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光ディスク

2012.09.21. 掲載
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目次
1.はじめに
2.登場年代による種類
3.記録の仕方による種類
4.規格と特徴
5.書き込み方法
6.記録用光ディスクの選択
7.DVD-Video BDMV AVCHD のフォルダ構造
8.耐久性
9.まとめ


1.はじめに

記録用電子メディアとして、光ディスクは、CD、DVD、BDがほぼ10年間隔で登場し、種類・規格もかなりの数になっている。それ以上に、保存の方法(書き込み方)が多岐にわたり、きちんと整理しておかなければ、使いこなすことは難しい。

そこで、実際に活用する者にとって有用な光ディスクに関する知識をまとめて置くことにした。実用を重視したが、その結果として、ハウツー的な知識より、理屈っぽい知識が多くなったかもしれない。


2.登場年代による種類


   ・CD(Compact Disc)     第1世代 1980年代

   ・DVD(Digital Versatile Disc) 第2世代 1990年代

   ・Blu-ray Disc(BD)      第3世代 2000年代


3.記録の仕方による種類

1.読み取り専用ディスク

 市販のソフトに使われている光ディスク
   ・CD-DA (音楽用)
   ・CD-ROM (データ用)
   ・DVD-ROM (映像用、データ用)
   ・BD-ROM (映像用、データ用)

2.記録型ディスク

A)ライトワンス(追記型)

 1回のみデータの書き込みができる光ディスク
   ・CD-R (片面1層)
   ・DVD-R (片面1層)
   ・DVD-R DL (片面2層)
   ・BD-R (片面1層)

B)リライタブル(書き換え型)

 書き込みをくり返し行うことができる光ディスク
   ・CD-RW (片面1層)
   ・DVD-RW (片面1層)
   ・BD-RE (片面1層)
   ・BD-RE DL (片面2層)


4.規格と特徴

1.追記型(ライトワンス)光ディスク

CD-R

   ・Compact Disc Recordable
   ・片面1層(650MB/700MB)
   ・転送速度(1倍):1.2Mbps

DVD-R

   ・DVD Recordable
   ・片面1層(4.7GB)
   ・転送速度(1倍):11Mbps
   ・最も安く、互換性の高い
   ・AVCHDで書き込む場合はデータ用でも問題ない
   ・データ用、録画用の区別がある
   ・ファイルフォーマットは、DVD-VideoがUDF 1.02、DVD-VRがUDF 2.00

DVD-R DL

   ・DVD Recordable Dual Layer
   ・片面2層(8.5GB)
   ・転送速度(1倍):11Mbps
   ・DVD-Rの片面2層版
   ・容量が大きいので長時間記録できる
   ・データ用、録画用の区別がある
   ・ファイルフォーマットは、DVD-VideoがUDF 1.02、DVD-VRがUDF 2.00

BD-R

   ・Blu-ray Disc Recordable
   ・片面1層(25GB)
   ・転送速度(1倍):36Mbps
   ・BDMV、AVCHD形式の書き込みに対応
   ・データ用、録画用の区別なし
   ・クローズしなければ編集も可能
   ・ファイルフォーマットは、UDF2.60

BD-R DL

   ・Blu-ray Disc Recordable Dual Layer
   ・片面2層(50GB)
   ・転送速度(1倍):36Mbps
   ・BDMV、AVCHD形式の書き込みに対応
   ・クローズしなければ編集も可能
   ・ファイルフォーマットは、UDF2.60


2.書き換え型(リライタブル)光ディスク

CD-RW

   ・Compact Disc ReWritable
   ・片面1層(650MB/700MB)
   ・転送速度(1倍):1.2Mbps

DVD-RW

   ・DVD ReWritable
   ・片面1層(4.7GB)
   ・転送速度(1倍):11Mbps
   ・ビデオ形式でもVR(CPRM)でも使用可能な書き換え型
   ・AVCHDではCPRM未対応のデータ用も使用可能
   ・ファイルフォーマットは、DVD-VideoがUDF 1.02、DVD-VRがUDF 2.00

BD-RE

   ・Blu-ray Disc Rewritable
   ・片面1層(25GB)
   ・転送速度(1倍):36Mbps
   ・BDMV、AVCHD形式の書き込みに対応
   ・データ用、録画用の区別なし
   ・クローズしなければ編集も可能
   ・ファイルフォーマットは、UDF2.50

