ホーム > サイトマップ > 映像 > 動画処理 > DVD制作第1号で使った技法


DVD制作第1号で使った技法

2003.06.04. 掲載
このページの最後へ

目次
1.あらまし
2.準備
3.ビデオ撮影
4.DVD制作タイムスケジュール
5.DVテープの映像をパソコンに取り込む
6.パソコンに取り込んだ映像ファイルを編集する
7.エンコード
8.オーサリング
9.焼き付け(ライティング)
10.ダビング(レプリカ作成)
11.あとがき


1.あらまし

息子が海外で結婚式を挙げるので、それに参加し、その際に撮影したビデオテープを帰国後編集し、それをDVDに焼き付け、多くの人に差し上げようと思った。

DVDを作るにあたって3つの条件があった。それは、5日に帰国するが、24日に行われる日本での披露宴までに完成させる。できれば、それよりも早く、親類や親しい方に差し上げたいので、最短期間で作ることが最重要条件であった。もう一つは、ビデオの画質をできるだけ劣化させないという私の好みが第2の条件で、最後の条件はBGMを効果的に使うことだった。

その条件を満たすことができるように工夫し、なんとか1週間目でDVD「Wedding in Italy」を作ることができた。これは私のDVD制作第1号であるが、幸い比較的うまく出来上がった。そこで要領よく短期間でDVDを作ったテクニックをまとめておくことにした。

2.準備

昨年末にDVD−Rドライブ内蔵のXPパソコン(VAIO Rz70)を購入した。動画はファイルサイズが大きく、その編集には大容量のHDが必要なので、Eドライブとして150GBのHDを最初から内蔵させた。また、WindowsXPは98やMeと違ってメモリーの壁がないので、思い切って1GBのメモリーにした。ソフトはこのパソコンにプレインストールされているものを中心にして、それ以外にも幾つかを新たに購入した。

ビデオ撮影のためのカメラとして5年前に購入したPC10というハンディーなDVビデオカメラを持っているが、この際思い切って最新の「TRV70K」というDVビデオカメラを購入した。この機種の一番の利点は、1600X1200の解像度の静止画像を撮影できることと、1GBのメモリースティックを併用することで、このサイズの静止画像を1000枚も記録できることである。デジカメとビデオカメラの2台を持ち歩くのは不便だが、これなら1台で兼用することができる。

DVDのメディアとして、「TDKのDVD−R」を選んだが、それは、この表面がスーパーハードコートされていて、通常の100倍くらい記録面のキズや汚れに対して強いというPRを信じたことと、昔カセットテープで優れていたことを思い出したからである。

CDの場合はラベルを印刷して貼り付けているが、DVDは少しの重心の偏りでも支障の出る可能性があり、ラベルを貼り付ける方式は危険だと考えた。そうなるとレーベル面へ手書きするか直接印刷するより仕方がない。

直接印刷の方式として、レーベル全面に画像を印刷できるカラープリンタPM−920Cを持っているが、印刷に時間がかかること、余り美しく仕上がらないこと、乾くまで時間がかかること(24時間)から、これは私には向かないと考えた。そこで結局、「CASIOのCW−100」というDVDに文字を直接印刷できる専用プリンターを購入した。これは300dpiの文字をDVDの上下2箇所に45秒で印刷できる優れものである。文字の色は黒のほか、赤青緑黄銀の5色あるが、黒を繁用している。

3.ビデオ撮影

「DVgate Motion」というソフトでビデオ画像をPCに取り込むと、録画の開始(イン)点と終了(アウト)点でファイルを自動作成してくれるので便利だが、タイムコードに中断があると、それができない。そこで、撮影時にはエンド・サーチを行ってタイムコードの中断を避けることに気をつけた。

4.DVD制作タイムスケジュール

5/ 5(月)帰国
5/ 7(水)DVテープの映像を取り込み、121シーンのクリップファイル作成した
5/ 8(木)DVDレーベル直接印刷専用プリンタとDVD−Rメディアを購入
5/10(土)DVDプレーヤを購入
5/11(日)BGM編集
5/12(月)タイトルをつけ、ムービーファイルとして出力
5/13(火)DVD焼き付けとダビング

