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胃透視検査法

野村医院で行なってきた方法

2006.01.29. 掲載
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昨秋開業医をリタイアしたが、この機会に現役時代に行なってきた「胃透視検査法」をまとめておくことにした。私は心臓外科を専攻してきた者であるが、その前の62年から64年までに外科の基礎として一般外科を研修する期間があった。そこでは腹部内臓外科が中心で、胃の手術術式が標準化され、普及した頃であった。その頃市川平三郎博士の「胃X線診断の実際」が出版され購入した。これは従来の胃X線診断法とは全く異なる革命的な方法だった。日本人が開発した世界に誇る「消化管二重造影法」の一般医師向け書籍が世に出た最初である。

73年に開業をしたが、その頃から「X線テレビ」が大病院で使われはじめ、真っ暗闇の中で透視検査をしていたのが、明るい部屋で遠隔操作で行なえるようになり、胃透視検査の方法も変わって行った。開業医用の「コンピュータ制御X線テレビ透視診断装置」が発売されると直ぐこれに取り替えた。開業6年目の79年だった。そして、自分なりの「胃透視検査法」を作り、検査を行なって来た。

目次
I.前準備と後処置
  A.前日までの準備
  B.当日の準備
  C.検査後の対応
II.検査手技
  A.ルーチーン検査
  B.切除胃
  C.透視中異常所見を認めた場合
III. 補足説明
  A.胃透視検査法
  B.胃の区分
  C.撮影体位
  D.手技の補足
  E.所見
  F.診断しやすい良性疾病
  G.精検を要する疾病
  H.二重造影法の原理


I.前準備と後処置

A.前日までの準備

●ガスコン
夕食は軽くすまし、それ以後は水分だけをとり、眠る前にガスコン6錠一度に服用するように指示。 ガスコンを下剤と思う人がいるので、お腹のガスを減らし、レントゲンの映りをよくする薬であることを説明しておく。

●下着 下着はボタンのついていないものが望ましいことを説明しておく。

●バロス、バリトップ、フィルム、現像定着液があるかの確認

B.当日の準備

●自現の準備は済んでいるか?
●供給マガジン内のフィルム枚数は充分か?
●収納マガジンのレバーを引き出して、垂直に立てたか?
●ネームカードを入れたか?
●ブスコパン

胃や腸などの消化器の蠕動運動や胃液の内分泌を抑制し、診断しやすい写真を撮影するため、検査前にブスコパン注射を行なっていたが、緑内障、排尿障害、頻脈など副作用の可能性があり、最近は使っていない。

●バロス発泡顆粒
ラムネの元のようなもので、水でサット飲まないと、口の中で泡が出てしまうこと。これを飲むとお腹が張ってくるが、検査に必要なのでゲップをしないこと。ゲップが出て胃のガスが少なくなれば、もう一度飲んでもらわなければならないことを説明しておくこと。

●バリトップ 120% 硫酸バリウム
通常は150mlを服用してもらうが、小さな胃の場合、100〜120mlのこともある。プラスチックの大口容器に代わってから、飲みやすくなったようだ。慌ててこぼすと、衣服に付いた部分が異常所見とまぎらわしくなるので、こぼさないように注意しておく。

C.検査後の対応

●口をすすぎ、口のまわりのバリウムをとるよう、洗面所に案内する

●下剤
アローゼン3包を2回分渡し、眠る前に3包を一度に飲むよう指示をする。便秘ぎみの人は家に帰ってすぐと眠る前の2回、いずれも3包づつ飲むように説明する。極度の便秘の人には4包に増量しても良いが、そのような例はまれだった。下痢気味の人は2包に減量しても良い。

●水分
水分をできるだけ多く取ることを指示し、下痢になっても、バリウムを出して置く必要があることを説明しておく。バリウムが長く体内に残っていると、水分が吸収されて石膏のようになり、指や箸、スプーンで掻き出した例もあることを話しておく。


II.検査手技

A.ルーティーン検査

●透視台の横で
  まずこれを飲んで下さい(と言って、キャップをとった発泡顆粒入り容器を渡す)
  この水でサッと飲んで下さい(と言って、水を入れた杯を渡す)

