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医用画像独習記

<1989年7月 Nifty Serve FSKY2 登録 より>


   目 次
  1.はじめに
  2.パソコン購入とグラフィックソフト
  3.イメージスキャナ
  4.画像ファイルの形式
  5.画像の作成
  6.画像ユーティリティの作成
  7.画像表示の工夫
  8.医用CGの用途
  9.医用CGシステムの構築
 10.メディカルCGライブラリ−
 11.おわりに


1.はじめに

私は現在53歳の内科開業医です。3年前から診察机の前にパソコンを置いて診療中の患者さんへの説明の一つの手段としてこれを利用しています。その中でよく使うものの一つにコンピュータグラフィックス(以下略してCGと書く)があります。

現在200枚以上の医用CGが目の前のハードディスクに納められていて、その中から求めるCGを数秒でディスプレイに表示させて説明に使っています。そうは言ってもこのCGを使って説明する必要がある場合はそれほど多くはありません。しかし使った場合の効果が非常に大きいのは確かです。

診療の説明などにCGを使いたいとお思いの医師は少なくないと推定するのですが如何でしょうか?もし使ってはみたいのだが難しそうだからとためらっていらっしゃるのなら、パソコンで一太郎を使える程度のMS-DOSの知識があれば表計算やデータベースよりも簡単かもしれないと申し上げます。

何人かの先生からCGの経験談を書いてみてはどうかと言って頂きました。自分の経験をご披露して、現在のハードやソフトが如何に恵まれた状況にあるかを知っていただき、是非CGを始められることをお奨めします。ご自分でCGを作ろうとする場合にこの拙文が何かのご参考になれば幸甚です。

2.パソコン購入とグラフィックソフト

S60年6月末にPC−9801M2を買ったのがパソコンを使い始めた最初でした。その少し前に大阪府医師会マイコン同好会に入れて頂いたのですが、CGをやっている人はあまり居られず、BASIC による自作プログラムの披露が中心でした。半年ばかりはBASIC をいじっていましたが、効率が悪く実用的ではないことを痛感しました。そこで私はBASIC を捨ててその頃簡易言語といわれていた表計算ソフトやデータベースソフトなどを全面的に使って行くことに方針を変更しました。

CGもそういう理由で市販のグラフィックソフト(すこし軽んじた言い方をするとお絵描きソフト)を使って作ることにしました。その頃 Z's STAFFとアートマスター400がパソコンのグラフィックソフトの双璧でした。しかしこれらを使ってマウスで絵を描いていくことはかなり根気と技術のいるもので、正直いって人前に出せる絵を描くのは大変な仕事でした。

マウスで絵を描くのは少しでも経験のある方ならお分かりでしょうが、使い方に慣れるのにも結構苦労します。その上これが自在に使えるようになっても、これで細かい線や点を描くことは至難のわざというより不可能に近いのです。おまけに初期のマウスのボールは金属製でしたので、滑り過ぎて使い辛いものでした。61年頃からゴム製のボールに代わり、使い易くなったのです。

先に書いた二つのグラフィックソフトの中で Z's STAFFの方が使いやすく思ったので、このプラスキットレベル1まで購入しました。そして何とか絵を描く練習を始めたものの、まともな絵が描けないのでギブアップに近い状態だったと覚えています。

3.イメージスキャナ

S61年7月にエプソンからカラーイメージスキャナーGT3000が発売されました。それまでカラーイメージスキャナは100万円以上していたので手が出なかったのですが、なんと19万8000円で売り出されることを知り、発売前からマイコンショップに注文を入れ、その店の購入第1号になりました。

何故それ程スキャナを熱烈歓迎したかといいますと、以前9450−Uを購入しようと考えてショウルームを訪ねたときに、スキャナの実演を見てその素晴らしさに感動した記憶があるからです。だからこのスキャナを使えばCGを作るのが容易になると直感し、飛びついたという訳なのです。

入手したGT3000は期待していた以上に優れたものでした。これで作った画像を沢山の人に見て頂きましたが、誰の感想も感嘆に近いものでした。医師会のマイコンクラブでデモンストレイションした時などは、これまで手作りでCGを作って来られた先生などに衝撃を与えたようで、「竹槍とじゅうたん爆撃」ほどの違いがあるとの感想も聞かれました。この様にGT3000の発売はパソコンCGにとってエポックメイキングな出来事だったのです。