5.DVテープの映像をパソコンに取り込む

DVテープの映像をパソコンに取り込むのに「DVgate Motion」というSONYの専用ソフトを使った。DVカメラで撮影を行うと、録画の開始(イン)点と終了(アウト)点を自動的に記録する。「DVgate Motion」は、この情報を使って映像を、1カットごとにスキャンし、取り込む映像のシーン・リスト(カット一覧)を自動作成する。自動作成なので、映像のイン点やアウト点を探し出すためのコントロールの手間がいらない。また、シーン・リストに登録した映像は、ハードディスクに取り込む前に、必要なシーンだけを絞り込むことができるので、ハードディスクの容量を無駄に使わずにすむ。

1.HD上にDV-AVIファイルを保存するフォルダを作って置く
 今回はEドライブの「イタリア」というフォルダの下に「ヴェッキオ」というフォルダを作った
 (E:\イタリア\ヴェッキオ)

2.DVカメラとパソコンを接続
映像の記録されたテープをセットしたDVカメラのDV端子とパソコンのDV端子をDVコードで接続し、カメラの電源スイッチを「ビデオ」の位置にする。カメラの電源はバッテリーからでなく、ACより直接とる方が安全である。また、誤って上書き録画されないようにテープのツメは[SAVE]にしておく。

3.「DVgate Motion」を起動  1)設定
   [設定]→[機器の選択]→[i.LINK端子]を選択
   [設定]→[機器の制御]→[機器の制御ボタン]ダイアログが開くので
   「ボタンを押している間だけ〜」、「コントロールに〜」にチェック、[OK]
   [設定]→[スキャン]→[録画開始/終了点スキャンの設定]ダイアログが開くので
   「通常速度で再生〜」、「先頭に巻き戻してから〜」にチェック、[OK]
   [設定]→[キャプチャ]→[キャプチャの設定]ダイアログが開くので
    ファイルの種類:[DVコーデック(720×480)AVI]
    キャプチャする音声の選択:[ステレオ1または主音声]
    [ファイル容量で分割:2048Mバイトごとに分割して保存]にチェック
    [フレーム落ちが起きたら、修復する]にチェック
   [OK]
   [ウインドウ]→「モニター」と「リスト」にチェック
   メインウィンドウの[MODE]リストで[範囲を指定してキャプチャ]を選択

 2)「スキャン」でシーンリストを自動的に作る    「スキャン開始」を押す
   「スキャン中」のメッセージは表示
   イン点アウト点が次々に登録され、テープが未録画部分(モニタ画面が青くなる)まで
    進んだら、最後のイン点表示で終了
   「停止」ボタンを押して、スキャン終了
   「スキャン終了」のメッセージで[OK]
   「ファイル」→「リストを保存」でシーンリストを保存

  シーンリストのスクロールバーを上下に動かすと、登録した映像の内容を確認できる

   ここでは、全くデータとして使いものにならないシーンだけ削除する
    (誤って録画ボタンを押したままにしていて、地面ばかりが写っているシーンなど)
    今回は5シーンを削除
   それ以上の細かい編集も行うことはできるが、それは「Premiere 6.5」で行う
   削除後のシーン・リストを新しい名前で保存する
   (このシーン・リストは、キャプチャし直しや、クリックで自動的に頭出しをするので
    テープの中身の確認、テープの管理にも有用である)

 3)シーン・リストにしたがい、キャプチャをする(映像をハードディスク に取り込む)
   「すべてキャプチャ」ボタンを押す(バッチキャプチャ)
   「ファイルに保存」ダイアログは現われるので「参照」ボタンを使って、作成済みの
    フォルダを選ぶ
    今回は(E:\イタリア\ヴェッキオ)

   「別々のファイルに保存」を選び(「一つのファイルに保存」は選ばない)保存する
   入力ボックスに名前を入力(ここでは「wedclip」)し、
    [3桁の通し番号]+分割番号に設定
   [詳細設定]ボタンをクリック、[キャプチャの設定]ダイアログを開き、先に設定をした
   [キャプチャの設定]ダイアログが開くので、最初に行った以下の設定を確認
    ファイルの種類:[DVコーデック(720×480)AVI]
    キャプチャする音声の選択:[ステレオ1または主音声]
    [ファイル容量で分割:2048Mバイトごとに分割して保存]にチェック
    [フレーム落ちが起きたら、修復する]にチェックし、[OK]
   再び[ファイルに保存]ダイアログに戻るので、設定を確認し[保存]ボタンを押すと
   テープが巻き戻され、取り込みが始まり、取り込みが終了すると確認メッセージが
    開くので[OK]    今回は121個のファイルだった。

