3.ミヤマクワガタの飼育準備

飼育準備の要

道具は職人の命・ネタは寿司屋の命、ケチらずドバ−っと買いましょう。

ミヤマ専用の腐葉土マットを作る。


どんなクワガタも採取した場所の環境を飼育容器に中に再現するのが理想です。ミヤマクワガタの場合は冬通行止めに成ってしまう山奥の林道をイメ−ジしてみて下さい。雪が5月位まで残り、やっと夏になっても夜はトレ−ナ−が欲しくなるような場所です。その様な場所の地面は雪熔け水が絶える事なく常に湿った状態です。ミヤマの飼育は湿度・温度が要となります。Dorcus属と違う点は朽木に産卵しない点です。立ち枯れした木の根元の落ち葉と朽木が半分土に帰ったような場所が産卵場所・若齢幼虫の住処であります。成長すると朽木に喰い進みます。蛹化・羽化はOdontolabis属と同様に土の中で行われます。私の場合は朽木は使用せず、腐葉土と朽木フレ−クを混合したものを幼虫と餌として使用しています。Odontolabis属と同様に成長は遅く時間が掛かりますが、餌となる腐葉土が安価なので経済的に飼育を楽しめます。
飼育の準備 その1.
ナラ・クヌギの腐葉土をDIYや大型ス−パ−で購入します。
写真のものは針葉樹の混入が少なく一番のお勧めです。
これは20リットルで580円でした。
どうして腐葉土のパッケ−ジはこういう風に和風なんでしょうね−。
金色の印刷が「いかにも効きそう。」であります。




















飼育の準備その2.
朽木マットもDIYや大型ス−パ−で購入出来ます。どこのメ−カ−も生産ロットにより品質(マットの細さ等)が異なります。値段もまちまちなので、数軒ハシゴすると良いでしょう。これは4.5リットルで300円でした。DIYでこれをマジマジ見てるオジさんってやっぱり怖いでしょうね−。でも、そんなの関係無いも−ん。それが恥ずかしいオジさん達には、通信販売で発酵済の朽木マットを多量に購入する方法もあります。通信販売の虫屋さんは月刊むしとかフィッシュマガジンとかの雑誌に広告が出ています。どういう訳かどの虫屋さんも「80円切手3枚でご請求下さい。」が多いです。ひやかし対策なんでしょうが、コピ−1枚1回きりの所もあれば、価格が変わるたび何度も送って来る所もあります。狭いマ−ケットで鎬を削る業界は大変なんでしょうね−。安定した供給のためにも、業界の方々には仲良くやってもらいたいもんです。ニ−ズは作るもんだよ−ん。








飼育の準備 その3. 
腐葉土を天日に当ててカリカリに乾燥させます。その後、ふるいに掛けて石を取り除きます。この作業を怠るとフ−ドプロセッサ−を壊す原因になります。(怠慢な私は2年で3台壊しました。)


















飼育の準備 その4. 
このフ−ドプロセッサ−はDIYで3980円で購入しました。これは腐葉土と朽木マットを混合し、粉末にさせる為使用します。私の場合は腐葉土20リットルに対して、朽木マット4.5リットルを混合し産卵用に使用します。中型の飼育用プラスチックケ−ス1杯分の粉末マットを製作するのに殆ど1日かかります。フ−ドプロセッサ−が過熱すると故障してしまうので、冷却のために休み休み行います。細かい粉末マットは孵化直後の幼虫の生存率を高める目的と、保湿効果の向上を目的としています。時間と愛情を注ぎ込む事により、より多くの卵が成虫になるような気だけはします。















飼育の準備 その5. 
電動フ−ドプロセッサ−が高価で購入を悩む場合はこのような手動の物もあります。私はこれを980円で購入しました。なにせ手動なので体力が勝負です。これを使用した場合 、石が混入していたとしても回転数が低いので破壊される危険は少ないです。しかしとても疲れる。フ−。















飼育の準備 その6. 
マットが乾燥しないように霧を吹く「霧噴き?」です。私は最初、アイロンかけ用のカワイイ霧吹きを使用していたのですが、2年で4個壊しました。そこでこの薬剤噴霧器を購入しました。確かスーパーで3980円だったと思います。きっと貴方も何台も霧吹きを壊すでしょうから最初からこれ買った方が安上がりですよー。4リットル入るので、途中で水が無くなって蛇口に走る必要もありません。もし、クワガタ飼育に挫折しても、水鉄砲代わりにも使用出来ます。もし、夏にお子さんに水鉄砲で襲われたらこの水鉄砲版M60で応戦しましょう。奪われて返り討ちにあうでしょうけど。うーん、おかあさんの恐い顔が目に浮かびますね。やっぱりそうゆうのは止めときますかぁ!















飼育の準備 その7. 
卵・若齢幼虫回収に使用する「カニ食べるスプーン」です。400円位だったと思います。 マットや朽木を崩すのにも使用します。これだとプッチン死率(幼虫を刺し殺しちゃう事ね。)が低く押さえられます。何処にいるのか解らない幼虫をほじくり返すのですから、大きなスプ−ンだとかだと幼虫を避けきらないで、まともに幼虫を潰してしまいます。あと「焼き鳥の串」も良く使います。潜って出てこない幼虫に噛み付かせ、幼虫を釣り上げたりします。プラスチック容器を逆さまにしても、マットがへばり付いていて落ちて来ない時は、プラスチック容器とマットの間に串を入れてこじり逆さまにいて容器の底を叩きます。


飼育の準備 その8. 
卵から成虫までに3回の引越をします。大きな飼育ケ−ス・小さな飼育ケ−ス・ルア−ケ−ス(もしくはパ−ツ入れ)をス−パ−とかDIYなどで買います。特に沢山必要になるのは終齢幼虫・蛹用の小さな飼育ケ−スです。産卵・飼育がうまく成功すると1ペアから30近い幼虫が得られます。大きな飼育ケ−ス・ルア−ケ−スはだいたい1000円位です。小さな飼育ケ−スは300円位です。私の場合は小さな飼育ケ−スは通信販売でダ−ス単位で買っています。そうすると、1個150円位で買えます。











飼育の準備 その9. 
絶対、必要という訳ではありませんが、私は早く成長させたかったので温室を使用しました。温室を使用する事により変態のサイクルを調整する事が出来ます。温室はDIYの園芸コ−ナ−に売っています。シ−ズン後半は安くなりますので、まめに覗いて価格をチェックすると良いでしょう。3万円から2万円を少し切る価格帯が一般的です。メ−カ−としてはピカやアルインコが有名です。




















飼育の準備 その10. 
温室の中に必要なものも揃えます。サ−モとヒ−タ−でだいたい2万から1万円です。温室時計は大きく見やすいものがいいでしょう。温室内の温度を均一にするために、ファン も余裕があれば購入して下さい。サ−モは設定温度以下になった時にヒ−タ−の電源を入れるものなのですが、精度が甘く25度の設定で温室内温度が30度を超える事はたびたびあります。温室内の温度を均一にするためファンを使用します。私は秋葉原で正体不明のファンを1500円で購入して使ってます。バイメタルサ−モ(ヒ−タ−と組になっていて付いてくるやつ)よりも電子式サ−モの方が信頼出来ます。出来れば電子式サ−モの 購入をお勧めします。写真はその電子式サ−モで1万円位でした。


飼育の準備 その11. 
ヒ−タ−を使用していると非常に乾燥します。加湿のためにアルミ製のバットに水を入れておきます。1000円位です。

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