■ エンジン油圧計&油温計の設置 ■ |
APEXi油圧計とキーエンス油温計の同時装着記です。
各センサーをオイルポンプに直接接続しています。
●2000-01-31:新製、 ●2000-02-20:追記、
●2001-10-30:一部加筆、デザイン&レイアウト変更
◎2005-04-05:現在の状態はこちらをご覧下さい → Defi BF メータの取り付け
■ 油圧計&油温計の装着例 ■ |
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APEXiの油圧計、キーエンスのデジタル油温計(×2個)、LAMCOのブースト計(後にAPEXiのブースト計に変更)、の計4つのメーターを追加設置しました。設置場所は純正メーターフードの上です。この場所にした理由は
「ドライバーの目からメーターまでの距離が、純正メーターの場合とほぼ変わらない位置にできる」
ためです。つまり、スピードメーターやタコメーターから後付けメーターに視線を移すときに、遠近の差を感じないことを重視しました。その他の理由としては、ダッシュボードのセンター部(エアコン吹き出し口の上)には、すでにTVモニターがあるのでそこには設置できないためです。 【図1〜2】 取り付け例(エンジン油圧、エンジン油温、MT油温、ブースト) |
■ STEP1・アンダーガード類を取り外す ■ |
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さて、それでは作業工程の紹介です。今回はエンジン油圧計(電子式)と油温計の2つを同時に設置します。油圧計の場合、一般的にはオイルブロック(オイルフィルターにサンドイッチさせる)にセンサーを設置するか、あるいは純正オイルプレッシャースイッチ(レガシィの場合は、オルタネーター下側のエンジンブロックにあります)にT字ジョイント(三方管)を介してセンサーをつなげると思います。また、油温センサーはオイルパンの専用ドレンボルトにつなげる場合がほとんどではないでしょうか。 しかしオイルブロックは高価であり、かと言って純正オイルプレッシャーSW分岐方式だけでは油温が取れません。逆に、オイルパンのドレンボルト方式だけでは油圧を取れませんし、その場合はオイル交換のたびにセンサーコードを取り外ししなければならないでしょう。油圧&油温を同時に(しかもローコストで)センシングしようとすると、なかなか厄介です。 そこで色々と考えてみました。油圧と油温の各センサーを同時に設置できて、しかもメンテナンスフリーの場所は無いか、と・・・。すると ありましたありました!オイルポンプそのものです。EJ系エンジンには、クランクシャフト直結駆動のオイルポンプがフロントに付いているのですが、この吐出プラグ(盲栓)にネジ穴を開けさえすれば、油圧と油温が同時に取り出せそうです。 ・・・ということで、「オイルポンプから直接、油圧&油温を取るぞ!大作戦〜」の始まりです。詳しい内容については、後述します。 最初の実車作業は、アンダーガード(オプションのアルミ製)とアンダーカバー(純正の樹脂製)の取り外しです。上の図3〜図5の画像は その風景です。ホントは最初にジャッキアップさせてから 取り外し作業をするほうが 作業性は良いのですが、アンダーガード類はそのままの状態でも取り外しできますから、まずはガード類の取り外しから始めることにします。なるべくジャッキアップしないで済むのなら、そのほうが安全でしょうから・・・。 【図3/左側】 オプションのアルミアンダーガードを取り外す |
■ STEP2・フロントをジャッキアップする ■ |
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アンダーガード類を取り外したら、次はいよいよ車両のフロント部をジャッキアップさせます。ボクは恐がり(?)なので、図6〜図7にあるように、たとえ「ウマ」で車両を支持していても、タイヤの下に縁石を敷いて「万が一」のときのために備えることにしています。クルマの下に潜り込む作業は、基本的には「危険作業」だと認識していますので「万が一、ウマが外れた」ときのことを、作業前に想定しておくのです。クルマが落ちてきては悲惨ですから・・・(縁石があるからと言って安全とは限りませんが、無いよりは遙かにマシでしょう)。 下の図8は、ジャッキアップした状態で車両を「前から後ろ方向」に撮影した画像です。図8の上側が車体前側、下方が車体後方になります。上方の左右に写っている白いふくらみは、左右のシリンダーヘッドから出た排気ガスを導いているエキマニの「遮熱カバー」です。ボクのクルマ(ワゴンGT−BのMT)はターボ仕様のため、オイルパンの前方(図8の画像では上方)にも排気の取り回し=エキマニ(の一部、左右連結パイプ)がついています。 【図6/左側】 ウマに載せ、タイヤの下に縁石を敷いておく |
■ STEP3・油圧と油温の取り出し口 ■ |