 4)保存用フォルダ(E:\イタリア\ヴェッキオ)を開き、映像がHDに取り込まれている
    ことを確認
   ファイル表示を「縮小版」に指定→各映像の最初のフレームがサムネール表示
    される
   サムネールをダブルクリックするとWindows Media Playerが起動して、自動再生
    される

6.パソコンに取り込んだ映像ファイルを編集する

パソコンのHDに取り込んだ動画DV-AVIファイルを「Adobe Premiere 6.5」を使って編集する。最初はカット編集程度のラフ編集、次にそれらを読み込み、映像の詳細編集を行う。それが終われば、BGMを加え、最後にタイトルを加える。

この「Adobe Premiere」 というビデオ編集ソフトはプロも使うと聞く。現在の私には未だ簡単なテクニックしか使えないが、それでもかなりの編集ができた。この部分がDVD作成の中で最も醍醐味を味わうことのできる部分だと思う。

1.「Premiere 6.5」の起動と設定 1)「Premiere 6.5」を起動
2)「プロジェクト設定を読み込み」ダイアログで
    「VAIO Edit Compornents - NTSC」、「 Standard 48kHz」を選択し、「OK」
<注>
「VAIO Edit Components」は、「Adobe Premiere 6.5」の編集環境を大幅に改善する、バイオ独自の「Adobe Premiere」用プラグインである。その特徴は、  a)ソニー独自のソフトウェアDVコーデックを使用して、編集中のプレビュー作成や、
  ムービー作成における画質劣化を抑える。
 b)完成した作品のファイル出力時に、ファイルを分割せずに出力するAVI2.0形式と、
  2GBごとに分割出力させる従来の方式(AVI1.0形式)を選択することが可能。
 c)ソニー独自のソフトウェアDVコーデックを使用した高画質なムービーのプレビューを
  i.LINK端子から出力することができる。
 d)ビデオ出力端子を持つバイオでは「DV−アナログ切り替えツール」を使用して
  ビデオ出力端子とテレビを接続して映像を確認することができる。

3)[ウィンドウ]メニュー→[ワークスペース]→[A/Bトラック編集]を選択
4)タイムラインウィンドウの右上にある黒い三角をクリックし、
  メニューから[タイムラインウィンドウオプション]を選択してダイアログを出し、
  アイコンのサイズを「中」、トラックの形式を「上から2段目」に設定し「OK」
5)タイムラインウィンドウの左下にあるタイムズームレベルを[2秒]に設定
6)プロジェクトウインドウで、「ビン」を右クリック、→読み込み→「フォルダ」を選択
  「フォルダの参照」ウインドウで、マイコンピュータを選択、→
  先に作ったDV-AVIファイルを保存するフォルダを選択(E:\イタリア\ヴェッキオ)し
  「OK」
7)読み込んだこの「フォルダ」をダブルクリックすると、個々のファイルが展開する
  このファイルをクリップ(映像素材)と呼ぶ
8)クリップをD&Dでタイムラインウインドウに並べる

2.ラフ編集
 ショートカットキーを使えば編集操作が簡単に行うことができる。以下を繁用した。  「スペース」:再生/停止
 「←/→」:逆コマ送り/コマ送り
 「↑/↓」:先頭へジャンプ/最後へジャンプ

今回使った編集方法は(分割)、(削除)、(移動)、(トリミング)の4種である。

(分割)
クリップ(映像素材)上で「編集ライン」を移動して適当な位置を見つけ「レーザーツール」をクリックして分割する。分割を取り消すには「編集」メニューから「レーザー取り消し」を選ぶ。

(削除)
クリップ上で右クリックし「リップル削除」で行う(削除後の空白は埋まる)。この方法以外に、クリップ上で右クリックし「クリア」で行うか[Delete]キーを押す(削除後の空白は残る)。クリップ削除を取り消すには、「編集」メニューから「取り消し」を選ぶ。

