関西三都 食一辺倒の旅

 1998年12月11日〜13日の3日間、4人で関西へ行ってきました。
 出発の前々日から一泊で温泉旅行というか温泉宴会にでかけ、前日はなんだかまだ不完全燃焼ぎみだったからカラオケ6時間にチャレンジし、興奮のあまりその晩もろくに寝れない状態ででかけたのでボロボロな体調での出発でした。
 行く当初は京都で古都の情緒にひたり大阪で食い倒れる、というのがテーマでした。実際に行くと、京都でも大阪でもそればかりか神戸にまで赴いて食い倒れる、という旅行になってしまいました。
 バッタが大群になるとサボテンをも食い散らかす、という話がありますがまさにそれで、大人数(といっても4人)での旅行はすごいことになってしまいました。名所みるより、散歩してるより、何か口に物を入れている時間の方がはるかにながかったと思います。一日の終わりに食べたものをリストアップしました。中学男でもないのに結構すごいです。巻末付録として、印象が強くおいしかった食べたものランキングを作ってみました。
 一応、見どころを中心に旅行雑記としてまとめました。


12月11日(金)

養源院
 養源院へ。入口がわかりづらく、少し迷う。三十三間堂の北向いに入口がある。ここは、左甚五郎作のうぐいす張りの廊下、俵屋宗達の杉戸絵、そして血天井があるお寺だ。13:00,14:00などと決められた時間に行くと、カセットテープからの説明をききながら、寺の中を見ることができる。建物のなかはなんだか暗いかんじで、気候のせいもあるけどヒヤ〜っという感じだ。
 うぐいす張りの廊下は、いろいろな歩き方をためしてみた。どうやっても音が鳴るのがくやしい。天井は、伏見城が石田三成に攻められたときに、割腹した鳥居元忠ら380名余りの人の血で染められた廊下を供養のためにここの天井にもってきて嵌め込んだ、というものだ。人の形になっている様を竿をつかって説明をうける。手跡だけはくっきりみえたものの、人の形はあまりよくわからなかった(わからなくてよかった)。のちにホテルに帰って夜中になったときに思い出してふるえあがることになる。そして、自分のうちに帰ってもっとこわくなってしまう。
 俵屋宗達の絵は、象、きりんなど。きりんは、彼は見たことがなく彼の想像上のきりんなので、首が短い。絵の上に[寶国](逆から読む)とでかでかと額縁にかかっていて、ありがたさを倍増させていた。

舞妓変身プラン
 舞妓の格好をさせてもらって写真撮影後散歩する、という観光地コスプレとも言うべきものをしに行く。
 店についたあたりで雨がにわかに降り出し、高いぽっくりを履いて濡れた坂道を歩くのは危険だということで散策ができないことになる。変身+撮影プランで料金は9,500円。これに、できあがった写真を送ってもらう送料が500円かかる。
 さっそく、変身がはじまる。
 髪にみかんの袋のような黒いネットをかぶせてまとめて→首に白粉→顔に白粉→まゆを黒と赤で描き→チーク→アイラインを黒で入れ→その上を水溶きの紅を入れ→同じ紅を口紅として使用して顔は完成→着物を選んで着付けをしてもらい→かつらをかぶせてもらう。
 できあがった姿を姿見に映す。背が小さいからか額が広くて面長なせいか、なんだか頭がでかくて気持ち悪い。三味線とかアコーディオンとかを持ってステージに出てきそうな雰囲気だ。ショックで写真撮影のときも笑えない。おまけに、とらされるポーズがいかにものポーズでおかしい。扇子を持って斜め下2m先を見るとか、鞠を持って"うふ"と微笑むとか。インスタントで撮ってもらった写真を見てさらに、ああ、、、と落ち込む。しばらくすると、づらでじわじわと頭が痛くなってくる。舞妓さんはマイづらを持っているそうだ。
 化粧をおとすのに、5回位洗面した。かぶれたり、ぼつぼつが出たり、メンバーそれぞれが肌の不調を訴え始める。舞妓さんって大変な職業だ。
 ホテルに帰って写真を見直すと、なんだかかわいく感じる(女としてではなく小動物っぽくて)。結局はなんだかんだいって、お気に入りの一枚になる。

