思い出しつつの後付け日記 1990~(6)

coelacanth



日記1990と始めてしまったが、引き続き「~」をつけて1991年の4月部 分だ。例によって他の人の部分は要約して掲載する。


4/02/91

(coelacanth)

最近すっかりクワガタ中心になってしまっていたが、カブト関係のニュース。

会社のフロアで暖房かけっぱなし環境だったやつが蛹になったことは既に書いたが(3月 8日頃)、最近容器の底から週1くらいのペースでそっと慎重に覗くという観察を繰り返 していた。容器が半透明なため、どうも蛹化したらしいとか、今は白っぽいとか見ていた のだがどうも中が黒くあのギザギザの足が見えるのにちっとも動かない上に蛹室が白い黴 に覆われてきたように見えた(もっとも柔らかい容器なのでひっかきキズにも見える)の で本日とうとう蛹室上部をあばき、確認した。すると元気な雄の成虫が出てきて動き出し た!いやぁめでたい。さすがにかなり小さい個体のようだがもうちゃんと羽も黒く堅い。 今は明るいためかすぐに土にもぐっていった。初めて蛹室をあばいてみたがかなり堅く、 他の幼虫が動き回って壊す心配はあまりなさそうだ。集団飼育の不安点がひとつ解消され たような気がする。

さて、自宅の方の伊豆産のものは大水槽に20匹、中タッパー2つに5匹づつ、その他3 匹だが、この中タッパーには比較的小さいものばかり選び、それぞれ餌を全く別にして比 較飼育していたのだ。片方は現地の土(本当に泥にしか見えない物)だけ、片方は市販の カブト用最高級腐葉土というものだけ(ちょっと赤っぽいオガクズ状の物、ただし同じ製 品でも冬場に買った物は赤見が全くなくなんだか木の皮みたいな貧弱な物に変わっていた ように思えた)である。(商品名は朝日昆虫マットである)

そしてその結果なのだが、市販の腐葉土のだけのものは非常に小さく、衰弱しているよう で全く元気がない。掘り出して腐葉土の上に並べたが2、3日たった今日ももぐらない。 もっとも死んではいないのだが。現地の土の方のは元気でまぁまぁ大きくなっており、す ぐにもぐっていった。これはすごく大きい差である。もっとも腐葉土の方は乾燥しやすく 、もっと水をあげればよかったのかもしれない。泥の方は保水力が高く、水はほとんどや らなくても充分湿っていた。市販の腐葉土の方はどうも見かけにだまされてあまり水をや らなかったが触ってみるとかなりパサパサだったのでそれが敗因かもしれない。触っても あまり堅くならないのでかなり衰弱している。これはなんとかしなければならない。まず は水をやったが、例の砂糖水のが腐ったりしないことを1週間程度で確認し次第別の土や 腐葉土も混ぜた上で砂糖水を与えてみようと思う。これで挽回できるだろうか?さらに暖 かい部屋に置くことにしよう。

 coelacanth

4/05/91

(coelacanth)

既に砂糖水、木屑、腐葉土などをふんだんに与えて暖かい環境に移して3、4日たったが この5匹にはいっこうに変化がない。触ると少し動くので生きてはいるのだが、相変わら ず土にもぐっていけないし食事もしているようには思えない。姿勢が変わらない。埋めた 方がいいのだろうか?このままでは死んでしまう気がする。

最近はミヤマクワガタ2匹がなかなか元気で、ビン内をよく移動している。これもK氏の アドバイスで温度をできるだけ低く、湿度はやや高めの環境に置いてある。1月10日に 4.3gだったのが3月末には5.1gになっており、順調な成長が感じられる。10g を越えれば見事だろうと楽しみだ。他のコクワらしき幼虫もたまたまビンの上部にきたと きに出して計測してみると、1月に1.9gだったのが2.2g、2.5gのが3gなど などどれもこれも成長しているようだ。

 coelacanth

4/09/91

(coelacanth)

