アフリカに関わる本

2015年9月16日更新
2016年4月7日更新
2016年10月31日更新

参考になれば、嬉しいです。

生存学ウェブサイト内のこちらのページもご覧下さい。
新刊から 2009年
新刊から 2010年
新刊から 2011年
新刊から 2012年

エイズとの闘い 世界を変えた人々の声

林 達雄著

岩波書店 定価504円(税込) 2005年発行 A5判 64頁

ケニアで出会ったエイズと共に生きる女性のネットワーク(KENWA)のアスンタさん、南アフリカ共和国からエイズ治療を求める声を世界に発信し続けてきた治療行動キャンペーン(TAC)ザキ・アハマットさん、途上国でのエイズ治療実現につながったHIV/AIDSと共に生きる人々たち自身の声・行動を伝える。

林さんが、さまざまな場所・人・機関を訪ねた際に発したメッセージを、(特活)アフリカ日本協議会のホームページで読むことができます。http://www.ajf.gr.jpの「特別顧問林達雄から」をご覧下さい。(2015年9月16日修正)


Witness to AIDS

Edwin Cameron著

第1章から第5章までは、Cameron自身の経験が書かれています。

第6章、第7章では、TACメンバーの協力も得て、エイズ治療薬の特許権問題、エイズ治療の必要性をHIV陽性者自身が明らかにしていく「治療リテラシー」運動の重要性が展開されています。この二つの章の試訳を作成しました。こちらをご覧下さい。>>>

昨年、立命館大学大学院立岩研究室によって作成された資料集「貧しい国々でのエイズ治療実現へのあゆみ」を、個人の体験を踏まえ、さらには法律家の視点から叙述した文章と言えます(Cameronの本の方が新しいデータに基づいて書かれています)。

上記資料集については、以下をご覧下さい。

http://www.arsvi.com/b2000/0506aj.htm


ぼくもあなたとおなじ人間です。 エイズと闘った小さな活動家、ンコシ少年の生涯

ジム・ウーテン著 酒井泰介訳

早川書房 四六判 250頁 定価1,680円(税込) 2006年8月発行

2000年7月、11歳の少年が南アフリカ共和国ダーバンで開かれた国際エイズ会議開会式でスピーチした。母子感染でエイズ患者となった少年は、「ぼくもあなたとおなじ人間です。」と訴えた。

4歳の時、母親が訪ねあてたゲイのHIV陽性者たちのためのゲストハウスに引き取られ以降、南アいやアフリカでは最も長く生きた母子感染によるエイズ患者となった少年が、どんな風にして人びとを引きつけたのかを、この少年に出会って「アフリカン・ペシミストを辞めた」と自称する米ABCテレビ局の上級特派員が描いている。

人びとの好意、笑いと熱いお風呂と栄養たっぷりの食事によって「奇跡的に」12歳まで生きた少年は、2001年5月に亡くなった。同じ頃、国家予算による無償でのエイズ治療が開始されていたブラジルでは同じ年頃のHIV陽性の少女が、学校へ通いプールを楽しんでいた(林達雄著「エイズとの闘い』参照)。

少年を育て、HIV陽性の母親と子どもたちのためのシェルターを建設・運営してきた、現在も運営しているゲイル・ママ、無償で少年にできるうる限りの医療を施してきた医師たち、少年そしてゲイル・ママの呼びかけに応えてシェルター建設・運営のための資金を提供した多くの人びと、さらには多額の資金を提供して少年が抗レトロウイルス薬治療を受けることを可能にした篤志家らの善意の大きさは疑う余地もない。

それでも、少年の「学校へ行きたい」という願いを実現するには、HIV陽性を理由に学校から排除するという差別を禁じる法律が必要となった。

南アでも、2004年4月から公的医療施設でエイズ治療が開始されている。以前はエイズ・ホスピスであったキリスト教系の医療施設が、HIV陽性の子どもたちを優先的に治療するプログラムも開始している。

ンコシ少年のスピーチもあって動き出した南アでのエイズ治療実現への取り組みは「夢を現実にする」ほどの大きな変化をもたらしている。

原著執筆後の、こうした変化について、適切な紹介があればもっとよかった。


グローバル・エイズ 途上国における病の拡大と先進国の課題

アリグザンダー・アーウィンほか著 八木 由里子訳

明石書店
定価3,465円(税込)
2005年8月発行
四六判 302頁

昨年2月のAJF感染症研究会定例会で牧野さんが紹介してくれた
GLOBAL AIDS: MYTHS AND FACTS
by Alexander Irwin, Joyce Millen and Dorothy Fallows
の全訳です。
「はじめに」をザッキー・アハマットさん(南アのHIV陽性者当事者団体TACの議長)が書いています。

