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「教えて君 と 知ったか君」 の巻
 

述べ訪問者 :  (since 07, Mar./2005)
◎2005-01-08 : 新製、校正開始  ◎2005-03-07 : 公開
2006-12-06 : 誤記訂正                   .

 
 1.起
   ↓
 2.承
   ↓
 3.転
   ↓
 4.結
   ↓
 5.所見
    ↓
 6.まとめ
 
 
 1.起 (具体例に見る 「教えて君」、「知ったか君」 の傾向)
技術系 WEB サイトの掲示板では、初心者同士の間で繰り返し質問されて ベテラン同士の間で繰り返し回答されるような、”定番の問答(FAQ)” を目にすることがある。

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  【FAQ】
  Frequently Asked Questions
  もともとは、読んで字のごとく 「頻繁に尋ねられる質問」 を意味する頭文字。
  広義では、質問と回答とをセットにし、「よくある質問とその回答の事例集」
  を指すことが多い。

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例えば、Microsoft(R) の Windows(R) に関する掲示板では OSのアップグレード に関する話題であったり、インターネットプロバイダのユーザー掲示板では 迷惑メールの受信拒否 に関する設定方法、あるいはパソコン周辺機器のユーザー掲示板では 無線LAN の設定に関する話題、といった具合である。

こうした掲示板では、”注意書き” として最低限の投稿ルールが規定されていることがあるが、それとは別に、投稿者 (常連さん) たちの間で自然発生的に確立されてきた ”ローカルルール” が存在することもある。

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  【ローカルルール】
  古くはパソコン通信 NIFTY-Serve の会議室でよく見られた 「スレッド表示が
  可能な会議室では、他者の引用は控えめに」 とか 「発言には適当な位置で
  改行を入れる」 といった基本的なものから、最近では2ちゃんねる掲示板で
  よく見られる 「厨房の煽り発言は無視」 などといったものまである。

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「質問者−回答者」 の間で紳士的でマナーの良い情報交換が成り立っている場合は、各自がこうした ”注意書き” や ”ローカルルール” を守りながら投稿しているおかげである・・・と言っても良いだろう。

情報化社会と呼ばれる現代においては、このようにインターネット (WEBサイト) を通じて実に様々な情報交換が可能となった。しかしその一方で、欲しい情報を自らの手で探し出す努力をしないで、短絡的に直接ズバリの回答を他人に聞き回る人々も多く現れるようになってしまった。・・・いわゆる 「教えて君(※注1)」 のことである。

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  【教えて君】
  oshiete-kun
  掲示板の雰囲気や前後の ”場” の流れを読まず、あいさつもそこそこに身勝手
  な質問を書き込んでいく人々。複数の掲示板に同じ内容の投稿をする行為は、
  しばしば見受けられる。仮に丁寧な回答が得られたとしても、多くの場合、それ
  に対するお礼の言葉も無く勝手に消えていくか、あるいはしつこく何度も質問を
  繰り返す存在である。別名: 「クレクレ君」 とも言う。

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もちろん、自分が知らないことを他人に聞くことは ごく自然なことであるし、また しかるべき人に聞いた方が、自分ひとりで情報を探し回るよりも はるかに効率よく結果が得られることもある。だが 「教えて君」 に限っては、その聞き方が実に身勝手なだけでなく、大いにネットマナーに欠ける場合が多い・・・と言わざるを得ないのだ。

たとえばクルマ関係の掲示板に目を移すと、内容的にはFAQに分類されるものの、実際には単に発言者の身勝手な都合が色濃く反映されただけの質問(駄問)が見受けられることがある。さらにその中でも ・・・ 特にスバル系の掲示板では ・・・ 「ツッコミどころ満載のネタが含まれている?」 とさえ感じられるものまである。まことに不思議な (憂うべき) 現象である。

こうした身勝手な発言は、匿名での投稿が可能な巨大掲示板群は もとより、個人が趣味で開いたサイトの掲示板でも散見され、各管理人たちを悩ませているようだ。というのも、管理人である以上、それらを放置するわけにもいかず、マナーの欠けた投稿に対しても何らかの対応を取らなければならないからだ。

以下、そのような発言の具体例をいくつか挙げてみよう。

 【 例 1 】

初めまして。早速質問ですが(※注2)、
6MT化するには何が必要ですか。
工賃も教えて下さい、よろしく!

. 
 【 例 2 】

いつも掲示板を拝見してます(※注3)。
こんどCPUを換えようと思ってるんですけど。
新発売になったZ社の S.P.DATAR と M社の VX−ROM、
どっちが良いですかね(※注4)?

. 
 【 例 3 】

教えて下さい、燃費が悪くて困ってます。
NAに最適なアーシングポイントってどこですか?
私にも作業できますか(※注5)?
パワーも上がりますか? クルマはBHです。

これらはすべて、いわゆる 「教えて君」 と呼ばれる人々の発言である。質問者ではなく、回答者 (相手) の立場になって考えてみると、これらの発言の 「身勝手さ」 がより一層 理解されると思う。

◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

さて、そうした 「教えて君」 がいる一方で、掲示板には いわゆる 「知ったか君」 と呼ばれる人々が存在することも周知の事実である。「知ったか君」 の書き込みは、当然ながらウンチクを語る口調のものが多いが、果たして本当にウンチクが正しく披露されているかどうかは疑問である。

