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目次
1.わたしの動画歴
2.DV方式ビデオは素晴らしい
3.DV方式ビデオで変わるビデオ編集方法
4.DVデジタルビデオの活用法
5.デジタルビデオの将来の予想
6.付録 私のDV関連機器の構成
今年のゴールデンウイークの旅行に合わせて、DVカメラを購入し、旅の記録を行った。そしてDV方式のビデオの素晴らしさを存分に知ることができた。そこで興奮の冷めぬうちに「デジタルビデオのすすめ」を書いておこうと思う。
動画を始めたのは、結婚をした67年、8ミリシネ(シングルエイト)からである。これは連続撮影時間がわずか3分間のサイレントであったが、こどもの成長記録として、かけがえのない貴重な記録となっている。
ビデオカメラの購入は早かった。75年の終りに、日本で最初の民生用カラービデオ・カメラ、AKAI VTS−150を、発売とほぼ同時に入手した。その頃わたしは体調が悪く、肺癌を疑わせる症状や検査データに憂うつだった。こんな時は「げん直し」をして「つき」をこちらに持ってこようとするのが、悪い状況から脱出する時の、わたしのやりかたである。
AKAIの代理店のセールスが、母校の教室でこのカラービデオカメラを手術の記録用に購入してもらった、と売り込みに来たのはそのような時だった。開業して3年目、漸く開業が軌道に乗りかけた頃で、経済的な余裕はなかったが、わたしはこれに自分の運を賭けてみた。
もちろん、AKAIの製品だから、その気持になれたのだと思う。昔、LPレコードが再生できるように、わが家の電蓄を改造した時のモーターが、アカイのC5フォノモーターであったことは、記憶の中で鮮明であり、また、AKAIの38・2トラのオープンリールデッキは、当時オーディオ・ファンの憧れの的であった。だから、製品に対する疑いは全くなかった。
しかし、このビデオカメラの値段は今思うと呆れるほど高かった。20年以上も前に100万円を越えたのである。小さな出費には口うるさい家内が、このような時は、何時もあっさり購入を認めるのが今思うとなんとも可笑しい。そう言えば、わたしは何回も全財産をはたいて欲しいものを購入してきた。結婚当初に中古のスバル360を買った時、大学を辞める際にローレル2000のハードトップを買った時、開業をした時、そしてこのビデオカメラを買った時、その後でも居宅を増築をした時、いずれも貯金が全く無くなることに躊躇はなかった。
このビデオカメラはとにかく重かった。重量7500g、最長撮影時間26分、水平解像度230本という代物で、テープは5インチのオープンリールである。それから15年ばかり後に、Hi8のビデオカメラを購入したが、価格は20万円余り、重量790g、最長撮影時間120分、水平解像度400本で、価格は5分の1、重さは10分の1、撮影時間や解像度度などの性能は2倍近いという信じられないような技術の進歩である。
結局このAKAIのビデオカメラは余り使うことがなく、むしろ手軽な8ミリ・シネで動画を記録することが多かった。しかし、もったいないことをしたと言う気持は全くない。と言うのは、それから後のわたしは以前よりも健康になり、今日までの開業25年間で病気のために診療を休んだことは一日もないからである。あの時、確かにわたしは「つき」をこのビデオカメラによって呼び込んだのだ、と思っている。
その後ベータとVHSの戦いを見ながらビデオカメラの購入は控え、8ミリが発売されても傍観していた。しかし、91年に高解像度のHi8のビデオカメラが発売されるや、ためらうことなく購入した。SONYのCCD−TR705である。これまでの水平解像度が240本から、一挙に400本以上の高画質になり、TV放送よりも画質が良く、LD並みになった。
このビデオカメラで旅行を記録し、編集する喜びを知った。特に、イタリア、スペインの旅、あるいは開業20年間の記録をBGMとナレーション入りで編集した作品は、何にも代え難い貴重な財産となっている。
このHi8は画質が優れているが、欠点はアナログ映像であるために、ダビングを重ねる度に画質が急速に劣化していくことである。撮影したテープを編集し、これにアフレコを行うと、他の人に差し上げるVHSなどのテープはダビング回数を最小限にしたとしても3世代目になり、画質はかなり落ちてしまう。これ以上のダビングの回数を増やさないためには編集の失敗が許されないので、緊張の連続となる。
