カブト馬鹿奮闘記/ペットボトルの活用


ようやく桜も開花してだいぶ暖かくなってきた今日この頃、越冬していたクワガタなどは活動を始めてるやつがちらほらと出始めていることでしょう。クワガタも動き始めたらカブトだってそろそろ活発になって来る時期なわけで、最後の追い込みで食い出すやつや、早いのは蛹室を作り出したりする。カブトを飼育している人は早めに餌などのチェックをしておきましょう。さて、我が家のカブト達もこのような暖かな陽気になり活発になってきたので、こんな私でもいろいろ忙しいのだが仕方なく面倒を見てやった。私は、家庭の事情もあり、一ヶ所で大量にカブトを飼育する環境というかスペースが無いため、ペットボトルにカブトらをぶち込んで、家のあちこちにちりばめて飼育している。図のように2リットルのペットボトルを横にして上部をぶち切り、そこにマットを入れ、カブトを数匹放り込む。こうやって横にすると、亜終齢から終齢初期に喧嘩か共食いかわからないが、なぜか消えていくカブトが抑えられる。恐らく、好んで底の方に徘徊する習性を持った幼虫どもの、1匹当たりの面積が増えるからだろうと勝手に考え、非常によい方法だと思いこんでいるが、うちにとっての1番のメリットは重ねる事が出来、隙間にセットしたり出来るので、あちこちに分散して飼育しなければならない我が家の事情にぴったりだというところである。

こんな風に置いている。

重ねてもいい。

こうやって飼育してきたカブトらだが、この状態(横)では小型は良いが大型のしかもオスなどは蛹室を作るのはちときついだろう。私はだいたいこの時期から、前回紹介したオスメスの同定方法により1ペアずつ別のペットボトルに取り分けて飼育を行っている。

ペットボトルはこんな風に上部を切り取る。
そして中にマットと幼虫1ペアをセットして、切り取った蓋をはめ込む。

コンパクトにまとまったな。

こうやってセットしたやつは元々あるペットボトルよりかなり数は増えてしまうのは明白で、読者の中には私の家庭を心配する様なとっても心優しいお方もひょっとしたらいっらしゃると思われるが、ご心配ご無用!私はこの1ペアずつ入ったペットボトルをバンバン配る!と言う嫁さんがこれ以上納得する方法はない手段をとる為、家庭はむしろ円満な方向へと向かうのである。
こうやって配るために、今度はペットボトルを横でなく、縦にして1ペアずつぶち込んだのだ。1ペアだけならこうすると置きやすいしまとまる。2リットルのペットボトルであれば、どんなに悪条件が重なっても、1ペアが羽化まで不足しない餌を入れることが出来、幼虫共のスペースも問題ない。このような物は、全く手入れ不要で幼虫から蛹化、羽化まで観察できる「カブトムシセット」となり、こいつをもらった虫好きな近所の小学生などはとっても喜ぶ。理解ある親などは間違いなく喜ぶ。そんな親からは、場合によっては恐縮してしまうほどの品物を頂いたりしてしまうので、そいつがまた酒の肴だったりしたら、きっと親が好きなのだと勝手に決めつけ、にやにやしながら飲んでしまう。こんな酒は実にうまいものだ。

クワガタの人気は確かにカブトをしのいでおり、大人を夢中にさせるものがあると思うが、小学生、特に低学年にはカブトが一番の人気者であり、強い者の象徴、そう、ヒーローなのである。オオクワガタやその他の希少種を飼育している皆さんも、初心に戻ってカブトを累代してみてはいかが?近所のガキ共にゃ間違いなくうけますぜ!



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