Donna Harawayを読む


2008年11月25日作成
2010年8月21日更新
2013年6月18日更新
2013年8月1日更新

2013年6月18日:「僕、"When species meets"を買ったんです。日本語版が出てたんですね・・・」

先週金曜日、立命館大学生存学研究センター・セミナー「目の前のアフリカ」第2回「病いと共にあるつながり−−エイズ・人権・社会運動−−」を開催した。

準備作業をしている研究員の近藤君に、持ち歩いている『犬と人が出会うとき 異種協働のポリティクス』を見せたら、「僕、"When species meet"を買ったんです。日本語版が出てたんですね・・・」とのことだった。

"Primate Visions: Gender, Race, and Nature in the World of Modern Science"も読んだ、と話していた。ここにも読者がいた!



2010年7月4日:久々のハラウェイ体験

今日、京大アフリカ地域研究センター東京公開講座に参加した。

山越さん、太田さんの話はいずれもたいへん興味深かった。

山越さんは、近年、チンパンジーの行動研究からチンパンジーと共存する村のあり方に関心が移っている、研究をしている村に近年設けられた政府機関に対する抗議行動として村人たちがチンパンジーが暮らす森を切るという事件が起きて、「科学的」な環境保護に関する考え方と村の人々がチンパンジーもいる村を作ってきた中で培ってきた考え方とがぶつかるという経験をして、これまでとは違ったアプローチが必要ではないかと考えている、と話していた。

山越さんに、 "Primate Visions" を知っているか? と聞いたところ、ハラウェイの著書ではあれが一番分かりやすかった、との返事だった。

『猿と女とサイボーグ』の翻訳者としての高橋さきのという名前も知っていた。

ずいぶん昔に、立命館にいる松原洋子さんが、大学院の授業で、『猿と女とサイボーグ』を取り上げていると聞いて以来のハラウェイ体験だった。



抜き書きノートです。

犬と人が出会うとき 異種協働のポリティクス』 27p

 ミズ・カイエンヌ・ペッパーは、私の全細胞を植民地化しようとしている。これは、生物学者のリン・マーギュリスがシンビオジェネシスと呼ぶケースそのものだろう。カイエンヌと私のDNAを調べたとすれば、何カ所か、強力なトランスフェクションが生じているにちがいない。カイエンヌの唾液には、ウイルスベクターも混入しているはずだし、なんといっても、あの敏速なキスにはあらがいがたい。私もカイエンヌも、脊椎動物門に属しているが、属がちがい、科が離れているだけでなく、目のかたちからしてまったく異なっている。

 私たちは、どうやってモノを分類するのだろうか。イヌ科/ヒト科、ペット/教授、メスの犬/メスの人、動物/人間、陸上選手/ハンドラー。私たちの一方は、身分証明として、首の皮の下にマイクロチップを注射されており、もう一方は、写真つきのカリフォルニアの運転免許証を所持している。一方は、二十世代にわたり先祖代々を記録した血統書を所持し、もう一方は、曾祖父たちの名前も知らない。一方は、遺伝的にまざりあったあげく「純血種」と呼ばれ、もう一方は、同じく遺伝的にまざりあったあげく「白人」と呼ばれている。これらの名前は、それぞれ人種的な文脈が異なることを意味し、私たちは双方とも、その結果を生身に受けついでいる。

 私たちの一方は、燃えるような激しさと体力の頂点にあって若々しく、もう一方は、頑丈とはいえ峠を越している。その双方が、アジリティーというチームスポーツに、同じ地でー強制収容されたネイティブの地であり、カイエンヌの先祖がヒツジの群れを率いていたこの土地でー取り組んでいる。このヒツジたちは、ゴールドラッシュで一旗あげようとカリフォルニアに押し寄せた人々を食わせるべく、すでに植民地化されていたオーストラリアの牧畜産業から輸入されたものである。歴史が層をなし、生きもののいとなみが、自然-文化が層をなす状況のもと、私たちのゲームの名前は「複雑性」である。双方とも、自由に飢えた制服者の子孫、白人入植地の産物でありつつ、アジリティー会場でハードルを跳び越し、トンネルをくぐっている。