GT3000で実用的なCGを作り得ることが分かったので、念願の診察机の上にパソコンを置き診療時に使用することにし、PC−9801VM2と20MBのHDDとストリーマを購入しました。1枚の画像が96KBも消費することからHDDでなければならないと考え、バックアップの面倒さの解決法としてストリーマを選びました。その他にストリーマが5分余りでリストアできる性質を持っているのを活用して20MB分の画像をストリーマで持って置きこれを何卷か持つことで、HDDの容量の不足を補えることも考慮しました。

このHDDを購入したことからその活用のためにMS−DOSの勉強、中でも階層トゥリー構造関係とバッチファイルを突っ込んで勉強せざるを得なくなったのですが、その結果がCG表示などに関してずいぶん役立ちました。詳しくは後のZ.画像表示の工夫のところで述べることに致します。

GT3000は翌62年9月にバージョンアップされ、GT3000Vとして発売されました。これまで画像の縮小拡大が50%、100%、200%、の3段階しか行えなかったのが、50%から200%まで10%単位で16段階に亘って行なうことが可能になったのです。これこそ待ち望んでいた機能なので前の機種を下取りに出し、早速購入しました。

このGT3000Vによってバランスのとれた画像を作ることが容易になったのは申すまでもなく、大部分の画像をこのスキャナで作りました。63年5月GT4000が発売され入力範囲が4倍大きくなりA6からA4に拡大されました。しかも価格はGT3000と同じなのですから口惜しい気がしますが、これは早く喜びを手にする者の宿命でしょう。

4.画像ファイルの形式

1)GTIファイル
イメージスキャナー<GT−3000>と付属の画像入力ソフトを使うと比較的簡単に写真や絵を画面に表示し、これをディスクに保存することができます。この画像ファイルの形式はいろいろ選択できるのですが、一旦保存した画像ファイルをこのソフトで表示できるのは拡張子が.GTIのファイルだけなので最初は専らこのファイル形式で保存しました。

GTIファイルはVRAMに忠実にデータを収めていてサイズが96KBあり、1MBのフロッピーに10枚しか収納できないのには驚きました。同時に画像というものが大容量を消費することを実感として認識しました。

最初はGTIファイルをGT3000.EXEというGT3000付属の画像用ユーティリティを使い画像表示を行なっていましたが、このユーティリティはLOAD専用ではなく、画像の取り込みSAVEにも使えるように出来ています。しかも画像のLOADにしても、個別に行なうことができず、プルダウン形式のメニューから選択しなければなりません。だから1個の画像を表示するにもかなり面倒な手順と時間が必要になります。

10個位のファイルであれば、プルダウン・メニューも便利ですが100個、200個のファイルから選択して画像を表示する事はまずは不可能でしょう。そこで単独の画像ファイルLOADERを探していたところ、アートマスター400のシステムディスクのTOOLというサブディレクトリに LOADIMG.EXEとSAVEIMG.EXEという"IMG FILE LOADER"と"IMG FILE SAVER"が収められていることを偶然発見しました。

2)IMGファイル
グラフィックソフトとしてはアートマスター400よりZ'sSTAFFの方が私には使い易いのであちらを放置していました。しかし画像のLOADERやSAVERを提供してくれていることを知って感激し、以来IMGファイルを専ら使用する様に方針を変えました。もうお分かりでしょうがIMGファイルというのはアートマスタ400の専用ファイルで、拡張子が.IMGなのです。

このIMGファイルを使い込んで行く内に分かった事は、このファイルが単独でVRAMに画像データをLOADできることの他に、VRAMにLOADされたデータを、IMGファイルの形式でSAVEできるというメリットがあること、もう一つは画像の圧縮という優れた特徴を持っていることでした。

もちろん始めからファイルが圧縮されているのを知ったのではなく、ファイルのサイズが画像によってずいぶん違うことに疑問を持ち、簡単な画像ほどサイズが小さく、複雑な画像ではGTIファイルに近い大きなサイズになることから経験的にファイルの圧縮という概念にたどりついた訳です。