BD-RE DL

   ・Blu-ray Disc Rewritable Dual Layer
   ・片面2層(50GB)
   ・転送速度(1倍):36Mbps
   ・BDMV、AVCHD形式の書き込みに対応
   ・データ用、録画用の区別なし
   ・クローズしなければ編集も可能
   ・ファイルフォーマットは、UDF2.50


5.書き込み方法

1.データの記録(CD DVD BDのすべてについて)

A)追記書き込み

 ●ライブ ファイル システム形式(パケット ライト)

   ・Windows 7の標準機能(UDF)を使う
   ・ファイルをパケット単位に分割して記録するので、ファイル単位での読み書きや
    ファイル単位での更新や削除がいつでもできる
   ・ただし、CD-RやDVD-R、BD-Rなどは消去しても空き容量は増えない
   ・UDFの既定のバージョンは2.01、作成したメディアは、Windows XP以降のOSが
    搭載されているPCで使用できる
   ・何回も追記できるので、頻繁に更新するようなファイルを書き込むのに適している


図1.ライブ ファイル システム形式(パケット ライト)


 ●マスタ ディスク形式(トラック アット ワンス)

   ・Windows 7の標準機能(UDF)を使う
   ・すべてのファイルを一度に書き込む必要があり、書き込み後に個別のファイルを
    編集したり削除したりすることはできない


図2.マスタ ディスク形式(トラック アット ワンス)最初の書き込み

   ・追記書き込みはできる


図3.マスタ ディスク形式(トラック アット ワンス)追加の書き込み

   ・互換性が高く、作成したメディアは、多くのPCやCD、DVD、BDプレーヤーで使用できる
   ・速く書き込むことができるので、ファイル数やデータ量が大きい場合に適している

   ・CDやDVDの場合、書き込みソフト(Roxio Creatorなど)を使って、そのディスクを
    ファイナライズすれば、互換性はより高くなるが、追記はできなくなる


図4.マスタ ディスク形式 ファイナライズ処理を行うと、互換性が高まるが、追記はできない


B)一括書き込み(ディスクアットワンス)

   ・書き込み専用ソフト(Roxio Creatorなど)を使う
   ・自動的にファイナライズ(クローズ)処理も行われる
   ・互換性は非常に高く、他のPCやプレーヤーで使用できる
   ・追記はできない。


図5.一括書き込み(ディスクアットワンス)

<豆知識>

 ●WindowsのUDF (Universal Disk Format ) 対応
  Windows 98:(Read)1.02
  Windows 2000:(Read)1.02、1.5
  Windows XP:(Read)1.02、1.5、2.0x
  Windows Vista:(Read + Write)1.02、1.5、2.0x、2.5 (Read)2.6
  Windows 7: (Read + Write)1.02、1.5、2.0x、2.5、2.6

 ●光ディスクのUDF対応
  DVD-Video(DVD-ROM、DVD-R、DVD-RW):UDF 1.02
  DVD-VR(DVD-R、DVD-RW):       UDF 2.00
  BD-RE:                  UDF 2.50
  BD-R:                  UDF 2.60

 ●パケットライト(packet write)
  データをパケットに分割し書き込んでいく。ファイル単位で記録・消去することが出来るため
  CD-RやCD-RW、DVD-R、DVD-RW、等を、HDD、USBメモリ、BD-R、BD-REの様に扱える。
  ただし、CD-RやDVD-R、BD-Rなどは消去しても空き容量が増えない。

 ●セッション(session) リードイン(lead-in ) リードアウト(lead-out)
  CDなどの記憶媒体で、データとリードイン、リードアウトの3つの記憶部分をまとめた領域
  リードインはデータの記録開始を示す領域、リードアウトはセッションの終わりの位置を示す領域。

 ●トラックアットワンス(Track At Once) ディスクアットワンス(Disc At Once)
  トラックアットワンスは、「トラック」という単位でデータを書き込み、一度書き込みを行った後に
  追記ができる方式。

  ディスクアットワンスは、ディスク全体に、一度にまとめてデータを書き込む方式。
  後から追加書き込みを行ったりはできないが、CD-ROM DVD-ROM と互換性が高い。

 ●ファイナライズ(Finalize)
  ファイナライズは、CD-RやDVD-Rなどの情報構造を完結させる処理で、これによりCD-ROM DVD-ROM と
  互換性が高くなる。「ディスクを閉じる」「最終処理」とも表現する。

