デイトナ・Σβ200(ローダウンスプリング)の装着 |
〜 脚廻り交換記 三部作・その1 〜
ノーマルサスペンションから車高調導入に至るまでの期間を、三部に分けて回想してみました。 ◎第一部 : デイトナΣβ200の装着(純正ビルシュタイン+ローダウンスプリング) → このページ ◎第二部 : クスコ・バカンツァ車高調(初めての車高調選びで大失敗?するの巻) → こちら ('04-03-10 公開) ◎第三部 : 圭オフィス車高調・TD&TD-II 混成仕様(リヤダンパーをフロントに流用)の巻 → こちら ('04-04-09 公開) |
●2003-07-31 :
新製、 ●2003-10-10 : 校正&公開、
●2004-03-10 : 第二部へのハイパーリンク追加、 ●2004-04-09
: 第三部へのハイパーリンク追加
<もくじ> 1.まえがき 2.スプリング交換の理由 3.スプリングの選定 4.Σβ200を観察するの巻 5.純正ダンパーの取り外し 6.Σβ200の装着 7.走行時のインプレッション 8.まとめ 9.あとがき |
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to this page is ※このページには、一部比喩的表現・感覚的表現が |
1.まえがき |
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今となってはもう過去の仕様となってしまったが、BG5B型レガシィGT-Bの
「純正サスペンション」 に代わって 「車高調」
を導入するまでの過程の中で、コイルスプリングのみを純正形状の社外品
(いわゆるローダウンスプリング)
に交換し、純正ビルシュタインダンパーと組み合わせて使っていた時期があった。そのコイルスプリングとは、デイトナのD-cuatro・Σβ(ディーキャトロ・シグマベータ)200である。 <画像1/
”Σβ200+純正ビルシュタインダンパー” の組み合わせ> 今回は、そのΣβ200の装着記、および
「Σβ200+純正ビルシュタインダンパー」
の組み合わせに関する印象について、思っていたことを自由に述べてみる。なお、2002年5月当時の過去の仕様について、2003年10月現在の視点で述べているため、記述内容に多少のタイムラグが生じていることはご容赦願いたい。 |
2.スプリング交換の理由 |
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私がサスペンションのコイルスプリングを社外品に交換した理由は、ズバリ、バネレート
[kgf/mm] のアップが目的であった。決してローダウンしたかったからではない。 当時の私は、仲間とともにミニサーキットに行く機会が何度かあったが、しばらくの間は新車購入時からの 「純正スプリング+純正ビルシュタインダンパー」 のままで走っていた。しかし、街中では適度に引き締まっていると思えた脚廻りも、やはりミニサーキットでは不満に思うことが多々出てくるものである。 まず、コーナーでロールするのは仕方がないとしても、そのロール量が非常に大きく、コーナリングスピードが極端に低くなってしまうのだ。より正確に言うと、ロールすること自体は悪くないのだが、車体の動きが私の感覚に合わないのだ。また、キャンバー角も僅かしか調整できないため、ロール時のタイヤの接地状態 (接地角) にも限界があろう。絶対的なバネレート (ダンピング力もだろうが・・・) も不足しているように思えたのだ。 具体的には、車体のロールが操作 (あるいは予想) に対してワンテンポ遅れてやって来るため、非常に怖い思いをすることがある。これは車体の重さのせいもあると思うのだが、例えばS字コーナーのように左右にステアリングを何度か切り返ししながら進むような場面では、2度目のステアリングの切り返しが始まるころにまだ1回目のロールが残っており (これは問題では無い)、3回目以降のステアリング操作の最中に2回目以前のロールの反動?がピタリと重なって、比喩的な表現を用いると、まるで車輌全体の挙動が ”ジャックナイフ現象(※)” のように感じられてしまうことがあるのだ。 (※注):ジャックナイフ現象 まぁ、運転者(私)の技術が未熟というのもあるのだろうが、それにしてもこの ”ジャックナイフ現象(もどき)” は非常に怖いものとして感じられたというのが、正直なところであった。今、少々強引ではあるが、仮にそのときの心情を道路交通標識でたとえるとすれば、次のような感じになるであろう・・・(爆)。 <画像2/
