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■ MDチェンジャーをコンソールに内蔵する ■
〜 「故障修理 体験記」 付き 〜

KENWOOD製・6連装MDチェンジャー(BGレガシィ純正オプション)をフロア
コンソールに設置しました。なお、ページ後半は「故障修理体験記」です。

 
●1999-12-08:新製、●1999-12-10:更新、●1999-12-19:更新、●2000-01-15:加筆、
●2000-01-24:加筆、●2002-02-21:レイアウト変更&書式統一


【図1】 フロアコンソールに内蔵させた状態。画像の上方向が運転席側、下方向が助手席側です。
コンソールに内蔵させたところ 6連装マガジンを取り出したところ

1.まえがき
 

実はクルマを購入(’96年7月)してスグに、MDチェンジャーをフロアコンソールに内蔵させています。ですからこの改造(改造と言うほどの作業ではありませんが・・・)は、ずいぶんと前に完了してしまっていたのですが、当時はまだデジカメを持っていなかったため、その作業風景を記録してはいませんでした。今回紹介することが出来るのは、MDチェンジャーが故障したので修理に出し、それが戻ってきたからです。取り付け時に作業手順を記録した、というわけです。
 

2.チェンジャーの最適な設置場所は?
 

まず始めに、MDチェンジャー(KENWOOD製、MD−56)の設置場所を検討してみました(注:私は自分で取り付けするつもりで、チェンジャーを単品で購入しました)。このチェンジャーはスバル純正オプション扱い品ですから、もしもディーラーに取り付け作業を依頼すると、助手席下かリヤカーゴルーム右端にトレイを用いて設置されることでしょう(BH型レガシィなら、サブトランクに設置するという手もありますね)。

ただ、助手席下に設置すると、後部座席に人が乗ったときに、足元のスペースが狭くなる(フロントシートの下に足を伸ばせなくなる)こと、あるいは伸ばした足によってチェンジャーが蹴られ、作動不良や故障の原因になる恐れのあることが懸念点です。一方、カーゴルームへの設置は、チェンジャーがホイールベース間(前後のタイヤの間)に設置されないため振動の面で不利であること、また、エアコンの吹き出し口からの距離が遠いため温度的にキビシイのではないかと考えられること(例:真夏では、フロントシートは適温なのに荷室は高温状態のまま・・・という場合など)、また、走行中はマガジンの出し入れが不可能となることが私には不満点です(ちょっと考え過ぎかな・・・? でも、実際にもそうなのでしょう)。

以前のクルマ(BC型レガシィ・セダンRSターボ)に乗っていたときは、グローブBOXを取り外し、その空いたスペースにCDチェンジャーを吊り下げる形で設置していました。が、それだと車検証や小物収納の場所が減りますし、今回はCDチェンジャーよりもひとまわり小型のMDチェンジャーということもあって、結局はフロアコンソールに内蔵させることにしました。

そうすれば運転席や助手席からはもちろん、後部座席からも手が届くことになり、マガジン交換の際は非常に便利です(実際には、めったに交換することは無いのですが・・・)。また、人間の乗る空間内に設置されるので作動時の雰囲気温度的にも有利 (しかも空調による風が直撃しない)であり、もちろんホイールベースのほぼ真ん中に位置させることになります。唯一、収納スペースは減ることになりますが、もともとセンターコンソールの容積はあまり大きくないですし、今回は(前車のように)グローブBOXをつぶしていないので何とかなる、と判断したわけです。
 

3.作業手順について
 

実際の作業に当たっては、まず後席用の灰皿を取り外します(図2)。もちろん灰皿は使えなくなります。次に、サイドブレーキのカバーパネルを取り外します(図3)。コンソールのフタを開けると、ネジが2本顔を出すのでこれを緩め、全体を上に持ち上げるとクリップが外れてカバーを取り外せます。また、コンソールのフタのヒンジについても結局ジャマになると判断したので、取り外しています(図4)。

【図2/左】 灰皿は、あらかじめ取り外しておく(使用できなくなります)。
【図3/中】 ネジ2本を緩め、上に引けばブレーキカバーがハズレます。
【図4/右】 中の様子。ヒンジもジャマになるので取り外してしまいます。