本文は、「エイズとアフリカ」「危険行動」「腐敗」「予防か治療か?」「貧困国におけるエイズ治療の障害」「ワクチン」「『製薬企業の利益』対『貧困層の健康』」「限られた財源」「得るものは何もない」「できることはなにもない」という10の「俗説(MYTH)」を一つずつ事実に基づいて検討しています。

原書が出された2003年以降の世界的な取り組み(世界エイズ・結核・マラリア対策基金の展開、3 by 5、PEPFAR、クリントン財団の取り組みなど)によって、アフリカ諸国でもエイズ治療をどのように実施していくのか、が課題となっている中で、本書を刊行する意味を解説する文章がないことが、残念です(前述の取り組み、用語については、AJFのホームページで検索をかけてみて下さい。http://www.ajf.gr.jp)。

訳者あとがきによると、明石書店は「エイズ事典」を刊行準備中とのことです。この事典作成にあたっては、現在進行中の事態、取り組みを理解するに便利なものにして欲しいと希望しています。


子どもたちのアフリカ―〈忘れられた大陸〉に希望の架け橋を

石 弘之著

岩波書店 定価1785円(税込) 2005年発行 四六判 228頁

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
石 弘之
1940年東京都に生まれる。東京大学卒業後、朝日新聞社に入社。ニューヨーク特派員、科学部次長などを経て編集委員。85~87年国連環境計画(UNEP)上級顧問。94年朝日新聞社退社。96年から東京大学大学院教授(総合文化研究科、新領域創成科学研究科)。2002年大学退官後、2004年までザンビア大使。2004年12月から北海道大学公共政策大学院教授。この間、国際協力事業団参与、東中欧環境センター理事などを兼務。国連ボーマ賞、国連グローバル500賞、毎日出版文化賞をそれぞれ受賞

内容紹介(岩波書店ホームページより
親をエイズで失った子どもは1100万人.少年兵は12万から20万人.毎年20万人もの子どもが「奴隷」として売買されている…….二十数年間にわたって,アフリカと関わってきた著者がアフリカの今を子どもたちを通して描く.数多くのデータとともに,著者の暖かい眼差しが滲み出る渾身のルポ.各国の紹介,関連URLなど,資料も充実.


アフリカ経済論 現代世界経済叢書 (8)

北川 勝彦・高橋 基樹編著

税込価格: 3,360円 (本体: 3,200円) 出版:ミネルヴァ書房 サイズ:A5判/321p ISBN:4-623-04160-3 発行年月:2004.11

内容説明

植民地以前から構造調整に至る経済の歴史や政治と社会の変動のありようを紹介し、今日のアフリカ経済を製造業、農業、貿易、債務問題、HIV/エイズ、援助など多角的視点から考察する。

著者紹介

〈北川〉1947年大阪府生まれ。関西大学経済学部教授。
〈高橋〉1959年東京都生まれ。神戸大学大学院国際協力研究科教授。

編者から、2刷発行、「第8章 HIV/エイズ問題」に改訂を加えた、との連絡をいただきました。

大学での講義に使用する際には、このページで紹介した「グローバル・エイズ」や以下の資料なども参考にして、この5年間でガラッと変わったアフリカ諸国におけるエイズに対する取り組みの現状への理解を促して欲しいと願っています。

  • 牧野久美子・稲場雅紀編「エイズ政策の転換とアフリカ諸国の現状:包括的アプローチに向けて」(独法)日本貿易振興機構アジア経済研究所(http://www.ide.go.jpにpdf化されたレポートが公開されている)
  • 立岩真也+(特活)アフリカ日本協議会編「貧しい国々でのエイズ治療実現へのあゆみ」立命館大学大学院立岩真也研究室(http://www.arsvi.com参照)
  • Mark Heywood編「Development Update Vol.5 No.3 HIV and AIDS in Southern Africa」INTERFUND