更に心配なことに、今度はその弱った奴らの集中治療室(?)の土の表面が激しくカビて きた。砂糖のせいか?しかし別の容器の方は砂糖でも何も困らない状態だが?相変わらず 、生きてはいるが移動しない。雨続きだったので外でカビを取って捨てたりもできなかっ た。

ミヤマの片方は動いているのだが、その坑道にフンが全然見えない。本当に食っているの だろうか?気に食わないのだろうか?ちなみにこれはいつも白い綿のようなカビが生えて まいった例の木屑を詰めた方の奴だがなぜかたまたまこのビンでは全くカビがでない。も う一方は伊豆で採集したときの木を粉にして詰めた方で一部カビているがよく食っていて 、カビ繁殖地の一部にまで食い入ってカビが消えてさえいる。フンもよく見える。

最大のノコらしい7gのやつはかなりビショビショの環境で、さすがに水分が多過ぎるの か上の方をウロウロしている。

会社のカブトが容器の中をウロウロしていたので、エサをやる。同僚には早くバナナを買 ってこいと言ってあったのになかなか買ってこなかったのだが、そろそろ1週間なのでさ すがに腹が減って出てきたのだろうと思い、とりあえずペーパータオルに砂糖水をしみこ ませ、ウィスキー(なんでそんなものが会社に置いてあるんだ!)を2、3滴たらしてや ると夢中で吸い始め、何時間もやめようとしない。なかなかかわいい。ついでにもう1匹 が蛹室を壊して背中を出してたので引きずり出してやった。元気なオスで、1匹目よりや や大きい(それでも標準よりやや小さいか?)。こいつは出たばっかりのせいかエサにく っつけてもすぐに土にもぐっていこうとして逃げていった。

 coelacanth

4/10/91

(coelacanth)

やたらあったかかったので、今度は越冬中のコクワ(アゴ折れ)が出てきて容器内をウロ ウロしてたので、はちみつあげました。自然界ではこんなに早く出てきてもエサがないだ ろうに、やっぱりウロウロしたりするのだろうか?

 coelacanth

4/10/91

(coelacanth)

さすがに春で、活動がさかんなので続けざまですが。。。

会社のカブト3匹目も無事羽化してました。これがまたもやオス!オス3匹とは意外。普 通は雌が多いっていうから3匹いれば1つくらいはオスだろうなんて思ってたのに。メス がいないと繁殖ができないよぉ。普通のが出てくるのは6月くらいだろうから、それまで 生きてなきゃいけないんだけど、どうだろうなぁ。。。3匹目のオスは最後に蛹化しただ けに一番でかく、まぁ普通のサイズでした。

 coelacanth

4/14/91

(coelacanth)

10日夜には、今度は例の小さいヒラタが出てきた。それ以来毎日エサを漁っている。夜 の方が活動がさかんなようだ。ノコおよび井の頭産コクワ(このBNの始まりに貢献した やつ)はまだ出てこない。元気で冬眠してるだろうか?

しにかけたカブトはやはりあせって急に高湿度、高糖分にしたせいか3匹が死亡。もっと も半分埋めたおかげで水分が多い所だったので窒息した感じもある。残る2匹は少し元気 になり、体のハリもあるような気がするが全快とは言えない。土が完全に腐敗してすっぱ い臭いになってしまったので、捨て、2匹はまた別の環境に移す。マザ−牧場産の顔色が 濃くて期待した中型幼虫1匹のビンもこの酸っぱい臭いの腐り方をしてしまい死亡寸前の ようだ。たまにこういう腐敗がおこるのは不思議だ。同じような環境でも、あの最大のノ コらしいのなんかはまだなんともない。大きい奴はやはり完全に密封するのもよくないそ うなので、フタに穴を1つ開け、乾燥には気を配ることにする。