車輌の挙動に違和感を覚える時の 上の標識例では左右のタイヤで軌跡が交差しており、トレッド幅や内輪差などを考慮しても、実際にそのようなタイヤ痕が起こり得るのかどうかまったく不明 (いや、あり得ない?) であるが、要するに、「もしも実際にそのような現象が発生したなら、非常に怖いよぅ〜!」・・・というくらいの意味のたとえ、としてとらえて欲しい (注:比喩なのであまり真剣に考えないように)。ステアリング操作に失敗すれば、その後にこれら道路標識以上のタコ踊りかスピンが待っているかも知れない (注:私レベルでの話。上級者はドノーマル車に乗っても速いのだろうけど・・・)。 話が少々脱線してしまったが、ミニサーキットに同行していた知人たちは、このときすでに車高調などを入れており、「ノーマルスプリング+ノーマルダンパー」 で走っていたのは、その中では私だけであったと思う。ただ私自身は、だからと言っていきなり車高調を導入する気はまったく無かった。自分はまだまだサーキット初心者なので、初心者がいきなり車高調に手を出してもそのポテンシャルを引き出すどころか、逆に (車輌応答性が急になることで) ドライバーが対処しきれずにかえって危険な面も出てくるだろう、と思ったからだ。 私の場合はもっともっと走りの経験を積むことが必要であり、またパーツに頼るとしても、ノーマル状態から徐々にステップを踏んでグレードアップしていった方が、自分の運転スタイルに合うのではないかと考えていたのである。そこで、純正状態でしばらく走ったあとのステップとして、まずは純正形状の社外ダンパーまたは社外スプリングへの交換(のみ)を検討し始めたというワケだ。 しかし当時の私は 「ダンパーはせっかく純正でビルシュタインが標準装備されているので、わざわざそれを取り外して社外品に交換するのはもったいない。」 という貧乏心(爆)・・・が働いていた (^_^;) 。そう、現実解としてとりあえずダンパーはそのままで、スプリングのみバネレートをより高めのものに交換しよう、と決めたのであった。 そう決めた背景には、昔
(従来の法改正前)
とは異なり、スプリングを交換しても車検時の改造申請はすでに不要となっていたこと、また現実問題として社外品のダンパーを新品で4本購入するよりも、社外品の純正形状スプリングを新品で4本購入する方が価格的にずっと安上がりだった・・・という点が効いていた。また、「純正スプリング+社外ダンパー」
という組み合わせよりも、「純正ダンパー+社外スプリング」
という組み合わせの方が、アフターパーツメーカーによるレガシィへのマッチング確認事例も多くあるように感じられていたことも、そのような決定への後押しとなっていた。実際に、BG型レガシィに適用可能なノーマル形状ダンパーは種類が少ないのに対し、ノーマル形状スプリングは各社から数多くリリースされていたように思う。 |
3.スプリングの選定 |
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こうしてダンパーはそのままで、スプリングを純正形状の社外品に交換することに決めたワケだが、交換前にはまず純正の仕様を再確認しておく必要がある。以下は、BG5B型レガシィGT-B (MT、’96/6月〜発売車輌) の純正サスペンションの仕様 (整備解説書 G2091A より抜粋) である。
これによると、GT-B純正のコイルスプリングのバネレートは、フロントが 2.7〜2.8 [kg/mm]、リヤが 2.4 [kg/mm] である。これらのデータを念頭に置きながら、アフターマーケット各社 (>いつも思うのだが、”アフターマーケット” という言葉も、変な日本語英語だが・・・) から発売されているスプリングの仕様について、確認していく。 まず、車高のダウン量ばかりが宣伝され、スプリングレートについて触れられていない商品はまっ先に選択肢から除外。仕様を公表しないとは、一体ユーザーを何だと思っているのか・・・。また、一見しただけで激しい線間密着が起こりそうな、密な部分の強いスプリングも除外した。 繰り返しになるが、私はローダウンが第一目的ではない。バネレートを高くしつつ、実用上なるべくノーマル車高を維持しておきたいというのが、当初からの希望なのだ。ところが各社の純正形状スプリングを調べれば調べるほど、そんなものはどこにも無いことが判明・・・ (^_^;) 。仕方なく比較的ダウン量が少ないもの (で適当なレートのもの) を検討していく。結果、候補として残ったのは APEXi となった。APEXi のスプリングのダウン量は、フロント/リヤが各 -20/-5 [mm] と比較的小さめ。バネレートは、純正比でフロント/リヤが各 39/46 [%] のアップとなっている。
