思い出しつつの後付け日記 1990 (3)

coelacanth



そういうわけで続きだ。まだまだ全体のほんの一部だが、今回は1990年の終 わりまでとしておこう。例によって他の人の部分は要約して掲載する。


11/21/90

(みやざき)さんから、そいつは難物だが近所からビンでも集めるか。糞で環境作りをする とは、見上げた虫だが自分は飲尿療法だけはかんべん願いたい、と。

11/21/90

(coelacanth)

いろんな文献で見ても、ハナムグリやカブトは雑居OKのようです。エサが不足しないよ うであればそれだけでほとんど十分。お手軽な奴らですね。わが家でも雑居で、問題は起 きていません。ときどき霧吹きで水分を補給しているくらいかな。

見上げた虫をビンの底から見上げているcoelacanth

11/26/90

(coelacanth)

11月終頃

さて、いよいよ11月23日からの3連休、伊豆への採集旅行である。

11月23日。昨夜3時間半程かかって車で来ていたので、朝1番ででかける。まずは友 人の自宅の裏山。大した期待はできない所とのことだったが、適当に枯れた木や倒木を崩 すと大小の幼虫が出てきた。カミキリ、クワガタ、その他いろいろいたがとにかくクワガ タだけ採る。始めたばかりなので、割合と小さな(5mmくらいの)ものも採る。友人の 家の裏には既に5cmクラスのを、2、30匹容器に木屑を詰めてもぐらせてあるのでこ んな小さいのはいらないのだが、発見してしまうとついつい採ってしまう。今回は大量の フィルムケースがあるのでそれに1匹づつ回りの木屑と一緒に入れ、出来る限り大量の木 屑をバケツに入れて持ち帰る。たまたまもう一人友人が東京から遊びに来ていたので、3 人で山でナタを振り回した。

次はいよいよ本命の場所へ友人の軽トラックで行く。道が険しく、狭いので軽の4WDで ないととても入れない。私有の農地なので普通の人なら入れないが、彼のトラックは社名 と「造園部」などという看板をしょっているし、知り合いなので誰もとがめない。という わけで全く手つかずの場所へいろいろと行けた。主にシイタケ栽培用のホダ木の腐ったの が束になって捨ててあるところへ行ったが、こういうのは全く教科書通りの腐った木が大 量にあるわけで、5cmクラスの幼虫があとからあとから、本当にどうでもよくなるほど 出てきた。木をナタで削り、食痕を見つけ、少しづつ追っていくのだ。この食痕につまっ ている木屑のようなものはかじった屑で糞とは違うようだ。こうしてくさらせたりして、 より食べ易くしておいてから戻ってきて食うそうだ。だから採集するときはこの屑を重点 的に取り出してバケツにとっておく。

あまりにボロボロになった木ではなく、そこそこ腐っててかなり湿ったところが好みのよ うだが、案外堅い木でも穴をあけて住んでいることがある。ただしこういうのは見つけて も傷つけずに取り出すのが大変だ。少しづつナイフで木を削ったりして疲れる。柔らかく て手でバサっと割れるようなのにいたときは楽でいい。白く腐ったところにいるものがほ とんどで、黒っぽくなった所にはほとんどいないのも教科書通りだった。また古い食痕と 新しいのはどうやって見分けるのかと思って悩んだが、実際に採ってみると幼虫がいる近 くの屑は回りの木と大差ない生木のような色で、新鮮な感じがするのですぐわかる。色自 体はなぜか赤い屑を作る奴もいた。種類が違うのだろうか?もうちょっと採れた時の状況 等詳しく分けて採集して記録すべきだが、たくさんいるとどうもズボラになる。

少しでも大型のや変わったのを探そうと思ったが、結果的には多分コクワガタと思われる のばかりほとんど100匹近く採ってしまう。この頃になると小さいのなど見向もしなく なってしまう。それにしても種類が同定できない。いくら専門誌の資料を見ても、クワガ タの幼虫なんか素人に判別できるものではなかった。ただ、これほど採ったのが全部コク ワガタとは信じられないというのが唯一の希望なのだが、越冬成虫などは(本によればい くらでもいそうなものなのに)やっと小さなコクワガタばかり4匹見つかった程度である 。ノコやミヤマやヒラタが採れればいうことはないのだが、こいつらは土中を好むという ので、後日さんざん掘ってみたりもしたがいない。本当に何種類かいるのだろうか?不安 なので、ついつい場所を変えては採集してしまう。別のホダ木捨て場を2、3あたり、更 には天然の朽ち木をあたったが大差ない。

