バッハ(R.ニールセン編曲)
無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第2番ニ短調BWV1004より
シャコンヌ (弦楽合奏版)
J.S.Bach(Arr.by Nielsen) Chaconne for String (from Partita In D, BWV 1004)
ヨハン・セバスティアン・バッハの作曲した無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータBWV1001-1006は、3曲ずつのソナタ(BWV番号は奇数)とパルティータ(BWV番号は偶数)合計6曲からなり、ヴァイオリン独奏の楽曲として、今日では古今の名作の一つに必ず数えられる曲である。
無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータより
「シャコンヌ」
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バッハの音楽の中でも最も人気のある曲のひとつであり、あらゆるヴァイオリン奏者にとってバイブルのような存在の曲である「シャコンヌ」。ヴァイオリンの特性を踏まえた上で様々な技巧をちりばめながらも、同時に深い精神性、崇高さをも兼ね備えている。様々な曲種に編曲されてもおり、ブゾーニによるピアノ曲、ストコフスキーや斉藤秀雄による管弦楽版などが知られる。本日演奏するのは、弦楽合奏用としては最も知られているニールセンによる編曲である。 ( R・ニールセンは、北欧の大作曲家カール・ニールセンとは別人)「シャコンヌ」とは、特定の和声進行を繰り返す低音部の上で旋律を変奏していく古い形式の音楽。類似の音楽としてパッサカリアがあるが、17 世紀後半以降、「シャコンヌ」と「パッサカリア」の呼称はしばしば混同して用いられ、現在ではほとんど同義である。作曲時期は1720年、バッハが35 歳、ケーテン宮廷楽長として、音楽好きの君主レオポルト侯に仕え、多くの世俗曲(協奏曲、室内楽曲)を書いていた頃の楽曲である。バッハ自身の自筆譜のタイトル・ページには「無伴奏ヴァイオリンのための6 曲の独奏曲、第1 巻、ヨハン・セバスティアン・バッハ作、1720 年」と記されている。「第1 巻」とあるが、「第2 巻」というのは、「無伴奏チェロ組曲」のことである。バッハは、両曲集を一対のものと考えていたものらしい。この6 曲は「ソナタ」と「パルティータ」が交互にならび、「ソナタ」が4 楽章制の教会ソナタなのに対し、「パルティータ」は古典舞曲による組曲である。一説にはソナタは神の世界を、パルティータは人間を表しているのではないかとも言われる。本曲は変奏曲の形式を持つが、ニ長調の中間部を有する三部形式とも取れる。音楽的な構成としては、冒頭の4 小節に現れる低音の下行音型をシャコンヌ主題とし、種々の変形を受けながらこの主題が64 回現われ、そのたびに上声を連続的に変奏しながら壮大な建築を作りあげる変奏曲となっている。2 の8 乗である256 小節に及ぶ長大な変奏曲は、数学的に宇宙を構築したかのような秩序と調和がある。シャコンヌの主題は三重音・四重音を多用するものであり、ヴァイオリニストはここを立派に響かせるために大変な努力をしなければならない。後年の編曲者は、ヴァイオリンの重音や分散和音のなかから骨格となる、隠れた旋律を掬い上げてピアノや合奏によって提示している。一見するとバッハの音楽に余計な肉付けしているようだが、バッハの音楽が持つ本質はいささかも揺るがない。そこにこの曲の凄さがある。

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