 私たちのゲノムは、想定以上に似ているはずだ。たとえ、私たちが生殖という意味では沈黙に至った存在だとしてもー片方は年齢と選択によって、もう片方は相談無き外科手術によってー、生前の意思を伝えるリヴィング・ウィルのコードに私たちが接触したという分子上の記録は、世界に痕跡として確実残るにちがいない。カイエンヌは、レッドマールの毛色をしたオーストラリアン・シェパードならではの俊敏でしなやかな舌で、私の扁桃の組織を、旺盛な免疫システムのレセプターともども採取した。私のレセプターがカイエンヌのメッセージをどこに運んでいったか、また、カイエンヌが、自他を識別し、外部存在と内部存在とを結合すべく、私の細胞系から何をとりだしたかは、誰にもわからない。


犬と人が出会うとき 異種協働のポリティクス』 (24)p

動物のストレスを実際に軽減するために、強制的な監査を行う、いくらかひどさの低減した産業化屠殺システムという彼女の考えはよく知られている。

よく知られていないのが、1989年にイリノイ大学で書いたPhDの学位論文で、この論文が焦点を当てているのは、生産プロセスのもう一つの目的である。つまり、子ブタの神経系の発達と行動がよりノーマルになるための環境強化だ(http://www.grandin.com/references/diss.intro.html)。

しかし、 ブタにとっての「ノーマルで」現実的な条件は www.sustainabletable.org/issues/animal welfare で述べられ、記録されている。「工場で飼育されたブタは小さなクレート(枠箱)のなかで生まれる。クレートのなかで雌ブタは、振り向くこともできないくらい行動を制限される。母ブタは動きが取れず横たわっているだけで、自分の居場所を作ることもできない。自分たちの排泄物から、自分も子ブタも引き離すことができない。そのために子ブタもいっしょにクレートに閉じ込められる。自然のままに、走ることもジャンプすることも遊ぶこともできない。そしてひとたび母ブタと引き離されると、子ブタはコンクリートの檻に他の子ブタと一緒に閉じ込められる。ベッドもなければ、そこには根ざすことのできる土もない。こんな状態のなかにいると、ブタはそわそわと落ち着きがなくなる。そしてストレスの表現として、他のブタの尻尾を噛むようになる。工場式畜産場の経営者たちの多くは、ブタに遊び回ることのできる藁を与えることをせず、ブタの行為に対抗するためにその尻尾を切ってしまうだろう」

アメリカでは4つの会社がブタ肉生産の64パーセントを占めている。養豚業界の冷静な分析としては、Dawn Coppin's science-studies and ethnographic PhD dissertation. "Capitalist Pigs: Large-Scale Swine Facilities and the Mutual Construction of Nature and Society," Sociology Department, University of Illinois, Champaign-Urbana, 2002を見よ。Dawn Coppin, "Foucauldian Hog Futures: The Birth of Mega-hog Farms," Sociological Quarterly 44., no. 4 (2003): 597-616を見よ。コピンの仕事はいろいろな意味で根本的なものだ。とりわけ、動物を主体として研究し、分析することを主張した点がそうだ。学識を構造改革の仕事に結びつけて、コピンはSanta Cruz Homeless Garten Project の事務局長をしていたし、カリフォルニア大学バークレー校では客員学者を務めた。2006年、アリゾナ州の有権者たち(64パーセント)は「家畜を人道的に扱う法」(Humane Treatment of Farm Animals Act)を圧倒的多数で可決させた。この法は子牛を食用子牛のクレートに閉じ込めること、飼育中のブタを妊娠クレートへ入れることを禁じた。2つの行為はすでに欧州連合では禁止されていたが、アメリカでは当たり前のように行われていた。


犬と人が出会うとき 異種協働のポリティクス』 (37)p 注(12)