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   【知ったか君】
   shittaka-kun
   読んで字のごとく、実際には知らないことまで (知ったふりをして) もっともらしく発言する人々

   のことで、客観的な事実と私的な想像との切り分けができないことが最大の特徴である。
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   【ウンチク(蘊蓄)】
   un-chiku
   深く研究して身につけ、積み蓄えた知識。(用例):「― の深さを示す」
   あるいは、自身に蓄えること。(用例):「― を傾ける(蓄えている知識のすべてを傾注する)」

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以下、いわゆる 「知ったか君」 についても、発言の具体例を挙げてみよう。

 【 例 4 】

スバルのエンジンは水平対抗なので(※注6)、
ピストンリングの下側が摩耗する(※注7)。
だからオイルはエステル系の100%化学合成油に限るのだ(※注8)。

. 
 【 例 5 】

今度のレガシィの年改は5月に決まり!
友人の知人がスバルに勤めているからね(※注9)。
アプライドモデルC→D型になれば、ビックマイナーチェンジで間違いナシ(※注10)!
デザインも大幅に変わるから、現行モデルが気に入っている人は、Dらーに急げ!

. 
 【 例 6 】

1速が固くて入りにくいのは、スバルのMTはガラスのミッションだからだね。
何て言ったって、1速はシンクロじゃないからね(※注11)。

スバル系の掲示板を巡回したことのある人たちは、上で示したようなやりとりを少なくとも一度は見たことがあるハズだ。いわゆる 「知ったか君」 については、自分の思うところを素直に述べること自体は悪くはないが、根拠の無いことをあたかも真実であるかのように語る行為は、決して容認されるべきではない

◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

・・・ふぅ。それにしても、このページの 「つかみ」 (=第1章の話題導入部) だけで、こんなにもツッコミができるとは思わなんだ。実は上記の例では (※注2)〜(※注11)以外にも細かなツッコミどころがあるのだが、キリが無いのでやめておく

ということで、今回はこのような 「教えて君」 や 「知ったか君」 について取り上げてみたい。
                    (↑今回のお題目はコレ)
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(※注1):教えて君
「教えて君」 については、別ページ: 「親(回答者)の心、子(質問者)知らず の巻」 で詳しく述べているので、お時間のある時に精読されたし。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(※注2):早速質問ですが
初めての書き込みなのに自己紹介らしきものも無く、いきなり質問を投下していくのが 「教えて君」 の最大の特徴である。

(※注3):いつも拝見してます
このような文頭フレーズは、社交辞令として誰にでも書けるため、「教えて君」 が本当に 「いつも拝見している」 かどうかは まったく謎である。それどころか、いつも見ていない可能性の方が高いと思われる。

(※注4):どっちが良いですかね
両者を比較するなら、「どちらも体験したことがある人」 に聞かないと、よく判らないだろうに。まぁ、各社ECUが新発売されると同時に比較装着した個人ユーザーなんて、まずいないだろうけどな。比較どころか、どちらか一方のECUさえ体験したことの無い管理人は、返答に窮すること請け合いだ。どっちが良いかは自分で決めろ。そして まず お前が買ってみて、その結果をみんなに報告するのだ!

(※注5):私にも作業できますか
あんたが作業できるかどうか、どうして他人に判断できるのだ?!・・・いや、こうした質問をすること自体、自ら 「できない」 と公言しているようなものか・・・。

 

 

 

(※注6):水平対抗
細かい指摘で恐縮だが、正しくは 「水平対向(Horizontally Opposed)」 である。レガシィをレガシーと表記するようなものであるが、こうした指摘をあまりしつこく繰り返すと、逆に 「スバヲタ」 などと認定されてしまうため、ほどほどに、やんわりと相手に知らせるのが良いだろう。

(※注7):下側が摩耗する
文面だけでは 「水平対向なので」 と 「下側が摩耗する」 の因果関係が不明である。どのような根拠があって、そうした傾向が確認できたのだろうか? ピストンスカート部のプロフィールや筒内燃焼圧も考慮した ”動的な” 挙動を解析した結果なのだろうか? ・・・いや、単に雑誌広告の宣伝文句の受け売りからであろう。

(※注8):100%化学合成油に限る
もしも本当に 「〜に限る」 のならば、メーカー指定のスバル純正オイルでさえも鉱物油(一部は部分合成油)なのでダメ・・・ということになってしまうが?

(※注9):友人の知人
あんたにとって、それは 「まったくの他人」 じゃねぇか。実際に会って会話でもしたんか? ・・・いや、仮に会話できたとしても、スバルに勤務する者の口からそんな重要な機密が直接漏れることは、まず無いだろうに。

(※注10):ビックマイナーチェンジで間違いナシ
この場合、「ビッ(bic ?)」 ではなく 「ビッ(big)」 が正解だから、間違いアリだろう。また、年改符号がC→Dになるからといってビッグマイナーチェンジになるとは限らない点でも、間違いアリだ。

(※注11):シンクロじゃない
1速にシンクロ機構が無いだなんて、いつの時代の話なのだろうか? スバル360(昭和33年〜)のころか? ”ガラスの〜” の例え話も、シンデレラの靴じゃあるまいに・・・。
 

 2.承 (「教えて君/知ったか君」 度合い のチェック)
いわゆる 「教えて君」 や 「知ったか君」 の書き込みは、その内容が自己中心的であることに加え、独特の文体や雰囲気に包まれていることが多い。その結果、掲示板の発言の中では ひときわ異彩を放つことになる。