この APEXi スプリングを実際に発注すべく、取次販売店に 「在庫の有無」 や 「取り寄せの可否」 についての確認電話を入れてみた。しかし、その場で 「在庫不確定につきメーカー納期未定です!」 とのことで、”予約注文不可” の返答をもらってしまった。「納期が確約できない以上、当店としては、注文するなら他メーカーのスプリングに検討し直していただくしか無いですねぇ。」 とも。・・・販売店からメーカーに直接確認してもらった結果が 「納期(出荷時期)未定」 とは、私にとっては思いもよらないことだった。肩透かしを喰らったような 「何じゃソレ? メーカー自身の返答が ”不明” とは、一体どういうことよ?」 という感じであった。 仕方なく、急きょ代替品を検討することに・・・。APEXi 以外のメーカーとしては、swift ブランドで名を馳せた東京発条(株)にもともと注目していたのだが、当時はまだBGレガシィ用のスポルトマッキ (=東京発条(株)の純正形状ブランド名) がカタログモデルにラインナップされていなかったので選択肢外 (選びようがない) であった。こうしていろいろと再検討を重ねた結果、最終的にデイトナのD-cuatro・Σβ200にしたわけである。デイトナのスプリングのダウン量は、フロント/リヤが各 -20/-10 [mm] であり、いわゆるローダウンスプリングの中では比較的小さめである。バネレートは、純正比でフロント/リヤが各 60/66 [%] のアップと公表されている。
ただ、このデイトナのBG型レガシィGT-B用・Σβ200のスペックを見て、1点だけ気がかりなことがあった。それはバネレートのアップ幅が、純正比でフロント/リヤそれぞれ 60/66 [%] にも及ぶ、という点だった。確かに私はバネレートを高めたかったのだが、前述の APEXi でもおよそ40%程度のアップ幅に抑えられている。純正比で60%以上もアップしてしまうと、果たして純正ビルシュタインダンパーとのマッチングが取れるのかどうか、少々不安に感じてしまったのだ。脚廻りはスプリングだけで決まるものではない。あくまでも各パーツの組み合わせによる 「バランス」 が重要なハズだ・・・と素人なりに思うのだ。 また正直に言うと、デイトナというと私にはまったく二輪 (バイク) でのイメージしか無く、四輪での実績を知らなかった。だが、メーカー公式サイトを見る限りでは、ちゃんと四輪部門でも専用車輌を持って部品開発が進められているようであった。また新型車用のスプリングも順次追加発売されているようであったから、少なくともその時点ではスプリング事業から撤退することは無いだろう (すなわち、スプリング開発にもそれなりの力を入れている会社であろう)、と判断できた。また、インターネットサイト(掲示板など)でΣβ180やΣβ200のユーザーの感想を読んでいくと、評判も悪くない。そして何よりも、他メーカーで納得できるようなスプリングが見あたらなかった。 結局、私はこのデイトナのスプリングを正式発注した。バネレートのアップ幅が純正比で6割を越えることについては、まぁ、ミニサーキットを視野に入れるなら、そんなに不利にはならないのではないか?
と考えることにした。そして取り寄せは問題なく行われ、数日後には私の手元に商品が無事に届けられた
(通販で購入)。後述するように、製品は意外にも ”まとも”
であることが分かった(>失礼)。 |
4.Σβ200を観察するの巻 |
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Σβ200の選定経緯は前述の通りである。ちゃんとしたスプリングならば早々にヘタるとは思えない
(中古でも良い)
のだが、今回はマウントも新品に交換することもあり、スプリングも中古ではなく新品を購入した。ここでは早速、その中身を観察してみよう。 通販で購入したため、商品はメーカーからの直送である。梱包は、フロントの左右セット (部番:50374) で1箱、リヤの左右セット (部番:50375) で1箱となっており、発注 (代金振り込み) の翌々日にはもう届いていたと思う。納期が早いのは大変ありがたい。開封すると、真新しい塗装色の赤が目に飛び込んできた。やっぱり新品は気持ちがよい。スプリングに同梱されていたものは、説明書、線間密着音低減用の保護チューブ、そして私にはどうでも良い商品ステッカー (Σβ200のロゴ) だかメーカーステッカー (デイトナのロゴマーク) だかであった。どうでも良いのでどちらが入っていたのかは忘れてしまった。 <画像3/メーカーから直送されたΣβ200の前後SPRセット> <画像4/説明書の記述内容は比較的詳しく、マジメさを感じる> <画像5/同梱されていた、線間密着音低減用の保護チューブ> 説明書には、コイルスプリングの基本仕様