ところが、3年ばかり前に発売されたDV方式のデジタルビデオカメラでは、このダビングによる画質の劣化はほとんど無視できることを知った。ただ、惜しむらくは編集用のデッキの発売がなく、これでは片肺飛行であると、デッキの発売を待つことにした。
96年12月に業務用デジタルビデオレコーダー「DSR−30」が発売され、97年9月には、民生用のデジタルビデオカセットレコーダー「DHR−1000」が発売されると、DV方式のデジタルビデオの環境は一気に整った。
そこで、本年5月の連休前にDVカメラを購入して、連休中の旅行の記録をこれで行った。旅行から帰ると静止画像キャプチャーボードとデジタルビデオ・デッキ「DHR−1000」を購入し、静止画像の取り出しや、ビデオの編集を行ったが、その作業中にDV方式デジタルビデオの素晴らしさに惚れ込んでしまった。この素晴らしさを、多くの人にお知らせしようと、ここに「DVデジタルビデオのすすめ」を書くことにしたのである。
DV方式のビデオを始めて1ヶ月足らずでありながら、このような紹介記事を書くのにはためらいもあるが、これまでのビデオとは革命的に違うので、自分の知識の整理のためにも書き留めておくことにする。
DV端子のついた機種同士では、画質・音質劣化がほとんどないダビング編集が可能である。
具体的には、10回ダビングをしても肉眼的劣化はない。だから、段階を追いダビングを繰り返してしぼり込んで行く編集ができる。これが、Hi8などのアナログ映像であると、ダビング毎に画質の劣化があり、色のにじみも加わるため、3回くらいがダビングの限度になる。そこで、必要最小限度のダビングをする必要があり、かなり神経を使い、工夫も必要となる。
ダビングによる画質劣化がないことのもう一つ大きな利点は、過去のアナログビデオ画像をDV方式でデジタル化して保存しておくと、そのデータを加工しても、それ以後の画質の劣化はなく、過去の貴重な画像データを活用できることである。アナログ端子の付いたDVカメラやデッキなどを使えば、このデジタル化が可能であり、いくつかの機器が発売されている。
8ミリ・シネの映像も、映写した状態をDVカメラで撮影することにより、デジタル画像に変えておくと、いろいろな編集加工ができる。30年も前の映像を自由に編集できるとは何と素晴らしいことであろうか! しかも、そのコピーをいくらでも作ることができる上、モニター画面で簡単に鑑賞することができるのだからありがたい。
動画に限らず、銀鉛写真もまたこれをDVカメラで撮影することでデジタル化しておくと、好きなように編集加工ができる。例えば1冊のアルバムをビデオアルバムにして、モニター画面で多くの人と鑑賞することも容易である。
DV端子で接続すると、DV機器同士の場合はDVケーブル1本の接続だけで画像だけでなく音声・AUXデータも接続されるので、端子やコードが2個以上少なくて済む。
また、入力・出力がこの1種類の端子だけで行えるので、さらに3個の端子とコードが不要になる。
また、DV端子を持ったパソコンと接続すると、デジタル画像のままで画像や音声などをパソコンに取り込むことができる。
S−VHSやHi8が、すでにTV放送の解像度を上回る水準であるが、このDV方式のビデオは、それをさらに越えているばかりか、色の再現性、画像の安定性でもアナログ方式より優れている。それをもう少し詳しく説明すると、
a水平解像度
ベータ VHS 8ミリ 240本 アナログ
TV放送 330本 アナログ
LD S−VHS Hi8 400本 アナログ
DV 500本 デジタル
b色再現性
色の情報量が従来のビデオの約3倍あり、色のにじみがほとんどない。
c安定性
ジッター(映像のなみうち)の発生を抑えるTBC(タイムベースコレ
クター)が標準装備されているので、ジッターがほとんどなく、映像が
安定している。
これまでのVHSやHi8と比べて、テープのレスポンスが格段に早く快適である。例えば、手持ちの3種類のデッキで比較をしてみると、3分の1近くに短縮されている。(いずれも、SONY製)
規格 デッキ機種名 120分テープ早送り、巻き戻し時間
VHS SLV−RS7 4分30秒 270秒
Hi8 EV−BS3000 4分 240秒
DV DHR−1000 1分30秒 90秒