  BDは、DVDとは異なるバージョンのUDFを使っているため、ファイナライズ処理を行わなくても
  ダビング後のBDは、そのままの状態で他機器で再生できる。ファイナライズに似た機能として、
  記録消去から守る「プロテクト」機能、追加記録や編集を防ぐ「BDクローズ」機能がある。

 ●フォーマット(format)
  記録メディアをコンピュータ等の機器で利用可能とするための初期化(イニシャライズ)の形式。
  この初期化が終わって初めて特定のディレクトリやファイルを作成することができる。
  初期化の方法は、ファイルシステムによって異なる。


2.音声、映像表示形式での記録

CD

   ・音楽専用ソフト(Windows Media Playerなど)を使う
   ・CD-DA互換形式

DVD

  DVD-Video
   ・映像専用ソフト(Windows DVD メーカー、Windows ムービーメーカー など)を使う
   ・市販の映像用DVD-ROMで扱われる形式、画質はSD
  DVD-VR
   ・(DVD Video Recording Format)
   ・映像専用ソフト(Windows DVD メーカー、Windows ムービーメーカー など)を使う
   ・デジタル放送のSD画質での録画用フォーマット。カット編集ができる
  AVCHD
   ・(Advanced Video Codec High Definition)
   ・映像専用ソフト(TMPGEncVMW5 など)を使う
   ・HD画質で記録
  AVCREC
   ・DVD/BDレコーダーで保存、編集する
   ・BDAVフォーマットを応用し、デジタル放送をHD画質で録画するフォーマット

BD

  BDMV
   ・(Blu-ray Disk Movie)
   ・映像専用ソフト(TMPGEncVMW5 など)を使う
   ・DVDのDVD-Video形式に相当する標準的な形式。市販の市販の映像用BDに使われている
    市販Blu-rayソフトの規格としてはBD-Videoと呼び、書き込みなどの分野ではBDMVと呼ぶ
  BDAV
   ・(Blu-ray Disk Audio/Visual)
   ・DVD/BDレコーダーで保存、編集をする
   ・デジタル放送のHD画質での録画用。DVDのDVD-VR形式に相当する
  AVCHD
   ・(Advanced Video Codec High Definition)
   ・映像専用ソフト(TMPGEncVMW5 など)を使う
   ・フォルダ形式はBDMVで、24Mbpsでも問題ない
  AVCREC
   ・DVD/BDレコーダーで保存、編集をする
   ・BDAVフォーマットを応用し、BDにデジタル放送をHD画質で録画するフォーマット



6.記録用光ディスクの選択

あらまし

記録メディアのうち、USBメモリーやSDカードなどのフラッシュメモリーとハードディスクの高容量化、高速化、低価格化が続く中で、光ディスクの利用分野は、それらと競合しない方向へ向かうのは当然であろう。

データの記録保存で、Windows 7 では、光ディスクのフォーマットとして、「USB フラッシュドライブと同じように使用する」ライブファイルシステムを喧伝している。対象は、書き換え型(リライタブル)光ディスだろうが、これなど、USBメモリーやHDDの方がよほど便利で使いやすい。

むしろ、書き換えを必要としない静止画、動画などを、追記型(ライトワンス)光ディスクに保存するのが適当だと思う。それらを、違う種類のバックアップとして、HDDでのバックアップと併用するのが、安全のために望ましい。

ただし、BDは光ディスクとして、はじめてUDF2.50のフォーマットを採用し、ファイナライズがなく、ファイナライズをしなくても、BD-ROMと互換性がある。このことは、今回の勉強で知ったのだが、有用だと思う。

CDやDVDをUSB代わりに使うのはどうかと思うが、互換性が高く、転送速度が速く、高容量のBDをデータディスクとして使うメリットは充分に考えられる。

表1.光ディスクの比較

種類 容量 転送速度(1倍) ROMとの互換性
CD 片面1層
650/700MB
1.2Mbps
ファイナライズが必要
DVD 片面1層
4.7GB
11Mbps
ファイナライズが必要
BD 片面1層
25GB
36Mbps
ファイナライズは不要


私の選択

CD-R
撮影写真配布用、電子出版用、重要CDのバックアップ用

CD-RW
撮影写真配布のテスト用、電子出版のテスト用

DVD-R
写真保存用、SD画質DVDビデオ制作配布用(BDプレーヤ未購入者対象)

