AJF会員が執筆、寄稿した本

(特活)アフリカ日本協議会(AJF)の会員が執筆した本、執筆稿が収録された本をまとめました。

エイズとの闘い 世界を変えた人々の声

林達雄著

岩波書店 定価504円(税込) 2005年発行 A5判 64頁

ケニアで出会ったエイズと共に生きる女性のネットワーク(KENWA)のアスンタさん、南アフリカ共和国からエイズ治療を求める声を世界に発信し続けてきた治療行動キャンペーン(TAC)ザキ・アハマットさん、途上国でのエイズ治療実現につながったHIV/AIDSと共に生きる人々たち自身の声・行動を伝える。

林さんが、さまざまな場所・人・機関を訪ねた際に発したメッセージを、(特活)アフリカ日本協議会のホームページで読むことができます。http://www.ajf.gr.jpの「代表林達雄から」をご覧下さい。


グローバル化と人間の安全保障―行動する市民社会

勝俣誠編著 日本経済評論社 2,835円(税込) 四六判 401頁 2001年8月

途上国で活動する市民社会のアクターが提起する今日の課題とは何か。「脅威と欠乏からの自由」を軸に、一人ひとりの人間の視点から安全保障の見直しを迫る。21世紀に向けた市民社会からの分析と提言。


アフリカ経済論 現代世界経済叢書 (8)

北川勝彦・高橋基樹編著 ミネルヴァ書房 3,360円 A5判 321p ISBN:4-623-04160-3 発行年月:2004.11

内容説明

植民地以前から構造調整に至る経済の歴史や政治と社会の変動のありようを紹介し、今日のアフリカ経済を製造業、農業、貿易、債務問題、HIV/エイズ、援助など多角的視点から考察する。

著者紹介

〈北川〉1947年大阪府生まれ。関西大学経済学部教授。
〈高橋〉1959年東京都生まれ。神戸大学大学院国際協力研究科教授。

編者から、2刷発行、「第8章 HIV/エイズ問題」に改訂を加えた、との連絡をいただきました。

大学での講義に使用する際には、このページで紹介した「グローバル・エイズ」や以下の資料なども参考にして、この5年間でガラッと変わったアフリカ諸国におけるエイズに対する取り組みの現状への理解を促して欲しいと願っています。

  • 牧野久美子・稲場雅紀編「エイズ政策の転換とアフリカ諸国の現状:包括的アプローチに向けて」(独法)日本貿易振興機構アジア経済研究所(http://www.ide.go.jpにpdf化されたレポートが公開されている)
  • 立岩真也+(特活)アフリカ日本協議会編「貧しい国々でのエイズ治療実現へのあゆみ」立命館大学大学院立岩真也研究室(http://www.arsvi.com参照)
  • Mark Heywood編「Development Update Vol.5 No.3 HIV and AIDS in Southern Africa」INTERFUND

帝国意識の解剖学

北川勝彦・平田雅博編著 世界思想社 定価2730円(税込) 1999年発行 四六判 294頁 ISBN4-7907-0755-5

内容

序 章 いま なぜ「帝国意識」か ? 帝国意識と近年の帝国主義研究(平田雅博)
第1章 イギリス帝国主義と帝国意識(木畑洋一)
第2章 英国文学にみる帝国意識の生成と崩壊 ? 「威張るものが腐る」(小泉允雄)
第3章 フランスにおける帝国意識の形成(杉本淑彦)
第4章 ドイツにおける帝国意識 ? 世紀転換期のオリエントとの関係を中心に(杉原 達)
第5章 アメリカの帝国意識(示村陽一)
第6章 近代日本における帝国意識(川村 湊)
第7章 日本語・植民地・帝国意識(石 剛)
第8章 「黒人問題」の発見 ? ブラジルから見た帝国意識(鈴木 茂)
終 章 アフリカの植民地化と帝国意識の諸相(北川勝彦)
あとがき
執筆者紹介

いま、なぜ「帝国意識」か。本書は、イギリス、フランス、ドイツ、アメリカ、そして日本の帝国意識の国際比較を試みるとともに、ブラジルとアフリカにおける諸相を明らかにし、近・現代史読解のための新しい視点の提示を行なう。