  これを飲むとお腹が張ってきますけれど、ゲップをしないように

  向こうでマイクで飲んで下さいと言ってから飲んで下さい
  ここへ置いておきますからね(と言ってBa入り容器を置く)

  口が汚れたら、これを使って下さい(と言いながら、ティッシュを置く)

  前のテレビに映るから、見ておいて下さい(と言って、モニターを指差す)

●操作盤前で
  はい、それじゃ飲んで下さい(ガラス窓を通して観察しながら、マイクで指示する)
  ゆっくりで良いですから、こぼさないように飲んで下さいね

  今映っているこれが食道です
  これが食道の終わり、ここから胃が始まります
  これが胃の一番底の辺りです
  はい、続けてどんどん飲んで行って下さい

  はい、そのくらいで結構です、置いて下さい

  はい、それじゃ倒しますから、横の握り棒を握って下さい(と言って、透視台を倒す)
  げっぷをしないように

  はい、じゃあ、うつぶせになって下さい、腹ばいになって下さい
  べったり腹ばいになって

                               (仰臥位→腹臥位)

1.腹臥位充盈像............................<胃全体、小弯、大弯、前庭部、球部>
  はい、息を止めて ▼(照射ボタンを押す、以下略)
  はい、楽にして

  右半身を起こして下さい
  右回りで天井を向いて下さい
  ぐるっと回って仰向けになって下さい

                          (腹臥位→左側臥位→仰臥位)

2.仰臥位二重造影..........................<前庭部、胃体部>
  はい、息を止めて ▼
  はい、楽にして

  はい、今度は、左半身を起こして下さい、左を起こして斜めになって
    (もっと起こして、もっと起こして、それぐらいで良いですよ)
    (手を頭の方に挙げて下さいね、腕が重なりますから)

                         (仰臥位正面→仰臥位第2斜位)

3-1.仰臥位第2斜位二重造影(上下2分割)..<窮隆部、胃体上部>
  はい、息を止めて ▼
  はい、楽にして

  正面を向いて、まっすぐ向いて
  はい、上を向いて下さい、天井を向いて下さい

                         (仰臥位第2斜位→仰臥位正面)

  はい、今度は逆に、右半身を起こして下さい、右を起こして斜めになって
  はい、そのくらいで良いですよ

                         (仰臥位正面→仰臥位第1斜位)

3-2.仰臥位第1斜位二重造影(上下2分割)..<前庭部、胃体下部>
  はい、息を止めて ▼
  はい、楽にして

  正面を向いて下さい、まっすぐ向いて下さい

                         (仰臥位第1斜位→仰臥位正面)

4-1.仰臥位二重造影(4分割)..............<前庭部、胃体部>
  はい、息を止めて ▼
  はい、楽にして

  もう一度、軽く右を起こして下さい

                         (仰臥位正面→仰臥位第1斜位)

4-2.仰臥位第1斜位二重造影(4分割)......<前庭部、胃体下部>
  はい、息を止めて ▼
  はい、楽にして

  正面を向いて下さい、まっすぐ向いて下さい

                         (仰臥位第1斜位→仰臥位正面)

4-3.仰臥位二重造影(4分割)..............<胃体上部>
  はい、息を止めて ▼
  はい、楽にして
  今度は逆に左半身を起こして下さい
   (もっと起こして、もっと起こして、それぐらいで良いですよ)

                         (仰臥位正面→仰臥位第2斜位)

4-4.仰臥位第2斜位二重造影(4分割)......<窮隆部>
  はい、息を止めて ▼
  はい、楽にして

  今度はうつ伏せになって下さい、腹ばいになって下さい
  はい、それじゃ、腹ばいの状態で、左半身を起こして下さい
   (もっと起こして、もっと起こして、それぐらいで良いですよ)

              (仰臥位第2斜位→右側臥位→腹臥位→腹臥位第1斜位)