帝国意識の解剖学

北川 勝彦・平田雅博編著

世界思想社 定価2730円(税込) 1999年発行 四六判 294頁 ISBN4-7907-0755-5

内容

序 章 いま なぜ「帝国意識」か ? 帝国意識と近年の帝国主義研究(平田雅博)
第1章 イギリス帝国主義と帝国意識(木畑洋一)
第2章 英国文学にみる帝国意識の生成と崩壊 ? 「威張るものが腐る」(小泉允雄)
第3章 フランスにおける帝国意識の形成(杉本淑彦)
第4章 ドイツにおける帝国意識 ? 世紀転換期のオリエントとの関係を中心に(杉原 達)
第5章 アメリカの帝国意識(示村陽一)
第6章 近代日本における帝国意識(川村 湊)
第7章 日本語・植民地・帝国意識(石 剛)
第8章 「黒人問題」の発見 ? ブラジルから見た帝国意識(鈴木 茂)
終 章 アフリカの植民地化と帝国意識の諸相(北川勝彦)
あとがき
執筆者紹介

いま、なぜ「帝国意識」か。本書は、イギリス、フランス、ドイツ、アメリカ、そして日本の帝国意識の国際比較を試みるとともに、ブラジルとアフリカにおける諸相を明らかにし、近・現代史読解のための新しい視点の提示を行なう。


国家・暴力・政治―アジア・アフリカの紛争をめぐって

武内進一著

5460円 510 p ; サイズ(cm): 21x15 アジア経済研究所 ; ISBN: 4258045349 ; (2004/01)

内容(「MARC」データベースより)
中東を含むアジアやアフリカの特定地域に焦点を当て、その現実から出発して紛争現象を多面的に捉える試み。紛争をめぐる具体的事実に立脚して議論を展開する諸論文を収録。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
武内 進一
アジア経済研究所新領域研究センター国際関係・紛争研究グループ長代理


現代アフリカの紛争―歴史と主体 研究双書

武内進一著

4830円 410 p ; サイズ(cm): 21x15 日本貿易振興会アジア経済研究所 ; ISBN: 4258045004 ; (2000/01)

序 アフリカの紛争―その今日的特質についての考察
第1部 紛争のなかのエスニシティー(日常的民族紛争と超民族化現象―ケニアにおける1997~98年の民族間抗争事件から  複数政党制移行後のケニアにおける住民襲撃事件―92年選挙を画期とする変化  1960年代ブルンジにおけるエスニシティーの意味―権力闘争における見なしと具象化)
第2部 アイデンティティーの史的展開(ルワンダのツチとフツ―植民地化以前の集団形成についての覚書  市民概念の語用とその限界―リベリア共和国から)
第3部 紛争主体と国際社会(継続する内戦と成果のない和平調停―スーダン内戦をめぐるさまざまなアクター  「国連事務総長報告:アフリカにおける紛争の諸原因と永続的平和および持続的発展の推進」―文献解題)

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
武内 進一
アジア経済研究所新領域研究センター国際関係・紛争研究グループ長代理


民族紛争を生きる人びと―現代アフリカの国家とマイノリティ

栗本英世著

2345円
350 p ; サイズ(cm): 19 x 13
世界思想社 ; ISBN: 4790705935 ; (1996/04)

目次
第1章 戦後から戦前へ―スーダンの内戦
第2章 銃と自律―パリ人とスーダン内戦
第3章 中心と周辺―社会主義革命とアニュワ人
第4章 国家に抗する民族―アニュワ人の闘争
第5章 望郷と離散
終章 エピタフ

文化人類学を研究するために入ったスーダン南部の村で出会った同年齢集団の仲間たちを語ることば、伝えようとする思いが熱い。


コーヒーと南北問題―「キリマンジャロのフードシステム」

辻村英之著

4410円 269p ; サイズ(cm): 21x15 日本経済評論社 ; ISBN: 4818815705 ; (2004/02)

第1部 タンザニアにおけるコーヒー豆の生産と流通(コーヒー生産者達の生活 構造調整政策の農村協同組合への影響―コーヒー販売農協の危機 コーヒー豆流通自由化と小農民・協同組合―新しい流通・格付制度の影響 新しい価格形成制度の現状と課題 ほか)
第2部 タンザニア産コーヒー豆の貿易と消費国日本(コーヒー豆の輸出構造と価格形成制度―日本への輸出を事例として 日本におけるタンザニア産豆の輸入と消費―価格形成制度と南北問題 先物市場における価格変動と生産者―タンザニア産コーヒー豆を事例として オルタナティブな価格形成制度の探究―タンザニア産コーヒーのフェア・トレードの実践 ほか)

自身もフェアトレード・コーヒーの普及に努力している著者による「正しい値段の付け方とは」。


現代アフリカと開発経済学―市場経済の荒波のなかで

峯陽一著

3,465円 304p ; サイズ(cm): 21 x 15 日本評論社 ; ISBN: 4535551553 ; (1999/11)