最後に「桜の木には大物がいる」ようなことが本にあったので、気になっていた行きの道 沿いで見た桜の所で車を止めたが、友人は以前そこは見たけど木が堅くてだめだと言う。 直径40cm長さ1m程の桜の丸太が積んであるのだが、確かにたたくとカンカンという ようなほとんど生木みたいなもんだった。木の下の土にもいることがあるからとかなんと か言いながらこの丸太をひっくり返すと。。

3人とも「おおおっ!すげー、すげー!」と絶叫してしまった。そこには巨大なカブトム シの幼虫がゴロゴロと3匹も見えた。そのままさなぎになってもいい程でかい(まだ11 月だというのに!)。直径2cm以上、長さは10cmはあろうかという見事さ。ところ が回りを堀り、次々と木をひっくり返すと、どんどん出てきて、あまりの光景に3人とも あとはもうただの子供になってしまい、きゃーきゃーはしゃぎながら採りまくった。車で 寝ていた妻や息子も何事かと起きて来た。大騒ぎの後、帰り道で「2、30匹採ったかね ぇ?」などと話していたが家について数えてみたらとんでもない!なんと83匹いた。あ まりに興奮していてみんな何匹採ったのか全くわからなくなっていたのだ。

というわけで、1日目は予想外のカブトムシの大漁で終わった。これで後はもうボウズで 帰っても十二分に満足だ。

11月24日。今日はもう同じとこでいくらクワガタを採ってもきりがないということで 、天城山の方へ足をのばす。大した高山ではないがやはり樹相がかなり違う。いちばん上 の方では、かなり寒々とした木なのであきらめて、少し降り、昭和の森とかいう辺で探す 。木の種類は違うがなんとなくいそうな木があるので朽ち木をいろいろ崩したがなかなか 見つからない。やっと友人がひとつの当たり木を見つけ、6匹ほど発見。しかし相変わら ずの大きさ(5cm程度)だし、色その他特に特徴が違うわけでもない。やはりコクワガ タなんだろうか?山の斜面を動き回り、ズボンを泥だらけにしながら苦労したわりに今日 はこんなもんでおしまい。まぁこれ以上似たようなのばかり増えても困る。一応「天城産 」ということでビンにラベルを貼って別扱いする。

11月25日。今度もアプローチを変えようということで、初日に行ったホダ木捨て場も スコップで掘り返してみたりしたが何もいない。あまりに何もいないとついつい木を崩し ては似たようなのをまた採ってしまい、最後には100匹を越えてしまう。カブトのこと を思い出して冗談で「こんなのをひっくり返すとまたいたりしてね」などと言いながら友 人がさんざん探した場所の一角に何気なく転がっていた大きめのクヌギの丸太をどけると 、なんと本当にカブトの幼虫がまた6匹も出てきた。彼も相当探したらしいがやっぱりい るとこにはいるということだったのだ。道の脇の落ち葉などが積もったとこに横たわる木 をどけてみるというのが、これまでの経験から言えるカブト探しのポイントということに なる。腐葉土というが、本当に土にしか見えないところにいるのがちょっと意外だった。 また桜の木では下側の少し腐って皮の下に土が詰まったような感じのところにももぐりこ んでいた。

その後はまたいくつかホダ木捨て場をあたるが、結局きりがないので自然木を中心に探す 。とうとう本当にでかいクヌギと思われる切り株が腐ったのがいくつもあるところを見つ け、喜びいさんで崩す。まずはスコップで掘り出してしまい、広いところに運んでどんど んナタで砕く。根の部分は蟻が多いが、これまでの経験から、意外に蟻の巣のそばにも平 気で住んでいるということはわかっていた。かなり堅い部分もあるが丁度いい雰囲気のと ころもあった。友人はとうとうこの中から見つけたが、やっぱり見かけはほとんどこれま でと変わらない。最後の最後まで「コクワガタかねぇ?」という疑問だけは残ったまま、 採集は終りにした。

ということで帰ってきた。みやざきさんにはカブト20匹、クワガタ30匹程あげること になった。それにしてもうちの1匹のカブトに比べ天然物のでかいこと。あまり気にかけ てない人の巣箱の中から見つかったものなので、多分ふ化してからのエサの環境が悪かっ たのだろう。これから挽回できるだろうか?