5-1.腹臥位第1斜位二重造影(上下2分割)..<窮隆部、胃体上部前壁>
  はい、息を止めて ▼
  はい、楽にして

  今度はうつ伏せの状態で、右半身を起こして下さい
   (もっと起こして、もっと起こして、はい、それぐらいで良いですよ)

                       (腹臥位第1斜位→腹臥位第2斜位)

5-2.腹臥位第2斜位二重造影(上下2分割)..<前庭部〜胃体下部前壁>
  はい、息を止めて ▼
  はい、楽にして

  上を向いて下さい、天井を向いて下さい

                      (腹臥位第2斜位→左側臥位→仰臥位)

  はい、起こしますから、横の握り棒を握って下さい

                              (仰臥位→立位正面)

6.立位正面充盈像..........................<全体(小弯、大弯、胃角)>
  はい、息を止めて ▼
  はい、楽にして

7-1.立位正面充盈像(4分割)..............<胃角、胃体下部、前庭部>
  はい、息を止めて ▼
  はい、楽にして

  軽く左向き、向こう向きになって下さい
   (もっと、もっと、はい、そのくらいで良いですよ、手が重なりますね)

                          (立位正面→立位第1斜位)

7-2.立位第1斜位充盈像(4分割)..........<球部、前庭部>
  はい、息を止めて ▼
  はい、楽にして、
  正面を向いて下さい、まっすぐ向いて
  今度は軽くこちらを向いて下さい
   (もっと、もっと、はい、そのくらいで良いですよ、手が重なりますね)

                    (立位第1斜位→立位正面→立位第2斜位)

7-3.立位第第2斜位充盈像(4分割)........<球部、前庭部>
  はい、息を止めて ▼
  はい、楽にして

  正面を向いて下さい、まっすぐ向いて

                           (立位第2斜位→立位正面)

7-4.立位正面位充盈像(4分割)............<窮隆部>
  はい、息を止めて ▼
  はい、楽にして

  はい、終わりました(市民健診はここまで)

  圧迫筒を左肋骨弓直下の部分に当てて

8-1.立位正面圧迫像(4分割)..............<胃体中部>
  ここは胃の真ん中の辺り、体部と言います
  はい、息を止めて ▼
  はい、楽にして

  圧迫筒を胃角部に当てて

8-2.立位正面圧迫像(4分割)..............<胃角部>
  ここは胃の曲がり角、胃角部と言います、潰瘍のできやすいところです
  はい、息を止めて ▼
  はい、楽にして

  圧迫筒を心窩部前庭部に当てて

8-3.立位正面圧迫像(4分割)..............<前庭部>
  ここは胃の出口の辺り、前庭部と言います
  はい、息を止めて ▼
  はい、楽にして

  圧迫筒を十二指腸球部に当てて

8-4.立位正面圧迫像(4分割)..............<十二指腸球部>
  ここは十二指腸の始まりで、十二指腸球部、潰瘍のできやすいところです
  はい、息を止めて ▼
  はい、楽にして
  はい、終わりました(通常の胃透視はここまで)

食道造影をする場合は

                                (立位第1斜位)

  からだを右向きにして下さい
  口に一杯バリウムを含んでおいて下さい

9-1.立位第1斜位二重造影(左右2分割)....<食道上部>
  はい、飲み込んで ▼(同時に撮影ボタンを押す)

  もう一度、口に一杯バリウムを含んでおいて下さい
9-2.立位第1斜位二重造影(左右2分割)....<食道下部>
  はい、飲み込んで ▼

  食道撮影を含む胃透視では、この9-1.9-2.を最初に行なう

B.切除胃の場合

バリウムを一気に飲ませず、何回も分けて、透視画面を見ながら、飲んでもらう。吻合部の撮影が中心となり、吻合部が膨らんでいるか、通過障害はないか、ダンピングはないか、注意しながら、バリウムと空気を失わないようにして撮影する。手術の際に縫合に使った金属片が残っていることが多い。

