ホーム

高機能なモノクロ化
レンジマッチング法 写真家のカラーマネジメント 高機能なモノクロ化

 

新しいページ 1

べた塗りレイヤーを利用したモノクロ化

この方法は、Elementsでも可能であり、フィルター効果を連続的に変化させることもできるので一番のお勧めです。また、8bit、16bitデータに関わりなく適用できます。

まず、画像のプロファイルを確認しておきます。

◆ RGB画像のプロファイルをsRGBに変換する
  Adobe RGB で撮影・スキャンした画像の場合、sRGBモードに変換します。
  PX-5500のモノクロ印刷がsRGBカラースペースを前提として設計されているからです。        
  その他のプリンタを利用する場合も同様です。

最終的な画像のレイヤー構成は下図のようになります。(Elementsの場合、トーンカーブはなくても良い、というか、使用できません)


Photoshop Elements 2.0 を使用した例で説明します。EL 3.0 、Photoshop CS でも同様の手順です。

◆ 「レイヤー」⇒「新規塗りつぶしレイヤー」⇒「べた塗り」を選択します。
◆ 「OK」するとカラーピッカーが表示されます。このレイヤーが、カメラでいえばレンズの前のフィルターに相当します。色は白黒以外なら何でも良いのですが、オレンジフィルターにしておきましょうか。

◆ 色が決まったらOKします。このままでは下の画像が見えません。レイヤーの描画モードを「通常」から「カラー」に変えます。これで下の画像にフィルターが掛かったように表示されます。


◆ 次に、「レイヤー」⇒「新規調整レイヤー」⇒「色相・彩度」を選択します。ダイアログが表示されたら、「下のレイヤーとグループ化」に必ずチェックを入れてください。このレイヤーの効果はすぐ下のべた塗りレイヤーにしか影響しないという設定です。

◆ OKすると「色相・彩度」を変更するダイアログが出ますが、ここでは変更をせずにOKを押してダイアログを閉じます。

◆ 次に、もうひとつ同じ「色相・彩度」レイヤーを追加します。、「レイヤー」⇒「新規調整レイヤー」⇒「色相・彩度」を選択します。このレイヤーは「下のレイヤーとグループ化」にチェックは入れません。レイヤー名は分かりやすく「モノクロ化」としておきます。

  OKして下のダイアログが表示されたら、「彩度スライダー」を左端に持っていって「-100」にします。「色彩の統一」にはチェックを入れないでください。

画像がモノクロ画像になりました。これでモノクロ化のレイヤー構成は終わりです。


おもしろいのはこれからです。

◆ 早速この「べた塗りレイヤー」法の効果を試してみましょう。グループ化した「色相・彩度」レイヤーのサムネール(下図の赤印)をダブルクリックして「色相・彩度」ダイアログを表示します。

◆ 下のダイアログが表示されるので、こんどは「色相」スライダーを操作します。
マウスでこのスライダーを左右に動かしてください。元画像のモノクロ調子が変化します。

どうですか、さまざまな色のフィルターに取り替えたように連続的にモノクロの調子が変わるでしょう。適用している現在のフィルター色を確認するには、一番上の「モノクロ化」レイヤーを「非表示」にすると良いでしょう。


基本的なレイヤー構成はこれだけですが、更に「レベル補正」・「トーンカーブ」レイヤーを追加しておきましょう。

◆ 一番下の「背景」レイヤーをクリックして有効にします。「レイヤー」⇒「新規調整レイヤー」⇒「レベル補正」を選択します。

  1. 「レベル補正」レイヤーは「背景」のすぐ上に追加します。(Elements はここまでです。)
  2. CSの場合は、「トンカーブ」を一番上に追加します。

「レベル補正」はシャドー部の「つぶしてもよい領域」とハイライト部の「飛んでもよい領域」を指定し、中間調の明暗を決定するものです。作者の作画意図に応じて調整します。

◆ 画像を開くたびに、これらのレイヤーを追加するのは大変です。レイヤーはマウスのドラッグ&ドロップでコピーすることができますから、小さいサイズの画像レイヤーを設定しておき、新しく開いた画像にコピーすれば簡単です。(CSの場合はアクションに登録しておいても良いでしょう)