内容(「MARC」データベースより)
アフリカが抱える苦悩と希望の歴史的背景、農業問題、都市化、累積債務、構造調整、飢饉、地域紛争、開発、民主化、市場経済化の展望など、現代アフリカの政治経済を様々な角度から論じる。『経済セミナー』連載の単行本化。

目次
第1部 黒いプロメテウス(歴史への視座 ルイス理論とアフリカ)
第2部 農村、都市、不確実性(農村と都市の経済学 越境するハーシュマン)
第3部 市場を飼い慣らす知恵(開発と人間行動 アフリカの飢饉とセン 甦るアフリカ)


アフリカ人都市経験の史的考察―初期植民地期ジンバブウェ・ハラレの社会史

吉國恒雄著 インパクト出版会 3,150円 394p 四六判 2005年10月

内容(「MARC」データベースより)
アフリカ人の「近代」はいかに可視化され、語られるべきか。アフリカ人労働者が創り出した濃密なる社会的・文化的世界と、西欧的「都市」「階級」の見直しとアフリカ亜大陸の現代への定位についての論考。英文版も収録する。

目次
第一章 南部アフリカ都市の差別的景観
第二章 黒人出稼ぎ労働者の「階級的」登場
第三章 都鄙相制関係から見た都市の諸相
第四章 あるアフリカ人フェミニズムの誕生:初期植民地期ジンバブウェ
第五章 書評 

第四章が印象に残ります。これから手をつけるべき作業が提示されています。

平尾さんによる紹介はこちら >>>


アフリカの挑戦―NEPAD (New Partnership for Africa's Development)

大林稔編

3,150 円
338 p ; サイズ(cm): 21 x 15
昭和堂 ; (2003/6)

内容(「MARC」データベースより)
21世紀を迎えたアフリカが直面する政治経済的な課題を検討し、アフリカ開発のための新パートナーシップ(NEPAD)の意義と問題点を紹介する。
目次
概説(NEPADはアフリカの未来をひらけるか  NEPADの沿革および現状とTICADとの連携―国際社会の動向を踏まえて)
1 アフリカの経済開発の課題(アフリカ開発の難題に立ち向かう  NEPADの経済的意義―グローバリゼーション時代のアフリカを鑑みながら ほか)
2 民主主義・市民社会・女性とNEPAD(NEPADにおけるアフリカの民主主義とガバナンス  アフリカにおける市民社会の発展 ほか)
3 NEPADとアフリカの地域協力の発展(アフリカ連合の成立とNEPAD  アフリカの地域協力体制 ほか)
4 アフリカに向き合う日本(アフリカと日本の新しい関係に向けて―第3回東京アフリカ開発会議(TICAD3))


アフリカの「小さな国」―コートジヴォワールで暮らした12カ月

大林公子著

735円 219 p ; 新書 集英社 ; (2002/8)

内容(「BOOK」データベースより)
西アフリカ・コートジヴォワールの都会の朝。近代的マンションに杵の音がトントンと響く。搗きたての朝食が用意されているのだ。便利さだけを考えずに伝統を大事にするふつうの人たちのふつうの生活の、時はゆったり流れる。「なんで好きこのんであんな危険なところへ?」とよくたずねられる、アフリカ生活通算六年の著者が、日本では忘れられてしまいがちな、人と人とのあたたかい触れあいと、ほんとうの豊かさとは何かを求める「手ざわり」紀行。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
大林 公子
1947年、京都府生まれ。慶応義塾大学文学部卒業。アフリカ政治経済研究者の夫とともに、旧ザイール、ブルンジ、コートジヴォワールのアフリカ各国に通算六年、その間のフランスをふくめて十年以上の海外生活を体験。芸術一般に関心を抱きつづけ、パリで若手日本人アーティストを支援するNGO「プラットフォーム」を主宰
目次
第1章 アビジャン生活第一歩(ジャンヌについて  パーニュ ほか)
第2章 異文化のなかで(ミス・コートジヴォワール  音楽祭 ほか)
第3章 アフリカに暮らすこと、とは?(アパートのバルコニーから  新聞売り ほか)
第4章 クリスマス・クーデター(兵士の反乱  クーデター ほか)
第5章 さまざまに、西アフリカ(サヘルの牛追い  村のマルシェ ほか)