今では圧縮という言葉もポピュラーになりましたが、当時の私にはとても大きな衝撃でした。GTIファイルでは全てのファイルのサイズが96KBですが、IMGファイルでは96KBに近いものから3KB以下のものまでいろいろあり、それはファイルの中身の多少に比例するものだと分かりました。

もう一つのVRAMにLOADされた画像をIMGファイルの形式で保存できるという機能が圧縮以上に重要であることも分かってきました。例えば表計算ソフトのスーパーカルク3で作ったグラフとか、Z'sSTAFFやKIDで作った画像をIMGファイルとして保存できるのです。何故その様なことが可能であるかと言うと、これらのソフトは終了に際してVRAMのデータを消去しないで、表示を止めているだけだからです。

だからCRT画面に画像の表示がなくても、それらのソフトの終了直後に適当なファイル名で保存すれば、画像が正しくSAVEされます。このVRAMにデータをロードし、求める画像ファイル形式の画像SAVERでセーブするということが画像データ変換の基本であることをこの時知りました。

このIMGファイルを使い始めてから画像の勉強に積極的に取り組むようになったと思います。派生的にいろいろな問題が出てきて悪戦苦闘しました。この部分はY.画像ユーティリティのところで書いてみようと思います。

3)ベタファイル
イメージスキャナで取り込んだ画像を無修正のままロードするだけで満足していた段階ではCGと言っても簡単なものでした。しかし間もなくこれでは飽き足らなくなり、修正や編集、組合せ等の手を加えたものでなければ気に入らなくなってきました。

画像の修正や編集組合せをアートマスタ400で行なえば話は簡単ですが、私には使い難い代物でためらっていた所へ、Z'sSTAFF KIDのデモ版の案内がツァイト社から届き、すぐさま購入しました。これは画像をセーブできない点を除いては実物と同じで、店頭でデモすることを目的に作られているのでした。 これがKIDの代表的な操作法をデモでみせてくれるので、今まで知らなかった使い方をこれで覚えました。もちろん実物も続けて購入しました。

このKIDもまた優れもので、Z'sSTAFFとプラスキット・レベル1を合わせたのと同等の機能を持ちながら、値段が3分の1くらいで、使い易さは遥かに上回っているソフトでした。難を言えばプロテクトが掛けられているためにHDDに移せないことくらいでしょう。

そこで画像の修正編集をKIDで行なうことに決め、GT3000.EXEとスキャナで取り込んだ画像をまずベタファイルでセーブし、これをKIDで修正編集した上でKIDを終了する。次にこの修正編集した画像をIMGファイルセーバーでIMGファイルとして保存する、という手順で画像を作成していきました。

ベタファイルというのはB(青)、R(赤)、G(緑)の3個からなり、いづれもサイズは32KB、合計96KBに固定されています。これはグラフィック・ソフトZ'sSATFFや同KIDで使われているファイル形式の一つで、拡張子が .B1, .R1, .G1 の3個のファイルの連合です。

ベタファイルのローダーとセイバーを入手するまでは専らこの方法でCGを作り、表示していました。しかしこれらを手にしてからは(Y.画像ユーテイリティ参照)できるだけ操作を簡単にすることを優先し、ベタファイルでロードもセーブも行なうことに方針を変更しました。その結果ファイルのサイズは画一的に96KBとなりましたが、サイズの大きさはもう1台20MBのHDDを購入することでカバーしました。

5.画像の作成

1)イメージスキャナーによる方法
GT3000はA6判(162.6mm x 101.6mm)とA8判(81.3mmX 50.8mm)の2種類に原稿のサイズが固定されていて、原稿選びが一苦労でした。このサイズの原稿を簡単に見つけるには、レントゲンの透明フィルムで下図のような定規を作っておき、これを上に載せて適当な原稿を選ぶとか構図を決めるのに利用し重宝しました。

      −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
      |         |5cm      |
      |  8cm    |     8cm |
      −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
      |         |         |
      |         |5cm      |
      −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
             原稿選定用定規
これに全く合わないサイズの場合は一旦原図を接写で写真撮影してプリントを作り、これを原稿にする必要があります。GT3000VになってからはA8判からA6判まで16段階のサイズが選べるように改善されたので、原稿選びの苦労は大幅に少なくなりました。しかし現在のGT4000であれば、A8判からA4判まで250段階のサイズが選べるのですから、羨ましい限りです。