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それでは次に、油圧&油温センサーの設置場所を説明します。結論から書くと、図10〜図11に示す通り、ボクは
「オイルポンプの吐出プラグ(盲栓)」
に直接接続しました((注):プラグの代わりに、貫通するネジ穴加工をしたドレンボルトが別途必要です)。 ここでオイルポンプについて触れておきますと、一般的にはオイルを吸い込む 「吸入口」と、オイルを吐き出す 「吐出口」 があります。レガシィなどのオイルポンプには、クランクシャフトと直結して回転するローターが内蔵されています。このローターに対して、回路的に上流(=オイルパン側)に位置する通路を吸入ポート、下流(=ヘッドやクランク側)に位置する通路を吐出ポートと呼びます。 EJ系エンジンの場合、これらの吸入・吐出の各ポートには、そのオイル通路を外部から遮断しているプラグ、すなわち「フタ」の役割をする盲栓があるのです。図11で示しているのが、その盲栓(プラグ)です。吐出ポートは高圧側ですから、プラグの代わりにここにセンサーを設置すれば、オイルポンプが発生する油圧を、発生源に一番近い場所(!)で拾うことができます。しかも、オイル通路からセンサーまでの距離が短いので、センサー部にエアが混入して指示値(針)が振れるといった不都合も避けられると考えます。 【図9/左側】 「オイルパン〜排気パイプ(ターボ)」の周辺部 |
■ STEP4・ドレンボルトをネジ加工して流用 ■ |
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↓ 2000-02-20
: 追記 ↓ さて、ここからは実際の加工工程について書きます。上記のように、油圧と油温をオイルポンプの盲栓(プラグ)から分岐させて取ることにしたわけですが、盲栓(プラグ)そのものは再利用しません。 というのも、盲栓は内六角プラグになっているため、穴開け加工してセンサーを接続するには適さない形状だからです。 そこで、この盲栓(プラグ)と同じネジサイズ(φ20mm×ピッチ1.5mm)で流用可能なモノを探します。 果たしてφ20mmなどというネジは存在するのでしょうか・・・。 ありました、ありました。比較的身近なところに。オイルパンのドレンボルトがφ20mmで、ネジ長さこそ オリジナルの盲栓(プラグ)よりもやや長めですが、そっくりそのまま流用装着できそうです。それに、ドレンボルトであればディーラーから純正品を取り寄せなくても、オートバックスなど自動車用品店でも汎用品が200〜300円程度で販売されています。 ということで、このドレンボルトにセンサーを接続させるための加工を施します。具体的には、図13に示すようにドリルで貫通穴をあけて1/8ptのネジ加工を入れます。オリジナルの盲栓(プラグ)には、ゆるみ防止のためのネジロック(のようなもの?) が塗布されていましたが、今回のドレンボルト流用法では、代わりにシールテープ(水道管などで使用されています)を巻いて緊迫力とシール効果を出すことにします。 【図12/左側】 APEXiの油圧計(0.0〜8.0kgf/cm2) |
■ STEP5・油圧回路の分岐(配管準備) ■ |
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油圧センサーのみを接続する場合は前節STEP4までの準備でOKですが、今回は油温も同一場所から取り出しますので、T字型のジョイントを別途用意します。しかしその際、油圧と油温の両センサーを単に無配慮に接続するだけではダメで、T字型のジョイントに接続するべき最適な位置があるように思います。図示すると、以下のような感じです(私が使った油温センサー(キーエンス(株)から購入)は径が1.6mmほどの細棒タイプ)。 【図14/左側】 ドレンボルト(改)に油圧センサーを接続した状態
つまり、油温センサーの先端はオイルポンプ内の充分深いところ(=吐出ポート内)にまで達するように設置しなければ意味がないということです。T字型ジョイントを利用して油圧と油温を同時にセンシングさせる場合、油温センサーをジョイントに対し直交するように接続してしまうと、どんなにガンバってもセンサーはT字型ジョイント部分の温度しか感知できないように思います。とすると、本当の油温よりも低い温度しか示さない恐れが出てきます。 そのため、私の場合はT字型ジョイントを貫通して油温センサーが伸びていき、最終的にはオイルポンプの吐出回路内にセンサー先端が位置するように配慮しました(上の図15)。一方の油圧センサーについては、例えばセンサー自体が下向き配置となり、回路内空気がセンサー部で淀(よど)んでしまう 「エアだまり」 ができてしまうような配管でない限りは、(T字型ジョイントに対して)直交配列になっても問題は無いように思われます。 なお、油温センサーは径が1.6mmほどの細棒タイプなので、走行中の振動などで折損しないよう、あらかじめ取り付け部分(フィッティング部分)でコイル状にして振動を吸収できるようにしておきます。 |