アフリカンドレス 見る・つくる・知る おしゃれなアフリカ

アフリカ理解プロジェクト

1,050円 62p ; B5判変型 明石書店 ; (2004/04)

内容(「BOOK」データベースより)
アフリカでは、美しく装い女性らしい知恵を働かせる女性が尊敬されるのだとか。アフリカの布やファッションに触れてみませんか? アフリカンドレスやビーズアクセサリーの作り方を紹介。アフリカを「体験」できる一冊です。

目次
アフリカへの招待
女性とファッション
アフリカの布のお話
東アフリカの布カンガ
カンガの着方
自由にファッションショーをしましょう!
お気に入りのアフリカンアクセサリー
ビジネスランチ
アフリカ風に布を染めてみる
特集 アフリカンドレスを作ってみましょう!
アフリカンドレスがいっぱい
アフリカンビーズアクセサリーを作ろう
アフリカンビーズコレクション
ヘアースタイル&ヘッドスカーフの巻き方
サファリへ行こう


アフリカンキッチン 見る・つくる・知る おしゃれなアフリカ(2)

アフリカ理解プロジェクト

1,050円 62p ; B5判変型 明石書店 ; (2005/05)

ファッション、料理、手工芸品を通じてもっと身近にアフリカを感じる、シリーズ「見る・つくる・知る おしゃれなアフリカ」の第二弾。おいしくておしゃれなアフリカ料理のつくりかたと楽しみ方を、豊富な写真とイラストを使い、オールカラーでわかりやすく解説。アフリカを食文化から理解していく、総合学習また開発教育のテキストとして、子供から大人まで楽しめる一冊。

目次
Welcome to African Kitchen:アフリカンキッチンへようこそ
Women & Kitchen:女性と台所
Staple Food in Africa:食のお話
豊かなアフリカ料理
サバンナの台所小物たち
Tales of African Plants:アフリカ植物ものがたり
特集 African Recipes:アフリカンレシピ集
 アフリカンマーケット
 子どもたちの描く食卓
Story of Coffee:コーヒーのお話
Handmade Africa:手づくりアフリカ
アフリカンパーティを開きましょ!
 こんなメニューはいかが?
 アフリカ音楽、お薦めはこれ!
Information & SHOP LIST
「アフリカンキッチン」を買ってくださった皆さまへ
編集後記


アフリカンリビング 見る・つくる・知る おしゃれなアフリカ(3)

アフリカ理解プロジェクト

1,050円 62 p ; B5判変型 明石書店 ; (2006/05)

アフリカンリビングに腰を下ろしてみませんか? 草木や土など周りの自然素材で造られる家。トタンやレンガで建てる都市の住居。暮らしにあった多様さを持つアフリカの住まいの魅力やインテリア、ファッションなどを紹介。

目次
アフリカンリビングへようこそ
People &Living: 人と暮らし
アフリカ 家のお話
Colorful African House: カラフルアフリカンハウス
家と暮らし: 手作りの家、ストーリーのある村、スケッチに描いた暮らし
The Arts of African Living:アフリカ 暮らしの知恵
アフリカ流「もったいない」、働く人々、各国のリサイクル品
特集:African Living Style:アフリカンリビングスタイル
  アフリカンなインテリアを作ろう!    
  布を楽しむ、いろいろな素材を使って、ペイントする、リサイクルクラフト  パターン&モチーフ集
  アフリカをお部屋に! インテリアのヒント
やってみよう!ヒョウタンプロジェクト 育て方、楽器の作り方
Fashion&Hair style: アフリカンファッション&ヘアスタイル
伝統衣装をモダンに着こなす、私たち流アフリカンスタイル、ヘアスタイル集
エッセイ:アフリカの宝石
アフリカンリビングを買ってくださった皆さまへ
Information & SHOP LIST&編集後記


新書アフリカ史 講談社現代新書

宮本正興・松田素二編著

1,470円 596 p ; 新書 講談社 ; (1997/7)

内容(「BOOK」データベースより)
人類誕生から混沌の現代へ、壮大なスケールで描く民族と文明の興亡。新たなアフリカ像を提示し、世界史の読み直しを迫る必読の歴史書。


著者紹介
【宮本正興】
1941年生まれ。神戸市外国語大学英米学科卒業。京都大学大学院文学研究科博士課程修了。現在、大阪外国語大学教授。専攻はアフリカ文学、言語社会論。
著書に、『文学から見たアフリカ』──第三書館、「スワヒリ文学の風土」──大阪外国語大学──など。