GT3000やGT3000Vに付属の画像入力ユーティリティーGT3000.EXEまたはGT3000V.EXE を起動し、原稿をVRAMに取り込み、それを所定の画像ファイル形式でFDにセーブするのですが、最初はGTIファイルでした。

次の段階では修正の必要のない画像の場合IMGファイルで保存し、修正編集の必要な画像はベタファイルで保存することに変更しました。ベタファイルでセーブした画像はZ'sSTAFF KIDに読み込み、ここで修正編集した上でKIDを終了します。直ちにSAVEIMG.EXE を使ってIMGファイルでセーブして完了です。

ベタファイルのLOADERを入手してからは(Y.画像ユーティリティの作成参照)画像ファイルをベタファイル1本にしぼり、作業を簡略化しました。

6.画像ユーティリティの作成

通信を始めて目をみはる思いをしたのはこの画像ユーティリティの充実でした。ということは一番独習で苦労したのもこれだということです。

IMGファイルのローダーとセーバーを手にいれ、KIDによる画像修正の方法も身につけた段階で次に望んだものは、いかに画像のプレゼンテイションをうまく行なうかということでした。この問題はZ.画像表示の工夫のところで書くことにしていますが、そのためには色々な小道具(画像ユーティリティ)が必要になってきました。既成のソフトに求めるものがあるのではないかと文献的に調べ、梅田、日本橋のソフト屋を何度も徘徊しましたが、欲しいものが見つかりません。そうなると欲しいものを手にいれるには自分で作るしか仕方がない事になります。

そこでPC9801の構造に関する技術資料(特に画像に関係した)やアッセンブリ言語の勉強を必死でしました。教養としての勉強でなく、実用性のあるユーティリティを泥縄式で作らなければならないのですからこれはかなりしんどい仕事です。おかげでコンピュータのことが以前より少し分かってきました。

そして以下のようなユーティリティを何とか作って使用して行きました。

1. VO1.COM 6 87-04-18 17:39 ;表画面の画像を表示する
2. VO2.COM 6 87-04-18 17:41 ;裏画面の画像を表示する
3. VI1.COM 6 87-04-18 17:31 ;表画面に画像データをLOADする
4. VI2.COM 6 87-04-18 17:34 ;裏画面に画像データをLOADする

これらは表画面、裏画面にそれぞれれ別の画像をロードしておき、切り換えて素早く画像を表示させることを狙ったものです。

5. V0.COM 62 87-05-09 18:28 ;表画面の画像データを消去する

これは最初ブランクの画像をIMGファイルでセーブし、これをロードする事で、代用していましたが時間がかかるので改めて作りました。しかしこの文章を書くために、アートマスター400のシステムディスクを見てみるとIMGファイルのローダー、セーバーと一緒にこれに相当するものが入っているではありませんか!

無駄な努力をしたことになります。

6. VON.COM 8 87-06-27 20:16 ;画像の表示を行なう
7. VOFF.COM 8 87-06-27 20:12 ;画像の表示を停止する

これはV−RAMにデータを残したまま画像を表示したり、表示を消したりするのに使います。瞬間的に表示の停止、再表示が行えるので便利です。これに相当するのがKID98のシステムディスクに G_ON.COM G_OFF.COMとして収納されていますが、タイムスタンプは 88-7-14で、1年後に作られたものです。

8. TON.COM 8 87-06-29 15:38 ;テキスト画面を表示する
9. TOFF.COM 8 87-06-29 15:40 ;テキスト画面の表示を停止する

これはテキストVRAMのデータはそのままにして、テキストの表示と表示の停止をするのに使います。画像表示中にテキスト画面が表示されていると見にくく目障りなので表示を止める時に使うと便利です。

10. SELECT#.COM 51 87-07-01 6:33 ;1〜9の数字のERRORLEVEL
                       を返す       
11. Y^N.COM 69 87-07-15 22:18 ;YとNの文字にERRORLEVEL
                       を返す

これらはバッチファイルでメニューを作り、画像表示を行なうときなどに数字の1から9の入力に対してERRORLEVELにそれぞれの数値を返す場合と、Yや Yの入力に対してERRORLEVELに 0を返しNや Nの入力に対して 1を返すことで選択に使用する時に必要です。これは西田雅彦氏の予習・復習 MS−DOS@基礎編に載っていたプログラムを参考にして作りました。