クワガタ成虫はさすがに全く出て来ない。いよいよ冬眠だ。

伊豆恐るべしのcoelacanth

11/28/90

(みやざき)さんから、幼虫もらって感謝の意。カブトのはまるでナウシカのオームのよう だと。クワガタは住宅政策が難しいので妻とパニックになっている(どこも同じ問題が! )そうだ。

11/29/90

(coelacanth)

確かにオ−ムの風格がありますね。でも「森へお帰り」なんて声かけたら「連れてきたの はそっちだろうが」とか言われそうですので。

手でOKサインといってもその内側の空間じゃなくて、外輪めいっぱいくらいですから本 当にでかいですね。掴むと緊張してぐぐっと堅くなるのがなんとも不気味で気持ちいいで す。

ところで弟(中学の理科教師)にも10匹やって、学校にもってったのですが、最初の日 にいきなり全部死んだと電話が来たのでビックリしたのですが、実は酸欠で全部土の上に 出てきてグッタリしてるだけで次の日には全部息を吹かえしたそうでほっとしました。ク ワガタの方は乾燥を避けるためにフタに穴などあけないようにとか書いてあるのですがカ ブトの方はタッパ−に密封したりすると窒息しちゃうんですね。まぁしばらくはグッタリ するだけでしたが。でかいだけに酸素消費量も違うのしょう。いい勉強になりました。ほ か水のやりすぎでぐったりしたりとか危ういシ−ンが何度かありましたが、結果今のとこ ろ1つも死んではいません。

友人はあの場所にエサをとりにいって、また60匹もカブトをみつけたそうです。きりが ないね。

夜とか朝にはクワガタが木をかじる音が、ギギギって感じでよく聴こえます。クワガタは うちでもかなり住宅難なのでもっとあげようとたくらんでいたのですが、そっちも苦労し てるなら考えものですねぇ。。。

近所の林にいってエサの木を捜したのですが「おお、これならエサにいい」と思って持ち 帰った木片からは幼虫がザクザク12匹も出てきてしまいました。以前同じ林でいくつか 木を崩したのですが、その頃は経験がなかったので「クワガタの喰いそうな木」がわから なかったのですが、経験後はうまそうな木というのがわかり、実際にうまいので幼虫も住 んでいるということになったわけです。因果なもんです。おかげでまた増えてしまいまし た。それでも残りの部分の木からなんとか数10匹ぶんの木屑をあつめてかわいそうなフ ィルムケ−ス住いの幼虫達が集合ケ−ス住いに昇格しました。

 coelacanth

12/17/90

(coelacanth)

12月

季節外れの台風上陸の直後、12月1日はこれまたあんまりあったかいので、またクワガ タが出てきてしまった。それでももうこれが最後だろうというので、餌をやると同時に徹 底的にダニを取ってやり、土も全部電子レンジで消毒して、小さい入れ物に移した。4匹 とも元気でさかんにハチミツを吸ったりバナナにくいついていた。このときアゴの折れた コクワガタが、ピッと排泄するのを目撃した。クワガタもカブトみたいに飛ばすのだった 。カブトのよりは透明に見えたが、後で見ると容器(20cm×30cmくらいのフタ付 きタッパー)の上に沢山あとが付いていた。更に採集して増えていた、うんと小型のクワ ガタ5、6匹はまた別の1回り小さなタッパーにいれた。

こうして空いた60cm水槽は幼虫ランドにしてカブト幼虫だけ20匹入れた。なんだか んだで沢山、人にもあげたので今では家にはカブトは34匹となっている。なんか全滅が 恐いので他の容器にも少しわけ、また成長に差がでるかどうか実験も兼ねて、買ってきた 腐葉土(クワガタ・カブト用マット)だけのと、現地の土だけのとに5匹づつとか入れて ある。また最初からいる1匹は大きさが挽回できるかどうか見るために別にしてある。そ の他の幼虫はハナムグリらしいものが3種類(A種37、B種2、C種2)も別のタッパ ーだ。最近のタッパーは、整理用とかで積み重ねができるので便利だ。あとは主にビン詰 めのクワガタが、100以上というところだ。玄関にほとんど置いてあるが、狭くなった ので、でかいマンテンのスチールラックを買ってきて組み上げた。すごい眺めになってき たものである。

しばらくしてさらにビンが集まってきたので、発砲スチロール住まいの15匹を(これは 友人が始めに保管していてくれたものだ)ビンに移そうとしたのだが、これまたビックリ 。夜中にどうもスチロールをかじっている音はしていたが、開けてみるともうスチロール のところを選んだようにかじり進んで穴だらけになっている。底に1箇所穴がある他は、 外への穴はないのだが壁にそってずーっと、食痕ができているのだ。おまけにそこからか じったスチロールくずが、内部の木くずの部分の穴にもビッシリつめてある。スチロール があったかいからだろうか?なにしろ適度に堅いものをかじるのが好きなのではないだろ うかと思われた。まさか食っているわけではないだろう。おなかの透明な部分にもそんな ものは見えない(青いスチロールだからすぐわかる)。