【松田素二】
1955年生まれ。京都大学文学部卒業。ナイロビ大学大学院修士課程をへて、京都大学大学院文学研究科博士課程中退。現在、京都大学大学院文学研究科助教授。専攻は社会人間学、アフリカ地域研究。
著書に「都市を飼い慣らす」──河出書房新社──など。
目次
第1章 アビジャン生活第一歩(ジャンヌについて  パーニュ ほか)
第2章 異文化のなかで(ミス・コートジヴォワール  音楽祭 ほか)
第3章 アフリカに暮らすこと、とは?(アパートのバルコニーから  新聞売り ほか)
第4章 クリスマス・クーデター(兵士の反乱  クーデター ほか)
第5章 さまざまに、西アフリカ(サヘルの牛追い  村のマルシェ ほか)


現代アフリカの社会変動 ことばと文化の動態観察

松田素二・宮本正興編著

3780 円
441 p ; A5版
人文書院 ; (2002/4)

内容(「MARC」データベースより)
政治、言語、民族対立、貧困、環境問題、文学―21世紀のアフリカはどこへ行こうとしているのか。ポストコロニアルの状況と、その中で生きる人々の混迷と危機的な現実の姿を第一線のアフリカ研究者が記した最良の案内書。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
宮本 正興
1941年生まれ。京都大学大学院文学研究科博士課程修了。中部大学国際関係学部教授

松田 素二
1955年生まれ。京都大学大学院文学研究科博士課程中退。京都大学大学院文学研究科教員

目次

1 国家原理と言語社会の編成(ことばと社会の生態史観―アフリカ言語社会論序説 多言語都市ジガンショール―ウォロフ化とウォロフ化への抵抗 ほか)
2 ことばから社会へ―生態学的考察(スワヒリ語はなぜザイールにまで広まったのか―その構造から探る 多言語国家における教育と言語政策―独立ナミビアの事例から ほか)
3 開発と環境の現在(民主化時代における農村地域の社会変動―マリ南部の場合 ムブナはおいしくない?―アフリカ・マラウイ湖の魚食文化と環境問題 ほか)
4 歴史と表象の問いかけるもの(世界観の植民地化と人類学―コンゴ民主共和国、ムブティ・ピグミーにおける創造神と死者 ポストコロニアル時代の移民文学―カメルーン人女性作家ベヤラの場合 ほか)


Global Prescriptions: Gendering Health and Human Rights

Rosalind P. Petchesky
2,972 円 (税込、2004年12月21日現在)
ペーパーバック: 306 p
Zed Books ; ISBN: 842770071 ; (2003/10/01)

Transnationalizing Women's Health Movements * UN Conferences as Sites of Discursive Struggle: Gains and Fault Lines * HIV/AIDS and the Human Right to Health: On a Collision Course with Global Capitalism * Managing Health under Global Capitalism: Equity vs. Productivity * Implementing International Norms at the National Level: Women's Health NGOs on the Firing Line * Conclusion: Reflections on Transnational Feminist Movements and Global Governance in an Era of Infinite War

第3章"HIV/AIDS and the Human Rights to Health: on a Collision Course with Global Capitalism"は、2000年から2003年にかけて進行したエイズ危機への世界的な規模での対応を、1990年代に南がリードするようになった女性運動の視点から検討しており、全く新しい視点に触れてびっくりしながら読みました。

60p弱のコンパクトな章に、

  • 1990年代から世界的な女性運動がテーマとしてきた必須医薬品へのアクセス・キ ャンペーンとARVへのアクセス・キャンペーンの連続性
  • 1990年代のカイロ人口会議・北京女性会議・コペンハーゲン社会開発会議とそのフォローアップ活動の中で定着してきた人権としての医療アクセスが、2001年の国連エイズ特別総会の決議案に反映していること
  • 2001年夏、なぜブラジルはコンパルソリー・ライセンス行使に踏み切らなかったのか
  • 戦争犯罪裁判所に対応する医療犯罪裁判所の必要性
  • なぜエイズ危機がgenderingしていくのか関する簡明な解説
などなどが簡潔にまとめられており、一読しただけでは、絡み合っているいくつもの流れをすっきりとは理解できません。

編者の一人、Rosalind P. Petcheskyの著書を読んで感じたことを書きました。読んでみて下さい。 Rosalind Petcheskyを読む


Negotiating Reproductive Rights

Rosalind P. Petchesky, Karen Judd ed.
2,972 円 (税込、2004年12月21日現在)
ペーパーバック: 358 p
Zed Books ; ISBN: 1856495361 ; (1998/06/01)