NECのMS−DOS3.3に新しく加えられた BATKEY.COMはこれらの二つを合わせてた機能の他により高度な機能も加えられていますが、普通に使う分には上記のもので充分役立ちます。

12. CUR.COM 59 88-03-15 23:12 ;カーソルの表示、非表示をする
13. FKY.COM 59 88-03-15 22:34 ;ファンクションキーの表示非表示

カーソルやファンクションキーは画像表示中には表示されていない方が見た目も良いものです。ファンクションキーは[CTRL]+[f.7]で表示、非表示を決めることができますが、EXEファイル等の終了とともにデフォルトの状態に戻り、非表示から表示に自動的に戻ってしまうことがしばしばあります。

そのためにエスケープシーケンスをバッチファイルに組み込んでこれらの表示非表示を行なってきました。しかしMS−DOSの3.1より、このやり方では少々不都合が生じてきましたので、思い切ってこれらをアセンブリ言語に取り込んでCOMファイルにしました。

これでBATファイルの中にこれらのコマンドを並べるだけで良くなりました。詳しいことはFCASEのデータライブラリの10.開業医の情報バンクにアップした「エスケープシーケンスの初歩」に詳しく書いておきました。

14. ZL.COM 1654 88-03-14 0:00 ;8色ベタファイルのローダー
15. ZS.COM 4614 88-02-17 0:12 ;8色ベタファイルのセーバー

これらはベタファイルのローダーとセーバーです。BASICでベタファイルをロードしたりセーブするプログラムはKIDに載っていましたが、それを参考にしてCOMファイルを作るのがどうしてもうまく行かないで困っていました。そこでマイコンショップに出入りしているプロの人に頼んで作って貰ったものがこれらのユーティリティです。オーダーメイドなので著作権は私にあります。

書式は ZL ファイル名(拡張子省略)<CR>  で画像をロード  ZS ファイル名(拡張子省略)<CR>  で画像をセーブ という非常に簡単な操作だけで使えるため、8色画像の場合には現在でも存在価値があると思います。

16. GL.COM 4374 88-02-17 0:12 ;8色GTIファイル・ローダー
17. GS.COM 4470 88-02-17 0:12 ;8色GTIファイル・セーバー

このGTIファイルのローダーとセーバーは先のベタファイルのユティリティと一緒にオーダーメイドで入手したものです。GTIファイルをGT3000.EXEやGT3000V.EXE というユーティリティを使って表示するのでなく、専用ローダーで表示する方が便利なのは当然でしょう。

しかし、ある画像をGTIファイルでセーブし、これをGT3000V.EXE 等で表示すれば、このGT3000V.EXE などを画像変換用トゥールに利用できると言う意味でこのセーバーは極めて有用だと思います。

 書式は GL ファイル名(拡張子省略)<CR>  で画像をロード
     GS ファイル名(拡張子省略)<CR>  で画像をセーブ

 以上のユーティリティの内 1.VO1.COM、 2.VO2.COM、6.VON.COM、7.VOFF.COM、8.TON.COM、9.TOFF.COM、 10.SELECT#.COM、 11.Y^N.COM、12.CUR.COM、13.FKY.COM、 14.ZL.COM、15.ZS.COM、16.GL.COM、17.GS.COM は余りにもマイナー過ぎるせいか画像ユーティリティの所にアップされていないようです。

しかしプレゼンテイションを美しく整えるには有用なので、まとめてファイルシステムのCG関係にアップしておきます。お使いいただければ、お役に立つ事があると思います。「CGUTIL.COM」を自動解凍してお使い下さい。

7.画像表示の工夫

画像のプレゼンテイションを行なう状況はいろいろ考えられます。例えば単発で行なう場合や講義のように一定のテーマのもとに集められた画像をシリアルに表示する場合などです。これらの場合の画像表示は比較的簡単と言えます。

しかし私が最も作りたかったのは数百枚の画像の中から目的とするものを瞬時に取り出し表示できるシステムでした。つまり画像データベースを兼ね備えた使いやすくて体裁の良い画像表示システムです。