C.透視中異常所見を認めた場合

病変の特徴を表現するために1〜2枚の追加撮影を主に4分割で行う。病変の描出に有効であれば、圧迫法、半立位なども適宜使う。


III.補足説明

A.胃透視検査法

1.充盈法
充盈法は造影剤を胃体上部まで充満させて、輪郭部の変化を観察する方法で、硫酸バリウムが使用される。この方法は胃全体のバランスや他臓器との関係を見るのに適しているが、胃粘膜の異常が描出されないという欠点がある。

2.二重造影法
二重造影法は空気や炭酸ガスにより胃を膨らませ、体位変換によってバリウムで胃壁粘膜を洗い、バリウムを粘膜面に薄く均等に付着させて撮影する方法である。後壁粘膜の微細病変の診断に有効であるが、隆起性病変および前壁病変の描出に弱いという欠点がある。発泡剤で胃を膨らませると、数分間は胃蠕動が抑えられる。その間に二重造影の撮影を終えるのが望ましい。

3.圧迫法
圧迫法は圧迫筒を用いて、充満されている胃の一部を圧迫する方法で、胃体部から前庭部、十二指腸球部の隆起性病変や陥凹性病変の描出に有効である。

4.粘膜法
粘膜法(レリーフ法)は、腹臥位で、あまり伸展されていない前壁粘膜皺壁に、広く、薄く小量の造影剤を分布させる方法である。手技の巧拙がが関係し、面倒な割にはあまり所見が得られないので、最近は行なっていない。

B.胃の区分

●3区分
 胃窮隆部:噴門部、胃上部・C領域(胃癌取扱い規約)
 胃体部:     胃中部・M領域(胃癌取扱い規約)
 前庭部: 幽門部、胃下部・A領域(胃癌取扱い規約)
 注:胃体部は胃体下部、中部、上部に細分されることがある
   胃癌取扱い規約では、小弯と大弯のそれぞれ3等分点を結んだ線で区分けしている

●3箇所
 噴門、胃角、幽門
●2壁
 前壁、後壁
●2辺縁
 小弯、大弯

C.撮影体位

 1.立位
 2.臥位:仰臥位(背臥位)、腹臥位、側臥位(右側臥位、左側臥位)
       Baは、仰臥位、左側臥位では窮隆部(噴門部)に貯まる
           腹臥位、右側臥位では胃体部、前庭部に貯まる
 3.斜位
     第1斜位(RAO、右前斜位)フェンシングの構え
     第2斜位(LAO, 左前斜位)

D.手技の補足

●照射ボタンを押すタイミング
「息を止めて」で腹にグッと力を入れて止めると、足の方向へ胃が移動することがあり、そのような人の場合、照射ボタンを押すタイミングを少し遅らせれ必要がある。

●絞り操作
4分割では、絞りを使う必要がある場合は少ないが、四つ切非分割や2分割の場合には、目標被写体に絞って照射条件を決めてから撮影しなければならない場合がある。絞りレバーは上下用と左右用の2個があるので、必要な絞りレバーを操作して被写体を絞り込んでから撮影をする。AUTOの場合、これによって照射条件を決めるだけで、撮影の際には絞りは自動的に元に戻り、元の照射野が撮影される。

●圧迫法
市民健診でない場合の胃透視のルーチンには圧迫法を加える
立位正面位のスポット4分割で、圧迫筒操作レバーを前に倒すと、圧迫筒が移動して圧迫が始まり、後に倒すと圧迫が外れる。胃体部、胃角部、胃前庭部、十二指腸球部の順に圧迫して行く。陰影欠損、ニッシェ、透亮像などがより明瞭になる。

●食道透視撮影
脊椎と重ならないように立位第1斜位を原則として、左右2分割の二重造影像で撮影する。上部食道を撮影するためには大きく一口含んで、飲む合図をするまで、飲み込むのを待ってもらう。「飲んで下さい」で、飲んだ瞬間に撮影する。

第1斜位のほかに、立位正面での撮影を加えることもる。また、左右2分割だけでなく、4分割で、連続的な撮影を加えることもある。

口に含んだ状態で仰臥位に倒してから、飲み込んでもらって撮影することもある。

●バリウムの付着が悪い時
仰臥位→左側臥位→仰臥位→右側臥位→仰臥位を何回かくり返して、胃内壁にバリウムを塗り付ける。右側臥位ではバリウムが十二指腸に流れ出て行きやすいので、この位置であまり時間をかけないように注意する。