地主神社
 地主神社へ。清水寺の奥にある。派手すぎてうさんくさい。幸せな結婚をしていそうな芸能人が奉納している写真とか、ここのおかげで良縁に恵まれましたありがとうなんていう通販まがいのお礼状とか、"縁"とでかでかと書かれた電気看板があったりとか、そういうものたちがうさんくささをまき散らしている。
 しかしここは縁結びの神様の神社。絵馬を奉納して、恋占いの石を試したり、いろいろして帰ってくる。あとで京都出身の人にきいたところによると、結構御利益のある神社らしく、いろいろなその人の身近な逸話をきいてへええなんて感心したりする。特にお守りがすごいらしい。
 おみくじをひくと、中吉で"持って帰ってもよい"という曖昧な説明が書いてある。他のメンバーは1人が大吉、1人が凶。凶なんて久々に見たので新鮮だなあなんて感じだったが、引いた本人はそれどころではない。顔に縦線状態。

南禅寺順正
 そこからタクシーで南禅寺へ。順正での湯豆腐がツアーの晩御飯としてセットになっていた。どうせ、ツアーの御飯だし、とタカをくくっていたらとんでもなくて、創業何百年という老舗の豆腐やさんだった。ゆば、お刺身、えび、栗、つくだに、天ぷら、ごはん、赤だし、ごま豆腐、でんがくと、それぞれおいしい。庭園を歩いて食べる所に行くまでの感じが、韓国の庭園焼肉レストランの日本版といった感じで、とっても趣があるところ。
 隣に座っていた大阪のおばちゃん3人姉妹と意気投合し、大阪のことをいろいろきく。大阪弁にまみれることを目的としていたわたしたちは、ほんとうにうれしかった。

帰り道
 都路里で抹茶カステラパフェ。これはまあまあ。上にのっている生クリームとカステラの組み合わせは絶妙だったけど、カステラとアイスクリームの組み合わせはそうでもなかったなあ。他の3人は絶賛。
 帰り、先斗町界隈を歩いて様子をみて、ホテルまで歩いて帰ることにする。途中で寺とか見れそうだよねというのが理由だったが、寺があっても当然塀があるわけで、あまりみれなく普通に飲んだあとなんとなく歩いてしまうあの感じで歩く。
 道々気になったのは、毒きのこマークのコンビニだ。特に変わった店ではないのだが、毒きのこマークが気にかかって仕方がなかった。毒きのこコンビニは京都だけのものなのだろうか。


胃に入った食べ物及びその店
(食)朝食  (飛行機の早朝便)
(食)いっしょけんめん   (萬三//三十三間堂近く)
(食)湯豆腐コース   (順正//京都市南禅寺草川町60/(075)761-2311)
(甘)抹茶カステラパフェ   (都路里//京都市東山区四条通祇園町南側祇園辻利ビル2,3F)

本日は、3食1甘でした。



12月12日(土)

大原へ
 大原の方へバスで向かう。渋滞でかなり時間がかかる。渋滞がすごい、ときいたはずなのに、すっかり言われたことを忘れていた。
 大原バスターミナルに着いたのは10:30頃。1時間以上かかってしまった。たしか、昨日の予定では、少なくても8:30にはこちらについているはずだったなあ。
 まず、三千院へ向かう。石畳の坂を歩く。竹林があったり、もみじがきれいだったり、週末なのに人があまり多くなかったり。北海道民にとっては竹林というのは結構感激するもので、「あ、あそこ三千院!」というのと同じに「あ、あそこ竹林だよ!!」という感じになる。おみやげやさんをひやかしながら、ゆっくり歩く。
 向こうから、50代の男の腕に20代後半の女がからまるようにしてやってくる。 うーん、なんてぴったりなんだ、ここの雰囲気に。わたしと同じことを同行者も考えていたらしく、顔をみあわせてしまう。「不倫魂くすぐられるよね、ここいらって」「ほんと。さびれた宿とかにとまっちゃったりして。渡辺淳一の小説地でいってるよねー」そんなの二人とも読んだことないくせに。
 今度は、棒に緑色の物がささったものを食べ食べおりてくる人がぼちぼちいるのが気になりだす。「あの抹茶アイス、絶対食べたいなあ」「、、、わたしには、きゅうりに見えたんだが、、、」しばらく歩くと、漬物屋さんがあり、そこで一本漬けのきゅうりを棒にさして売っていた。正解はきゅうり。すかさず購入。200円也。あっさり味でいい味だ。食べながら歩く。