以上のように、高性能のビデオでありながら、カセットのサイズが非常に小さく、VHSやS−VHSと比べて体積比でわずか8%であり、Hi8と比べても、その2分の1以下である。大きなVHSのカセットに占拠されて難渋している現在、その12分の1のサイズのカセットは救世主となろう。
規格 横x縦x高さmm 体積平方mm 体積比
VHS 188x104x24 469248 100%
Hi8 95x 60x15 85500 18%
ミニDV(民生用カメラ) 66x 48x12 38016 8%
撮影時の音声記録のチャンネルとは別にアフレコ専用の音声チャンネルが用意されている。これはHi8にも設けられていたが、これを使ってアフレコが簡単に行える。
また、撮影時に録音された音を任意の時間だけ削除することも簡単である。例えば、BGMを強調する時などに大変重宝する。
ビデオカメラ撮影時には、上記の12ビット(2ステレオ)モードの1チャンネルに音声が録音され、残りの1チャンネルをアフレコ用に使うが、両方を合わせて16ビットの1ステレオモードを選ぶこともできる。これはDATど同じ高音質であり、DATの代りとしての利用も考えられる。
Hi8などにもLANC端子を使ってタイムコードによるコントロールの可能な機種もあるが、DV方式ではタイムコードの記録が標準化されているので、映像のコントロールがほぼ完全に行うことができる。つまり、1コマも違わず編集をすることが可能になったのである。
アナログ・ビデオでプログラム編集を行うには、別にもう1台編集機が必要であるが、DVの場合デッキ自体にこの機能を持ったものがあり、今月発売されたDVウオークマンにもこの機能が付けられている。
Hi8のビデオカメラは軽量であるが、DVカメラはそれ以上に軽量なものが多い。しかも、上記の高性能を満たしていて、旅行などに携行する場合に重宝する。
現在発売されているSONY製品を調べてみると、最軽量の機種は、Hi8はCCD−TR555 680g、DVでは、DCR−PC10 650gである。ビクターからは530gのDVカメラも発売されている。
DVカセットにはオプションとしてカセットに内蔵されたICメモリー付きのものがあり、これを利用して目次、日付などによるサーチが可能である。撮影途中ではエンド・サーチを利用することがかなりあるが、便利である。
デジタルビデオの高画質をパソコンへダイレクトに取り込めるDV静止画キャプチャーボードキットが発売され、ビデオの一瞬の傑作シーンを高画質のままで直接パソコンへ収めることができる。今回の旅行で撮影したビデオの中から80枚ばかりの静止画像を作成したが、デジカメで撮影のものと比べて遜色のない画像であった。
DVカメラだけでは片肺飛行だったのが、デッキに続いてウオークマンまで発売され、DVの世界はHi8並みの広がりを見せ始めた。このDVウオークマンにはデッキ並みの編集機能までついているので、いろいろな用途に活用することも可能である。
これまでのビデオ編集では、アナログのため、ダビングの度に画質が劣化するという宿命的な欠点があり、最小限度にダビングを抑える必要があった。ところが、DV方式のデジタルビデオでは、ダビングを繰り返しても画質はほとんど劣化しないという、これまでのアナログビデオを扱って来た者にとって垂涎の的の機能を持っている。
この特性を活用すると、大まかな編集を行い、ダビングを躊躇せずに繰り返して作品を仕上げていくという、安易な方法での編集が可能になった。この恩恵は非常に大きい。つまり、一次、二次、三次編集と「しぼり込み編集」ができるほかに、これまでは最初から編集をし直さなければならなかった「1コマ挿入」とか「1コマ削除」が、いとも簡単に行えるのである。
以前「私の海外旅行エンジョイ法」の中で、私のビデオ編集のあらましをご披露したが、DV方式のデジタルビデオに変更したため、この内のかなりのステップが不要になった。そこで、次の機会にデジタルビデオ編集法をまとめようと思う。
この高性能のDVデジタルビデオを手にして、自分はどのような活用を考えているのかをまとめて置く。
1)新しい動画的な記録はすべてこれで行う。
これからの旅行や、行事などの記録などをこのメディアで行う。
2)過去のアナログ・ビデオのテープをDVテープにダビングしてデジタル化を行
い、保存する。
3)過去の8ミリシネフィルを映写し、これをDVカメラで撮影して、デジタル化
を行う。
4)過去の写真をDVカメラで撮影して、デジタル化しておく。