以下、「教えて君」 の発言に見られる特徴について、代表的な49項目をピックアップしてみた。これらを見て、もしも自分に該当するものがある人々は注意が必要だ。諸君自身が 「教えて君」 かもしれないからだ。過去や現在だけでなく、将来も WEB サイトの掲示板 を利用する見込みのある人は、果たして自分に該当する項目が有るのか無いのか、念のためその数を確認しながら読み進んでいって欲しい。

<表1:「教えて君」 に見られる49の特徴/〜あなたの 「教えて君」 度をチェック〜>

■登場編
(1)初めて登場したのに、名乗らない。自己紹介らしきものもない。
(2)書き出しが、「初めまして。早速質問ですが〜」 となっている。
(3)車名やグレード名、年式といった基本情報を書かず、いきなり質問や愚痴を展開する。
(4)掲示板の過去ログを見ないで質問・・・は当たり前。時には現行ログすら見ないこともある。
(5)個人管理の掲示板はメーカーの公式サポート掲示板ではないのに、質問には何でも答えてもらえると思い込んで投稿する。
 
■性急編
(6)パーツの作動原理やセッティングの考え方の説明を嫌い、最終的な数値(結論)のみを欲しがる。
(7)質問直後から昼夜問わずに掲示板をリロード(再読み込み)し、アクセスカウンターを急増させる。
(8)充分に待てず、すぐに返答が来ないと勝手に質問を自己削除して早々に消え去ってしまう。
 
■怠慢編
(9)掲示板で聞くヒマがあったら、さっさとディーラーで車輌を診てもらった方が良い内容である。
(10)ディーラーでの検診を勧めると、「改造車だから」 と言って症状を診てもらうことさえ躊躇する。
(11)問題解決に向けて自分で確認したり試したものはなく、すべて相手の力に頼り切って質問をする。
(12)相手には 「詳しく教えて!」 と求めながら、自分では 「症状は全部書き切れません」 と省略する。
(13)質問内容が情報不足のため 「詳しく症状を教えて下さい」 と問い直すと、それっきり現れなくなる。
 
■欠落編
(14)脳内フィルターにより、都合の良い情報は誇張し、都合の悪い情報は省略される傾向がある。
(15)情報を小出しにする。説明不足を問われて初めて、関連する重要情報を おもむろに付け足す。
(16)「詳細を教えて下さい」 と書きながら、結局 何について知りたいのか、その目的を書いていない。
(17)私の近所に良い店はないですか?と質問しておきながら、自分の居住地(都道府県)を書かない。
 
■偽装編
(18)「いつも拝見してます」 と書きながら、実は検索ページから飛んで来たので、サイト訪問は初めてだ。
(19)「管理人さん助けて!」 と書いていても、実はその管理人が誰なのか、名前も把握していない。
(20)早く答えが欲しいので、発言が注目されるように、若い女性の年齢やハンドルネームで質問する。
 
■記述編
(21)「大変です!!異音がします!大丈夫でしょうか!!」 などと文末ごとに 「!」 マークを多用する。
(22)とりあえず何でも先に謝りの言葉を載せておけばいいと思っている。
(23)改行せず、文章をすべて1行につなげて書くので見づらい。
(24)そんな見づらい文章を、複数の掲示板に同じ文面のままコピー投稿 (マルチポスト) する。
(25)投稿後に見づらいことに気が付いても、削除キーを設定し忘れたので自己削除できない。
(26)手当たり次第にマルチポストしたので、最後には自分でもどこに投稿したのか分からなくなる。
 
■他力編
(27)「スバル車は初めてなので教えて下さい」 と言って、どのクルマにも共通の一般的な質問をする。
(28)「当方、何も知らない初心者です」 というセリフを、何でも教えてもらえる免罪符と勘違いしている。
(29)そのサイト内のページや記事とはまったく関係のない質問を、サイト管理人に名指しで聞いてくる。
(30)管理人が装着したこともないパーツのインプレッションを、その管理人に聞いてくる。
(31)「○○○さん、回答お願いします!」 などと、公の掲示板で平気で勝手に相手を指名する。
(32)指名した相手のハンドルネームを書き間違え、結果として全くの別人を呼びつけ召還してしまう。
 
■横暴編
(33)「もしも○○だったら」 という、最初からあり得ない空想を前提条件に挙げ、不毛な質問をする。
(34)まだ世の中に発売されていない車種やグレードについての質問を、次々に聞き回る。
(35)「来週クルマを使うので ○○(←日付)までに教えて下さい」 と 勝手に回答期限を指定する。
(36)「情報があれば直接 ”XXXX@hotmail.co.jp” までメールを」 と 勝手に回答方法まで指定する。
(37)「答えにくい質問ですいません!」 と言って答えにくい抽象的な質問をする。
(38)「わかる人、教えて下さい」 と書いておきながら、わかる人がいなくて放置されると 激怒する。
(39)「くだらない質問ですいません」 と書いておきながら、本当にくだらないと指摘されると 激怒する。
(40)「素人の私に分かるように教えて下さい」と言って、その理解レベルを測りかねる回答者を困らせる。
(41)DIYの作業途中で行き詰まり、ショップにも見放され、結局検索サイトから掲示板に飛んでくる。
(42)仮に丁寧なコメントや回答が得られても、2度目の登場 (その後のお礼の書き込み) は無い。
 