E.所見

●充盈像
  壁の不整、硬化、壁伸展不良
  陰影欠損
  ニッシェ
  憩室
  圧排

●二重造影像
  透亮像
  腫瘤像
  粘膜ひだの集中
  粘膜ひだの集中の先端虫くい像、先端中断像
  巨大粘膜ひだ
  憩室

●圧迫像
  陰影欠損
  辺縁不整な陰影欠損
  ドーナツ状の全環像、または半環像

F.診断しやすい良性疾病

これまで胃透視を行なってきた経験からの印象で、数値データの裏づけはない。

●胃下垂症
非常に多い。やせた女性の約50%以上に認められた。腸骨櫛結合線より胃大彎下極がこれより下にあるものを1度、胃角がこれより下方にあるものを2度と呼ぶ。

●瀑状胃
かなり多い。男性の5%程度に見られる。胃窮隆部が大きく垂れ下がり、バリウムが窮隆部に一度たまり、ここが一杯に充満されたのち、瀑布状に胃体部に流れ落ちる。

●食道憩室
過去に、3〜4例経験した。男性に多く高齢者に多い。

●食道アカラシア
過去に2例経験、いずれも中高年男性。

●十二指腸憩室
かなり多く、3%程度。そのほとんどがCループの内側にある。

●十二指腸潰瘍
20数年前までは胃潰瘍よりも多く見られた。潰瘍瘢痕収縮による十二指腸球部が変形し、クローバの葉状になったものや、外科手術が必要なほど高度の通過障害を起こしたものも多数見られたが、最近は激減している。

●胆石症
●腹腔内結石症
●腹腔内手術後の金属片など

G.精検を要する疾病

●食道癌
過去に4〜5例経験。いずれも、中高年男性。腫瘤像、陰影欠損などから診断は容易

●胃潰瘍
H2ブロッカーが出る20数年前までは、胃潰瘍や十二指腸潰瘍は非常に多かった。それはなぜか秋に最も多く、男性が大半を占めていた。潰瘍の証明にはこのニッシェの描写が必要で、正面からの平面像はen-face niche、側面の断面像はprofile nicheと呼ばれる。

潰瘍の場合は平滑で、円形ないしは卵円形、辺縁の輪郭はスムーズ。潰瘍に向かう皺襞集中像も、潰瘍の辺縁までスムーズに延びている。潰瘍の存在を疑わせる間接所見に、胃角の変形、大彎の局所彎入、小彎の短縮などがある。明らかに良性と考えれるのでなければ、内視鏡による精検を勧めてきた。

●胃ポリープ
年に2〜3例は経験した。表面平滑で円形の陰影欠損や透亮像からこれを推定するが、内視鏡検査を勧めてきた。

●胃癌
辺縁が凹凸不整な陰影欠損像や透亮像や、不整形のニッシェ、陰影欠損中のニッシェ、ひだの中断、胃壁の伸展性の不良、巨大ひだなどはいずれも悪性を示唆するので内視鏡による精検が必要。

H.二重造影法の原理

●仰臥位
 Baは大部分が窮隆部(噴門部)に溜まる

●右側臥位  Baは体部、前庭部に移動する

●腹臥位 <充盈像>
 Baは大部分が体部、前庭部に溜まる

●左側臥位
 Baは窮隆部(噴門部)に溜まる

●仰臥位 <二重造影像>
 Baは大部分が窮隆部に溜まる

●仰臥位第1斜位 <二重造影像>
 Baは大部分が窮隆部に溜まる

●仰臥位第2斜位 <二重造影像>
 Baは大部分が前庭部、体部に溜まる

●腹臥位
 Baは大部分が体部、前庭部に溜まる

●腹臥位第1斜位 <二重造影像>
 Baは大部分が前庭部、体部に溜まる

●腹臥位第2斜位 <二重造影像>
 Baは大部分が窮隆部に溜まる

<2006.1.29.>

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