このアジアン文学がすごい! 2000年版 ^_^;
    うーん、'99年はアジアものの邦訳大収穫の年でありました。     以下強引にランク付けしたものの、そのほとんどは通常なら1位であってもおかしくない    名作・傑作・力作揃い。特に上半分はそこへ「世界の」を付けても全く構わないレベルでし    ょうし。(全部に付けてもいいほどかも知れませんが)     今年はアセアン系統があまり見あたらなかった点が残念なものの、国書刊行会の台湾文学、    講談社の韓国文学、集英社の太白山脈全10巻、小学館他の古龍と、シリーズものの刊行も    相次いで、これがアジアもの全体の評価や未訳の傑作の刊行に加速が付いてくる兆し・・で    あったらいいものの、しかして案の定、相変わらず以下の一つとして巷でその価値相応の話    題になったという話も聞かず;_;、まだまだ先は長いのかも知れません..                                            ※各作の寸評は各国別の評価表にあります  1.「神樹」        鄭義   中国 '96  藤井省三   朝日新聞社   今年の全海外翻訳文学中のベストではないのか。しかるにプロの書評家も含め、本の存在を知っている人自体が非常に少ないのではないかという。。;_;  2.「豊乳肥臀」      莫言   中国 '95  吉田富夫   平凡社     例えばこれと、ジョン・アービングの話題の傑作「オウエンのために祈りを」が(少なく見積もっても)甲乙つけ難きというところで。今年の欧米ものとの比較で言えば。  3.「皇帝のために」    李文烈  韓国 '82  安宇植    講談社     これも見事な名作であるにも関わらず・・ これはウンベルト・エーコ先生の「前日島」対応か。衒学化の手法という点からしても。  4.「纏足」        馮驥才  中国 '86  納村公子   小学館文庫   ('88 亜紀書房から単行本)  5.「迷いの園」      李昂   台湾 '91  櫻庭ゆみ子  国書刊行会   6.「台北ストーリー」   白先勇他 台湾 '68-90  山口守他   国書刊行会  7.「射雕英雄伝」     金庸   香港 '59  金海南    徳間書店         8.「シュウシュウの季節」 嚴歌苓  中国 ('99)  阿部敦子   角川文庫  9.「濁流」        蔡萬植  朝鮮 '39  三枝壽勝   講談社     韓国版獅子文六? 風俗小説。年代的にも現代というより近代文学的だが悪くない。  10.「タイの大地の上で」  短編集  タイ '48?-80? 吉岡みね子  大同生命国際文化基金  ------------------------- 11.「辺城浪子」      古龍   台湾 '76  岡崎由美   小学館文庫   小学館文庫の既刊3作のうちではこれか。 -------------------------   「太白山脈」(刊行中) 趙廷來  韓国 '89  筒井真樹子他 集英社

東アジアの現代文学