私はこうしてくわ馬鹿になった   けむしぎらい


 私は小学校の低学年時代、家の前が工場でなおかつ周りには自然がほとんど残っていない都会で過ごしましたがわずかにある木々や植木に発生する生き物に強く惹かれたことを覚えています。なめくじやだんごむし、あぶらむしなどをみつけては家に持って帰りよく怒られました。 そんな子供でしたので夏にペットショップで売り出されるかぶとむしやくわがたむしはもうのどからを通り越して胃から手がでるほど欲しかった憧れの存在でしたが当時、20年以上前ですがとても高価でのこぎりくわがたや、みやまくわがたなどは1000円以上もしましたのでとても手がでません。 毎日ペットショップへ出かけては眺めるだけです。

 そして小学校も高学年になろうという頃、大阪の北部に引っ越したのですが、新しい家の周りにはたくさんの自然があり、亀捕りやかまきり捕りなど信じられないような遊びを教えてもらいました。そして自転車で1時間ほど走った先の山々にはなんとかぶとむしやくわがたが生息していたのです。

当時の採集方法

  1,二人一組になる。

  2,くぬぎを探して根元にたつ

  3,ひとりは中腰で地上30センチを目を皿にして凝視

  4,もうひとりが幹に跳び蹴り2発

  5,1発目でのこぎりが足を縮め落下、みやまは頭を持ち上げ威嚇のポーズ

  6、2発目でみやまさらに威嚇のポーズしすぎて落下

  7,ひたすら拾いまくる。

とにかく樹液が出ていようがいまいが、ボタボタとくわがたが落ちてくるのです。私にとってはまるで夢の様な現実でそのときの感動は今でも忘れることができません。

 てなわけで、現在に至る訳ですが採石場ができたり雑木林が杉林になったりと現在ではくわがたの数がすごく減ってきたのは寂しい限りで採れるくわがたの比率も昔はみやま:のこぎり:こくわ=8:1:1ぐらいだったのが現在では3:1:6ぐらいになっており人間が与える環境の変化は相当なもんだと実感しておる今日この頃です。



3月号目次へ