Introduction--Rosalind P. Petchesky * "Not Like Our Mothers:" Reproductive Choice and the Emergence of Citizenship among Brazilian Rural Workers, Domestic Workers and Urban Housewives--Simone Grilo Diniz, Cecilia de Mello e Souza and Ana Paula Portella * "Women’s Wit Over Men’s:" Trade-Offs and Strategic Accommodations in Egyptian Women's Reproductive Lives--Aida Seif El Dawla, Amal Abdel Hadi and Nadia Abdel Wahab * Between Modernization and Patriarchal Revivalism: Reproductive Negotiations Among Women in Peninsular Malaysia--Rita Raj, Chi Heng Leng and Rashidah Shuib * "Because They Were Born From Me:" Negotiating Women's Rights in Mexico--Adriana Ortiz-Ortega, Ana Amuch?stegui and Marta Rivas * Women’s Sexuality and Fertility in Nigeria: Breaking the Culture of Silence--Grace Osakue and Adriane Martin-Hilber * From Sanas to Dapat: Negotiating Entitlement in Reproductive Decision-Making in the Philippines--Mercedes Lactao-Fabros, Aileen May C Paguntalan, Lourdes L. Arches and Ma Teresa Guia-Padilla * The South Within the North: Reproductive Choice in Three US Communities--Dianne Jntl Forte and Karen Judd * Cross Country Comparisons and Political Visions--Rosalind P. Petchesky * Appendix * Bibliography * Index

ブラジル・エジプト・メキシコ・マレーシア・ナイジェリア・フィリピンそして米国のさまざまな社会団体に属する貧困層女性への聞き取りをもとにまとめられたレポートです。ブラジル、メキシコそして米国において卵管結紮(けつさつ)という不妊手術や、ホルモン剤の埋め込みといった避妊法が多用されている状況の報告は衝撃的でした。この不妊・避妊手術の横行は、ブラジル東北部の貧困層女性たちの中での平均出産数が6を超える、中には16人の子どもを産んだ人と語っている人もいるという状況への「回答」だったのです。ところが、不妊・避妊手術ではHIV感染が防げない、という中で、ブラジルの都市部の貧困層女性たちの中で、娘たちに向かって性を語る、HIV感染と望まない妊娠を防ぐ避妊を教える、という取り組みが広がっている、というのが、1990年代半ばの変革の現れだったというのです。現在のブラジルのエイズ政策の成功を語る際には、当然にもこのレポートの中で明らかにされた取り組みの広がりをも視野に入れていく必要があります。


ザンジバルの笛 東アフリカ・スワヒリ世界の歴史と文化

富永智津子著 未来社  238p  B6判 2310円(税込み)

スワヒリ語世界の広がりを、興味深いエピソードで紹介しています。

あわせて収録された少年ケニヤ論は、日本におけるアフリカ・イメージを探る試みとして参考になります。


アフリカの女性史 ケニア独立闘争とキクユ社会

コーラ・アン・プレスリー著 富永智津子訳 未来社  290p  B6判 2940円(税込み)

1880年代から1950年代半ばのケニア独立闘争までのキクユ女性たちの社会的役割、仕事、そして政治参加の変化を描く。


マウマウ戦争の真実―埋れたケニア独立前史

マイナ・ワ・キニャティ編 楠瀬佳子訳 第三書館 290p B6判 2625円 1992年7月

出版社/著者からの内容紹介
ケニアの民族解放独立闘争を担ったマウマウ団に関する記録文書を英国政府は未だに公開していない。本書は地道なフィールドワークと最高指導者デダン・キマジの手記・証言をもとにマウマウ反乱の真相をはじめて明らかにし正当な評価を与えた記録集成。序文はケニアの作家グギ・ワ・ジオンゴ。


