思い出しつつの後付け日記 1990〜 (5)

coelacanth



日記、1990と始めてしまったが、引き続き「〜」をつけて1991年の春先 部分だ。例によって他の人の部分は要約して掲載する。


2/20/91

(coelacanth)

2月

やっぱり冬は厳しいのだろうか。いくら自然に近い低温も必要だからといってそういう状 態に置けば死ぬ個体も多いということだろうか?ここんところ、なんの前ぶれもなくいき なり死ぬのが続いている。動かないなぁと思っているとしばらくしてまっくろになるのだ 。暖かい部屋に置いても、もう動かない奴は手遅れらしく、大きいのは死なれたくないの で全部部屋の中に移したままである。青かび、白かびのせいかなぁとも思うが、かびてな いのに死ぬのもいれば、かびの中でも元気なのもいる。やはり温度だろうか?目には見え ない養分などの原因だったらわからない。
そして非常に残念なことに、確認済みのミヤマ3匹のうち1匹だけ小さいのがいたのだが これが死んだ。でかいのが死なないことを祈るばかりだ。

11日は横浜市の「子供の国」へ行ってみた。専門書ではここはミヤマがいるしオオクワ もいるだろうとのことだが、確かになにがいても不思議でないくらいに結構な林が残って いる。子供を遊びに連れて行ったついでだし、人目もあるのでちょっとだけ、人気のない 所で朽ち木を2、3あたってみた。あいかわらずコクワらしい幼虫3匹と成虫3匹オス1 、メス2が採れた。夏にはわさわさと成虫が出てくるのだろうか?

2月の頭にはクワガタ雑誌にあった通販でオオクワ幼虫4匹を注文したのだが、14、5 日にはつくとかいう話だったのにまだ来ない。どうなったんだろ?電話しても今週はしば らく休みだというし。値段はメスが1500円から3000円オスは3000円から40 000円だ。メス3000円×2+オス12000×2=30000くらいをメドに頼ん だのだが。。。今頃は受領してそれも報告するつもりだったのに残念だ。

 coelacanth

3/08/91

(coelacanth)

オオクワはその後電話したら、なかなか入らないとのことで、あてにしないで待つことに した。

その後、小金井公園なんかも行ってみたが、あそこは今では相当な範囲の林を雑木林の再 生のために立ち入り禁止とし、昆虫採集なども一切禁止となっているということを初めて 知った。それならということで立ち入りはひかえたがなんとそのわきの住宅地との境目み たいなところでまたカブトの幼虫を見つけてしまった。すばらしくおいしそうな朽ち木だ ったし、クワガタの食痕らしいものがあったのだが気がひけるので、ふかおいはやめた。 木はほとんど残して、回りをちょっとむいてでたカブト4匹だけ持ち帰る。これまた相当 でかい。丁度また友人から欲しいと頼まれてたのでこのうち2匹をあげた。無事に育てた ら公園に放しに行こうと思う。

会社で飼っていた同僚のカブトは、先週蛹室を作り始めたが今日、とうとう脱皮し蛹にな った。まだ白い。こういうときは揺らさないように慎重に見たがなるべく見ないくらいに 大事にした方がいいのだろう、本来は。しかし正月カブトではなかったとはいえ、こりゃ 3月内にはたぶん成虫だ。暖房がききっぱなしのところでは見事に速成飼育ができること が証明された。やや小さいようだが成虫になってみないとはっきりはわからない。

わが家の最大のクワガタ幼虫(種類不明)がここんとこ全然姿が見えない。ビンがかびて きてるのですごく心配だ。休みにでもゆっくりあけて調べてみよう。他の奴らは暖かくな ってきてかなり活発に活動しているというのに。

 coelacanth

3/08/91

(chakkari)さんも、昔大量のカブトムシの幼虫をもらって喜んだがなかなか成虫にならな かったそうだ。田舎では開発されてない地域でもなぜかカブトムシなどは減っているとい う。

3/11/91

(coelacanth)

結局、わが家最大の幼虫は死んだようです。外見は全くなんともないのに掘り出して見る と全く動かない。洗ったりしてしばらく暖めたりしても変化なし。まだ放ってあるが確実 に死んだようだ。原因は寒さかカビか、あるいはビンがピックルスのだったのでいくらか においが残っていたのでそのせいか、、、(よく洗って漂白剤につけたりもしてあったの だが)。これは最大の痛手です。死んだらしいので計ってみると、採集時5。8gだった のが6gになってました。この機会によーっく顔を眺めてみると見れば見るほどオオクワ ガタの特徴を持っているようでした。頭の部分だけでも保存しようかと思います。もっと 早く掘り出してみるべきだったでしょうか。なんとも無念。