近所の子供にあげた3匹が死んでいた(その子の家の庭でたまたま見つけた)、っと思っ たらその子に話をきくと、その後、荻窪の西友でたまたま売っていた幼虫を買ったらそれ が死んだのだそうでうちのは生きているそうだ。死因は幼虫が破裂していたといい、変な 虫がいたという。どうも話をきくと例のコメツキムシという肉食昆虫の幼虫がしのびこん でいて、カブトを喰ったらしい。

オオクワ幼虫は全て見えた。オス2匹は大きいがメスは片方は本当にこれまでさんざんと ったコクワ程度に小さく、もう一方は辛うじて大型かなという程度だ。

会社のカブトは今頃バナナにくらいついているだろうか?やはり夜、活動がさかんになる ようだ。

 coelacanth

4/15/91

(coelacanth)

でかいノコらしい奴(7g)はどうも上の方にずっといるので、いくらなんでも環境がグ チャグチャ過ぎるのかと思って、ビンをペーパータオルの上に逆さにして半日置き、出て くる水を吸い取った。それでもまだ内部は湿っているが、水が溜まっているような部分は なくなったようだ。これが効果てきめんで、ビンの上下を元に戻して1日たったら、しっ かりと下半分の方までもぐりこんでいた。過ぎたるは及ばざるがごとしというわけだ。そ れにしても今まで災難だったことだろう、全く申し訳ない。しかしなかなか生命力のある やつでたのもしい。

 coelacanath

4/15/91

(みやざき)さんから、カブトの世話の様子。カブトは重量感がある。カブトとハナムグリ が暖かくなって活発になってきたが、カビが増えて心配。

4/18/91

(coelacanth)

会社のカブトのうち一番先に羽化した一番小さいのが死亡。寿命だろうか?まだ2、3週 間だがカブトの寿命は1月程度だというし、小さくて、しかも速成養殖で少々無理があっ たのかもしれない。

最近はちっともカブトの餌が売ってないので、園芸用の腐葉土をかったりしているが、そ れの中で飼っているやつもしっかりフンをしているようなので大丈夫そうだ。肥料とかを 含まないものを選び臭いがなんとなくそれっぽければ大丈夫だろう。

 coelacanth

4/19/91

(coelacanth)

中の木がすっぱい臭いに腐ってしまっていたビンの中の幼虫は堅くちじこまって動かない 状態だったので確実に死んだと思っていたのだが、昨日取り出して、木は捨て、別の木屑 の中に入れておいたら今朝見ると元気に動いていた!ものすごい生命力だ。環境が悪過ぎ ると仮死状態になっていて、1月も我慢し、今回蘇生したようだ。こんなことならもっと 早くやってやればよかった。こいつはマザー牧場産で、例の7gのと同じところにいたの だが顔色がかなり濃く、コクワではないようだ。まぁノコかヒラタあたりだろうが。大き さは中くらい。

 coelacanth

4/22/91

(coelacanth)

会社の死んだカブトはよく見ると最初のじゃなくて、2匹目の大きさも中の奴だった。書 き忘れていたが、この中くらいの奴は蛹室を横長に作っていた。本などでは例外なく蛹室 は縦に作るとされているのだが容器が高さがなかったせいかこいつは横で、しかも問題な く羽化したのは興味深い。カブトの餌はやはりちゃんと足場を作らないとおちついて食事 ができず(砂糖液を染み込ませたものなどをすぐにひっくり返し、ずたずたにする等)困 ったもんなので、雑木林で堅い倒木をいくらか輪切りにしてきて、そこにくぼみを掘って 餌台にしようとしたが、ほるのが大変。そういうもんをペットショップで売っているので 「なんだあんなの、作ればいいのに」とか思ったがやっぱり自力でやるのは大変だ。下手 な彫刻刀なんかすぐ歯こぼれしちゃって返って赤字だ。