ビン住まいのクワガタ達はそれぞれ元気だが、なぜかでかい丸タッパーの奴らがちっとも 下にもぐっていかず、上の方に留まってあまり動かない。まぁ最近はすごく寒いのでしょ うがないかとも思っていたが、スチロールから移動した奴はすぐさまもぐっていく。どう もこのタッパーの中は水を多くいれ過ぎ、それで下を嫌がっているような気がしたのでこ れからはフタを開けて乾燥させることにした。

この日に参ったのはカビである。成虫の冬眠用に電子レンジで消毒した土やら木は見事に 裏目に出て、2週間して見たらカビだらけなのだ。どうしょもないのでめだつところだけ 取って捨てた。まぁ死んだりはしないと思うのだが。しかし、カブトの幼虫ランドにもい くらか青カビがでているし、クワガタの幼虫が死んだビンの中などは見事にカビだらけだ 。やっぱり生きたクワガタ幼虫はカビを抑える力があるのかもしれない。その点カブトは ダメなんだろうか?とにかく全部捨てるわけにもいかず、めだつ所だけ取って捨てた。し かし夏中カビなんか出なかったのに、今時出るというのはどういうことだろう?やはり天 然の状態では、様々なバクテリアなどがいて、カビを抑えているのだろう。電子レンジの などは、正にカビを無菌培養してしまったのだろうし、市販の腐葉土だけってのも実はあ まりよくないのかもしれない。

 coelacanth

12/17/90

(みやざき)さんから、幼虫ランドの整理状況報告。カビの問題などについて。

12/18/90

(coelacanth)

まぁ確かにカビがでない方が変な気がするのですけど、自然界の朽ち木もそれほどカビだ らけなのは見ないし、夏には全然気にしてなかったけど、カブト・クワガタランドの下に しいてた腐葉土とか木が全然カビなかったのが今思えば不思議。しかし電子レンジ殺菌の 木は要観察ですね。うちでは全部手で崩して害虫(コメツキムシなど)のいないのを確認 しつつ、無殺菌のしかクワガタ幼虫には使ってないので。そっちでそれが大丈夫ならこっ ちも少しやってみるかな。何人かでやるといろいろやることが違ってためになりますね。 何人かと言えば、会社の同僚2人にあげたのが、1人は自宅に置くところがないというの で暖房ギンギンの会社のフロアにカブトを置いておいたところ、もう容器のほとんどがフ ンになっている状態です。暖かいので活動がうちのとは比較にならないようで、これはき っとこのペースでは正月に成虫になってしまうんじゃないかという感じです。もう一人も 自宅だが、部屋の中で暖房するので、かなりフンが目立つとのこと。これも夏までもたな いのでは?カブトムシのハウス養殖というわけだ。正月カブトの運命やいかに。うちのは みやざきさんところ以上に寒いらしくかろうじて生きていることを確認できる程度で、最 近はほとんど耕しもしないしフンもほとんどありません。少々部屋の中で飼うやつも試し てみようかという誘惑はあるのですが、正月に成虫になってもらってもかわいそうな感じ がするしなぁ。

 coelacanth

12/24/90

(coelacanth)

12月22日(土)

来年頭には是非、山梨の方にも行こうと思っていたが、この22日にも下見に行ってみよ うかということになった。みやざきさんも誘ったのだが正月はダメとのことで、今回の下 見の方で一緒に行くことになった。甲府北部、韮崎などの地形図を買い、広葉樹のありそ うなとこを見当をつけておく。

当日6時出発、韮崎インター8時に待ち合わせ。朝はものすごい霧ですぐにも迷子になり そうだったが、無線機をもっていたのですぐにおちあうことができた。今回車2台だった ので無線機は大変役にたった。こちらは妻と2人の子供、みやざきさんは息子さんと二人 である。