■無配慮編
(43)原爆被災者でもないのに 「被爆しました!その被爆パーツはいくらで買えます?」 などと聞き回る。
(44)戦争でもないのに 「必ず襲撃しに逝きます!次回オフミはどこで何台集めます?」 などと聞き回る。
 
■番外編
(45)オークションの出品者に直接質問せず、関係の無い掲示板でその出品物の情報を聞いてくる。
(46)アフターパーツメーカーに、そのメーカーとは関係のない他社製品の仕様や問い合わせをする。
(47)さんざんパーツのインプレッションを聞き回った挙げ句、「結局お金がないので買えません」 と言う。
(48)さんざん質問を繰り返した挙げ句、「事故って他社に乗り換えるのでアドバイスは不要になりました」 と言う。
(49)質問時に 「教えてくれたら○○します」 と宣言しながら、回答をもらった後に実際に○○した試しは無い(※注12)
 
■自由記述編
(50)
 

独断ではあるが、上記49項目のうち、該当する項目数により

  ◎ 4個以下 の人  ・・・  ごく普通の投稿者
  ◎ 5〜 8個 の人  ・・・  要注意投稿者(= 「教えて君」 予備軍)
  ◎ 9〜12個 の人  ・・・  すでに立派な 「教えて君」
  ◎ 13〜15個 の人  ・・・  本人の努力次第では矯正可能な 「教えて君」
  ◎ 16〜18個 の人  ・・・  もはや矯正困難な 「教えて君」
  ◎ 19〜21個 の人  ・・・  掲示板への出入り禁止
  ◎ 22個以上 の人  ・・・  _| ̄|○ → _| ̄|.......((○ コロコロ

と考えて良いのではないだろうか。

本来ならば、統計的手法により各項目ごとに点数で重み付け (被害度の大小の数値化) をして、該当する項目ごとにその点数を頻度で掛け合わせて処理したものの総合得点によって ”「教えて君」 度合い” を判定したいところであるが、仮にそのような判定システムを作ったところで酒の肴 (さかな) にしかならないので、これ以上深く追求するのはやめておく。したがって、上記判定は、目安程度のものとしてご理解いただきたい。

次に 「知ったか君」 についても分析してみよう。以下、「知ったか君」 の発言に見られる特徴について、同様に代表的な49項目をピックアップしてみた。これらを見て、もしも自分に該当するものが少しでもある人々は注意が必要だ。諸君自身が 「知ったか君」 かもしれないからだ。

<表2:「知ったか君」 に見られる49の特徴/〜あなたの 「知ったか君」 度をチェック〜>

■傾向編
(1)発言の際、事実と推定(または想像)を区別せずに書く。
(2)情報を紹介する際、その情報源(ソース)を示さない。
(3)業界用語のつもりで隠語や省略語を使いたがる。
(4)必要以上に技術用語や専門用語(Technical terms)を ちりばめる。
(5)その割には、それらの用語の正確な意味を理解していない。
(6)実際には大した事ではないことまで、大げさに誇張する。
 
■性癖編
(7)聞かれてもいないことまで、自慢げにペラペラと語るクセがある。
(8)雑誌やネットの記事から得た情報を、まるで自分が遭遇し目撃した事実のように語る。
(9)実際には友人や知人が体験したことを、さも自分自身が実体験したかのように語る。
(10)他の掲示板で初めて見た情報を、それがまだ話題に上っていない別の掲示板で自分独自の新情報として書き込む。
(11)その際、信憑性は気にしない。裏付けの無い情報も、知ったフリをして「○○は△△だ」 と語る。
 
■固執編
(12)モデルチェンジ予定の新型車について語るとき、通称名ではなく開発コード名を使いたがる。
(13)その開発コード名は、スクープ雑誌に載っていた記事の受け売りである。
(14)昔 仕入れた知識をアップデートせず、いつまでも古い知識のまま披露し続ける。
(15)たった一例しか知らないのに、それがすべての事例で当てはまるかのように語り出す。
 
■独断編
(16)試乗したこともないクルマの走行フィーリングを語ることができる。
(17)知らない音に気がついたら、それは正常な作動音ではなく、いかなる場合も異音である。
(18)誰にも分からない将来のマイナーチェンジやモデルチェンジの情報を、希望的憶測で語り出す。
(19)実車を見たり症状を確認したワケでもないのに、質問文面だけから 「原因は○○だ」 と決めつける。
(20)「その症状の原因は○○だ」 と決めつけたあと、その判断理由が発言中に示されることはない。
(21)エンジンオイルのインプレッションを語るとき、変更前の銘柄が劣化油で変更後の銘柄が新油だということに気がつかずに、「フィーリングが激変した」 などと分析する。
 
■頑固編
(22)自分の発言に間違いがあるかどうか、見直しをしない。また間違いに気がつくこともない。
(23)誤りを指摘されても 「オレの車では こうなんだよ・・・」 などと言い訳し、素直に認めない。
(24)誤りを素直に認めず、「車の個体差によってはそういうコトもあり得るね〜」 などと はぐらかす。
(25)不調の原因をクルマの個体差のせいにし、人間の操作や判断に原因があるとは考えない。
(26)デザインの良し悪しの基準は、機能性の裏打ち有無ではなく、単に個人的な好き嫌いの嗜好である。
 