国家・暴力・政治―アジア・アフリカの紛争をめぐって

武内進一著 アジア経済研究所 5460円 A5判 510p ISBN: 4258045349 ; (2004/01)

内容(「MARC」データベースより)
中東を含むアジアやアフリカの特定地域に焦点を当て、その現実から出発して紛争現象を多面的に捉える試み。紛争をめぐる具体的事実に立脚して議論を展開する諸論文を収録。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
武内 進一
アジア経済研究所新領域研究センター国際関係・紛争研究グループ長代理


現代アフリカの紛争―歴史と主体 研究双書

武内進一著

4830円 410 p ; サイズ(cm): 21x15 日本貿易振興会アジア経済研究所 ; ISBN: 4258045004 ; (2000/01)

序 アフリカの紛争―その今日的特質についての考察
第1部 紛争のなかのエスニシティー(日常的民族紛争と超民族化現象―ケニアにおける1997~98年の民族間抗争事件から  複数政党制移行後のケニアにおける住民襲撃事件―92年選挙を画期とする変化  1960年代ブルンジにおけるエスニシティーの意味―権力闘争における見なしと具象化)
第2部 アイデンティティーの史的展開(ルワンダのツチとフツ―植民地化以前の集団形成についての覚書  市民概念の語用とその限界―リベリア共和国から)
第3部 紛争主体と国際社会(継続する内戦と成果のない和平調停―スーダン内戦をめぐるさまざまなアクター  「国連事務総長報告:アフリカにおける紛争の諸原因と永続的平和および持続的発展の推進」―文献解題)

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
武内 進一
アジア経済研究所新領域研究センター国際関係・紛争研究グループ長代理


コーヒーと南北問題―「キリマンジャロのフードシステム」

辻村英之著

4410円 269p ; サイズ(cm): 21x15 日本経済評論社 ; ISBN: 4818815705 ; (2004/02)

第1部 タンザニアにおけるコーヒー豆の生産と流通(コーヒー生産者達の生活 構造調整政策の農村協同組合への影響―コーヒー販売農協の危機 コーヒー豆流通自由化と小農民・協同組合―新しい流通・格付制度の影響 新しい価格形成制度の現状と課題 ほか)
第2部 タンザニア産コーヒー豆の貿易と消費国日本(コーヒー豆の輸出構造と価格形成制度―日本への輸出を事例として 日本におけるタンザニア産豆の輸入と消費―価格形成制度と南北問題 先物市場における価格変動と生産者―タンザニア産コーヒー豆を事例として オルタナティブな価格形成制度の探究―タンザニア産コーヒーのフェア・トレードの実践 ほか)

自身もフェアトレード・コーヒーの普及に努力している著者による「正しい値段の付け方とは」。


おいしいコーヒーの経済論 「キリマンジャロ」の苦い現実

辻村英之著 太田出版 1900円+税 四六判 209p 2009年6月15日

第2章 「キリマンジャロ」の生産者たち 「顔の見える関係」のために
は、キリマンジャロ山麓のコーヒー生産者たちの生活、学校への期待、都市で暮らしつつ農村に寄与する人々の姿をくっきりと描いており、僕自身は直接会ったことのない人々の存在を身近に感じます。

第5章 ポスト構造調整とフェア・トレード 生産者たちの不利な状況の改善
で紹介されている政府、協同組合、小農民がそれぞれに「市場の圧力」に立ち向かっている姿に、心強い思いをしました。


現代アフリカと開発経済学―市場経済の荒波のなかで

峯陽一著

3,465円 304p ; サイズ(cm): 21 x 15 日本評論社 ; ISBN: 4535551553 ; (1999/11)

内容(「MARC」データベースより)
アフリカが抱える苦悩と希望の歴史的背景、農業問題、都市化、累積債務、構造調整、飢饉、地域紛争、開発、民主化、市場経済化の展望など、現代アフリカの政治経済を様々な角度から論じる。『経済セミナー』連載の単行本化。