DVD-RW
SD画質ビデオ制作配布テスト用

BD-R
動画保存用、HD画質ビデオ制作配布用

BD-RE
HD画質ビデオ制作配布テスト用、流動変化するデータのバックアップ二重化用



7.DVD-Video BDMV AVCHD のフォルダ構造

光ディスクのフォルダ構造を知りたい一番大きな目的は、動画ファイルが、どのフォルダに、どのような種類(拡張子)で保存されているかを知るためであろう。ここでは、その代表的なDVD-Video、BD-Video(BDMV)と、最近DVDやBDに保存されることが多くなったAVCHDについて調べた。


DVD-Videoのフォルダ

DVD-Videoのフォルダ構造は単純で、フォルダは最低VIDEO_TSだけでよく、この中に図6のような幾つかの種類のファイルがある。その内の VTS_01_1.VOB 〜 VTS_01_9.VOB、VTS_02_1.VOB 〜 VTS_09_9.VOB、VTS_03_1.VOB 〜 という、拡張子が .VOB のファイルが動画ファイルで、これに動画・音声・字幕情報が収められている。VOBファイルはMPEG2なので、拡張子を.mpgに変えるとMMPで再生可能。1GBごとにVOBファイルが存在する。


図6.DVD-Videoのフォルダ構造 ●はフォルダ ・はファイル


BDMVのフォルダ

BDMV(Blu-ray Disk Movie)はBD-Videoとも呼ばれるが、そのフォルダ構造は、DVD-Videoと比べて非常に複雑で、上位フォルダ3個、下位フォルダ8個の合計11個のフォルダから成っている。動画ファイルは「STREAM」という名前のフォルダの中に存在し、ファイルの種類(拡張子)は「.m2ts」で、00000.m2ts 〜 99999.m2ts である。

この.m2ts ファイルは、MPEG-2 TS、MPEG-4AVC/H.264、VC-1のいずれかである。MPEG-4AVCは、MPEG-2の約40%にまでサイズを圧縮することが可能で、最近はこちらがよく使われている。


図7.BD-Videoのフォルダ構造 ●はフォルダ ・はファイル


AVCHDのフォルダ

AVCHD(Advanced Video Codec High Definition)は、HDビデオカメラの規格として作られたものであるが、DVDやBDに、このフォルダ構造で動画が保存されることも多くなっている。これはBD-VideoのBDMVのフォルダを参考にして作られたもので、その簡略版とも言える。

上位フォルダは1個、下位フォルダ数は4個で、合計5個のフォルダから成り、動画ファイルは「STREAM」という名前のフォルダの中に存在し、ファイルの種類(拡張子)は「.m2ts」で、00000.m2ts 〜 99999.m2ts である。

この.m2ts ファイルは、MPEG-4AVC/H.264である。


図8.AVCHDのフォルダ構造 ●はフォルダ ・はファイル



8.耐久性

CD-ROMやDVD-ROM,BD-ROM などのROM系光ディスクは、工場でプレス加工して製造され、物理的な凹で記録されるため、寿命は30年〜100年とされているが、CD-R、CD-RW、DVD-R、DVD-RW、BD-R、BD-REは、レーザー光線で変化をさせる方式なので、寿命は10年〜100年と短く予測されている。

ただし、これは、最良の製品を、最良の状態で保存した場合であり、また、CD誕生から40年ほどの歴史しかないので、あくまで推定値に過ぎない。

私としては、国産の大手カーメー製品を使い、高温多湿の環境を避けて保管し、直射日光に長時間さらさず、保管ケースに入れてディスクを保存して汚れや傷を防ぎ、レーベル面の反対側面に指紋を付けないように取扱いに注意し、付着した指紋などの汚れは、眼鏡拭きで内側から外側に向けて拭き取ることくらいを心がけている。

記録した光ディスクを、5年〜10年くらいで、記録状態をチェックして、新しいディスクにコピーし直すことが望ましいとは思うが、実行できるかどうかは疑わしい。



9.まとめ

技術革新の成果はいろいろの分野でめざましいが、その1つに動画があると思う。動画記録用電子メディアの1つとして、光ディスクがある。CDから始まり、DVDで発展し、BDでは更なる有用な電子メディアとなった。この光ディスクは種類が多く、その使い方はそれ以上に多種多様で、説明はハウツー的なものが多い。

そこで、光ディスクを使いこなすために必要な最低限の知識をまとめてみた。このようにまとめてみて、理解できたことが多くあり、同じ気持ちをお持ちの方のお役に立つところがあれば嬉しく思う。

間違って理解しているところ、技術の進歩で、使われなくなった知識などは、できれば、訂正していきたく思っている。


<2012.9.21.>

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