんのものなんだそうです。
うーむ。私も宮城県内にオサムシ屋さんかカミキリ屋さんを探そー。

今回、本物の虫屋さんと同行してみて、いろんな発見がありました。
「産地で採れるのは当たり前。」という言葉が素人の私にはまだまだキツイ言葉であります。
標本と生き虫の間で揺れる妖怪人間ベム状態の私ではありますが、修行して
「早く一人前のクワガタ屋になりたーい。」です。