昨日は今度は所沢の森林に行って見ました。沢山森があるようで、実は規模が大したこと なく、木もそれほど太くない。数カ所あたってみて、数匹だけ採集。最大の幼虫が4。2 g。これを採った木にはかなり体が赤いメスがいたのでノコギリの可能性もあるのでちょ っと期待している。他はどうもやはりコクワらしく、回りからは成虫のコクワ雄雌数匹が 出てきた。さすがにもうコクワは(成虫では明らかにわかるので)おいてきた。ついでに カブト1匹も見つけた。また自己弁護になってしまうが、ここらの朽ち木(転がっている )の下からモグラが入り込んだ後が沢山あり、採集しなくても大量に食われて死ぬだろう ことは容易に想像できる。

↑ちゃかりさん、田舎はどこですか?森があるのに虫が減ったというのは農薬なんかのせ いかも知れませんね。しかし、50匹ももらって蛹にまでなって成虫がわずか7、8匹と はショックです。これまで全然死んでないので楽観してましたが気を引き締めていかない とダメですね。しかしいくらなんでも蛹からそれだけ死ぬというのは、蛹になったあと頻 繁に覗いて動かしたとかそういう原因なんじゃないでしょうか?それだと確かに死に易い そうですし子供のうちはそういうことをしがちですよね。私は大昔1匹だけ幼虫から蛹に したことがありますが、栄養が悪くてうんと小さかったにもかかわらず蛹の時期にほっと いたせいか無事、成虫になりました(羽化率100%!)。最善を尽くそうと思います。

 coelacanth

3/11/91

(みやざき)さんの報告。大部屋方式なので個別の事は分からないが、カビなども自然程度 に安定したとのこと。クワガタは古い食痕内を移動している事もあるようだ。カブトはダ イナミックに動いており、蛹になった時まずいのではないかと思うが、どんな本でも個別 飼育しろとは書いていない。一番元気なのは、さすが害虫のカミキリ虫?そろそろ暖かく なるので虫達の蛹化準備したいが、下手に環境をいじるのも怖くて困った。

3/25/91

(coelacanth)

 3月

オオクワガタの累代飼育・繁殖の第1人者とも言われるK氏に年賀状を出して以来、何通 か手紙をやりとりし、最近は電話でもいろいろと話をきかせてもらえた。そして月刊クガ ムの方の幼虫注文がいっこうに入荷せずの状態だというと、直に売ってくれるということ になり、今日送金してきた。幼虫は5000円から8000円、成虫となると雌でも70 00円、雄は45mmで7000円だが50mmとなると2万円。60mmでは5000 0円だという。最大は70mmを越えるわけでそういう奴らは10万とか15万というこ とらしい(もっともそんなのはなかなか譲らないそうだ)。これ以下の価格では業者に買 い占められてしまうとのこと。人気はかなりのものらしい。というわけで幼虫4匹(2つ がい)、26000円分入る予定だ。もっとも別の方のもキャンセルしたわけではないの でそのうち来るかもしれない。幼虫はとりあえずビンで届いたら後はほっとくだけ。なん とも妙なペットではある。端からみたら全くわけのわからんものに金を使っているようだ ろうが、私は高いお風呂におねいさんと入ったり、馬のかけっこに大金捨てたり、外で酒 を飲んだりする趣味がないので、このくらいなんてことはないと思う。

閑話休題。今月は小金井公園、所沢に続き、21日から千葉の方へ行ってきた。例によっ て家族サービスのついでなので思う存分採集できるわけではないが、それでも今回はマザ ー牧場で2時間程別行動して採集できた。自然観察道とかを1時間程ウロウロしたが、ほ とんどめぼしい木もなく、たまに穴のあいた木を崩したが、中からシロスジカミキリの羽 が見つかり、こういうまん丸い穴はカミキリの脱出口だということが確信できるようにな ってきた。そのうちなんとなくシイタケ栽培場にたどりついたのだが、始めからここに来 ればよかった。伊豆での採集と同じようにここはホダ木が大量にあり、その腐って捨てた のが積もっているところに目をつけた。こういう所にはコクワが多く、せいぜいノコギリ だろうとは思っていたが1本だけ直径30cm以上もの木が埋まっていたのでこれを崩す ことにした。まずはカブトムシのフンが見つかり、ほどなくカブト幼虫が1匹出てきた。 それからクワガタ幼虫もざくざく出てきたのだが、2匹目がとてもでかかったので必死で 崩したのだ。しかし結果的にはこの1匹だけが特大だった。後で計るとなんと7g。こな いだ死んだのを上回る新記録であり、ノコギリだと思われる。参考にでかめのカブト幼虫 を計ると30.2g。やはりでかい。K氏との電話で、ノコやミヤマはうんと水分を多く した方がいいだろうとのことなのでうちに帰ってからかなりぐちゃぐちゃの環境でビンに 入れてやった。こないだから、買ってきた白いきれいっぽい木屑のビンはことごとく白い 綿のような黴がはえるので懲りて、伊豆から送ってもらった木屑を頑張ってまた詰めるこ とにした。

