ネット上で、未知の人(団体等)に直接質問や依頼などする「ルール」
「インターネット時代」のおかげで、なにか得たい情報を、サーチエンジンを使って一気に検索し、世界中からピックアップしてくる、といったことが容易にできるようになった。もちろん、WEBサイトとして公開されている情報だけでなく、その「発信元」にさらに質問・問い合わせをする、といったこともできる。たしかに便利なことだけれど、その相手の立場に立ってみれば、人間同士の「対話」や「交流」において、当然守らなければならないルールというものもあるだろう。
ところがネット上での気軽さ・気安さからか(なにしろ、足を運ぶ必要がない、それどころか、電話のように相手と直接やりとりすることもない)、実に安易な姿勢でのぞんで、とんでもない「礼儀知らず」ぶりを振りまいている向きがありそうである。お互い「顔が見えない」、「未知のあいだ同士」であればこそ、ルールを守らないと、大変な迷惑と誤解と不快を振りまくことになる恐れ大であると、心せねばならない。
その基本は、個人対個人という「信頼関係」の大切さの自覚と、いい意味での「コスト意識」(相手に費やさせた時間と労力というかたちで)であると言える。
ともかく、相手にメイルを送るのであろうが、WEBページ上のBBS掲示板などに書き込むのであろうが、守るべきことはおのずと決まってくる。
1.自分の存在をあかす。「匿名」「バンドル名」などは許されない。相手は存在を明示しているのだから。
ひとにものを尋ねるのに、闇討ちじゃああるまいし、自分は暗闇に隠れて、などということがあり得るだろうか。
いくらネット上で顔が見えないからといったって、自分の氏名、所属(勤務先、学校など)、メイルアドレスくらい記すことは、最低限必要だろう。
何に使われるのかわからないのに、きちんとした答えが返ってくるはずはない。また、そうした意図などが分からないと、答えようもない場合も多い。
3.通常の手紙などと同様、きちんと前置きなど書く。
未知の人に突然、「○○について教えてください」などという手紙や電話をおくる人間がいるだろうか。まず、あいさつくらいするものだろう。
どこの世界にだって、ひとにものを頼んで、相手に手間と時間をかけさせて、礼の一つも言わないことはあり得ない。不特定のところからの質問や問い合わせにこたえるのが仕事の、「役所」などであったってそうである。
まして、個人が善意で、ボランティアとして運営し、こたえているところに、いきなり質問をぶつけ、相手を奔走させておきながら、それを当然といった顔で受け取るといったことは、最悪の「礼儀知らず」である。
メイルなどであらためて返事が来たときには、「届きました」と(できるだけ速やかに)返事を記すのが世の中のルールである。そうでないと、送った方も不安になるし、「拍子抜け」である。その際、返事に添えてうえの「礼」を記すのも、ごくあたりまえのことになる。
6.よく相手を確かめる
これは望ましくは、だけれど。
どう見ても、気軽に、手当たり次第に「問い合わせ」を送る人がいる。デジタル情報の便利さで、「以下同文」を大量にあちこち送るのも簡単なのは事実だが、もらう方はたまらない。そもそも、そのような質問や問い合わせにこたえられるところなのか、もっとよい問い合わせ先がほかにあるんじゃないのか、そういったことを事前に「公開情報」のうちから確認できるのも、WEBのよさ便利さである。
よく調べもしないで、なにか返ってくればもうけもの程度で、ずれてる問い合わせのバラまきなど、やるものではない。
*ちなみに、こういった「礼を失する」メイルやら書き込みやらを、WEB上に「店を出している」私も、ずいぶん経験してきた。
一番すごかったのは、「WEB上のゼミページで見た、ゼミの出した『報告書』を送ってくれ」という、名前と住所のみのメイルの依頼で、それでも相当額の郵送料をかけて送ってやったら、それっきり、届いたのかどうかさえも返事なしであった。
こういったことは、大学が「宣伝用」に、いつでもフリーでやっている程度のものだと、勘違いでもしているんじゃないだろうか。
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