社説1 来季からの新規参入を認めるべきだ(9/19)

 プロ野球が史上初めてのストライキに突入した。残念でならない。この週末、セ・リーグは中日―巨人の最後の首位攻防戦が行われ、パ・リーグはプレーオフ 進出を賭けた大詰めの攻防戦が繰り広げられるはずだった。選手会側が要求した「来季からの新規参入」がなぜ認められないのか、日本プロ野球組織(NPB) と球団側が明確な説明をしない限り、ファンも納得しないだろう。

 プロ野球ストの影響はペナントレースの球趣を損ない、球団や選手に実害を与えることにとどまらない。前売り入場券を持っていたファンの落胆は大きいし、 球場内の売店やアルバイト、球場周辺の商店や交通機関にも実害を及ぼす。その影響の大きさを考えれば、球団側も選手会側もスト回避にもっと全力を尽くすべ きだった。

 不可解なのはNPB・球団側の対応である。新規参入を妨げていた加盟料60億円、参加料30億円を撤廃し、新たに保証金制度を導入して新規参入を促すとしながら、選手会側が求めた「来季からの新規参入」を「審査に時間がかかる」という理由で拒否したのは説得力に乏しい。

 すでにIT企業のライブドアが宮城県の支援を得て加盟申請し、近日中には同じIT企業の楽天が加盟申請する予定だ。このほかにも手を挙げる企業が取りざ たされている。プロ野球を担うにふさわしいかどうかを十分に審査する必要はあるが、はじめから「来年はダメ」と決めつけるのはおかしい。表向きは新規参入 を促す制度に変えて、実際は審査の段階で新規参入を排除するようなことがあってはならない。

 来季のセ6球団、パ5球団の体制では交流戦を導入しても日程の編成に無理が生じ、特にパ・リーグの運営は相当困難になることが予想される。にもかかわら ず、NPB・球団側が「来季パ5球団」にこだわるのは理解に苦しむところである。再来年はもう1球団削減して10球団体制にすることをめざす一部球団の思 惑に振り回された結果だとしたら実に残念である。選手会側もそうした疑念をぬぐいきれなかったのだろう。

 親会社の経営不振や球団経営の行き詰まりで撤退を余儀なくされ、新たな買い手が見つからなければ、合併で球団数が減るのも仕方のないことである。しか し、新規参入を意図的に妨げ、当該球団の意思を無視した強引な合併で球団数を減らすような不透明なやり方は好ましくない。NPB・球団側はファンの視線を 意識し、公明正大な手法でプロ野球の改革に取り組むべきである。


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