(設計値)
のほか、スプリングの組み替え手順などが記されており、比較的詳しく親切な内容となっていると感じた
(画像4参照)。言葉は悪いが、意外に ”まとも”
な製品だとの印象が強まったのも、このへんからである。ちなみに、商品シリーズ名ともなっているΣβ200の
「200」 とは、デイトナによると ”200kgf/mu鋼材を使用している”
という意味である。 |
5.純正ダンパーの取り外し |
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ジャッキアップして車体をウマに載せ、純正サスペンションを取り外していく。(注:コイルスプリング単品のことを
”サス” と呼ぶ人がいるが、私がここで言う ”サスペンション”
とは、「マウント+ダンパーストラット+コイルスプリング+付随品」
のことを示している。念のため。) 今回はマウントも前後で交換する (フロント側には、STiの強化マウントを用いる)。当初はスプリング交換も自分で行おうかと思っていたが、純正形状スプリングに対応するスプリングコンプレッサを持っていなかったため、ダンパーへのスプリング組み替え作業自体はディーラーにお願いした。つまり、今回の作業手順はこんな具合(↓)である。 (1)車両からサスペンション(ダンパーAssy)を取り外す・・・DIY作業 上記(2)のスプリング組み替え工賃は、4本合わせて1万2千円前後 (工数では小一時間程度の換算) だったように思う。持ち込みのスプリングで、しかもディーラーで取り扱っていない社外品への交換を快く引き受けてくれるディーラーは、もしかすると全国的に見ればまだまだ少数派なのかも知れない。ひたすら感謝・感謝である。 ちなみに、もしも車体からのサスペンション脱着作業一式をディーラーに依頼 (=車両あずけ) すると、作業工数がぐぐっと増えるため、工賃もぐっと上がるとのことである。判断の目安としては、リフトを使うような作業は工賃も高いと考えて良いかも知れない。・・・このように、すべての作業をディーラーに依頼すると、部品代よりも交換工賃の方がずっと高くなる可能性もあることになる。いくら部品代が安く上がっても、その取り付け工賃が高くなってしまっては、全体として何だか損をしたような(?)気になって、割安感が削がれることだろう。 <画像6>に、純正スプリングの外観を示す。仕様については、前述・第3章 「スプリングの選定」 内の表1(整備解説書 G2091A からの抜粋) を参照されたい。 <画像6/取り外した純正ダンパーストラットAssy(ビルシュタイン)> こうして車体から取り外したダンパーAssyは、本体からのオイル漏れや周辺部品の状態など、各部に異常が無いかどうかを自分なりに点検する。ディーラーに持ち込む前に、気になる点はすべて抽出しておくのだ。 実際にダンパーAssyを点検してみると、スプリングとロアシートの間に装着されているラバーシートが、たび重なる反復荷重振動のためか、本来の位置から大きくズレていた(→画像7)。まぁ、マウントもそうだが、こうしたゴム系の部品は使用とともに劣化していく消耗品なので、今回のスプリング交換を機に新品に交換してやる。同時に、ダンパーの筒を覆っている蛇腹状のブーツ (ダストカバー) も新品に交換することにする。ちなみにラバーシートは1個540円ほどで、ダストカバーは1個660円(フロント)〜920円(リヤ)ほどである。 <画像7/左:スプリング下のラバーシート・ストラット・ロアがズレていた。 一番重要であると思われるダンパー本体のヘタリ有無 (→すなわち、再利用の可否判断根拠) については、Assy状態のままでは確認しにくいため、ディーラーでマウントと純正スプリングを取り外してダンパーが単体状態になった時点で、改めてメカニックさんに確認 (減衰とストロークなどのチェック) をしてもらうことにする。もしも何か不都合な点がそこで見つかったら、すぐに連絡していただくようにディーラーのサービスフロントにお願いした。ヘタって使い物にならないダンパーに新しいスプリングを組み込んでも、作業工賃がムダになるだけである。 以上のようなやりとり (作業依頼と内容確認) を交わし、4本のダンパーAssyをディーラーにあずけてきた。 ダンパーを取り外す直前まで、車体の挙動や乗り心地には特別おかしな点は感じられなかったから、まぁ再利用は出来るだろう。また、メーカーも10万km程度の耐久性は充分ある
(>本当か?)