これを作るのに私はバッチプログラミング、MS−DOSの階層ディレクトリ、エスケープシーケンス、上記画像ユーティリティ、当院がレセコンで使っている疾病分類法、テンキーの活用、などを取り入れて作業を行ないました。

その中で中心となるものはもちろんバッチプログラミングです。ASCIIの昭和61年3月号に”BATCH 強力なMS−DOSの「言語」 ”という記事が載りました。これは米国の”COMPUTER LANGUAGE ”誌よりの翻訳記事で、D.E.Rubinという人が書いたものでした。その記事中でBATCHという、簡単で非常に便利なコンピュータ言語についてレベルの高い内容が8ページに亘って書かれていて私は大いに感動しました。

それまではバッチファイルというとバッチ処理をするためのものと言った低次元のものとして理解していましたが、この記事で全く認識を改めました。翌月ピート・メテヴェーレス氏の”MS−DOS ファイル整理学 ”という書籍が発行されこれを読んでみますと、これがまさにBATCHの本格的な使い方の見本のようなものでした。これまで誰も書いた者がいない非常に優れた内容に私はすっかり虜になり、夢中で何回も読んだのを覚えています。

以後2年間このような本格的にバッチファイルについて書かれた書物は皆無でした。その後は堰を切ったように、バッチファイルに関する書物が現れましたが、この書物は私にとってバッチファイルに開眼させてくれた大切なバイブル的な存在です。

画像の選択表示をバッチプログラミングによってメニュー形式で行なうだけでなく、コマンドでも行なうことができるように工夫しました。見た目が美しいように色彩をESCシーケンスでつけるとか、診察机の上で操作し易いように入力を殆どテンキーとファンクションキーで行なうとか、色々苦心しました。

その頃MS−DOSの3.1にMENUが付属するようになりました。しかし自分にはこちらの方がよりよりスマートに感じられ、しかも使い易いので専らこちらを使ってきました。

その雰囲気をGIFギャラリーにUPした「CGDEMO.LZH」を解凍しDEMO<cr>でご覧下さい。

8.医用CGの用途

第1は診察中の患者さんに対する説明の補助手段としての使用です。これが医用CGを始めた最大の目的で「百聞は一見に如かず、見て分かるものは見せて説明する」という方針で開業以来やって来たことを、先に書きました。

これを使う頻度はそれほど多くはありませんが、使った時の効果は抜群で、患者さんの理解の仕方が違ってきます。苦労が喜びに変わる一時です。

第2はスモールグループの勉強会などでスライド代わりとして使用する場合です。従業員の指導や、患者さんを対象とした病気の勉強会などに使いましたが、明るい部屋で15インチと21インチのCRTの2台を並べて説明できるのは楽しいものですし、居眠りをする人が少なくなるようです。

しかしこれを医師の症例検討等に使うには8色画像(8階調)では肌理が荒すぎ無理だと思われました。

第3はスライド作りの原稿としての使用ですが、老健法ができてから市民講座などで講演をしなければならないことが多くなりました。このように人数の多い場合にはスライド形式の方が現状では優れています。

スライド作りは難しいものです。大学にいた頃、私が発表する演題のスライドは全部自分で作りましたし、同僚の分も何回となく頼まれたので、スライド作りの苦労はかなりしてきました。そのスライド作りがこのCGを利用すると、はるかに簡単で、安く、しかもより美しくできるのです。

CRT画面をスライド用フィルムを入れたカメラで撮影するだけで、見栄えのするスライドが作れます。

9.医用CGシステムの構築

画像表示の仕方を決めた後はこれらのCGを総合的にシステム化して、誰もが一定の手順に従いさえすれば、比較的簡単に画像を取り扱えるようにしたいと思いました。これについては、1枚の画像システムディスクの中にCGの総合システム化のプログラムを盛り込み、このFDを起ち上げるとメニュー形式で選択肢が示され、それに従って行けば自然と画像システムができあがる方法を考えました。これは全てバッチプログラミングで作りました。