目次
第1部 黒いプロメテウス(歴史への視座 ルイス理論とアフリカ)
第2部 農村、都市、不確実性(農村と都市の経済学 越境するハーシュマン)
第3部 市場を飼い慣らす知恵(開発と人間行動 アフリカの飢饉とセン 甦るアフリカ)


アフリカの挑戦―NEPAD (New Partnership for Africa's Development)

大林稔編

3,150 円
338 p ; サイズ(cm): 21 x 15
昭和堂 ; (2003/6)

内容(「MARC」データベースより)
21世紀を迎えたアフリカが直面する政治経済的な課題を検討し、アフリカ開発のための新パートナーシップ(NEPAD)の意義と問題点を紹介する。
目次
概説(NEPADはアフリカの未来をひらけるか  NEPADの沿革および現状とTICADとの連携―国際社会の動向を踏まえて)
1 アフリカの経済開発の課題(アフリカ開発の難題に立ち向かう  NEPADの経済的意義―グローバリゼーション時代のアフリカを鑑みながら ほか)
2 民主主義・市民社会・女性とNEPAD(NEPADにおけるアフリカの民主主義とガバナンス  アフリカにおける市民社会の発展 ほか)
3 NEPADとアフリカの地域協力の発展(アフリカ連合の成立とNEPAD  アフリカの地域協力体制 ほか)
4 アフリカに向き合う日本(アフリカと日本の新しい関係に向けて―第3回東京アフリカ開発会議(TICAD3))


新書アフリカ史 講談社現代新書

宮本正興・松田素二編著

1,470円 596 p ; 新書 講談社 ; (1997/7)

内容(「BOOK」データベースより)
人類誕生から混沌の現代へ、壮大なスケールで描く民族と文明の興亡。新たなアフリカ像を提示し、世界史の読み直しを迫る必読の歴史書。


著者紹介
【宮本正興】
1941年生まれ。神戸市外国語大学英米学科卒業。京都大学大学院文学研究科博士課程修了。現在、大阪外国語大学教授。専攻はアフリカ文学、言語社会論。
著書に、『文学から見たアフリカ』──第三書館、「スワヒリ文学の風土」──大阪外国語大学──など。

【松田素二】
1955年生まれ。京都大学文学部卒業。ナイロビ大学大学院修士課程をへて、京都大学大学院文学研究科博士課程中退。現在、京都大学大学院文学研究科助教授。専攻は社会人間学、アフリカ地域研究。
著書に「都市を飼い慣らす」──河出書房新社──など。
目次
第1章 アビジャン生活第一歩(ジャンヌについて  パーニュ ほか)
第2章 異文化のなかで(ミス・コートジヴォワール  音楽祭 ほか)
第3章 アフリカに暮らすこと、とは?(アパートのバルコニーから  新聞売り ほか)
第4章 クリスマス・クーデター(兵士の反乱  クーデター ほか)
第5章 さまざまに、西アフリカ(サヘルの牛追い  村のマルシェ ほか)


現代アフリカの社会変動 ことばと文化の動態観察

松田素二・宮本正興編著

3780 円
441 p ; A5版
人文書院 ; (2002/4)

内容(「MARC」データベースより)
政治、言語、民族対立、貧困、環境問題、文学―21世紀のアフリカはどこへ行こうとしているのか。ポストコロニアルの状況と、その中で生きる人々の混迷と危機的な現実の姿を第一線のアフリカ研究者が記した最良の案内書。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
宮本 正興
1941年生まれ。京都大学大学院文学研究科博士課程修了。中部大学国際関係学部教授

松田 素二
1955年生まれ。京都大学大学院文学研究科博士課程中退。京都大学大学院文学研究科教員

目次

1 国家原理と言語社会の編成(ことばと社会の生態史観―アフリカ言語社会論序説 多言語都市ジガンショール―ウォロフ化とウォロフ化への抵抗 ほか)
2 ことばから社会へ―生態学的考察(スワヒリ語はなぜザイールにまで広まったのか―その構造から探る 多言語国家における教育と言語政策―独立ナミビアの事例から ほか)
3 開発と環境の現在(民主化時代における農村地域の社会変動―マリ南部の場合 ムブナはおいしくない?―アフリカ・マラウイ湖の魚食文化と環境問題 ほか)
4 歴史と表象の問いかけるもの(世界観の植民地化と人類学―コンゴ民主共和国、ムブティ・ピグミーにおける創造神と死者 ポストコロニアル時代の移民文学―カメルーン人女性作家ベヤラの場合 ほか)