■暴挙編
(27)「ROMチューンには細心の注意を!」 と言いながら、フラッシュメモリを発泡スチロールに差して持ち運ぶ。
(28)他人には 「ボルトの締付は規定トルクで」 と言いつつ、自分では ”手ルクレンチ” で勘に頼っている。
(29)ターボ車の過給圧は高回転域で下がるセッティングなのに、「ブーストがタレて困る」 と勘違いする。
(30)ターボ車の過給圧は中回転域で上がるセッティングなのに、「オーバーシュートして困る」 と勘違いする。
(31)自己流ウンチクを垂れた後に 「間違いがあれば指摘して」 と言うので、本当に指摘したら激怒する。
(32)リコールと改善対策とサービスキャンペーンの違いが判らず、自分に都合の悪い症状はすべて欠陥扱いする。
 
■無知編
(33)スバル車はすべてにおいて個体差が大きいと決めつけている。
(34)型式表示 「BH5」・「BP5」 などには、NAモデルも含まれるのにターボモデル専用型式だと思い込む。
(35)非ニュートン系のオイルは油膜が強力だと思っている。
(36)バッテリを外すと、ECUのメモリがクリアされるので必ず燃調が濃くなると思い込んでいる。
(37)ホイールをフェンダーとツライチにする際、オフセットは気にするがリム幅は全く気にしない。
(38)エンジンオイルやミッションオイルは気にするが、デフオイルの交換は気にしたことがない。
(39)四輪アライメントの調整値を細かく気にするが、タイヤの空気圧を気にしたことは全然ない。
(40)シールワッシャやセルフロックナットは全く問題なく再利用できると思っている。
(41)アーシングは、バッテリのプラス側にも有効だと思っている。
 
■繊細編
(42)感覚が人一倍鋭いので、トルマリンや冷却水改質剤などのグッズの変化を体感できる。
(43)ブーストホースの配管を金属配管に換えるとレスポンスアップを体感できる。
(44)スペシャルな配管を人に勧めておきながら、自分ではその原理や危険性がわからない。
(45)自分のクルマでたまたま壊れなかった配管変更方法を、他人に安易に勧める。
(46)季節や走行条件などの差を考慮せず、単に結果の数値のみで燃費の善し悪しを比較する。
(47)マフラーを換えたら、ECUの書き換えも必要だと思っている。
(48)ECUのフィードバック制御は、ドライバーの運転のクセも補正するので、中古車を買う時には自分用にデータの書き換えが必要だと説いている。
(49)インプレッサ用のストラット式車高調を落札し、アッパーマウントのボルト位置が異なることに気がついたが、レガシィの車体側の取付穴を長穴化することで強引に対応させつつ 「車高調そのものはポン付け可能だったのでお勧めです」 などと平気で語る。
 
■自由記述
(50)

上記49項目のうち、該当する項目が

  ◎  1個以下 の人   ・・・  立派な投稿者、掲示板管理人としても最適
  ◎  2〜 5個 の人   ・・・  ごく普通の投稿者
  ◎  6〜 9個 の人   ・・・  要注意投稿者(= 「知ったか君」 予備軍)
  ◎ 10〜12個 の人   ・・・  すでに立派な 「知ったか君」
  ◎ 13〜15個 の人   ・・・  本人の努力次第では矯正可能な 「知ったか君」
  ◎ 16〜18個 の人   ・・・  もはや矯正困難な 「知ったか君」
  ◎ 19〜21個 の人   ・・・  掲示板への出入り禁止
  ◎ 22個以上 の人   ・・・  _| ̄|○ → _| ̄|.......((○ コロコロ

と考えて良いのではないだろうか。

以上、49+49=98項目のチェックリストについて、自己の態度を省みるための判断材料となれば幸いである。

・・・え? どうしてキリのいい数字・・・50+50=100項目にしなかったのかって? それはね、このページをご覧の皆さんにも、「教えて君」 と 「知ったか君」 の特徴を考えてみて欲しいからなんですヨ! そのために、わざわざ項目 No.50 は空欄にしておいたんですよ。ほれ、そこのアナタ! そうです、アナタです。「自分はカンケーないねぇ。」 などと思わず、この機会にぜひともアナタの思う 「教えて君」 と 「知ったか君」 の特徴を1つずつ出して、上記 <表1>〜<表2> の末尾 No.50 にそれぞれ付け加え、表を完成させてみてください。そうすれば、分母が100項目となり、獲得ポイントがそのまま ”痛い度(%)” に換算できるので、分かりやすくなりますよ。

例えば、「教えて君の特徴 No.50 : 辞書を引かないと ”被爆” や ”逝く” の言葉の意味が分からないのに、パーツの質問発言でその言葉を乱用する。」 ・・・などでも良いですね。ということで、ぜひ。m(_ _)m
 

(※注12):教えてくれたら○○します
過去に強烈だった例としては、「北海道のカニ送りますから教えて下さい」 というものがあった。スバル掲示板の過去ログに収録済みなので、各自で確認して欲しい。発言番号は709番である。→ こちら
もちろん、実際にカニが送られてきたことなど一度も無いことは言うまでもない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 3.転 (「教えて君/知ったか君」 の深層心理を探る)
スポーツの世界や勝負の世界では、相手の心理や動きを良く研究し、その次に起こる事態や現象を事前予測しておくことは重要である。プロ野球の打者は相手投手のフォームを研究し、サッカーチームは相手チームのフォーメーションを研究する。WRC においても、トップクラスの走者は各レグにおいて常に相手チームの作戦やスプリットタイムを意識しながら、限界までプッシュすべきかどうかの駆け引きを行っている。・・・これらは、勝つためには当然というよりもむしろ必須な事項である。

