(川西書店組合発行「川西の歴史散歩」より)
川西市内を猪名川ぞいに北上すると通称「鼓ケ滝」に至ります。「摂津名所図会」(寛政10年刊)にも
その名は記され、雄大な滝の水が落ちる音が,鼓を打つ音のように聞こえるところからこの名があるといわれています。
(右の写真は現在の「鼓ケ滝」周辺)
今、この滝の姿を見ることはできませんが、こんな説話が残されています。
およそ八百年余り前のこと。歌人として有名な西行法師が武士を捨て僧侶になって和歌の道を志して間もない頃、この地に来て水しぶきをたて
美しく流れる滝をながめ
はるばると 鼓が滝にきてみれば
岸辺にさくや 白百合の花
と詠み眠っていました。すると老夫婦と孫娘が夢にあらわれ、「はるばると」を鼓にちなんで「音にきく」にかえ、「きてみれば」を
「うちみれば」とし、「岸辺にさくや」を鼓にちなんで「かわべにさくや」に変えた方が良いのではと言われ、自分の未熟さを思い知らされた
西行は、それ以後謙虚な気持ちを忘れず修行に励んだという話が残っています。
音にきく 鼓が滝をうちみれば
かわべにさくや 白百合の花
は、西行法師の数多い歌の中でも名歌として伝えられている一首です。
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