南部アフリカ社会経済史研究

北川勝彦著 関西大学出版部 3,675円(税込み) A5判 380p

南部アフリカ諸国、特に南アフリカ共和国、ジンバブエ共和国、ザンビア共和国の現代史を考える上で重要な植民地時代の経済開発の歴史を詳述する。

英国の植民地支配がどのようなものであったのかを理解する上でも、非常に参考になる。


アフリカを知る−15人が語るその魅力と多様性

「少年ケニヤの友」東京支部編 スリーエーネットワーク 1,575円(税込み) A5版 226p 2000年5月発行

少年ケニヤの友が開催した学習会の記録。どれも読みやすくておもしろし15の講演録です。
アフリカのまちの人々の暮らし―ウジジとガウンデレ、植民地化以前に形成された二つの都市を訪れる 日野舜也
リンガラポップスの楽しみ方―大衆音楽の浸透力とアフリカにおける「歌詞」の持つ影響力について 大林稔
アパルトヘイト―旧宗主国イギリスへの報復が生んだ過酷な「差別立法」とその解体への道程 伊藤正孝
「下」から見るアフリカの二十世紀―あるマラゴリ人一族の100年を振りかえる 松田素二
アフリカ人の名前―テンボ族の「名前」から見えてくるもの 梶茂樹
アフリカの内なる論理から学ぶ姿勢―異なる文明社会が内包するエスノ・サイエンスの精神 和崎春日
アフリカにおける「思春期」―変化する社会とセクシュアリティ 松園万亀雄
マダガスカル・水田と稲作の風景―東南アジアに重なる水田と稲作の風景を読み解く 
ウォーム・ハート・オブ・アフリカ―マラウィ、そして青年海外協力隊活動を振り返って 
遊牧社会と市場経済―東アフリカの遊牧社会の事例から 佐藤俊
ゴリラと人の共存の道を探る−絶滅の危機に瀕したゴリラと、複雑な生態系を維持するための新しい考え方 山際寿一
アフリカの「目」−「目玉」が誘なう、知られざるアフリカ 針山孝彦
アフリカで病原体とつきあうということ−病原体の生態から見たアフリカの人間と寄生動物社会の関わり 杉本千春
サバクワタリバッタの大発生と長距離移動−その発生のメカニズムとアフリカにおける研究 八木繁実
アフリカの地球史と鉱物資源−アフリカの岩石が語る三十五億年にわたる地球環境の変化の記録 塩崎兵之助


東アフリカ社会経済論−タンザニアを中心として

吉田昌夫著 古今書院 8,925円(税込み) A5版 376p 1997年刊

著者の吉田さんとは、2000年から2年間、アフリカ日本協議会(AJF)の代表、事務局長というつながりで一緒になる場面が多々あった。その後、2年の予定でウガンダにあるマケレレ大学へ教えに行かれたのだが、諸般の事情で帰国された。で、AJF食料安全保障研究会の座長としてリードしてもらっている。

今年5月、東京外国語大学で開かれた日本アフリカ学会会場で割引販売されていた本を買って読んだ。1970年前後から20年余りに及ぶ現地調査を背景にした統計数字分析は、判りやすく説得力があり、タンザニアについてほとんど知らない僕が読んでも、よく判る。

発行数が限られていて値段も高いから、パッとは読めないだろうが、タンザニアの研究者に限らず、途上国の政治・経済を学ぼうとする人にはぜひ読んで欲しい本だ。特に、厳しい環境にあわせて、さまざまな作物を組み合わせ、同じ耕地で栽培する農業のあり方は、日本で暮らす僕らになじみのないものなので、ところどころに挟まれている写真も参考になるだろう(吉田さんは、写真を撮るのが好きなのです)。