こうした手法は、プロスポーツに限らず、もっと身近で一般的な例でも同様だ。たとえば囲碁の名人は先の先まで相手の作戦を読んで石を打つし、受験の世界でも国公立大学の入試(2次試験)にそなえ、各受験生は志望校の過去の入学試験問題集を解き、その傾向をつかみ対策を練る。

つまり、これらの例から分かる通り、相手を深く知ることは、単に相手に打ち克つだけでなく 己を高めることへの重要な足がかりとなっているのだ。

そういった意味からは、技術系 WEB サイトの掲示板管理人も、「教えて君」 や 「知ったか君」 の生態や心理を知っておいた方が良いと言えるだろう。いや、後のトラブルを防止する意味でも、ぜひとも深く知っておくべきである。・・・ということで、少々大げさになってしまったが、ここでは 「教えて君」 や 「知ったか君」 とは一体どんな人物であるのか、その人物像を探ってみることにする。

まず、前述の98項目の特徴を再度、確認する。その上で、冒頭 (第一章:起) で挙げた <例1>〜<例6> の各事例について見直ししてみると、「教えて君」 ・ 「知ったか君」 に固有の特徴が理解されるとともに、その性格や人物像が浮かび上がってくるのではないだろうか。以下、非常に大胆かつ独断ではあるが、その人物像に迫ってみることにする。

<教えて君のモデルケース>

◎想定される人物像(例)

独身男性。20代。就職して自分の給料(ローン)で初めて中古車を購入したものの、パーツ代まではなかなか手が回らない。クルマをカッコ良く仕上げたいという意気込みはあっても、知識が伴わないので、自分のクルマなのに何から改造していいのかその仕方がよく分からない。そのため、憧れの社外パーツを 「ポン付け」 することを 「チューニング」 と勘違いしている。

小学生の頃、クラスのみんなが先生のギャグに大爆笑したのを聞き逃し、「おい今 何言った? な、な、いま何いった? 今ナニ言った?? 教えて、おしえて〜、ねぇオシエテってば!」 と何度もみんなにしつこく聞いて回った経験がある。他人と同じ位置に自分を置かないと、常に不安を感じるようになったのは、このころからである。


◎想定される性格診断(例)

自分で何か分からないことができると不安に感じる・・・という性格で実は寂しがり屋ではないか? 「教えて下さい」 と言うことは、「自分にかまって下さい」 という感情の表出ではないのか。

他人が知っているのに自分が知らないコトがあると、すごく不安になる。だからとりあえず相手に聞いてみる。その割には、決して物事を深く真剣に考えているワケではないので、仮にハッキリとした根拠のない回答をされても、「回答をもらった」 ということに満足してしまい、それ以上の発展性は無い。悲しいかな、回答内容よりも、回答をもらったことを喜ぶタイプ

◎寸評

気をつけろ!
「教えて君」 に真剣に答えても、もともとヤツらは そこまで深い回答を期待しているワケではない! また、そんなに社外パーツに ”被爆” したいヤツらは、本当の放射能でも浴びてから質問しに来やがれ!
 

. 
<知ったか君のモデルケース>

◎想定される人物像(例)

既婚、30代。新車で買ったクルマは、もう一通りの手が加えられており、今では改造熱は落ち着いている。自分の経験は絶対であり、自分の知識を人に教えてやっても良いが、それはあくまでも知識の一部であって、自分のノウハウはそんな程度のものではないから なめんなよ、という自負心に近い妙なプライドを根底に持っている。その割には、数多くの失敗例や事故例を決して他人には公表しないで、自分の胸の中にしまっている。

何も知らない最近の若造を見ていると、思わず 「自分の時にはこんなに苦労してチューニングをやったものだ。」 と、半分懐古的に、半分自慢話的にしゃしゃり出てしまう自分を抑えられない。

◎想定される性格診断(例)

一見すると、情報が欲しくて困っている相手に救いの手を差し伸べているように見えても、実は 無意識のうちに自己の知識を他人に認めてもらおうとする欲が現れてしまっているのではないか。つまり、「知ったか君」 は ”自己顕示欲が強い” と言えるのではないだろうか。

他人へのアドバイスをしてリーダーシップを発揮しているように見えても、結果的に自身の自己満足で終わってしまう回答が多いように感じられるのは、そのためだ。

◎寸評

気をつけろ!
「知ったか君」 の自尊心を傷つけると、根拠の有ること無いこと、いろいろ反撃してくるぞ! 社会的に、ある程度の地位お金を持った ”精神的小僧” ほど、始末に負えないものはない。
 


どうだろう。もちろん、これはあくまでモデルケースとしての代表的な人物像を ”想定” したものであり、決して特定の個人を表現したものではないことを、念のため宣言しておく。誤解の無いようにお願いしたい。

冒頭で紹介した <例1>〜<例6> の発言は、WEB の掲示板全体から見るとほんの一握りの例にしか過ぎず、他の大多数を占める発言は、適切な情報コミュニケーションとして成り立っているだろう。だがしかし、「教えて君」 と 「知ったか君」 の発言が、現実に ごく普通の掲示板で、ごく普通に見受けられる・・・と言うことは、紛(まぎ)れもない事実なのである。だからその事態は重く受け止めなければならない。なぜなら、そうしたマナーに欠けた発言が書き込まれるたびごとに各管理人たちは心を痛め対処に手を煩(わざら)わされているからである。