千葉は南房総の方まで行ったのだが、雨ばかりで22日はシーワールドと苺狩、23日は 南房パラダイス(ここは蝶館があってなかなかよい)に行ったくらいだが、帰りにまたマ ザー牧場のわきによって少し探したところ、大木(直径70cm以上)が転がっていたの を転がすと大量のカブト幼虫がいた。12匹ばかり持ち帰る。カブトは意外に欲しがる人 が多かったので多少多くいても困らない。どうせ雑居で飼うのも楽だし。それにしても増 えたので60cm水槽をもう1個買ってきた。土もなんだか虫専用の腐葉土があまりない ので面倒だから植物用の腐葉土のでか袋を買ってきた。肥料などの入ってなさそうなのを 選んだので大丈夫だろう。水槽の底には黒土もしき(こうすると幼虫がそのすぐ上に蛹室 を作り易いそうだ)、全体で30cmもの厚さになったので、もう餌の追加もいらないだ ろう。この機会に全てのカブトを掘り出して確認したが、1匹も死んでおらず嬉しかった 。また最近得た情報では、カブトを木屑に蔗糖(ようは砂糖だ)20%液に浸したもので 飼うと異様に早く、大きくなるとのことで実験したかったがクワガタの世話などで忙しく て先送りにした。来週あたりにはやってみよう。そろそろクワガタの餌にも小麦粉なんか を混ぜてみるのもやってみたいし。

 coelacanth

3/26/91

(chakkari)さん、田舎は秋田で、虫が減ったのは川沿いの柳が切られたせいか?今はそこ もコンクリートで固められている。ヘリでの農薬散布もいけないのかも。育てた時の話で は、そういえば頻繁に覗いていたような。それがいけなかったのか?

3/26/91

(みやざき)さんの報告。相変わらずの様子。どうも夜中に食っているような気がする。カ ブトはまた餌を食い尽くしたのでマットを追加。カミキリは急に姿が見えなくなった。気 温の上昇で耳掻きの綿毛のようなカビが出てきた。紫外線灯なんかどうか?

3/30/91

(coelacanth)

とうとうオオクワの幼虫4匹がK氏より届きました。オス2匹はなかなか大きいのですが 、こないだ採った7gのノコらしいのより少し大きい程度で、思っていたよりは小さい。 10gくらいだろうか?ビンの外からみてもわからないが。で、メスの方は1匹しかみえ なくてもう1匹は中に潜っているようだ。で、その1匹はこれはすごく予想より小さい。 今まで山梨で採ったものもこれじゃオオクワが含まれているかもしれないという気になっ てくる。てっきり大きさでもっと歴然と違うと思っていたのだが。まぁ成虫でもオスメス の大きさは倍近く違うようなので無理もないのかな。送ってもらったビンはこのまま夏ま で餌交換なども不用とのことだが、椎茸栽培後の木なのでもし管理が悪い(高温度、高湿 度など)と椎茸が生えてきてしまうかもしれないとのこと。そうしたいくつかの事態にも 対処すべく注意書きが添えてあった。そんな場合の替え餌も一緒にあった。しかしこうし た場合は大きな成虫になるのが困難だという。また条件次第では更に羽化が来年になる可 能性もわずかながらあるとか、いろいろ面白い。オオクワを飼う環境は想像以上に乾燥し ているようで、こんなにパサパサなのが不安でまた電話させていただいた。オオクワはか なり乾燥好みでこれでいいのだそうだ。ビンの重さを計っておいて減ったら水を足すとい うので計っておいたが、さてどの程度減るものやら。そもそも600g以上になるのであ んまり正確に計れないし。

ということで期待と不安がいっぱいのcoelacanth

そうそう、ついでだけどカブトも更に世話したが、3匹を小さい入れ物に入れておいたや つは1リットルくらいの餌をたった1月であっというまに全部糞にしてしまっていた。そ こで腐葉土に砂糖水をちょっとかけたのに2匹入れて実験開始。どうなることやら。



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