ジョセフ老師は著名な科学者ではなく、動物飼育者で研究助手(アシスタント)だ。科学のヒエラルキーで言うと彼の地位は、今日、生物医学研究の研究施設のなかで動物と人間の間に、もっとも多く見られる地位と同類である。研究施設の動物たちの苦しみと、HIV/エイズとともに暮らしている人々の苦しみとの間にある、感情ー認識の緊張について書いているエリック・スタンリーが私に思い出させてくれたのは、業務のなかでほとんど自由のない、低賃金で働く研究施設の技術者たちが、薬品検査や他のメジャーなテクノサイエンス研究の機械化された産業のなかで、苦しんでいる動物たちともっとも頻繁に「向かい合っている」人間だということだ。もし本章がナンシー・ファーマーの本に出てくる階層的な、しかしなお向かい合わせの場面とは、関わりのない段階にいる動物たちの心をうごかす、科学的な労働の区分を強調するなら、苦しみを模倣ではなく分け持つとははたして何を意味するのか? Eric Stanley, "Affective Remains." qualifying essay in progress , History of Consciousness Department. University of California at Santa Cruz を見よ。意識史課程の大学院生ジェニファー・ワタナベもまた、カリフォルニアの霊長類研究施設で技術者として働いている経験をベースに、セミナー論文でこのことを強調して書いた。


犬と人が出会うとき 異種協働のポリティクス』 153p

1850年代には何千頭ものチューロがゴールドラッシュに群がる人々の食糧用に西部へと集められた。1860年代になると、米国陸軍は、征服やボスク・レドンドへの強制移住への抵抗に対する懲罰として、ナヴァホ族のチューロの大部分を虐殺し、20世紀前半、ナヴァホは、「改良された」ヨーロッパ系の羊の品種ヲタ押しつけられ、家畜を減らすことを余儀なくされた。1930年代になると、干ばつに対する対応として、米国連邦政府の代理人が、ナヴァホの住居であるホーガンを一つずつ訪ね、指定された割合の羊を射殺して回った。ナヴァホ・チューロのような頑強な体躯の羊は、とりわけ価値が低いという誤った信念にもとづいて、政府の代理人は、ナヴァホの家のまん前で、見つけるはしからナヴァホ・チューロを射殺したのである。経験的事実としても、科学的事実としても、同様の自然ー文化条件では、ナヴァホ・チューロは、欧州系の「進んだ」品種と比べて牧草や水が少なくてすみ、人手もかからず、高品質の羊毛や高タンパク低脂肪の肉を産するような品種だった。ナヴァホの老人たちは、21世紀のはじめになった時点でも、羊の一匹一匹が射殺された様子を事細かに語ることができた。


犬と人が出会うとき 異種協働のポリティクス』 (44)p 注(8)

国際貿易で取引きされる、肉用と毛用のさまざまな品種の羊は、資本の歴史において長い間重要な品目だったそしてオーストラリアはその中心的存在だったのである。羊にとってけっして好ましいことではないが、貿易は工場式牧場経営にともなってますます荒々しいものとなるのみであり、バイオ生産者としてはお金を生み出す数より少し多い程度まで減少することをテクノサイエンス的に可能としてしまった。一つの例は、移動中の死亡率が国際的なスキャンダルとなったところの、何百万頭という生きた羊が毎年、オーストラリアやウルグアイといった国々によって、中東やアジアへイスラム歴のラマダンのために船積みされたことである。


犬と人が出会うとき 異種協働のポリティクス』 186p

この研究所で、私の目を引くのは、ネットワーキング、ケアを知と結びつけていること、そして集合的な関わりだ。犬種への愛の実践の核心に、ボランティアの専門知識と労働が存在していることは明らかだろう。このことは、三つの活動ーウェブサイトでの「専門家にきいてみよう」、ブリーダー向けプログラム「より健康なオーストラリアン・シェパードへの10のステップ」、この犬種の癲癇を知ってもらうための幅広い行動の支援ーからよく伝わってくる。


"When species meet" 127p

A DNA screening test is no paracea and certainly no cure for affected dogs, but in dog breeding, where identified mutations do prove strongly causal for a disorder, a reliable screening test can identify carriers and indicate carrier-to-carrier crosses to be avoided. The key is the community's relation to the test and to its technocultural apparatus. The Ashkenazi Jewish community in New York City has virtually eliminated the birth of babies with Tay-Sachs disease by first supporting research and then using a gene test, even while affected children continue to be born to other communities around the world with very different relationships to the cultural apparatuses of research, medicine, and genetic citizenship *.