灰皿は取り外す 
シフトカバーを取り外す 内部の様子

最後に残るのはコンソールBOXの容器(内壁)ですが、後席用灰皿の部分(ハウジング)が内側に出っ張っており、これを加工しないとMDチェンジャー本体が収まらないことから、思い切ってこの容器(内壁)も取り外してしまいます(図4)。このほうが配線の引き込みも簡単になりますから。ただ、そのままではチェンジャーを設置すべき底面が無くなるので、適当な板材などで設置底面を作る必要があります。この底面の型取りに少々時間がかかりました(出来上がった床面は、元のネジを使って台座に固定すれば良い)。

【図5/左】 コントロールデッキとMDチェンジャーとの結線はこれ一本。
【図6/中】 前方から後方を見た図。こんな感じになっています。    
【図7/右】 念のため、吸音材(兼、防振材?)を敷き詰めています。  

配線をつないだところ 前方から後方を見たところ 防音材を敷いておく

コントロールデッキ(この場合は、純正スーパーリアルサウンドフォーカスシステム)と6連装MDチェンジャーとの結線は、バスライン1本だけです(図5の四角部分)。ちなみに、図5で丸く囲んだ部分は、オプションで取り付けた ヘッドライト自動減光システム(DIM)のコントローラー部です。 チェンジャー本体を内蔵設置後、念のため、周囲には吸音材を敷き詰めました。これは、コンソール本体の防振効果も狙ってのことです。・・・と言うのも、前述したように、コンソールBOXの容器(内壁)を取り払ってしまったので、コンソール本体(外壁)の後端部はフロアに固定されていない(浮いた状態。ただし中央部は固定されている)からなのです。あとは取り外したカバー類を順次取り付けていくだけです。ただ、灰皿を取り外してしまった部分だけは、(後部座席から)内部が見えてしまいますので(図2)、何か適当なカバーでふさいでおいた方が良いでしょう。
 

4.実際に使用してみて
 

このようにして装着は一応の完成です(図1、図8)。「一応の」、と書いた意味は、まだ設置方法に改良の余地があるのではないか、と考えているからです。 具体的には、図8〜図10からも分かる通り、現状はMDチェンジャー本体とコンソールの外壁とのスキマに(前述のように)防振を兼ねた吸音材を詰め込んでいるのですが、これがチェンジャー本体の放熱性を悪化させている恐れがあると思うのです。つまり熱がこもってしまい、正直なところ、それが作動状況に悪影響を与えたりはしないか少々不安が残ります。

【図8/左】 完成状態。こんな感じになります。
【図9 /中】 6連装マガジンを挿入したところ。
【図10/右】 6連装マガジンを取り出すところ。

完成した状態 マガジンを入れたところ マガジンを取り出すところ

ただ、吸音材はチェンジャー筐体の全周ではなく、上下の2面に敷いています。左右の2面およびフロント&リヤエンドは開放端になっているので、トータルとしては、う〜ん、何とかなるか・・・? という感じでしょうか。今後は放熱性とのバランスを取りながら、必要最小限の吸音材としたいところですが、MDチェンジャーの作動状態自体は安定しているので、多分このままで行くような気が・・・。
 

5.まとめ
 

1999-12-10:追記
さて、いよいよ使い勝手の報告です。3年間以上使ってみての感想は、次の通りです。

<良かった点>
どの座席からでもマガジン(MD)に手が届くので、取り出し性が良好(走行中も可)。
 (※注:走行中のマガジン交換は、ドライバー以外の人間が行います。)
フロントシート下の空間を使っていないため、後席の人の足元スペースに余裕がある。
 
<悪かった点>
マガジンを取り出しする際、標準装備のコインホルダーとのスキマが小さい(図10)。
縦置き設置のため(?)、音飛びが発生することがある(実は故障していた→後述)。

マガジンの交換性は、狙い通りどの座席からでも手が届くので、やはり良好です。運転中に交換することはほとんどありませんが、家族で出かける時などは、それぞれがお気に入りのMDマガジンを持参すれば交換自由です。一方、注意点としては、マガジンを取り出しする際、図10にあるように純正コインホルダーのカドにぶつけないようにする点でしょうか。