気まぐれで身勝手な 「教えて君」 や 「知ったか君」 に対し、真面目に対処しようとする日本中の善意なサイト管理人たちの努力や苦労という実工数金額換算し、またその効果をまとめ上げてみたなら、国民総生産(GNP)の数%を占めることになるかもしれない。投稿者には、そのことを深く認識しておいてもらいたい。また管理人には、「教えて君」 や 「知ったか君」 に関する上記の分析結果を ぜひとも今後の自己の掲示板管理に役立ててもらいたいものである。
 

 4.結 (「ゼロからの出発」 と 「マイナスからの出発」)
「教えて君」 と 「知ったか君」 は 共に 「他人に迷惑をかけている」 という点では同類であるが、実はその被害度は 「知ったか君」 の方が より深刻だ。両者の決定的なその違いについて、以下に順を追って説明する。

今、ひとつの比喩を出してみよう・・・。男女の恋愛関係を表す言葉の一つで、「結婚直前に別れることは大変であるが、結婚直後に別れることはもっと大変である。」 という表現である。つまり、いったん出来事やイベントが起こってしまったあとで方向転換や軌道修正をするには、より一層の多大なエネルギー(労力)が必要になる、という たとえ である。

こうした考え方を 技術系 WEB サイトの掲示板 に当てはめると、管理人は 「”教えて君” に対処することは大変であるが、”知ったか君” に対処することはもっと大変である。」 と表現できるのではないだろうか。・・・というのも、

 ◎「教えて君」 の場合
   ・身勝手な質問に対応し回答を用意する作業は、管理人として確かに大変である。
   ・しかし正しい見解を示せば完了となるという点では、その苦労は尾を引かない

 ◎「知ったか君」 の場合
   ・不特定多数が見ている掲示板で、誤った珍説・奇説を真実のごとく語ってしまう
   ・したがって管理人は、”正しい見解” を示す前に、まず 「知ったか君」 の発言が
    誤りであると指摘・反論して、それを排除することから始めなければならない。

つまり 「教えて君」 への対応は、そのスタート地点が 「白紙状態(ゼロからの出発)」 であるのに対し、「知ったか君」 への対応は、まず最初に灰汁(あく)出しすることから始めなければならず、スタート地点ですでに 「灰煙状態(マイナスからの出発)」 となってしまっているからである。

単に知識不足や経験不足により見当違いな質問を残していくだけならまだマシだが、明らかに事実とは異なる珍説・奇説をまことしやかに流布(るふ)されてしまっては、掲示板が 「デマ発信基地」 ともなりかねず、まずそのデマ (=マイナスの置きみやげ)・・・を取り除く作業から始めなければならないのだ。

したがって、もしも掲示板で、何かの質問 (投稿) に対する管理人のレス(返答)が遅れたスキに、「知ったか君」 に先を越されて回答されてしまったならば、あとからそれを訂正・排除して方向転換や軌道修正をするためには、多大な労力を吸い取られてしまうのは確実なのである。管理人にとっては、「教えて君」 の見当違いな質問よりも、「知ったか君」 の事実無根な発言の方が、実は現実的な被害度は甚大なのだ。

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◎管理人は気をつけろ!
  「無料レンタル掲示板のサーバダウン」 と 「教えて君」 は、忘れたころにやって来るぞ!
  日頃からトラブル対策をしっかり考えておけ!

◎管理人は気をつけろ!
  アクセスカウンターの急激な伸びは、2ちゃんねるに掲示板の URL が張られたか、
  投稿直後から返答が来たかどうかをしつこくリロードする 「教えて君」 の仕業だぞ!
  日頃からアクセス解析をしっかりやっておけ!

◎管理人は気をつけろ!
  「教えて君」 へのレス(返答)が遅れると、「知ったか君」 に先を越されるぞ。
  そうなったら、珍説・奇説の排除のために さらに多くの労力を吸い取られるぞ!
  日頃から掲示板管理をしっかりやっておけ!

◎管理人は気をつけろ!
  「知ったか君」 のレスを放置すると、いつの間にか珍説・奇説が一人歩きするぞ。
  そうなったら、自分の掲示板が 「都市伝説の表舞台」 と化してしまうぞ!
  日頃から要注意人物をしっかりマークしておけ!

◎管理人は気をつけろ!
  都市伝説が生まれると、別の 「教えて君」 がそれを鵜呑みにして消え去るぞ。
  そうなったら、管理人も 風説の流布(※注13)の幇助(※注14) に荷担したことになるぞ!
  事件は現場で起きている・・・日頃からタイミング良くしっかりレスしておけ!
         