とりあえず、なんだかすごい細い道などをさ迷いながら、穂坂町の東あたりの山道脇で車 を止めてみる。ここらへんは杉、松も多いがさすがに有名な地域だけのことはあって、絵 に描いたような台場クヌギが沢山ある。2m位の高さで切ってあって、太さだけは50c m以上もあるような木で上に髪の毛のように細い枝が沢山出ている木だ。本にはオオクワ ガタの絶好の住処としてよく紹介されているが本物を見たのは初めてだった。これの枯れ たのがたまにあるが、さすがに有名な場所なのでどれもこれも先客がさんざん削った後が ある。2、3箇所道沿いに試してやっと最初の獲物がいた。台場クヌギが並んだ斜面にあ った切り株を堀り起こし、削ると幼虫が見えたのだ。体長4cm位。伊豆でさんざん採っ たサイズではある。近くで別の切り株を見つけ、「これは掘れば絶対いる」と私が主張し 、やってみたところ、クワガタはいなかったが相当に大きいカミキリの幼虫が出てきた。 みやざきさんは博愛主義者でカミキリでもいいとのことで採集。

本当は太い立ち枯れを攻めたいところだが、そんな理想的なのはさすがにもう手付かずで はありそうもないので、私は切り株を中心に攻めることに決めていた。切り株だと掘り起 こすのが面倒なのか、土の中の根の部分はオオクワは少ないと思われているせいか、少し 削ってあきらめたように残されたものがよくあった。みやざきさんは初めてなのでなんと なくいろいろ試行錯誤していたようだ。

上今井に抜けて南下し、敷島町の方へ昇り亀沢というところを越えたあたりで、農道に入 り、とりあえず昼飯。私はカップヌードルにあたって吐く、などというとんでもないハプ ニングがあったがとりあえず元気で、食後に採集再開。近くの斜面には台場クヌギが見事 に並んでいて、枯れたのは見事に削られている。また切り株を削ってあきらめたのがあっ たので、スコップで掘り起こし削る。この木は大当たりで、これまで(伊豆のも含めて) で最大の幼虫を2匹、中型を1匹、カミキリの巨大幼虫2匹が出てきた。クワガタ幼虫は なんだかわからないが、初めてこれはいくらなんでも絶対コクワガタではないという確信 をもてるものだった。オオクワ、ミヤマ、ヒラタ、ノコのどれかだろう。ほぼ大人の人差 し指1本位はあり、頭も大きい。採集時に2匹とも口から茶色の液を出したのでてっきり アゴを傷付けたと思って悲しかったのだが(傷付くとこいつらは必ず死ぬ)、家でまたよ く見るとどうも全然ケガなどしていない。防御反応みたいなもので、口から液を吐いただ けのようだ。家でコーヒービンに木屑と共につめると、一晩でしっかりと奥にもぐりこん でいた。2日たった今日も元気だ。まずはめでたい。でかいカミキリは固い根の部分に囲 まれて幼虫を傷つけずに木を削るのに相当難儀したが、是非持って帰りたいとみやざきさ んがいうのでかなりねばってやっとこ採った。

次は、昇仙峡の方へ行く途中で試す。さすがに冬至なので日が短い。もう4時位になって しまい、明るさからいってタイムリミットである。ここでなきゃおしまいというつもりで 車を止めたところであちこち削ったが何もなし。最後に、細い倒木を「何もないよりはま ぁいいか」と削るとクワガタ幼虫、中、小各1が出て来た。中はみやざきさんに、小は私 にと分ける。ということで採集は終わり。今回は下見ということもあり、また大物狙いで 切り株中心だったのでこの位の収穫でも十分だと思う(私=大2、中2、小1、みやざき さん=中2、巨大カミキリ3、みやざきさんはもう1匹、穂坂町のところでクワガタ幼虫 も採ったのだったかな?忘れてしまった)。

採集は肉体労働で、ナタを振り回した右腕中心に筋肉痛が残るが、冬の昆虫採集というの はやっぱりなんだかとても楽しい。あんまり楽しかったので今度は1月にはそこらの温泉 にでも泊まって1泊2日でいくか、などと妻と話している今日この頃のcoelacan thである。

12/26/90

(coelacanth)

昨日、特大の片方だけがやけに元気がなく、掘った穴の上の方で動かないでいたので、と りあえず写真とりやすい位置だったので接写し、よくル−ペで観察してみたら鼻毛(後述 )が4本あった。死んだかと思ってすごく心配したが(もう一方は元気に動き回っていた のに、こっちは息かけてもこよりでつついても動かないので)暖かい部屋にしばらくおい たら動きだした。

で、この鼻毛(鼻があるわけではないが、頭部のちょうどそんな位置に毛が何本かはえて いる)が4本は例のクワガタおたく雑誌の幼虫識別法によるとミヤマクワガタだけだった 。ということでこいつはほぼ間違いなくミヤマです。オオクワではなかったものの、ミヤ マだって成虫なんか触ったこともないので今から楽しみ(と同時にちょっと心配、羽化す るまでが。。。)。

coelacanth



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