なお、今回のフロアコンソールへの内蔵設置とは直接関係は無いかも知れませんが、チェンジャーを縦置きで使用する場合は、横置きで使用する場合に較べて何だか再生能力が若干落ちるような(?)印象を、私は(個人的に、ですが)持っています。実際に私のチェンジャーは音飛びが発生したのですが、音飛びの原因が下で述べるようにピックアップの製造不良(?)なのか、縦置きで使用したことによる作動耐久性の劣化なのか、はたまた吸音材追加による放熱性の悪化が原因なのか、あるいはそれ以外なのか・・・現時点では不明です。
 

 

(備考)故障修理・体験記〜音飛び発生+イジェクトせず〜
 

1999-12-10:追記
ここから先は、'99/12月に体験したMDチェンジャーの修理に関する顛末記&感想です。

そう、今から考えると、このMDチェンジャーは購入後まもなくから、調子が悪かった。音飛びが発生することがあったのです。普通、MDデッキはストレージ機能を持っているので、よほどのことが無い限り、「音飛び」という現象は出ないハズですよね。つまり、ディスク再生中に振動などの外乱が加わっても、その直前まで電気的に蓄えていた音楽信号を(音飛び中も)徐々にメモリー内から引き出していく回路を持つので、再生音が途切れにくいという機能があるのです。

購入当時はちょうど、いわゆる「MDの相性問題(※)」が取り沙汰されていた時期だったため、私は、(ストレージ機能があるのに音飛びする原因は)その相性問題のせいであろう、と勝手に思いこんでしまったようであり、それ以外の原因の可能性について考えてみなかった点が、今から思うと反省点であった(車両停止状態=車体振動が無い状態でも、音飛びが発生したことから、もっと深く原因追及するべきであった)。

1999-12-19:追記
 (※)「MDの相性問題」
録音デッキと再生デッキとが異なるメーカーのとき、最悪の場合、ディスクそのものの再生ができなくなる(音がまったく出なくなる)という現象。MDの規格に一部あいまいな点があるため、メーカー各社での解釈の差により起こり、対策は特に無い(←東京モーターショウ・KENWOODブースの技術担当員:談)、とされていた。現在でもその問題が続いているのかどうかは不明。

私の場合、症状は音飛びがほとんどで、ディスクがまったく再生できないことは無かったため、購入して早々にピックアップが壊れているとは思わなかった点が悔やまれます。結局、2〜3年ほどの間、だましだまし使用し続けていましたが、「イジェクトせず」の不具合が出るに至り、とうとう修理を依頼することにしました。保証期間が過ぎているとのことで実費での修理です。

故障したKENWOOD製MDチェンジャーを、いつもお世話になっているスバルディーラーにあずけること約1週間。スイッチとピックアップが交換されて帰ってきました。まず、「イジェクトせず」 の原因は、大きさでわずか約5〜6mm四方(!)のスイッチ破損(摩耗か?)でした。このSWが故障する症例はボチボチあるらしく、HP掲示板によると、私の知り合いの同型機でも何例か発生しているとのことでした。メーカーでは(きっと評価を行っていたであろう)MDマガジン出し入れの耐久試験では、何ともなかったのであろうか?う〜ん・・・。

次に、「音飛び発生」の原因はピックアップの故障(か不良?)による、との説明を受けました。ピックアップというとMDデッキの”心臓部”であり、心臓部がこんなに簡単に故障するようでは少々困るのですが、まぁこればっかりは使用条件によって耐久性に大きな差が出て当然であると考えているので、仕方が無いというか、今回の実費修理には黙って納得することにします。