* Sheila Rothman, "Serendipity in Science: How 3 BRCA Gene Mutations Became Ashkenazi Jewish," paper delivered at the workshop Ethical World of Stem cell Medicene, University of California at Berkeley, September 28, 2006; Gina Kolata, "Using Genetic Tests, Ashkenazi Jews Vanquish a Diseases," New York Times, February 18, 2003 **,In Online Science and Technology News from May 4, 2005, in an article titled "Jewish Sect Embraces Technology to Save Its Own: The Ashkenazi Jews of New York Have Turned to Genetic Screening to Save the Lives of Their Children," Deborah Pardo-Kaplan writes: "Through a voluntary, confidential screening program called Chevra Dor Yeshorim, or 'Association of an Upright Generationm' unmarried Orthodox Jewish adults worldwide can be tested to find out if they carry the gene for Tay-Sachs. Each person tested recieves a blood test and an identification number. Before dating, both members of the potential couple call Chevra Dor Yeshorim's automated hotline and enter their ID numbers. If both test positive for the Tay-Sachs gene, they are told they are considered unsuitable marriage partners because of the one-in-four chance their children will develop the disease." In an e-mail of October 6, 2006, Rayna Rapp, a New York anthropologist who studies genetic citizenship and response to genetice diagnosis, told me, "In the secular programsm one Ashkenazi grandparent 'counts' to strongly recommend Tay-Sachs screening; among the ultra orthodox who use CDY's program (not everyone!!!), direct screening is undertaken on all teens, so that no potentially 'incompatible' matches will be suggested." See Rayna Rapp, Testing Women, Testing the Fetus: The Social Impact of Amniocentesis in America (New York: Routledgem 1999).
On genetic citizenship, see Rayna Rapp, "Cell Life and Death, Child Life and Deathe: Genomic Horizens, Genetice Diseases, Family Stories," in Remaking Life and Death, ed. Franklin and Lock, 129-64; Karen-Sue Taussig, "The Molecular Revolution in Medicine: Promisem Reality, and Social Organization," in Complexities: Anthropological Challenges to Reductive Accounts of Biosocial Life, ed. S. McKinnon and S. Silverman (Chicago: University of Chicago Press, 2005), 223-47; Deborah Heath, Rayna Rapp, and Karen-Sue taussig, "Genetic Citizenship," in A Companion to Political Anthropology, ed. D. Nugent and J. Vincent (London: Blackwell, 2004), 152-67; and Rayna Rapp, Karen Sue Taussig, and Deborah Heath, "Standing on the Biological Horizon," in progress for Critique of Anthropology.

** Using Genetic Tests, Ashkenazi Jews Vanquish a Disease

By GINA KOLATA

Published: February 18, 2003

A number of years ago, five families in Brooklyn who had had babies with a devastating disease decided to try what was then nearly unthinkable: to eliminate a terrible genetic disease from the planet.

The disease is Tay-Sachs, a progressive, relentless neurological disorder that afflicts mostly babies, leaving them mentally impaired, blind, deaf and unable to swallow. There is no treatment, and most children with the disease die by 5.

The families raised money and, working with geneticists, began a program that focused on a specific population, Ashkenazi Jews, who are most at risk of harboring the Tay-Sachs gene. The geneticists offered screening to see whether family members carried the gene.

It became an international effort, fueled by passion and involving volunteers who went to synagogues, Jewish community centers, college Hillel houses, anywhere they might reach people of Ashkenazic ancestry and enroll them in the screening and counsel them about the risks of having babies with the disease. If two people who carried the gene married, they were advised about the option of aborting affected fetuses.