三千院
 三千院に到着。拝観料、550円。
 おみくじを引く。ここは、おみくじを初めて作った元三大師良源がまつられている。人間っぽい名前だが、そのお姿は山羊のようなツノがはえていて、目がくるっと丸く、あばらが浮いてみえるしょっぱい体をしていて、阿波おどりのような感じで踊っているように見える不思議な姿を描いた版画だ。妙に気にかかる姿だが、詳しい説明は特になかった。なんであんな姿なのか???疑問が残る。他にも声明の楽器とか絵が展示されているが、あんまり印象には残らなかった。なぜなら、長居してじっくりみたりすることよりも、とにかく寒くて冷たい廊下をペタペタ歩くのがいたたまれなくて早足で出てしまうほうが先決だったからだ。

実光院
本堂/勝林院の僧院。ここのほか、宝泉院、普賢院、理覚院なども子院。
天台声明(しょうみょう)の中心地だった。
現在の客殿は、大正十年に建てられたもので、意外に新しい。欄間には三十六歌仙の画像が飾られていて、こちらは江戸時代中期の狩野派のもの。床の間には声明に使われる楽器が陳列してあり、実際にさわって音を出すことができる。
庭園は、池泉鑑賞式の庭園で、江戸時代後期の作庭。
 そして、実光院へ。拝観料、600円。
 ここには、年中何かの花が咲いている美しい庭園がある。その庭園をお抹茶とお饅頭をよばれながら眺める。美しい・・・。
 ラジカセから説明が流れ始める。向かって左サイドの松が鶴を、その下の池の中の小島が亀を表していて、その池を隔ててこちら側が世俗を向こう側が極楽浄土を表しているそうだ。ほほう。そして、正面サイドには、なんと桜が咲いている。その向こう側には柿の実がなっている。桜は、不断桜、と呼ばれる秋〜冬にかけて咲く桜だそうだ。桜と柿が一緒に見れるとは。予期もできないことだったからなおさらうれしい。
 それにしても妙に落ち着く場所だ。しばし時間を気にせずぼわーーっとする。ぼわーーーっともしたが、写真撮影は怠らない。庭におりることができたので、見てまわる。広くはないけど、見ていて飽きない。
 、、、こうして書いていて気付いた。わたしたちは本当は宝泉院に行く予定だったのだ。宝泉院は「額縁庭園」と呼ばれる美しい庭園があるところだ。その庭園を見に行く予定で、行きのバスの中でみた説明書の「宝泉院には血天井がある」という説明にふるえあがっていたのだ。どこでどう勘違いしたのか、実光院へ行き、庭がきれいだったから、今の今まで「わたしは額縁庭園を見た」とすっかり思い込んでいた。少しショックだ。また京都に行かねばなるまい。
 出たら、その界隈をぶら歩きする。奥の方へ行くと滝があり、そちらと反対側へ行くと、寂光院がある。寂光院は、聖徳太子ゆかりの場所だそうだ。たくさん出てくる歴史的人物の名前の中、ようやく馴染み深い名前が出てきたから行きたかった。予約したかまぶろのタイムリミットが近づいてきたので、引き返すことにする。
 大原バスターミナルから、八瀬遊園までバスに乗る。

かまぶろ
叡麓館
京都市左京区八瀬野瀬町112
tel:075-781-5126
fax:075-701-0051
八瀬の里はかまぶろ発祥の地。
1300余年前の壬申の乱のとき、背に流れ矢を受けた大海人皇子(天武天皇)の傷をいやすため、村びとが献じたのがはじまりだそう。
旅館。
ランチ時間の「八瀬の里弁当」3,000円也にはかまぶろ入浴が付いている。 お弁当タイムは11:00-15:00。