【図11/左】 故障(摩耗?)した開閉スイッチ。非常に小さいです。 
 【図12/右】 心臓部のピックアップ。真の故障(不良?)原因は不明。

イジェクトスイッチ ピックアップ部

さて、早速家に持ち帰って、無事に直っているかどうかの作動チェックをしてみました。DISK(1)を再生→DISK(2)を再生→DISK(3)を再生→・・・→、と順調に進んでいきます。ところがDISK(5)とDISK(6)だけは、どうしてもうまく再生できない(トレーからローディングされない)のです。念のため、6枚全てのDISKをマガジンから取り出し、ランダムに入れ替え直して再び作動チェックをしてみます。すると、やはりDISK(5)とDISK(6)だけは、どうしてもローディングされずに次のDISKへと再生がスキップされてしまいます。こりゃ変だなー(ディスクが原因ではないな)と思い、いろいろと探ってみると・・・。

何と6連装マガジン本体が破損しているではありませんか(図13〜図14)! ここで正常な場合の作動状態を詳しく書くと、まず1枚のディスクがローディングされる際は、デッキ内部からアームが伸びてきて、そのアームがマガジン(No.1〜No.6の各トレー)に付いている 「ツメ」の部分を引っかけることによって、目的のディスク1枚をピックアップ部分へとスライドさせて取り出せるようになっています。・・・ところが、今の状況は引っかけるべき「ツメ」が割れている(と言うよりも完全に欠けている)ので、アームが空振りしてディスクを取り出せないでいる状態だったのです!

【図13/左】 ローディングされない原因は、マガジンの爪部故障でした。 
 【図14/右】 図13の拡大図。トレーがスライドされないので再生不能状態。

MDマガジン マガジン破損部の拡大図

2000-01-24:加筆
ボクは「マガジンがデッキ本体から取り出せない(イジェクトせず)」という内容で修理依頼をしたのであるから、修理センターの係員が取り出す際に破損させた可能性が極めて高い。・・・いや、きっとそうに違いない、と考えて、再びディーラーに出向いた。そして状況を説明し、次のように主張した。

<私の要求(主張)>
(1).修理のためには、マガジン破損はやむを得ない(修理すれば、不可避的に壊れてしまう
    構造)だったのかどうかを、KENWOODに確認して下さい。
(2).もしも修理に伴って破損することが避けられない状態であったなら、作業開始前に、
    お客様(=つまり私)にその旨の連絡を入れたかどうかをKENWOODに確認して下さい。 (3).事実が(1)〜(2)のどちらにも該当しない場合には、作業員が誤って破損させたこと
    になるので、(マガジンの破損に限っては)責任はKENWOOD側にあると考える。
    したがって、マガジンを新品に無償交換すべきである。
(4).さらに付け加えると、修理後に正常作動するかどうかを確認する際に、お客様(=私)
    の持ち込んだマガジンそのものを使ってOK確認を取っていないことになる。修理後
    の検査出荷工程もしっかりしているのかどうか、KENWOODに確認して下さい。

まず、このような場合、頭ごなしにKENWOODを悪者にしてはいけないと思う。破損が必然的なものか偶発的なものかを確認する必要があると考え、念のため上記(1)の発言となりました。(2)の発言は、もしも(1)の発言でボクの予想がハズれた場合の措置です。で、今回のボクのホントの主張は・・・(3)です。ボクの頭の中では、ほぼ(3)で決まりだったのですが・・・まあ、万が一ということもありますし。で、ちょっとくどいですが最後に(4)も言っておきました。イヤな客かも知れませんが、一応、自分の主張を筋道立てておいた方が、相手も納得して新品マガジンを用意してくれるのではなかろうか、と考えたわけです。

結果は、私の主張が認められて新品マガジンが手に届きました。そこで、ダメもとで「壊れた方のマガジンも引き取りたいのですが(元々はボクのだし)・・・」と言ってみましたが、やはり無償「交換」なので、それは勘弁して下さいということでやっぱりダメでした。破損はしているけれど、4連装マガジン(=6連装−破損2連装)として使おうと思っていましたが、さすがにそれは虫が良すぎる話しのようです・・・。

こうして、現在('00/1末)は不都合無くMDチェンジャーを使っています。が、以前と同じ環境で同じように使っているわけですから、また同様なトラブルが発生しないとも言い切れませんね。もしもトラブルが再発した場合には、今度はまったく新しいオーディオを買うかも知れませんね。
 

 
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