Some matchmakers advised their clients to be screened for the gene, and made sure carriers did not marry.

Thirty years later, Tay-Sachs is virtually gone, its incidence slashed more than 95 percent. The disease is now so rare that most doctors have never seen a case.

Emboldened by that success and with new technical tools that make genetic screening cheap and simple, a group is aiming even higher. It wants to eliminate nine other genetic diseases from the Ashkenazic population, which has been estimated at 10 million, in a worldwide screening.

The groundwork is laid, the group says. Its members -- genetic counselors, geneticists and pediatricians at the New York University School of Medicine, the Montefiore Medical Center and the Albert Einstein College of Medicine -- point out that the genes for the major recessive diseases that afflict Ashkenazim have been isolated. New technology allows screening for all those diseases, plus Tay-Sachs, at once.

That, some geneticists say, is what the Human Genome Project has promised, an ability to scan a person's genes and find those that can cause disease.

Critics say such projects are just what worry them about the genome project. People will receive a flood of genetic information that may be difficult to understand and interpret about diseases, unlike Tay-Sachs, that can have courses that are impossible to predict.

Some see the project as a test case.

"It is a model for delivering these genetic services," said Dr. Michael M. Kaback, a geneticist at the University of California at San Diego. "That is why it is important."

Dr. Kaback, an architect of the Tay-Sachs screening, emphasized that worldwide screening for 10 diseases would be difficult, requiring careful attention to detail and to assessing the project as it starts. But, he said, "It could work."

The project ethicist, Nancy Neveloff Dubler, who directs the bioethics program at Montefiore, said the effort could show the positive side of screening. "These are largely diseases that take a terrible toll early in life," Ms. Dubler said. "We could save families from sorrow and children from suffering. That's a tremendously important goal."

Some experts, however, worry about stigmatizing Jews. "It's a dilemma," said Jayne C. Gershkowitz, director of the National Tay-Sachs and Allied Diseases Association.

Ms. Gershkowitz fears that Jews will be seen as a people uniquely afflicted with 10 genetic diseases. In fact, most diseases occur in the general population, too, although the genes are much less prevalent.

Other ethnic groups have their own genetic diseases. For example, people of Mediterranean ancestry may have genes for an iron storage disease, beta-thalassemia, and blacks and Mediterraneans may have genes for sickle cell disease.

Others worry about how people will use the screening information and whether or not they should.

Lori B. Andrews, a professor of law and an ethicist at the Chicago-Kent College of Law, said the screening might be the start of a troubling era, as people receive information they may not be prepared to handle about diseases that may or may not prove deadly.

"How much information do we want, and what do you do with it?" Professor Andrews asked. "This is not like other medical areas, where there is a clear treatment. This has an impact on self-concept and on relationships with others. It is not a simple blood test."

As many as one in three Ashkenazim has one of the genes, but those carriers are fine. The disease occurs just when a child inherits a gene from each parent. If two carriers of a mutated gene have children, each baby has one chance in four of inheriting the mutation from each parent, giving rise to the disease.

Not every disease is like Tay-Sachs. Others affect some people who inherit two copies of the mutated gene and spare others, with no way of knowing who will be ill.

Yet, the Tay-Sachs history has shown what is possible, said Dr. Harry Ostrer, a project leader. Dr. Ostrer, also the director of the Human Genetics Program at N.Y.U., said that before the Tay-Sachs screening began in the 1970's couples had no idea that they might have a child with the disease until it was diagnosed. The experience of watching babies suffer and slowly die was so sad that many of the parents never had other children.

The screening changed that. Now, Dr. Ostrer said, the number of babies in the United States with Tay-Sachs has dropped, from 50 a year to 5, and most of those are born to couples who are not Jewish and but happen to have the mutated gene.

Many scientists assumed that the next steps would be straightforward. Just find the genes for the other major recessive diseases in the Ashkenazim, and those diseases, too, would die with screening.