この1枚の画像システムディスクの中に私が求めたのは以下の事柄です。

1.取り扱う画像ファイルをZs'STAFF KIDのベタファイルに限定する。
2.CGファイルを作成する。
3.CGファイルの修正や編集加工をする。
4.単独で画像を表示する。
5.1枚のフロッピーの中に関連性のある10個の画像ファイルを納め、これをメニューの選択によって表示できる個別画像ディスクを作成する。
6.これを別にCGライブラリーとしても利用し、他のテーマで画像ディスクを作る際の画像マスターファイルとする。
7.RAMディスクでも簡単に利用できる。
8.ハードディスク上に本格的CGシステムが容易に構築できるようにする。
9.BASIC上でもベタファイルを取り扱えるように、画像セイヴァーと画像ローダーを加える。

以上でお分かり頂けたように、このフロッピー1枚でベタファイルによるCGのシステム構築に関する大部分の問題に対処できることを目標にしました。

この画像システムディスクを使って個別画像ディスクが作られ、それから総合システムの構築に進んでいく過程を図式化すると図1のようになります。またこの「画像システムディスク、個別画像ディスク取扱説明書」を別にDLにUPしておきます。

     GT3000V          未フォーマットフロッピー
                            ↓     
Zs’staff Kid          フォーマット化フロッピー
                            ↓     
      ZS.COM→→画像ファイル  個別画像ディスク用に加工
                            ↓     
            個別画像ディスク→→画像ファイルを複写   
                            ↓     
                      表示番号とファイルを対応
                            ↓     
                      表示番号に説明文を付ける
                            ↓     
ハードディスク上に画像システム構築←←←←←個別画像ディスクの完成 
         ↓                  ↓     
        画像表示               画像表示    

  図1.画像システムディスクによる実用的CGシステムの構築

10.メディカルCGライブラリー

個人単位でのCGシステムの構築を終えると次の「CGデータの交換」の問題が出てまいります。パソコン通信で画像を送ることは時間と費用の点からみて無理と思われましたので、画像を収めたFDで交換するのが現実的と判断しました。

1枚のフロッピーの中に関連性のある10個の画像ファイルを収納したものをCGライブラリーの基本単位とし、これを増やしていく方式を考え付きました。

しかしどの様な画像であるかを言葉で説明する事は難しく、何等かのサンプルが必要になります。これには、ダイレクトプリント、カラープリンターによるプリントアウトなども考えられますが、費用と時間を考えてCRT画面の写真撮影を選びました。これは先に述べたスライド作成で得たテクニックがあるので簡単な作業です。

サービスサイズでプリントした写真を下の様式(B5判)の見本集に張り付けます。

この中の「MCG分類」は当院で薬剤の分類や疾病統計の分類に使っているものであくまで実用本位な分け方です。これにカラーコントロールを併用して、視覚によって直感的に早く間違いなく分類が理解できるようにしています。

具体的には、0水、1黄、2桃、3緑、4赤、5青、6茶、7橙、8黒、9金に決めて、エーワンのラベルで色分けしています。

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     < メ デ ィ カ ル C G ラ イ ブ ラ リ ー >
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MCG201 アレルギー(1)総論

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番号  表     題   ファイル名   形式 スキャン ソフト オリジナル
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1:アレルギ―とは     ALLRGY1 文字      KID オリジナル
2:抗原抗体反応とは    ALLRGY2 文字      KID オリジナル
3:アレルギー反応(図解) ALLRGY3 模式      KID オリジナル
4:アレルゲンとは     ALLRGY4 文字      KID オリジナル
5:アレルゲンの季節変動  ALLRGN1 模式      KID オリジナル
6:ダニ(ヤケヒョウダニ) ALLRGN2 写真 SCAN KID      
7:スギ花粉        ALLRGN3 写真 SCAN KID      
8:カモガヤ花粉      ALLRGN4 写真 SCAN KID      
9:カビ(アルテルナリア) ALLRGN5 写真 SCAN KID      
0:食物アレルゲン     ALLRGN6 文字 SCAN KID オリジナル
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              M C G 分 類           
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   MCG0:泌尿器、生殖器系      MCG5:呼吸器系   
      1:神経系              6:消化器系   
      2:アレルギー、皮膚疾患       7:代謝内分泌系 
      3:外科系              8:感染症    
      4:循環器系             9:その他    
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    図2 メディカルCGライブラリー見本集の表紙

    MCG201 アレルギー(1)総論              

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   |     CRT画面を写真撮影し、サービスサイズで     |
   |       プリントした写真をここに貼ります。      |
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      1:アレルギ―とは    ファイル名 ”ALLRGY1 ”