アジ研の出版物には、吉田さん執筆の文章がまだまだたくさんあるようだし、また、国際的な研究誌に英文で発表された論考も多いようなので、誰かまとめてくれるとうれしい。

目次
1 東アフリカの社会的編成
2 タンザニアの土地保有制度と農村社会
3 東アフリカにおける農産物流通組織の担い手
4 タンザニアの小農経営構造
5 タンザニアにおける「社会主義」的農村開発政策
6 タンザニアにおける共同体的土地保有制度の変容と現状―北パレ農村の土地利用からみた制度問題
7 タンザニアの都市社会と国家セクター
8 結語


アフリカ国家を再考する

川端 正久・落合 雄彦編 ¥5,040(税込) 389p 晃洋書房 (2006年3月)

【目次】
第1章 アフリカ国家論争を俯瞰する(川端正久)
第2章 アフリカ国家論:フランス語圏からのアプローチ(加茂省三)
第3章 アフリカ国家の変容と「新しい帝国」の時代(高橋基樹)
第4章 崩壊国家と国際社会:ソマリアと「ソマリランド」(遠藤貢)
第5章 アフリカの「影の国家」:国家主義から市民社会へ(ニッキ・ファンケ、フセイン・ソロモン)
第6章 「下からの政治」とアフリカにおける国家(岩田拓夫)
第7章 ルイスの多元的統治モデルと現代アフリカ国家(峯陽一)
第8章 アフリカにおけるエスニシティと国家の再構築(エゴーサ・E・オサガエ)
第9章 国家がつくる紛争:国民を守らないのはなぜか(戸田真紀子)
第10章 シャリーア問題とナイジェリア国家の連邦制度(望月克哉)
第11章 アフリカ国家の分権化とパートナーシップ(斉藤文彦)
第12章 アフリカにおける地域統合と国家再建(ダニエル・パック)
第13章 エイズ政策にみる南アフリカの国家と市民社会(牧野久美子)
第14章 南アフリカにおける国家と都市統治(プリジ・マハラジ)
第15章 南アフリカにおける核開発政策と国家の民主化(藤本義彦)

第13章は、先日、「アフリカひろば」で牧野さんがプレゼンテーションしていた内容を分かりやす文章でまとめてあります。具体的なテーマに即して考える手がかりという意味でも、この本の中では一番判りやすい章でした。
第15章で取り上げられた南アの原爆製造・解体・記録破壊の問題は、すんでしまったこととは言えないことと感じました。
第1章は、学説と文献紹介にあたる基礎的な作業で、全体の五分の一くらいの分量ですが、もっと書き込んでほしいと感じました。
ナイジェリアと取り上げた第8章、第9章、第10章、トーゴとベナンを比較した第6章も興味深く読みました。
軍出身者が政治に登場する場面の多い国々における軍人養成システムと政治参加、サーリーフ・リベリア大統領ほか世界銀行や国連機関での活動と自国での政治参加などについても知りたいと思いました。文献紹介などお願いします。


アフリカとアジア―開発と貧困削減の展望

高梨 和紘編 476ページ 8400円(税込み) 慶應義塾大学出版会 (2006/04)

【目次】
第1部 苦闘するアフリカ
アフリカにおけるIMF・世銀政策の実績 坂元浩一
アフリカの都市に対する食料供給問題―ウガンダにおける実態調査より 吉田昌夫
「過剰な死」が農村社会に与える影響 島田周平
開発政策と農民―セネガルの落花生部門 1960‐2000年 勝俣誠
アフリカ諸国におけるマイクロファイナンスと貧困削減 高梨和紘

第2部 グローバル化するアジア グローバリゼーションの中の日本―アジア共生への課題 木下俊彦
東アジアの国際分業の新展開―電子産業のケース 太田辰幸
インド経済の台頭とIT産業 小島眞
南北間技術移転に関する覚書 小林直人
東アジア共同体論の危うさ―中日韓台関係論 渡辺利夫