旅行記録、行事記録、行動記録、成長記録、プレゼンテーション用などを作り、モニター画面で鑑賞する。上記Aで行ったデジタル記録がその素材となるわけで、これこそがDVビデオの最重要な活用法といえる。
DVカメラで撮影した写真を編集し、いろいろなテーマでビデオアルバムを作り、モニター画面で鑑賞する。こうすることで、写真のアルバム集を取り出して見る面倒さ、サイズが小さくて老眼には不適当であるとか、多くの人と一緒に見られないなどの問題が解決される。さらに、BGMやナレーションを加えれば、より一層価値が高まる。
デジタル化した映像がダビングで画質劣化しない特性を生かして、大事な映像はDVテープにバックアップをとっておくと、元映像が失われてもそれを再現することができる。カセットが極めて小さいため、スペースをとられないのが良い。
将来、DVDなどのディスクが民生用として使えるようになった場合でも、デジタル映像のため、移し替えによる画質劣化がなく、移行が容易である。
ミニDVカセットと比べて体積比で12倍あるVHSカセットは、スペース占拠障害物と化している。これをDVデジタル化しても余り画質の劣化はないので、これと置き換えることも有用な活用法であろう。
私には放送を録画する趣味はないが、貴重な番組が、画質の良い衛星放送などで放映された場合、画質・音質ともに優れ、ダビングしても画質・音質の劣化がほとんどないDVテープへの録画は価値があると思われる。
写真などのような自然画像ファイルを作る方法として、1)デジタルカメラによる撮影、2)銀塩写真をスキャナーで取り込む、3)フィルムスキャナーでフィルムから取り込む、4)フィルムをPhotCDに出して、そのファイルを変換するなどがある。
それらの方法の他に、DVビデオ映像をパソコンの静止画像キャプチャボードに取り込んで、静止画像を作ることも可能である。
この場合、解像度が640x480という制約はあるが、ビデオの中にだけにしか存在しない映像を生かすことができるし、動きのある映像の中から求める瞬間の映像を取り出すことができるメリットは大きい。しかも、この静止画像は同じ解像度のデジカメで撮影したものと比べても遜色のない画質が得られるのである。
また、すでにアルバムに張られている写真を、スキャナーに取り込むのは技術的に面倒だが、DVカメラで撮影するのはいとも簡単に行える。
静止画像は通常JPEGの形式のファイルで保存され、いろいろの形で利用することができるが、ここでは省略する。
DVビデオの映像をDV端子を介してパソコンに取り込み、MPEG形式の動画に編集したものをCD−Rに焼き付けることも可能になった。例えば旅行の動画を作り、CD−Rに収め、記録として、自己鑑賞用に、また知人贈呈用に活用することもできる。
DVについて思い入れ一杯の記事を書いたが、この技術革新の時代だからDVもまた時代遅れになるのではないかという懸念について触れておく。
結論的には、このDV方式のデジタルビデオシステムが全く別のものに取って替わることはないと思われる。少なくとも、画質・音質をそれほど落とすことなく新しい方式にデータを移行させることができるであろう。アナログからデジタルへの移行の時のようなギャップないのではなかろうか?
もう一つは、記憶メディアがテープからディスクへ移行するのではないかという問題であるが、その可能性は高いと思われる。ランダム・アクセスに適した形態としてDVDなどが繁用されると予想される。しかし、その場合でもDV方式のデジタルデータはそのまま流用できると思われる。
MAVICA GT4000
↓ ↓
VAIO T700MR→ スチル画像、ビデオCD
↓↑
DVBK−CW200
↓↑
DVC DCR−P10
↓↑
MDS−PC1→ HRL−1000→ DV映像テープ
↓↑ ↑↓
EV−BS3000 SLV−RS7
↓↑ ↑↓
Hi8映像テープ VHS映像テープ
1.MAVICA........デジカメ
2.GT4000........スキャナー
3.VAIO T700MR...Windowsパソコン
4.DVBK−CW200....DV静止画像キャプチャーボード
5.DVC DCR−P10...DVカメラ
6.MDS−PC1.......MDデッキ
7.HRL−1000......DVデッキ
8.EV−BS3000.....Hi8デッキ
9.SLV−RS7.......S−VHSデッキ
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