(移動)
「斜め矢印型の選択ツール」でクリップを選択、D&Dで移動できる。この場合タイムズームレベルを4秒に変更しておくと、クリップの位置関係が見やすくなる。

例えば、クリップA、クリップB、クリップCの順で並んでいる場合に、クリップ「A」を選択し、これを右方向へドラッグ、「B」と「C」の間に置くと、その境界線が太くなり矢印が表示され、右側(後ろ側)のトラックが反転表示される。音声データがある場合には音声トラックも同様に表示が変わる。

その位置で「A」をドロップすると「B」と「C」の間に「A」が入り、「B」「A」「C」の順に変わる。この場合「C」は上書きされることなく後方に送られる。

オーディオ1にBGMクリップが入っていて、オーディオ2に別のBGMクリップをD&Dで並べると、最初はそのトラックの先頭とか、前にあるほかのBGMクリップの直ぐ後に配置される。ここからクリップの中央部をプレスしてドラッグするとクリップは移動する。クリップの両端でこれを行うと、伸展か縮小となり、移動はしないので注意が必要。

(トリミング)
クリップの使用部分を調整することを「トリミング」という。クリップの左端を右に移動D&D、右端を左に移動しD&Dで左右から短縮できる。この場合は空白ができる。トリミングで短縮したクリップの両端をトリミングの逆方向に移動しD&Dで延長できる(最大で元のサイズ)

3.詳細編集
編集を2段階に分けて行わなくても良いが、私はものごとを処理する場合、まず、大まかな処理をして、次に細かい処理をするのが習性となっているので、ラフ編集と詳細編集に分けている。その前に、「DVgate Motion」のシーン・リストの段階で、箸にも棒にもかからない映像は削除し、次の4.タイトル、5.BGMをつける段階でも映像の微調整を行うので、正しく書けば5段階の編集をしていることになる。

詳細編集が終わったところで、プロジェクトを保存する
1)ファイル→保存
2)ファイル名に wedding1.ppj を入力し、保存ボタンを押す
  保存場所は、デフォルトのままで変更をしない。

<注>
編集の要点は、あれもこれも見せようとするのではなく、ストーリーがよく分かるように、不要な部分(例えば以下のような部分)を思い切り良くカットすることだと思っている。

・録画ボタンの切り忘れなどで映ってしまった無意味な映像
・カメラが揺れて見づらい映像
・パンやズームで被写体をうまく捉えきれなかった映像
・目的の被写体以上に目立つ他のモノが写っている映像
・カメラの前を人や車が横切ってしまった映像
・目的の被写体が逆光などできれいに撮れていない映像
・同じシーンがいくつかある場合の良くない方の映像
・長く表示する必要性のない冗長なシーン
・ストーリーに無関係なシーン

4.BGM
私にとって、ビデオ編集を行う上で音声、特にBGMは大切で、そのほかに、現地音をどのように効果的に使うか、できれば自分でナレーションも入れたいなどと思っている。今回のビデオはイタリアのヴェッキオ宮殿での結婚式なので、軽くならないようにと考えてナレーションはつけなかった。

私は11年前に初めての海外旅行でイタリアに行った直後に、それをビデオ「君よ知るや南の国」としてBGM、ナレーション付きで1時間ものにまとめた。その3年後、今度はスペインに行ったが、その時にも「真夏のスペイン」のタイトルで、スペイン音楽をふんだんに使ったBGM入りビデオ作品を作った。時々、それらを見ているが、印象に残っているのは、映像よりもむしろBGMであるのに驚く。

1)タイムラインウィンドウに配置された映像クリップから、使用しない音声を削除する
映像クリップに付随する現地音を全くカットするには、そのオーディオクリップを選択し、[Delete]キーを押す。復活させるには、「編集」→「削除取り消し」

2)使用する音声ごとに、出力チャンネルと音量バランスを調整する。
オーディオ1トラックの左端にある右向き三角形をクリックするとこれが▽に変わり、このトラックを展開してボリュームラバーバンドを表示される。