 ここは比叡山に登るケーブルカーが出ているところだ。ここいらに、かまぶろの宿が何カ所か点在している。今回行った叡麓館というかまぶろどころは、比叡山の麓、高野川を望む場所にある。着いたのが13:30くらいで、お昼時を程よくすぎていたので、人も少ない。まずはかまぶろへ。
 脱衣所に入るとむわ〜っとした湿気を含んだ熱気がおそってくる。入って向かって右にかまぶろが、左にお風呂場がある。かまぶろと言ってもnot五衛エ門風呂である。かまぶろの"かま"は、"釜"ではなく"窯"らしい。その窯のなかにサウナ状態で入るのだ。入口ドアの上にはしめ縄が飾られている。戸を開ける。ぷ〜んと匂う笹とか竹っぽい植物系のにおい。中の温度は58度くらいで、特別あつくはない。床にはむしろが敷いてあって、左手に水の入った龜、奥にしおれた植物がいる。においの正体はそいつらしい。韓国の汗蒸幕に似ている。床の下で暖めているようで、しばらく寝ていると低温やけどが心配になるようなじわじわした熱さに参ってくる。出てお風呂場に行き、湯舟につかると、窓の外には紅葉の山。最高。
 お弁当は予想していたよりはるかにきちんとしたものだった。かまぶろのおまけ程度の質で、つくだ煮とか漬け物とかそんなん乾きものがどっちゃりついてくるお弁当を想像していたらなんのなんの。れんこんやえびの天ぷら、お刺身、西京焼、さといもやいんげんの煮物、だし巻、お漬け物のあえ物、笹だんご、ゆかりごはん、お吸い物などなどで、ボリュームもあるしおいしいし。この中で特筆は、笹だんご。麩饅頭のつやっとした餅のなかに、とろ〜っとしたゆずみそあんが入っている。一口で食べなければ、ゆずみそが垂れてしまう。この風味と、ほどよくきいた塩分。食べ物部品部門第一位獲得である。
 温泉でくつろいだあとのビールのおかげで、ここ数日の疲れがどーーっと出て眠くなる。が、当初の予定の2時間おしだ。帰りは叡山電車と京阪電車を乗り継いで、ホテルに戻って、すぐさま大阪へ。

新世界
 大阪のホテルで、偶然にも3人がはちあわせとなる(今日は自由行動の日だった)。夕方で日もくれてきていた時間だった。他の二人も、わたしが企てていた新世界方面へ行き通天閣に上る、という企画にのって出発。
 5年位前、大阪に住んでいたことがあるという人からきいたそこいら界隈のよくない話の意味が行ってはじめてわかる。新今宮の駅から堺筋に沿って歩いていると、一泊950円とか1,500円とかの宿がたくさんある。ここいらで見かける多くの人たちが、そこを定宿としているであろうおじさんたちだ。通天閣をめざして歩く。途中でふぐのづぼらやの大量のふぐちょうちんが目にはいり、たちよらずにはいられなくなり、ふぐうどんをつまむ。うどんぐらいなら、つまむ、という感覚になっている。恐ろしい。ふぐうどんは、ふぐのぶつ切り5個が上にのっかったうどんで、だしが関西風のうすい色で、レモン味がきいている。ここでみやげ物として、ふぐまんじゅうと、ふぐキーホルダーを購入。
 通天閣についたら終っていた。6時に閉ってしまうらしい。ふぐうどんを後回しにすればよかった。
 駅までの帰り道、たこやきをつまむ。一口で口に入れると、熱くて2分位しゃべれなくなる。3人が3人ともそんな状態。おいしい。

大阪のお好み焼き
 ホテルで4人とも合流し、足を休めてから晩御飯へ。足を休ませることは知っていても、胃を休ませることは知らない。昔大阪に住んでいた人からきいていた"きじ"というお好み焼きやさんへ。それなりにおいしかったけど、お好み焼きは自分で作っても、小樽のお店で食べても、どこでもおなじ位おいしい。大阪だから特別ってことはなかった。

テーマ曲
 今回の旅行にはテーマ曲があった。
雨の御堂筋
作詞:林 春生 作曲:B.Bogle-J.Durrill-J.McGee-M.Taylor
編曲:D.Wilson 川口 真
唄:欧陽菲菲(中国浙江杭州出身)