第3部 開発協力の現在
貧困削減・経済成長・援助 小浜裕久
成果主義的ODA評価の意義と陥穽 山形辰史
国際公共財と国内公共財に対する最適援助政策 寺崎克志
囚人のジレンマの克服―地域協力による信頼醸成 不破吉太郎

島田さんの『「過剰な死」が農村社会に与える影響』は、昨年、東京外語大で開かれた日本アフリカ学会「女性とエイズ」フォーラムでのプレゼンテーションを基にした論考です。

先行研究を参照しながら、HIV/AIDSはじめとするさまざまな要因による「過剰な死」がザンビア農村社会におよぼす影響を概観した後、自身の調査を基に、共同耕作グループの中心メンバーが「過剰な死」への対応に精神的にも物質的にも疲弊したためにグループが分裂したケースおよび親に死なれた子どもたちの扶養を祖父母の世代が引き受けている状況を報告しています。

島田さんには、2004年11月にAJF食料安全保障研究会公開セミナーで同じタイトルの問題提起をしていただきました。

吉田さんの「アフリカの都市に対する食料供給問題」は、2002年〜2003年に吉田さん自身が実施した実態調査から見えてきたカンパラ、ジンジャへの食料供給の現状報告です。調査対象となる食料品、市場の選び方、そして「運送卸し商」へ焦点を絞り込んで行くという調査の進め方に興味を感じました。

坂元さんの「アフリカにおけるIMF・世銀政策の実績」を読んで、「世界の貧困をなくすための50の質問―途上国債務と私たち」を読んだ時に理解しきれなかった点が理解できました。

高梨さんの「アフリカ諸国におけるマイクロファイナンスと貧困削減」は、バングラディシュ・グラミン銀行によるマイクロ・ファイナンスの取り組みとアフリカ諸国で実施されているマイクロ・ファイナンスをていねいに比較しながら、課題を明らかにするものです。松田素二さんがケニア・ナイロビのスラムでの調査に基づいて紹介した「講」の取り組みなどと比較する試みがあれば、もっと議論が深まり、実効性のあるマイクロ・ファイナンス・スキームが生まれるのではないか、と感じました。


世界の貧困をなくすための50の質問―途上国債務と私たち

ダミアン ミレー著 大倉純子訳 ¥2,100 (税込) 254p  柘植書房新社 (2006/05)

アフリカ諸国にとっても重要な問題である債務問題の発端、現状、解決策を50のQ&Aで解説。

訳文は読みやすく、たくさんの訳注もあって、国際協力、アフリカに関心を持っている人にとっても、世界のまずしさについて考えている人にとっても非常に参考になります。

本の造りがもう一つなのが残念。


インドリコテリウム救出作戦

佐藤良彦著 ¥1,680 (税込) A5判 204 p 新風舎 (2006年4月)

タンザニアを舞台にしたジュブナイルSF。

中央アジアの3000万年前の地層から発見される巨大哺乳類インドリコテリウムの化石が、タンザニア・オルドバイ渓谷から発見されたという想定で書かれた、古生物学への関心、獣医師としての知識を生かしたSF小説です。炭疽菌感染によって草食獣が急死するようすや、化石発掘現場のようすがいきいきと描かれていて、おもしろく読みました。

小学校高学年からを対象としており、福永令三児童文学賞も受賞しています。


ようこそタンザニア NGOのアフリカ・ワークキャンプ奮闘記

佐藤良彦著 ¥1,260 (税込) B6判 237 p 新風舎 (2004年6月)

20年ぶりのタンザニア訪問記録。

かつて一緒に仕事をしたタンザニアの人々と再会して、急速にスワヒリ語を思い出すところが、なるほど。


人間の安全保障の射程―アフリカにおける課題

望月克哉編 ¥3,465 (税込) A5判 287p  アジア経済研究所 2006年2月

まえがき
序 章 アフリカにおける人間の安全保障の射程・・・望月克哉
第1章 人間の安全保障の観点からみたアフリカの平和構築―コンゴ民主共和国の「内戦」に焦点をあてて―・・・篠田英朗
第2章 新たな予防外交と人間の安全保障―マラウィの民主化の事例から―・・・平井照水
第3章 人間の安全保障と国際介入―破綻国家ソマリアの事例から―・・・滝澤美佐子
第4章 紛争が強いる人口移動と人間の安全保障―アフリカ大湖地域の事例から―・・・武内進一
第5章 「移動する人々」の安全保障―エチオピアの自発的再定住プログラムの事例―・・・石原美奈子
第6章 地域社会レベルの紛争と人間の安全保障―ナイジェリアの事例から―・・・望月克哉
索引