このクリップ全体の音量を下げるには、
タイムラインウインドウの左上隅にある「ツールボックス」の「クロスフェードツール」をクリックして、それによって表示された「フェード調整ツール」を選択する。ボリュームラバーバンドを[Shift]キーを押しながら下にドラッグ、基準が100%のものを例えば50%にする。

このクリップ全体の音量を上げるには、
フェード調整ツールでボリュームラバーバンドを[Shift]キーを押しながら上にドラッグする。例えば、こでは120%にする。

3)音量のフェードイン・アウトの設定
クリップに音量のフェードインを設定するには、
選択ツール(V)を選択し、クリップの開始から2秒のラバーバンド上をクリックしてポイントを作成。次にクリップ前端のポイントを0%まで下げる。

クリップに音量のフェードアウトを設定するには、
クリップの終わりから2秒前のラバーバンド上をクリックしてポイントを作成、次にクリップ終端のポイントを0%まで下げる。

4)クリップの音量を部分的に調整
ひとつのクリップ内に含まれる音声の一部分の音量をボリュームラバーバンドで調整するには、ツールボックスからレーザーツールをクリックして、出てくる「フェードはさみツール」を選択ボリュームラバーバンド上の、ボリューム操作をしたい直前部分をクリックすると、ラバーバンド上にポイントができる。同様にしてボリューム操作を終了する部分をクリックする。

5)BGM選曲とWAVファイルへの変換
旅行するまでは、著作権フリーの音楽を使うことも考え、CDを4枚購入しておいた。しかし、ヴェッキオ宮殿、フィレンツェの街に来ると、もうこれはイタリアバロック音楽しかないと確信してしまった。そうなると、ビバルディーの「四季」の中の曲、それと私の好きなアルビノーニの「アダージョ」が頭に浮かぶ。この二人はどちらもヴェネチアの同時代人であることを知り、いささか驚いた。

CDに収納されている曲を、「Premiere」で取り扱える「WAV」に変換するには、VAIOにプレインストールされている「RecordNow」を使う。

・変換するトラックが含まれているオーディオ CD をCDドライブに挿入
・「RecordNow」を起動、ウイザードは使わず閉じる
・「ドライブ」をクリックすると、ディスクエクスプローラとドライブのプロパティー画面が開き、
  CD 上のトラックが表示される
・ [トラックの抽出] をクリックすると、変換したファイルの保存先の場所を入力する[パス]の入力
  ボックスが現われる。
・このボックスの右にある参照ボタンをクリックして、E:¥BGMを選び、[OK]をクリック
・抽出するトラックを選び、[抽出] ボタンを押すとオーディオ ファイルの変換が開始される

6)BGMをオーディオトラックに配置し編集する
・「ファイル」→「読み込み」→「ファイル」→音声ファイルを保存しているフォルダ
 →音声ファイル(音声クリップ)をプロジェクトウィンドウに読み込む
・読み込んだ音声クリップをD&Dでタイムラインウインドウのオーディオ1に配列する
・この音声クリップの移動も映像クリップの移動と同じやりかたが通用する。ただし、ラバーバンドの
 部分をプレスして移動させるのではなく、その上部にある本来の音声クリップをプレスして移動させる。
・ラバーバンドを使った音声の編集は1)から4)に書いたテクニックを使う。
・編集が終われば、このプロジェクト上書き保存する。(ファイル名 wedding1.ppj

5.タイトル
「Adobe Premiere 6.5」 からタイトル作成が充実しているが、今回はそれを十分研究する時間がなく、「Adobe Premiere 6.5」 の付録の「テンプレート」を利用してタイトルを作った。

「テンプレート」を読み込むには

1)ファイル→新規作成→タイトルを選択→「Adobe Title Designer」ウィンドウ が開く
2)「テンプレート」ボタンを押す→「テンプレートウインドウ」が開く
3)Premiere プリセットフォルダを開き、
  続いてCelebrations フォルダを開き、最後に
  Wedding Contemporary フォルダを開くと、4個のテンプレートがある
4)その中の、wc title.prtl を選び、「適用」ボタンを押すとそのテンプレートが表示される
5)メインの文字をChika & Kei Nomura に変更し、サブの文字を May 3,2003
  フォントはそのまま(ITC Kabel)、サイズは 57と35 に変更し
6)予めEドライブに作っておいた「タイトル」というフォルダに「wedding1.prtl」の名前で保存した。
  (E:\タイトル\wedding.prtl)