The genes were found. In some cases, parents of affected children raised the research money themselves.

But, said Dr. Susan J. Gross, a geneticist at Montefiore and Albert Einstein, which began a Tay-Sachs program in the 70's, nothing happened. Dr. Gross and others watched with dismay as babies continued to be born to couples who had no idea that they carried aberrant genes. Doctors were either unaware of the tests or were not offering them to their patients. Jews were unaware that they were at risk or did not ask for or receive testing.

"The current medical model is not working," Dr. Gross said.

She decided that the solution was to offer testing to the world's Jews rather than wait for people to ask for it. "I can't see any other way to get this fixed," Dr. Gross said.

The group worked with the Trust for Jewish Philanthropy, which convened experts on genetic disease research and testing and asked them for advice.

"The opinion I had was, 'Why not?' " said Dr. Charles R. Scriver, a geneticist at McGill University in Montreal. In previous decades, Dr. Scriver directed screening in Montreal to identify carriers of Tay-Sachs and beta-thalassemia, a genetic disease that causes severe anemia.

High school students were told about the diseases and offered an opportunity to be tested and given information about the results. Although those who chose to be tested learned about their genes, no one else could see their results.

"The Tay-Sachs and thalassemia carrier screening programs over their 30-year existence in Montreal have resulted in an almost complete absence of new cases of these two diseases," Dr. Scriver said.

Some critics ask about ensuring that people understand more complicated Jewish diseases, which may be more typical of genetic diseases in general. In Gaucher's disease, people can have a serious illness starting in infancy with anemia, bone pain and enlarged livers and spleens. While there is an effective treatment, it has cost as much as $150,000 a year. Half the people who inherit two copies of the mutated gene have no symptoms at all until their mid-40's, and some may never develop symptoms at all.

"You cannot predict who will have the severe disease," said Dr. Arno G. Motulsky, a geneticist at the University of Washington and a member of the advisory board to the group that wants to screen for the 10 disease genes. "This becomes a very tricky issue. How should you counsel?"

A similar problem occurs with cystic fibrosis, another of the 10 diseases, Dr. Kaback said. One child will be severely ill, and his brother, who inherited exactly the same disease-causing genes, may have nothing wrong except, perhaps, the absence of the vas deferens, which carries sperm from the testes.

Ms. Dubler, not overly concerned, said: "It's not that complicated. We have taught people about health issues that are much more difficult. It's a matter of finding the messages that people listen to most easily and the metaphors. We can do that."

 

"Primate Visions: Gender, Race, and Nature in the World of Modern Science"

262p
1985年、アフリカ諸国で初めて、ウガンダ人大学院生による類人猿についての論文に修士号が与えられた。一方、インドでは1950年代から、同テーマに関してインド人自身による多数の修士論文、博士論文が書かれている。

171〜172p
1975年の誘拐事件以降、英米の大学院生がゴンベに長期滞在して調査を行うことはできなくなり、タンザニア人スタッフの存在がそれまで以上に大きくなった。誘拐事件後最初の論文の共同執筆者としてグドールと並んでタンザニア人スタッフの名が並んでいる。

270p
よその国から来た連中が、なんで(マダガスカルの)大学へ当たり前のことのような顔をしてやってきて、講義をしているんだ。テキサスでロシア人研究者の一団が双眼鏡で鶴の動きを追っていたら、米国の研究者も当局も手をこまねいてみてはいないだろう。テキサス人が、中国の許可を得ず四川省でパンダを捕獲しようとしていたら望遠レンズで撮影されるだけではすまないだろう。なのに、なんで外国人の研究者たちはマダガスカル人がいないかのように振る舞うんだ?

知的財産権をどう見るのか、という視点で振り返っています。別の読み方をするためには、もっと違った素養が必要とも痛感しています。

Human Genomeという単数表記が実態に即していないことを研究者たちは当然のこととして知っているにもかかわず、社会的にはこの単数表記が「あたりまえに」使われている、という指摘が繰り返し頭に浮かびます。

 


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