また会社の同僚で好き者がいたので、カブト4匹、クワガタ4匹をあげた。子供が喜びそ うとのことだが、うちと同じで親も面白がっていそうなのがよくわかる(笑)。

自宅のクワガタ幼虫で4g強の奴で1匹だけ容器の上、金属のフタのすぐ下に蛹室のよう なもんを作ってじっとしているのがいる。体重が0.5gほど少なくなっていたので、蛹 化するのではないかと思い観察もほどほどにしていたのだが、どうも前蛹になったようだ 。一番観察したい時期になるべく観察するなというのはなかなかじれったい。

 coelacanth

4/23/91

(coelacanth)

訃報。。。なんちて

会社のカブトのでかいのが死にました。どうも同僚が餌やりをさぼったのが原因では、と か思ってます。最小のが意外にまだ生き残っていることになったのですが、これもかなり 弱っていた。餌をやるとまたちょっと元気になった。

自宅のアゴ折れコクワもどうも死んでしまったようだ。代わりに、このBN始まりの元と なったでかいコクワが元気に登場。

それから例の死にかけカブト幼虫の生き残り2匹のうち1匹はしりの部分に怪しい茶色い 斑が見えるようになった。本によると伝染性の強い、致死性のビールス感染というのがあ って、どうもこれではないかと思ったので隔離。参ったな。

 coelacanth

4/24/91

(coelacanth)

クワガタが仲間を襲って体液をすするようなことがあるという話を本でいくつか読んでい たが、どうもそれらしきことがおこった。ただし例のアゴ折れコクワの死体を放っておい たら、それがバラバラにされて頭部がなくなっていたというものなのだが、やはり体液で もすすったのに違いないと思える。そういえば去年この土をほじくっていたときにクワガ タの胸部の残骸らしいものが混じっていたのだがひょっとしたら秋いらいちっとも見かけ ないノコ(クワガタ幼虫セットで買ったやつ)とかが殺されているのかもしれない。

近所のペット屋でなぜかまたカブトマットやらカブトの餌(糖蜜主体)なんかを入荷して いた。今頃から?と思うが現にクワガタは冬眠からさめているので需要はあるのかもしれ ない。試しに一つ買った。

 coelacanth

4/28/91

(coelacanth)

Jマ−ト調布店のペット屋では、カブト幼虫セット(2匹入り530円)とかクワガタ幼 虫セット(1匹入り680円)なんてのが沢山売り出していた。ここはいつも大量の腐葉 土をかってきたとこなのだが最近腐葉土自体はなくなっていた。去年はカブト幼虫が欲し かったのに売り切れで、しょうがないからクワガタかったのに、今年はカブトはもう沢山 なのでクワガタの方をかった。クワガタも沢山いることはいるがやはりでかいのは少なく 、この売物のは多分ノコだろうし5g級のなので2匹かった。プラケ−スなんかも安いの でかっといた。それから餌台削り用にドリルの刃とか丸ノミなんかも。これはなかなか調 子がよく、餌台が沢山できた。小型成虫が沢山入った容器は春になっててんやわんやで、 この餌台に例の糖蜜の餌をやると夜中は大運動会になっていた。ゴキブリの集会みたいで ちょっと不気味だ。

明日から1週間長野行きのcoelacanth

4/29/91

(coelacanth)

ちょっと前に、どうも前蛹になったらしいとかいたやつ(勘違いで4g強とかかいたが実 際は1月に八幡野で採集時3。9g、4月には3。4gだった)が今日見てみると蛹にな っていた!クワガタの蛹は直接見たのは初めてでなかなか興奮した。フタのすぐ下に蛹室 を作っていたのでフタをとらないと見えないし取ると蛹室の屋根がなくなるわけで蛹が驚 く。すると意外なほど激しくもだえるように動くのが印象的だった。種類は思った通りの コクワだがたったの4gもないようなのにちゃんとアゴの大きい立派なコクワのオスだっ た。なぜか脱ぎ捨てた殻の回りの壁がびっしり白いカビにおおわれていた。本体側に波及 したりしないといいのだが。

小型成虫が毎晩沢山運動会している方の容器でまっぷたつにちぎれた死体発見。やはり過 密で殺し合いがあるようだ。

 coelacanth



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