私たち、みんな同じ―記者が見た信州の国際理解教育

城島徹著 ¥1,400(税込) B6判 238p 一草社 2006年8月

タンザニアから長野へ嫁いできた女性、青年海外協力隊での経験を学校で活かしている女性教師、松代大本営跡について調べたことを原点に国際協力NGOで活動している長野県出身の女性、外部講師を活用しながら国際理解教育に取り組む女性と目に付く登場人物には女性が多い。国際協力と女性の活動はすごく密接に結びついているようだ。
わかりやすいことばで語られ、記録された実践は、きっと参考になります。


TICAD市民社会フォーラム(TCSF) アフリカ政策市民白書2005―貧困と不平等を越えて

大林稔・石田洋子編 晃洋書房 A5版 107p、1,365円 2006年4月


希望について

立岩真也著 青土社 2,310円 320ページ 2006年7月

参照 http://www.arsvi.com/0w/ts02/2006b1.htm


所有と国家のゆくえ

立岩真也・稲葉振一郎著 日本放送出版協会,NHKブックス 1064円 2006年8月

参照 http://www.arsvi.com/0w/ts02/2006b2.htm


国際NGOが世界を変える―地球市民社会の黎明

功刀達朗・毛利勝彦〔編著〕 東信堂 2100円 240ページ 2006年8月

田中徹二さんの論考が収録されています。


思想のフロンティア 社会

市野川容孝著 岩波書店 1680円 237ページ 2006年10月

AJF事務局にある本を読んで、自分の分を1冊購入したスタッフもいます。


思想のフロンティア 難民

小森陽一・市野川容孝著 岩波書店 1365円 178ページ 2007年6月

タイトルがrefugeeではなくexileとなっているところがポイント。
現在でも、パレスチナ難民は「Paletinian exile」と記されます。
市野川さんの文献学的アプローチを踏まえた、「難民」の四分類は、難民問題を考える上で役立ちそうです。


アルバムの家

女性建築技術者の会著 三省堂 1,890円 A5 256頁 2006年11月

古村伸子さんの論考が収録されています。


「対テロ戦争」と現代世界

木戸衛一ほか編 御茶の水書房 ¥2,625(税込) 255ページ 2006年11月

稲場雅紀さんの論考が収録されています。


“ようこそ”と言える日本へ 弁護士として外国人とともに歩む

土井香苗著 岩波書店 1,995円 四六判 192頁 2005年8月

超有名受験校から東大現役合格、司法試験最年少合格という経歴と、二十歳で妹さんと一緒に家出をし、それ以来、お母さんと一緒に住んでいない、という土井さん自身のあゆみの「不釣り合いさ」に思わずうなってしまいました。
また、大学生の娘に馬術部を辞めさせるという親御さんの振る舞いにも驚いてしまいました。
家出をして、バイトしながら司法試験受験、そして合格。その勢いがあったからエリトリアへ行ったのでしょうね。


