用語辞典

解  説

お布施

   仏事の中で困るのが「お布施」でしょう。元々は、インドで、僧侶にその衣服となる「布」を差し上げた事から来ている言葉です。転じて、現在では、法事、読経の謝礼に、僧侶に渡す物を指し示します。通常は、金銭、または物品によって行われます。

   では、その金額の相場はあるのかと言えば、その寺院によって、歴史的にそれまでの檀家が包んできた金額と言う物があり、それが、受取手の寺院にとっても常識となり、相場となっている場合が多いです。ですから、葬儀の布施が、百万円の場合もありますし、数十万円の場合もあります。

   ただ、心得ておいてもらいたいのが、金銭の多寡は、故人の供養には何の関わりもないと言う事です。金銭の額で、往生が決まるわけではありません。

   それでは何故、多額の金銭を布施として納めるかと言えば、一つには仏教を伝える器である寺院を維持していく為であり、もう一つは、布施と言う行為そのものにあります。人に施すことによって、善行という徳を積み、人格が磨かれ、社会的に尊敬を得るためです。

   昨今では、僧侶にも様々な人々がいます。布施の金額の話ばかりしたり、金額にこだわるような僧侶は見限った方が良いでしょう。また、先にも記しましたように、金額の多寡は問題ではありません。布施をあげる方の気持ちに相応する金額を出せば良いのです。気持ちはあっても金銭がない場合は、日々の供養を心がけることで充分です。また、僧侶に事情を話しても催促されるようでは、それこそ、そのような僧侶とは付き合わないようにした方が良いでしょう。