とコメントしていたような気もする。が、もしも・・・という場合もあり得る。たとえば、左右のダンパーでヘタリ方が異なり、減衰特性のバランスが取れないような場合だってあるかも知れない。その場合は、抜けた1本だけを手配・・・とはならず、左右セット
(あるいは前後左右の4本とも)
での交換となるだろう。可能性は低いかも知れないが、念のためそういったことも想定しておいた方が無難であろう。 |
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6.Σβ200の装着 |
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点検の結果、ディーラーからは、ダンパーには異常は無く充分再利用が可能である
(つまりヘタリは無い)
とのコメントをいただいた。そこで、予定通り純正ビルシュタインにΣβ200を組み込んでもらう。ただ、ヘタリがまったく無いのか、あるいは多少のヘタリはあるものの実用上はまったく差し支えないレベルと判断されたのか、そのへんは不明である。 その後、新しいスプリングに交換されたビルシュタインダンパー (ストラットAssy) をディーラーから受け取り、自宅ピットに引き返す。前後のマウントも、純正の新品に交換済み (フロントは STi のゴム硬度強化品)である。こうして、いよいよBG型レガシィにΣβ200が装着される瞬間が近づいてきた。 <画像8/純正ビルシュタインダンパーに組み込まれたΣβ200(全景)> <画像9/フロントのアッパーマウントは
STi の強化品(新品)に交換> <画像10/リヤもマウントとラバーシートを新品に交換(cf.画像7の左)> 本当は、フロントにはキャンバー角の調整できるピロボール式アッパーマウントが別途欲しかったのだが、予算の関係から今回は見送ることにした。この 「純正ビルシュタイン+ダウンスプリング」 という仕様で、これから先、一体どれくらいの期間を過ごすことになる (or 過ごしていける) のか、この時点では正直言って予想がつかなかったためもある。要するに、もしも今ここで高価な純正形状対応の調整式アッパーを導入しても、すぐに直巻きスプリング方式の車高調に買い換えるようなことになってしまった場合には、そのアッパーへの投資がムダになり兼ねない、と考えたからであった。 ダンパーの装着は取り外しと逆の手順で行えば良い (スタビリンクは外しておいた方が作業が楽である、念のため)。脚まわりのボルト類は比較的締め付けトルクが高く、また高温にもなることから、キャンバー調整用の純正偏芯カムボルトの側面などには焼き付き防止剤の類を薄く塗り伸ばしておいた方が良いかも知れない。 さてバネについてであるが、ダンパーに組み込まれただけの状態 (車輌装着前、<画像8>および<画像10>を参照) では、素線の線間距離は比較的長め (=粗) だったのだが、車体装着後にジャッキダウンされ、スプリングに徐々に車重 (荷重) がかかっていったとき、スプリングの端面付近 (マウントに近い方)では密着部が出来てしまう部分が少々あるのは意外だった。そのため、同梱されていた線間密着音低減チューブ (<画像5>を参照) だけではカバーできる長さが足りないと判断し、オートバックスで汎用のものを買い、念のため付け足ししておいた。 <画像11/買い増しした
線間密着音低減チューブ> こうして前後左右4つのストラットAssyを取り付け、タイヤ&ホイールを履かせた状態が下の<画像11>である。車高調ではないので、実際の車高は、当然成り行き任せである。 <画像12/Σβ200装着後の前後輪の様子(上段:全景/下段:拡大)>
その第一印象は、交換前 (純正時) と変わらずリヤがやや下がり気味かな?というもの。マウントが新品になったこと、バネレートがアップして静止荷重時の沈み込み量が減ったこと、しかしそのぶん元々のバネ長が短縮されている (ローダウンされている) ことが相殺されて、結果的にフロントはノーマルスプリング装着時とあまり変わらない車高となった。 一方、リヤはノーマルスプリング装着時(スプリング交換前)よりも上がり、若干だが車高が回復した。が、密かに期待していた、”車両の尻下がり姿勢”
は大きくは改善されなかった。リヤの場合、車高アップの要因となる次の2点; 結局、スプリングをΣβ200に交換したあとは、整備解説書に記載されている標準的なホイールアーチハイトの範囲 (フロント:351〜387mm/リヤ:345〜381mm) に対し、フロントが下限寄りでちょうど入り、リヤは下限でギリギリ入らないくらいの値となった。 それにしても、整備上の標準的な車高の範囲が 「+12mmから-24mm」 とは、ずいぶんと公差が広いなぁ・・・と思うのは、私だけでは無いハズ。もしかするとこの数字は、本来は異なる各グレード(GTとかTS-Rとかブライトンとか)ごとの標準車高の違いを、実はひとまとめに丸め込んで表記しているだけ(?)なのかも・・・とも思えてきた。それとも、ある単一グレード内での公差として考えても良い数字なのだろうか? 素人考えながら、ダンパーもスプリングも車重もホイールサイズも異なるグレード間では、標準的な車高設定やその公差範囲も異なってしかるべきだと思うのだが。 なお、Σβ200を組み込んだダンパーストラットAssy (新品マウント+ビルシュタインダンパー+Σβ200) の重量は、以下の通り。ノーマルスプリング状態での重量データが無いのは、単なる計り忘れ (ご愛敬?)・・・ということでご容赦願いたい。