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(※注13):風説の流布(ふうせつのるふ)
もともとは 「株価の動きを操作する目的でデタラメな情報を流すこと」 で、証券取引法で禁じられている行為。違反者は懲役や罰金を科される。ここでは、「知ったか君」 が掲示板で事実と異なる情報や根拠のない情報・虚偽・デマを書き込むこと=風評を指している。

(※注14):幇助(ほうじょ)
手助けをすること。正犯である他人の不法行為の実現を容易にすること。また、その容易化する行為一般を指す。刑法第61条で規定されている。有形・無形を問わず、物理的・精神的な方法による場合も該当する。詳しくは → こちら

 5.所見
自らは何も考えず、答えを安易に他人にばかり求める 「教えて君」 の態度は、決して誉められたものではない。そしてまた、自分自身が 「教えて君」 であると気づかない限り、「教えて君」 からの脱却は困難である。

だがそれは、単純に ”知識の無さ” や ”経験の無さ” の成せる業(ワザ)なのかもしれない。たとえ今は持てる知識が少なく、物事を適切に自己判断出来ない状態であっても、今後少しずつ正しい知識を身につけていく過程で 「GIVE & TAKE の相互精神」 をも培(つちか)い、自分が先達者(ベテラン)から教えられてきたことを今度は自分よりも駆け出しの初心者に教えてあげられるようになれば、しめたものである。

つまり、善意に解釈すると 「現在の教えて君」 が 「将来に渡っても教えて君であり続ける」 とは、必ずしも言い切れないのだ。現在は サイト管理人 や 掲示板常連さん たちの手を煩(わずら)わせていても、今後は健全に成長する可能性もあると考えられるのだ。・・・いや、そう考えたい。

もちろん、そうなるかならないかは、本人の努力と環境次第ではあるが、「かつて自分は ”痛い” 教えて君であった」 と反省し、振り返る余裕ができた人の方が、むしろ 「教えて君」 の気持ちを理解することができるだろう。その点で、更正した 「元・教えて君」 は、今後新たに噴出してくるかもしれない将来の 「新・教えて君」なだめ、諭(さと)すことができる可能性を秘めている、とも言えるのではないだろうか。

その一方で、「知ったか君」 はタチが悪い存在だ。結果が ”自己完結型” ではなく、他人への ”影響波及型” であるからだ。現状ですでに事実を誤解・誤認しているだけにとどまらず、その身勝手な珍説・奇説を平然と他人に振りまいてしまうのだから、何も知らない他人に悪影響を与えてしまうことは必至である。不特定多数の読者が集まるインターネット掲示板において、公然とそういった間違いを繰り返されると、その影響は計り知れないものがある。風評は、単なる 「伝言ゲーム」 では済まされないのだ。

どこの掲示板にも、名の知れた 「知ったか君」 の一人や二人はいるかもしれない。・・・「教えて君」 からは ”回答の達人” などと表(おもて)で崇(あが)められ、見識者からは 「知ったか君」 と陰で認定されているような有名人が、ね。その悪影響が、本人の自覚のないところで発揮されてしまうという点では、「知ったか君」 自身も哀れむべき存在かもしれない。

だがしかし、何より一番不運な者は、そういった根拠の無いデマを知らずに与えられてしまった初心者であろう。初心者は判断能力に欠けることが多いから、デマもデマと気づかずに吸収し、結果として情報に踊らされてしまうからだ。踊らされてしまった結果、「教えて君」 が第二の 「知ったか君」 へと成長・・・いや、豹変する恐れも十分ある、ということだ。こうした悪影響こそが、「知ったか君」 の一番の懸念点なのだ。

何も知らない駆け出しの 「教えて君(1号)」 が 「知ったか君(1号)」 に引っかかって悪影響を受けたら最悪である。引っかかった 「教えて君(1号)」 は → 「知ったか君(2号)」 へと豹変し、その 「知ったか君(2号)」 は新たな 「教えて君(2号)」 を釣り上げ、釣り上げられた 「教えて君(2号)」 は連鎖反応的に → 「知ったか君(3号)」 へと豹変させられて、以下その繰り返し・・・。こうなると、もう手の施しようが無い悪循環に陥ってしまう。あぁ諸行無常、いや魔界転生か。

スバル系の掲示板が 「都市伝説の温床」 とカゲで ささやかれている所以(ゆえん)ではないか、と私は考える。

柔らかな思考回路を持たず、間違いを自ら正して高めていくような自律性を持ち合わせていない点で、もはや 「知ったか君」 は切り捨てられても仕方が無い存在と言えるのではないか。「無知の知(※注15)」 で有名な古代ギリシャの哲学者アリストテレスソクラテスが現代に生きていたなら、このような状況を鑑(かんが)みて 大いに嘆(なげ)いたことだろう。そこで私は、代わりに次の呪文を唱えたい。

『天、怒りて ”知ったか君” を絶つ。臨 兵 闘 者 皆 陣 烈 在 前!(※注16)

願わくば、このページを読んだ人々に、「教えて君」 と 「知ったか君」 の功罪と影響について今一度考え直していただけたら、と思っている。
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(※注15):無知の知
自分が何も知らないことをちゃんと知る。すなわち、無知である自分を自覚することこそが、知識ばかりを説く無自覚者よりも遙かに物事の心理に至ることができる、という意味。
もともとは、アポロンの神殿で 「アリストテレスソクラテスよりも賢い者は存在しない」 とする神託に端を発した教訓。


誤:アリストテレス
正:ソクラテス

(※注16):臨兵闘者皆陣烈在前
意味は各自で調べてみてくれたまえ。ある年齢層以上の古い週間少年ジャンプの読者なら、分かるかも。

 6.まとめ
ということで、今回のテーマの結論を述べておこう。

「教えて君」 と 「知ったか君」 は、他人に迷惑を
かけているという点では同類である。
 
ただし、「教えて君」 は現在無知なぶんだけ、
将来まだ救われる余地があるのに対し、
 
「知ったか君」 は誤った知識を振りかざしながら
反省しないぶん、救いようが無い。

※当サイトは独自の視点から 「ネットマナー向上運動」 を推進してまいります。
 

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