ホーム > サイトマップ > 言葉 > 孫エッセイ > 新しいいのち

新しいいのち


2008年11月6日午後8時14分 この世に新しいいのちが誕生した

両親は このいのちに 愛をこめ 哩央の名をつけた
RIOはスペイン語とポルトガル語で川を表す
川は文明の源 大いなる恵の源流である

予定日を違えず生まれてくるこどもは 20人に1人 哩央はその1人

生まれ出る前の痛みを母に与え 4時間あまりで強い産声を上げた

その日は木曜日 父も母方の祖父も 午後休診の日だった
父は母を励まし 哩央の誕生を全力で応援することができた
母方の祖父母は 遠く徳島から駆けつけてくることができた

生まれて2時間が過ぎた若い命は 両親と両祖父母に 感動を与え続けた

その整った顔は おおらかで優しい
時おり 元気に泣き すぐ泣き止む
音に敏く反応し ストロボの光に瞬く

あやす父の顔を見つめ 目で追うかのようなしぐさ
時おり 口元がほころび 天使の微笑みを見せる
その小さな指が 小淑女のように 伸びやかに動く

神の存在を思わざるをえない

私は思う この子は類稀なる強運を得て この世に誕生した不思議な子 幸せな子と


(2008.11.11.)