小ぬか雨降る
御堂筋
こころ変りな
夜の雨
あなた・・・・・・
あなたは何処よ
あなたをたずねて
南へ歩く

本町あたりに
あなたはいると
風の知らせを
背中で聞いて
こんな・・・・・・
女がひとり
探していたことを
誰かつたえて

*あヽ降る雨に
泣きながら
肌(み)をよせて
傘もささず
濡れて・・・・・・夜の*

いちょう並木は
枯葉をおとし
雨の舗道は
淋しく光る
あなた・・・・・・
あなたのかげを
あなたを偲んで
南へ歩く

*-*
梅田 新道
心斎橋と
雨の舗道は
淋しく光る
あなた・・・・・・
あなたのかげを
あなたを偲んで
南へ歩く
 それはかの名曲にしてわたしの十八番"雨の御堂筋(作曲:ベンチャーズ、唄:欧陽菲菲)"だ。ベンチャーズは偉大だ。あのような日本の演歌及び歌謡曲のテイストをうまく出した楽曲をよくつくれたものだ。坂本龍一は異国である中国の音階を使い名曲ラストエンペラーのテーマをつくったが、彼の体に流れるアジアの血と才能がなんとなくそうかなと思わせてくれる。しかし、ベンチャーズ。唄い手の力量を加味して考えても、すごいと思う。
 だから元気が出るテレビの演歌ツアーの世界を頭に描き、大阪では"こぬか雨"が降らないかなぁ、と望んでいた。そして御堂筋を、梅田、新道、心斎橋と、あなたを探して南へ歩くのだ。しかし、こぬか雨も降らず、足が痛かったので、地下鉄に乗って道頓堀へ。カラオケに行き、雨の御堂筋を熱唱する。本場で歌う満足感を体いっぱいで感じる。
 出て歩くとまたづぼらやを発見。ここのづぼらやでは、「づぼらや、づぼらや、づぼらや、づぼらや、づぼらやへ〜」といううたが流れている。一度口ずさみはじめたら離れない曲で、テーマ曲が雨の御堂筋から取ってかわられる。だれかが「づぼらや、」とはじめると会話が中断されて歌い始める。ほがらかでいい曲だ。だんだん歌いこまれるほどに、原曲がわからなくなってきて、わたしたち流にまろやかになっていった。

たこやき
 最後に、もう一回たこやきを食べようと、たこやきやを探す。見つけたたこやきやの辺りは、一段と人通りが多いあたりにあった。そこは戎橋というナンパで有名な橋だそうで、たこやきを食べ終わったら通ってみよう、とはりきる。通り終わる間に4回声がかかる。奴らはうちらがこんなにも食べ物の神様に魅入られた者たちだということを知るまい。全てシャ乱Qみたいな人たちだった。ホストクラブの客引きだったのかもしれない。ちょっとがっかりしてづぼらやのテーマを口ずさみながらホテルに帰る。


今日胃の中に入ったもの。
(食)朝食  (ホテル)
(甘)きゅうりの一本漬け  (大原の漬け物屋)
(甘)お抹茶と八つ橋饅頭  (実光院)
(食)八瀬の里弁当  (叡麓館)
(食)ふぐうどん   (づぼらや新世界店//通天閣南100m/(06)633-5529)
(甘)たこやき  (新世界あたりの)
(食)お好み焼き  (きじ//京都駅の食道街の中)
(甘)たこやき  (戎橋あたりの)

本日は、4食4甘でした。



12月13日(日)

神戸へ
 日増しに早起きがつらくなってくる。こういうとき、一人だと予定変更が楽でいい。
 人数が多いと都合のよいことも多いが、守らなければならないことも多くてたいへんだ。それぞれいいところとわるいところがある。
 朝食を済ませて、神戸へ向けて出発。電車の中で、おばちゃん4人組が大きな声で楽しそーに喋っている。なんだか、うちらの将来を見ているようだ。
 そんななか、重大なことに気づく。今日の朝、ミナミで見てくる予定だったカッパのミイラを見忘れて電車に乗ってしまっていたのだ。なんたることだ。こればかりは悔やまれる。また是非とも大阪にいかなければならない理由ができてしまった。
 体調が相変わらず優れずどよーーんとした空気がわたしを取り巻いている。そんな調子でも、づぼらやのテーマを口ずさまれると、ついほがらかに一緒に歌ってしまう。
 わたしの中で"神戸顔"と称される顔がある。それは一言で言うとサルっぽい男の顔だ。わたしの知っている神戸出身者3名はすべてその系統にあてはまるから、タキカワ界では神戸出身者の男はあの顔、とインプットされてしまっていた。具体例をあげるならば、村上春樹(神戸出身)だ。今度書店へ赴いた際に、彼の本の作者近影を見てみて欲しい。そんなんで、ある意味楽しみだった神戸。見回したところ神戸顔の男の率は、実世界の神戸ではあまり高くなかった。残念。