このタイトルクリップを、先のBGM編集を終えたプロジェクトに加えるには 1)ファイル→最近のプロジェクトを開く→「wedding1.ppj」を選択して開く
2)ファイル→「読み込み」→「ファイル」→「タイトル」フォルダ→「wedding1.prtl」
3)「wedding1.prtl」をD&Dで、「wedding1.ppj」のタイムラインウィンドウのビデオAの
  両端に配置する。
4)このプロジェクトを上書き保存する

6.プレビューをTVで行う
パソコンで見るのと、TVで見るのとでは、映像がまったく異なるので、実際に即してプレビューをTVで見ることができるように設定する。それには「DV−アナログ入出力切り替えツール」を利用する。プレビューをTVで繰り返して見て、全体のバランスを整え、最終編集を終える。 1)「DV−アナログ入出力切り替えツール」を起動、「アナログ端子を使って入出力する」
   にチェック
  「アナログ出力でモニタする」を選択し、「終了」せず、最小化で置いておく
  (終了するとリセットされ、iLink機器を使うに戻る)
2)「Adobe Premiere 6.5」を起動し、「プロジェクト設定→全般」メニュー内で「DV Playback」
   を選択、
  同じ設定画面にある「再生設定」ボタンをクリックし、「DV カムコーダー/VCRで再生」を
   チェック。
  プロジェクト設定のその他の設定は、DV編集時に使用する内容のままにする。「ok」
   で、編集画面に戻る。
3)この設定以降、モニタ画面に表示される内容などが、アナログ端子に出力される。
   TVのS端子に入力することで、TVでもプレビューができる。

7.ムービーファイル書き出し
Premiereでの編集が終了したら、ムービーファイルを作成する。 1)ワークエリアバーが編集した内容全体を範囲指定しているかを確認
  タイムラインウィンドウに配置されたクリップが、先頭から最後までワークエリアバーで
  範囲指定がされているか確認する。素材の最後を表示させるには、「↓」を押す。
2)ムービーの出力
  [ファイル]→[タイムラインを書き出し]→[ムービー]を選択
  [ムービーを書き出し]ダイアログが開くので、保存先をローカルドライブ
  (今回はE:\イタリア\ヴェッキオ)に指定し、ファイル名を入力(「weddingall.avi1」)
3)ウィンドウ左下の現在の出力設定が以下のようになっているか確認
  作成:Sony DV CODEC AVIとしてワークエリア
  ビデオ:720×480@29.97fps
  圧縮:'Sony DV CODEC(NTSC)' @100%
  オーディオ:48000Hz‐16 bit -ステレオ
  コンプレッサー:未圧縮
4)[ムービーを書き出し]ダイアログの[設定]ボタンを押す→
  [ムービー書き出し設定]ダイアログ
  [詳細設定]ボタンを押す→[出力形式]ダイアログ→
  「1つのファイルに書き出し(AVI2.0)」を選択、[OK]→
  [ムービー書き出し設定]ダイアログに戻るので、[OK]→
  [ムービーを書き出し]ダイアログに戻り、[OK]→
  「ムービーの出力」開始
5)ムービーが完成したら[ファイル]→[終了]を選択
  プロジェクトを保存し、Premiereを終了させる

8.ノンリニア編集の素晴らしさ
先にもBGMのところで書いたが、私は過去に2回BGM、ナレーション、テロップ付きのビデオ編集をしたことがある。いずれもHi8というアナログテープで、もちろん1台で再生し、もう1台で録画するというテープからテープへ方式だった。これを「リニア編集」というが、このやり方でBGMやナレーションを付けるのは大変な作業だった。

作業が困難なだけでなく、録画を繰り返すたびに画像が劣化することがそれ以上の欠点だった。タイトルや テロップを入れるだけならば「子テープ」で完成させることができる。しかし、BGMやナレーションを入れるろなると、よほどうまく頑張っても「孫テープ」になってしまう。これを「マスターテープ」として、VHSやHi8にダビングすると、良くて「ひ孫テープ」になり、画質の劣化は歴然となる。

