我が家の温室



coelacanth


始めは温室なんか使うつもりは全くなかったのだが、谷田という悪党素晴らしい 友人から温室を必要とするようなシロモノを送りつけられて以来、まぁとりあえず手配す るかってな感じになり、ええかげんなものでも作っておくか、と思いつつ夏を過ごした。

するってーともう、あとは成り行き上、もっと他にも入れられるしなー、ってな感じで中 身が増えてゆき、松田不良亮からも怪しいものを引き受け、今じゃ積極的に変な ものまで入れている始末だ。いやー昆虫ってのはほんとにひたすら増えるもんだなー(自 分で増やしているだけだろうが!)。というわけで気温の下がった秋にこのようなものを 作った。

まずうちに転がっていた発泡スチロール製建材(なんでそんなもんが転がっていたんだと う話もあるが、それは置いといて)を切って張り合わせ、でかい直方体を製造。厚さ 2.5cmで畳位の建材だが1枚2000だか3000円だかである。ちょびっとだけ使ってほとんど残 っていたパネルからできるだけ大きく、なおかつ私の虫部屋のこの場所に乗る大きさとい う事で、奥行き50×高さ65×横幅91cmとなった。前面のパネルだけは取り外せる。そして その中には木の枠に厚手のビニールを張ったものが2枚はめ込まれている。鑑賞用植物と 違っていつも全体が透明である必要がないので、保温性を重視してこのような構造にした 。簡単だし軽いし。そしてそのビニールの枠を取ると中にアクセスできるのである。



そして左下前隅に電気のコードを通す穴だけあけ(はめ込みできっちり閉じ戻してある) 中には熱帯魚用に使っていたサーモスタット、そこらへんに余っていた電気座布団(40W) をつなぎ、25度に設定した。棒状の温度計が無造作に立てかけてある。しばらく様子を伺 ったがあんまり寒い日はどうも非力なので更に20Wのアンカも追加。これでうんと寒い日 もなんとか23-25度位で安定するようになってくれた。そこで秋遅くに生まれたノコを卵 〜若令幼虫の時からずっと入れ、結局出す機会を逸したままに放っておいたらとうとう 16gなどというノコとしてはお化けクラスが、ネスカフェゴールド100gビン1本だけという 信じられない少量の餌で育ってしまった。左側のビンの山がそれらである(ビンの後ろの でかい青プラケの中にもびっしりビンがつまっている)。右の方には温度が高いせいか少 々変わった模様や形になってしまった(そんなわけあるかい!)ある種のクワガタやカブ ト等が生息している。


もう少し位は中身を増やせそうだが、いずれは満杯になってしまいそうな事が明白だ。す るときっとこれが置いてある左側の(少し窓が明るく見える)スペースにもう一個温室を 置いてしまうような事になるのであろう。昆虫というのは実にまぁ増殖するものである( だから自分でやってんだろってば)。この仕掛けは夏場は中に氷入りバケツでも放り込ん でおけば簡易冷涼室になるに違いないと考えている。暑さが苦手な成虫や幼虫を夏になん とかしてやるにはもって来いと言えよう。

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