その後、知り合いが勤務するショップにて4輪アライメント調整をしてもらった。細かな数値についてはここでは割愛する (いずれ機会があれば別ページにて述べる予定である) が、フロントのキャンバー角は 物理的にギリギリ取りうる値の -1.2°で左右合わせてもらった。純正ビルシュタイン(STi のノーマル形状強化マウント) では、これ以上のキャンバー角を確保することは困難であるとのことである。 <画像13/四輪アライメントテスターでアライメント調整中の様子>
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7.走行インプレッション |
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インプレッションには個人差がある
(しかもそのバラツキは往々にして大きいことが多い)
ので、以下は一つの感想として読み流す程度でとらえて欲しい。そういった意味合いから、走行場面ごとに、特に印象に残っている点を要約するというスタンスで述べてみる。 <街乗り> 路面の段差を通過するとき、「カポ・カポ・カポッ」という感じの小さな音が前後左右 (つまりストラット周辺) から聞こえてくるのが、これはバネの巻き始め (あるいは巻き終わり) の部分がストロークに伴って伸縮するときに、線間密着音防止用シートを介して線間衝突 (この場合は衝突というよりもタッチという感じか?) しているときの音なのだろうか。 <高速道路> <ミニサーキット(SLy)> <ミニサーキット(しのい)> ステアリングの動き(切り増し)に対してボディの挙動がワンテンポ遅れ、まるで車体途中の伝達経路にこんにゃくを介して伝わるかのような上下動が感じられ、車体の四隅がバラバラな動きをしているような何とも怖い感じがした。SLyのように比較的車速が低いときには感じられなかったのだが、3桁以上の車速でコーナーに入るような時には、脚がヨレているような錯覚(恐怖感)を覚えた。Rの途中でグニョ とした脚回りから伝わる車体の鈍い感じの上下動が起こるような印象なのだ。 しのいでは、「ノーマルダンパー+ノーマルスプリング」
の組み合わせ (つまり、純正状態のままの脚廻り)
で走ったことはないのだが、多分想像するに、スプリング交換前後でこうした挙動の傾向はあまり変わらなかったかも・・・。ダンパー本体の絶対的な減衰力が小さいのかも知れない。 |
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8.まとめ |
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使用条件が
「街乗り+α(アルファ)」 程度までなら、純正同様の乗り心地がしっかりと保たれていること、挙動が純正然としていて特別な気を使う必要のない点、したがって疲れることの少ない点、などは魅力的であろう。実売価格も安価である。ただし、峠やミニサーキットなどでの走りの向上を期待すると、ロールなど車体の挙動が純正の路線から大きく脱却するに至っていない印象があり、不満点が出る恐れがあることは否定できない。 もっとも、この私的インプレッションは
「純正のビルシュタインダンパーとΣβ200を ”組み合わせた”
場合」
に限定されるのであって、同型車であっても車輌コンディション
(例:ブッシュの劣化度)
が異なるとか、Σβ200を他の純正形状の社外ダンパーと組み合わせる場合には、この限りではないことを、念のため付け加えておく。 |
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9.あとがき |
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結局私の場合は、上記の組み合わせ
(純正ビルシュタインダンパー+デイトナΣβ200コイルスプリング)
での使用期間は約1年半であった。その後は、あの何とも言えないヒーローしのいサーキットでのグニョグニョ感というか、挙動の不安定さを改善すべく、中古車高調への移行を考えていたのであった。 新品ではなく中古を検討する理由は、自分にとってどんな製品が合うのか模索するためである。端的に言うと、もしも選択に失敗した場合であっても、価格的な損失が小さくて済むからである。 こうしたΣβ200の装着期間を経た次のステップとして、いよいよ私にとって初の車高調である 「クスコ・バカンツァ」 をオークションで入手することになるのだが、結論から言うと、それは大失敗であった。車高調選びの難しさを、いきなり体験することになった。ここから先の経緯については、「脚廻り交換記・三部作」 の続編である 第二部 を参照されたし。 ・・・To Be Continued である。 ◎第一部 :
デイトナΣβ200の装着(純正ビルシュタイン+ローダウンスプリング)
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