おまけに、ダビングの回数を増やすとマスターテープを傷める可能性があり、実際かなり傷んでしまっている。

それに対して、ビデオデータを一旦パソコンに取り込み、それを使ってビデオ編集をする「ノンリニア編集」では、「リニア編集」とは比較にならぬ精度で、簡単にBGMやナレーションを付けることが可能であり、それはもう驚嘆するばかりである。

その上、DV方式のデジタルテープで記録された映像を「ノンリニア編集」するので、編集を重ねても画質の劣化はほとんどなく、ダビングをいくら繰り返しても、マスターになるビデオファイルを傷めることもない。

このデジタルビデオをDVDに焼き付けると、その画質をほとんど劣化させずに、CDと同じ大きさのディスクにビデオを収納できる。ダビングもVHSなどに行うよりも簡単である。

7.エンコード

DVビデオカメラで撮影した画像を、できるだけ高画質であるようにMPEG2圧縮(エンコード)を行うことを私は最優先に考えている。そのためにはビットレートは高いほど有利だが、高いビットレートでエンコードできるソフトとしては、「Simple DVD Maker」の10Mbpsと「TMPGEnc DVD Source Creator for VAIO」の9.1Mbpsがある。その他の手持ちのソフトは最高で8Mbpsである。

そこで、結論として「Simple DVD Maker」でエンコードを行うことにした。

8.オーサリング

「Simple DVD Maker」のオーサリング機能は全くシンプルなもので、メニュー画面を変えることはできないが、ボタン(DV-AVIファイルの場合は先頭から約3秒後の映像)をクリックすることにより、そのファイルを再生できる。20分足らずの短いビデオにはこれで十分であろう。

9.焼き付け(ライティング)

結局、エンコード、オーサリング、焼き付けを「Simple DVD Maker」で行うことにした。そのステップは、

1)「Simple DVD Maker」を起動
2)E:\イタリア\ヴェッキオにある「weddingall.avi1」を「Simple DVD Maker」の画面に
  D&Dする
3)「weddingall.avi1」を右クリックし、ビットレートを10Mbpsに変更する
4)「MAKE DISK」ボタンを押すと、エンコード、オーサリング、焼き付けが順次行われ
  20分のDV-AVI動画をエンコードしてDVD−Rへの焼き付けが終了するまでの時間は
  33分である

10.ダビング(レプリカ作成)

VAIOにプレインストールされている「RecordNow」を使用して、ダビングを行う。
1)「RecordNow」を起動すると続いて、「VERITAS RecordNow DX Wizard」が起動する
2)「Wizard」の「バックアップの作成」を押す
3)「バックアップするディスクを挿入して下さい」の指示がでるので、DVD−ROMに
  ダビング元のDVDを挿入する
4)「ブランクディスクを挿入して下さい」の指示が出るので、DVD−Rドライブに
  ブランクディスクを挿入する
5)書き込みが始まり、20分記録のDVDは10分でダビングが完了する。

11.あとがき

このDVD制作技法を書いてきて、記憶力の低下が著しいことを痛切に感じた。1ヶ月足らず前に行ったことが思い出せないのだ。これでは数ヶ月後にDVDをあらたに作るような場合に難儀することだろう。それをカバーするためにも、手順書を書き残して置かなければならないと思った。

そこで、記憶だけでなく、DVD制作の各ステップを実際にもう一度確かめながら、これをまとめた。次回DVDを制作する際には、もう少し技法のレベルを高めてDVDを制作したいと考えている。

息子たち夫婦がイタリアで結婚式を挙げると知って、これをビデオ編集し、DVDにして二人に渡したいと思った。それを少なくとも披露宴までに間に合わせたいというタイムリミットもあった。そのお陰で、約10年振りにビデオを編集し、制作する喜びを味わうことができた。場所、人、テーマ(Wedding in Italy)に恵まれ、DVDを制作できる時代にまで生き延びることができた幸せを思う。DVD制作は私にとって総合的な創造の楽しみを与えてくれる格好の趣味になりそうだ。


<2003.6.4.>

ホーム > サイトマップ > 映像 > 動画処理 > DVD制作第1号で使った技法  ページのトップへ