モザンビーク解放闘争史―「統一」と「分裂」の起源を求めて

舩田クラーセンさやか著 御茶の水書房 ¥9,240 (税込) A5判 700p 2007年3月

国連ボランティアとしてモザンビークで活動したことをきっかけにモザンビーク研究を始めた著者が、7年近くの年月をかけてまとめた本。

南ア経済の大きな影響を受ける位置にあり、反アパルトヘイト闘争の前線諸国でもあったモザンビークの歴史・政治を踏まえた分析。


アクション別フィールドワーク入門

武田丈・亀井伸孝編 世界思想社 1995円 四六判 270p 2008年3月

西さんによる「病と共存する社会をのぞむ エチオピアのHIV/AIDS予防運動」を読むと、西さんらが「リスクと公共性研究会」に寄せる思いを感じることができます。
全盲の人類学者・廣瀬浩二郎さんの発案をもとに実施された民族学博物館の触文化展は興味をそそります。何年か前、やはり全盲である社会学者の石川准さんが、たまたま博物館で触ることのできる展示に出会った際の感動を語っていたことを思い出しました。
内藤順子さんの『「途上国」の相手に教える チリにおける開発援助の現場から』は、「圧倒的に優位にある存在による援助の持つ暴力性」を鮮明にえがきだしています。
亀井さんの「異文化理解の姿勢を教室で教える ろう者の文化を学ぶワークショップ」は、彼と連れ合いの秋山さんの共著である「手話で行こう」にえがかれた講義保障要求運動の成果なのでしょう。


コーヒー学のすすめ 豆の栽培からカップ一杯まで

ニーナ・ラティンジャー (著), グレゴリー・ディカム (著)  世界思想社 2300円+税 四六判 333p 2008年8月10日

150pのグラフ「輸出総額に占めるコーヒー輸出額の割合(2003年)」にびっくりしました。
東チモールに次いで割合の高いグループに、ブルンジ(75%)、エチオピア(35%)、ルワンダ(25%)が並んでいました。
153pには、以下の記述もあります。

 不用心な資本主義体制は、世界中の国々に次々と悲劇をもたらした。90年代の前半、低いコーヒー価格がルワンダ経済を骨抜きにした。同国の輸入収入の80%はコーヒーから生じており、同作物を栽培していない国民はあまりいなかった。
 この経済への打撃が、政治的な不安定さと世界銀行による構造調整の要請(政府が生産者からコーヒーを買い上げるための「平等化基金」の廃止、農業支援の廃止、通貨切り下げなど)に結び付いて、同国は1994年、流血の惨事にまで追い込まれた。50万人が虐殺され、国民の4分の1が難民になった。


現代アフリカの公共性―エチオピア社会にみるコミュニティ・開発・政治実践

西真如著 昭和堂 4935円(税込み) A5版 266p 2009年2月

首都アジスアベバに住む人々が故郷の地に道路や学校を作るために立ち上げたグラゲ道路建設協会、アジスアベバの人々の多くが参加する様々な葬儀講の活動を、引き裂かれた社会をつなぎとめる努力、構成員とそうではない人との間の線引きに常に揺らぎを抱え込む共同体のあり方という視点から読み解いた興味深い本です。

目 次
第1章 「それは可能だ」
第2章 差異・配分・公共性
第3章 アフリカの市民社会とエスニシティ−「貧困」と「欠如」を問い直す試み
第4章 エチオピアとその首都アジスアベバ、および南部諸民族州の概要
第5章 国民統合とエスニシティ−何がエチオピアの社会を引き裂いてきたのか
第6章 エンパワーメントの政治実践−グラゲ道路建設協会の活動
第7章 真のエンパワーメントを求めて?
第8章 他者を排除する/他者に配慮する共同体
結論

著者が調査している地域で起きた新たな「民族」の誕生と民族に基づく自治体の分裂という事態は、ユーゴスラビア連邦崩壊後に進行してきた事態、ロシア連邦におけるチェチェン共和国独立闘争、グルジア共和国における南オセチア紛争などを思い浮かべさせます。住民投票によって自治体が分裂したケースは、この地域にとどまらないとも報告されています。興味深いことです。

葬儀講に関する報告と論考を読みながら、二つのことが思い浮かびました。

一つは、一昨年、在日カメルーン人協会とAJFとで取り組んだ在日カメルーン人コミュニティに向けたエイズ啓発ワークショップです。

カメルーンからHIV陽性者ネットワークの活動家を招いて実施したこの啓発ワークショップは、在日カメルーン人協会が直面したメンバーのエイズによる死と故郷への遺体送致という事態があったことから始まった取り組みの一環です。遺体送致にあたっては、協会で資金を出し合ったという話が思い浮かびました。

もう一つは、被差別部落を対象に行われた同和対策事業の中で、墓地整備、納骨堂新設などが重要な取り組みとして行われたという印象です。


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