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   |     CRT画面を写真撮影し、サービスサイズで     |
   |       プリントした写真をここに貼ります。      |
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      2:抗原抗体反応とは   ファイル名 ”ALLRGY2 ”

    図3 メディカルCGライブラリー見本集の中身

この見本集があると画像を選ぶことが容易になり非常に便利です。これを複数の部数作ることは比較的簡単なことなので、複数のFDと共に分散して保管しておけば、複数の場所に同一内容の画像図書館ができあがります。

新しく個別画像ディスクを作った人はこの方式で見本集とFDを各画像図書館に送付するように決めておけば、アップトゥーデイトのCGライブラリーが複数個所で見ることも取り出すことも可能になります。クローズドな特定の医師だけの集団であれば著作権を少しゆるめて解釈して頂けるのではないかと思いますが、如何でしょうか?

見本集のタイトル部分だけを集めたものも、インデックスとしては利用価値が高いと考えられます。これは大量に複製を作るのが極めて容易なので、個人単位のCGライブラリー情報としては例えば通信を介して絶えず最新情報を提供することが可能です。「メディカルCGライブラリー タイトル一覧」をDLにUPしておきます。医用CG 219枚のタイトルが収められています。

以上で医用CGシステムの構築は自分として一応完成されたと考えました。

11.おわりに

昭和63年6月30日に医用CGシステムの構築作業を終了しました。この日はパソコン購入3周年、CG開始2周年目に当りました。この日に間に合わせようと、がむしゃらに突進したように覚えています。

誰かに手をとって教えてもらえば簡単な事も、独りで学ぼうとすればずいぶん回り道をし、無駄も多いものでした。まこと「先達はあらまほしき」ものです。しかし、苦労したことで得たものも少なくはありません。

通信を始めて、QLD関連の素晴らしいトゥールや作品を知り、これらを全面的に取入れた改訂作業を機が熟せば行ないたいものだと思っています。16色画像迅速表示用ローダーの完成される時が目標ですがそれも目前のようです。

画像システムディスクを試してみたいと思われる方がいらっしゃいましたら、メイルを下さい。個別画像ディスクを1枚お付けして喜んで差し上げます。

<補足説明>
この医用CGシステムは昭和62年度大阪府医師会医学会の医学研究奨励費助成を受けた「パーソナルコンピュータを用いた診療補助システムの開発」の中の一部です。また、この医用画像を診療に利用している様子は「日経メディカル」1988年7月10日号と「メディカル・エグゼクティブ」1988年12月10日刊で紹介して頂きました。

(1989年7月25日)

「医用画像独習記」は、パソコン通信を始めた翌年に、ニフティーサーブのFSKY2というフォーラムに書き込んだものである。

パソコンを1985年、49歳で始め、最初の1年間で医院の会計事務関係の処理を全てパソコンで行えるようにした。次の2年間は画像(コンピュータ・グラフィックス)に専念し、一応所期の目的を果たしてパソコン通信を始めてみると、私が作ったような医療用CGシステムは、未だ誰にも作られていないことを知った。そこで勧められ「医用画像独習記」を書くことになったわけである。

この独習記は医師を対象に、パソコンについて素人に近い方でも理解できるように書いたつもりであったが、今読み返してみるとかなり技術用語が入っていて一般の方には難しいところがあるかもしれない。しかし、自分の診療に役立つ医療用画像を作るために既製の道具をいち早く活用し、既製の道具(ソフト)がなければ自分で道具まで作ろうと無我夢中になっていた熱気は、お分かりいただけるのではないかと思う。そういうわけで、技術用語の解説はあえて省略した。

画像に関しては、ここに書いた8色画像を独学でマスターした後、16色画像、256色画像と進化し、フルカラー画像(JPEG)に至ったが、その過程を全てパソコン通信の中で体得することができ、パソコン通信の有用性を痛感した。91年3月に、「BOWの98画像初心者講座」を著してFSKY2に登録したが、私がパソコン通信で修得した画像に関する技術、情報、知識の集大成のつもりであった。BOWというのは、パソコン通信での私のハンドル・ネーム(ペン・ネームのようなもの)である。

(2001.12.24.)



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