中華街方面へ
 まず、中華街の一本駅側のアーケード街をあるく。目標は、フリュティエ・コム・シノワ。本で見たフルーツパフェがやたらにおいしそうだったからだ。朝御飯を食べたばかりで、結構まったりしているのに、美味しそうなケーキのショーケースを見るともうそんなこともわすれて、丹波栗のマロンケーキを注文していた。上にのっているブランデーに漬けてある栗が異常においしい。信じられない。これは文句なく、今回の旅行での食べ物部品部門第2位だ。他、みんなが食べているケーキも全て素晴らしい。特に、サバラン!!見た目は結して派手ではないあれを、あえてたのんだアヤコは素晴らしい。しみしみのブランデーのシロップがじゅわっとたまらない。それぞれの部品だけならぱっとしないが、全部があわさってあのサバランになると、無敵のケーキである。ああ、サバラ〜ン!!
 中華街へ。
 香港俳優のプリクラ発見。ジャッキーチェン、ブルースリー、金城武、のほか、フェイウォンや、だーーい好きなレオンライのものもある。リー様と、レオンライを撮ることを決め、最初にリー様と。その次にレオンライ、、、と思ったが100円玉がなくて、あえなく断念。
 なぜ100円玉がなかったか。ここに来る途中に、明石焼きとか、水餃子とかを小銭で買い食いしていたからだ。屋台がでていて、水餃子やゴマ団子、麺類、南国フルーツなんかの点心的なものが種類豊富に売られている。で、それを購入して立ち食いする。水餃子なんかだと、4個くらい入って200円くらいだ。そういうのを1人分購入して、4人で1個ずつ味見する。「小樽も港町なんだから、中華街あってもいいのにね」なんて、みんなすっかりお気に入りだ。
 結構腹ごしらえも済んでいたが、やはり店に入らなければ、と、事前に神戸出身者に教えて貰っていた"別館牡丹園"にむかう。ここは中華街の中ではなくちょっと外れた場所にあって、観光客で盛り上がっている感じではなく、ご家族で来ている人が多い。急な階段を上って3階までいき、ぐるぐるテーブルに着く。ワンタンとチャーシューが入った麺をいただく。薄味であっさりしている。中華料理というよりは関西風の薄味料理を食べている感じだ。さすがに全部食べれず残す。ゆっくりくつろげる雰囲気でもないので、出て、コーヒーを飲んでゆっくりしに行く。
 観音屋というコーヒー屋に入る。ここの名物はどこだったかのチーズをふんだんに使ったチーズケーキだ。わたしはさすがにそれには手が出ず、コーヒーのみ注文。そんなのを後目に、チーズケーキセットを頼む強者が2名。羨望のまなざしで見てしまう。やけくそになっているわけでもない。なんて偉大なんだ(胃と腸が)。来たケーキは直径12センチくらいの大きさのピザの具なし、という風貌だ。こってり油がのっているぜ。見ているだけでつらい。一口もらってみたら、食事とおやつの中間のものというかんじだった。しばらくたって二口目をもらったらなんだか異常においしくて、今回の旅行での甘物部門第2位をかっさらうこととなった。
 そこからJRで伊丹まで。わたしは道々土産物をゲットしていたので、ゆっくり座って待つ。1時間近く遅れて出発、札幌へ。

今日胃に入った食べ物及びその店
(食)朝食(ホテル)
(甘)明石焼(中華街近辺の)
(甘)水餃子(中華街近辺の)
(甘)マロンケーキ   (フリュティエ・コム・シノワ//078-334-1576)
(食)チャーシュー入りワンタンめん   (別館牡丹園//神戸元町/(078)331-5790)
(甘)コーヒー   (観音屋//神戸市元町)
(甘)漬け物   (西利//関空で買ったおみやげもの)

本日は、2食5甘でした。



巻末付録

そして、
全世界の食べ物好きの同志に捧ぐ、、、

食べ物食事総合部門---一回の食事を総合して選んだ部門です。
1位 いっしょけんめん(萬三//京都)
2位 湯豆腐(順正//京都)
3位 八瀬の里弁当(叡麓館//京都)

甘物部門---甘物単品メニュー部門です。
1位 サバラン(フリュティエ・コム・シノワ//神戸)
2位 チーズケーキ(観音屋//神戸)
3位 マロンケーキ(フリュティエ・コム・シノワ//神戸)
4位 たこ焼き(戎橋側の//大阪)
5位 抹茶カステラパフェ(都路里//京都)

食べ物部品部門---食べた食事・甘物を総合して、ナイスな味をだしていた部品部門。
1位 ゆずみそ笹団子(八瀬の里弁当/叡麓館//京都)
2位 栗のブランデー漬け(マロンケーキ/フリュティエ・コム・シノワ//神戸)
3位 わさび醤油をつけて食べたゆば(湯豆腐コース/順正//京都)
4位 抹茶入り生クリーム+抹茶カステラの合わせ食べ(抹茶カステラパフェ/都路里//京都)


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