■ STEP6・直接オイルポンプに接続する ■ |
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ネジ加工したドレンボルトにセンサーを接続するための下準備を加えると、次は実車作業です。エンジン停止状態ですが、オイルポンプの盲栓(プラグ)を取り外すので、念のため廃オイル処理箱を用意しておきます(図17)。六角レンチで盲栓(プラグ)を取り外し、あらかじめシールテープを巻いておいたドレンボルト(改)をねじ込んでいきます(図18)。 図19〜図20は、センサーを設置した状態です。ちょうどオイルパン(画像上側)と排気管(画像下側)のスキマにT字型ジョイントから分岐した油圧センサーが位置するよう、角度を調整します。 ちょうどオイルパンのレベルゲージ(正確にはレベルゲージガイド)がエンジンルームの上に伸びているので、配線はこのガイド沿いに固定設置することにします。 排気管(左右のエキマニを連結するパイプ)とセンサーの距離が少々近いような気がしますが、排気管には遮熱カバーがついているし、クリアランスは確保できているので、まあしばらくは様子見をします。油圧センサーのカプラー(コネクター)が 熱的に苦しいようであれば、排気管とセンサー類の間に遮熱板を自作して追加しようかと思います。 【図17/左端 】
念のため、オイル受けを用意する |
■ STEP7・配線をグロメットから室内に通す ■ |
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さてセンサーを設置してエンジンルーム内での配線整理ができたら、作業は8割方終了と思って良いでしょう。あとは室内への引き込みと結線です。室内へは、いつものようにバルクヘッドのグロメット(ゴムカバー)から引き込みます。冬(1月)に作業をしたので、日が暮れるのが早いこと早いこと・・・。早速、先日購入した2灯式作業用ハロゲンライトのお世話になりました(図21)。これって、500W×2灯ですが、非常に明るいですね。 グロメットから引き込んだ配線は、運転席クラッチペダルの上に出てきます(図22)。室内に引き込むとき、私はガイド棒(実は料理用の菜箸です)の先端に配線をテープで固定させて引き込むようにしています(図23)。このあとは、電源ライン(+12V)とイルミライン(+12V)、アース(グランド)を適当な場所から確保し、自分好みの場所に設置したメーター本体まで配線をキレイにまとめ、無事に作動することを確認すると、一通りの作業は終了になります。 【図21/左側】 エンジンルーム内の配線をまとめておく
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■ 私的な まとめ ■ |
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実際に使用してみると、今まで知らなかったエンジンからの情報が目に見えて分かるようになりますので、大変便利というか面白いですね。特にボクの場合は、エンジン油温に加えてミッション油温も表示させているので、「エンジンは暖機完了しているが、ミッションは まだまだ暖機途上だな」などというように、エンジンと駆動系の温度差が分かり良好です。たとえば走行開始から10分も経つと、冬場でもエンジン油温は80℃ほどに達しますが、ミッション油温(MTギヤオイル75W−90)はまだ30〜40℃、なんてことがザラです。 また、ボクの場合、エンジン油圧に関しては「ほぼオイルポンプの吐出油圧」そのものを表示させていることになり、エンジンブロックや後付けオイルブロックから分岐させたセンサーによる油圧表示よりも、数値が若干高めになる傾向があるかと思います。しかし、もし万が一、オイルポンプ本体に異常が生じた場合には、センサーがポンプに一番近いぶん、油圧脈動などの異常を感知しやすいのではないかと考えます。 暖機後は、走行中でおよそ4〜6kgf/mm2台、アイドリングで2kgf/mm2前後、といった感じで針が動きます。ファッションアイテムのみとして油圧計を設置するには、少々価格と作業工数がかかりますが、それでもブースト計or負圧計に次いで 「針に動きのある」メーターですから、メンテナンス目的以外(例えば針の動きを見て楽しむなど)での設置も「アリ」ではないかと思います。 いずれにせよ、それまで見えなかったエンジンの情報が見えるようになるわけですから、表示された数値に踊らされることなく有効利用or楽しむことができるのであれば、油圧計(や油温計)は充分設置する価値があると言えるでしょう。それにこれらのメーター類は、例えばクルマを乗り換えたとしても、次の新しいクルマにもそのまま使えますから、長く使えるという点を考慮するとお勧めアイテムと言えるように思います。 |
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(MT油温計・フロントデフギヤ油温計) (デジタル電圧計内蔵 カップホルダー)