南部アフリカ社会経済史研究

北川勝彦著 関西大学出版部 3,675円(税込み) A5判 380p

南部アフリカ諸国、特に南アフリカ共和国、ジンバブエ共和国、ザンビア共和国の現代史を考える上で重要な植民地時代の経済開発の歴史を詳述する。

英国の植民地支配がどのようなものであったのかを理解する上でも、非常に参考になる。


日本人のアフリカ「発見」

青木澄夫著 山川出版社

藤田みどり著「アフリカ『発見』 日本におけるアフリカ像の変遷」を手にして、青木さんの標記の本を思い出しました。

この本の元になった雑誌「月刊アフリカ」での連載記事のコピー一揃いも、部屋の中で眠っているはずです。


アフリカ「発見」

藤田みどり著 岩波書店 3,360円(税込み) 四六判 

日本における「アフリカ」イメージの変遷を追っていて興味深い論考です。


アフリカ日和

早川 千晶著 旅行人 1,680円(税込み) 四六判 285p

ナイロビ暮らしが長く、ケニアで結婚する日本人のお母さん役を務めることもあるという早川さんの著書です。

早川さんは、毎年秋に日本で公演行脚を行っています。本を読んで興味を持ったら、招いて直接話を聞いてみましょう。この件に関する問い合わせは、afol@yahoogroups.jpへどうぞ。


アフリカを知る−15人が語るその魅力と多様性

「少年ケニヤの友」東京支部編 スリーエーネットワーク 1,575円(税込み) A5版 226p 2000年5月発行

少年ケニヤの友が開催した学習会の記録。どれも読みやすくておもしろし15の講演録です。
アフリカのまちの人々の暮らし―ウジジとガウンデレ、植民地化以前に形成された二つの都市を訪れる 日野舜也
リンガラポップスの楽しみ方―大衆音楽の浸透力とアフリカにおける「歌詞」の持つ影響力について 大林稔
アパルトヘイト―旧宗主国イギリスへの報復が生んだ過酷な「差別立法」とその解体への道程 伊藤正孝
「下」から見るアフリカの二十世紀―あるマラゴリ人一族の100年を振りかえる 松田素二
アフリカ人の名前―テンボ族の「名前」から見えてくるもの 梶茂樹
アフリカの内なる論理から学ぶ姿勢―異なる文明社会が内包するエスノ・サイエンスの精神 和崎春日
アフリカにおける「思春期」―変化する社会とセクシュアリティ 松園万亀雄
マダガスカル・水田と稲作の風景―東南アジアに重なる水田と稲作の風景を読み解く 
ウォーム・ハート・オブ・アフリカ―マラウィ、そして青年海外協力隊活動を振り返って 
遊牧社会と市場経済―東アフリカの遊牧社会の事例から 佐藤俊
ゴリラと人の共存の道を探る−絶滅の危機に瀕したゴリラと、複雑な生態系を維持するための新しい考え方 山際寿一
アフリカの「目」−「目玉」が誘なう、知られざるアフリカ 針山孝彦
アフリカで病原体とつきあうということ−病原体の生態から見たアフリカの人間と寄生動物社会の関わり 杉本千春
サバクワタリバッタの大発生と長距離移動−その発生のメカニズムとアフリカにおける研究 八木繁実
アフリカの地球史と鉱物資源−アフリカの岩石が語る三十五億年にわたる地球環境の変化の記録 塩崎兵之助


東アフリカ社会経済論−タンザニアを中心として

吉田昌夫著 古今書院 8,925円(税込み) A5版 376p 1997年刊

著者の吉田さんとは、2000年から2年間、アフリカ日本協議会(AJF)の代表、事務局長というつながりで一緒になる場面が多々あった。その後、2年の予定でウガンダにあるマケレレ大学へ教えに行かれたのだが、諸般の事情で帰国された。で、AJF食料安全保障研究会の座長としてリードしてもらっている。

今年5月、東京外国語大学で開かれた日本アフリカ学会会場で割引販売されていた本を買って読んだ。1970年前後から20年余りに及ぶ現地調査を背景にした統計数字分析は、判りやすく説得力があり、タンザニアについてほとんど知らない僕が読んでも、よく判る。

発行数が限られていて値段も高いから、パッとは読めないだろうが、タンザニアの研究者に限らず、途上国の政治・経済を学ぼうとする人にはぜひ読んで欲しい本だ。特に、厳しい環境にあわせて、さまざまな作物を組み合わせ、同じ耕地で栽培する農業のあり方は、日本で暮らす僕らになじみのないものなので、ところどころに挟まれている写真も参考になるだろう(吉田さんは、写真を撮るのが好きなのです)。

アジ研の出版物には、吉田さん執筆の文章がまだまだたくさんあるようだし、また、国際的な研究誌に英文で発表された論考も多いようなので、誰かまとめてくれるとうれしい。

目次
1 東アフリカの社会的編成
2 タンザニアの土地保有制度と農村社会
3 東アフリカにおける農産物流通組織の担い手
4 タンザニアの小農経営構造
5 タンザニアにおける「社会主義」的農村開発政策
6 タンザニアにおける共同体的土地保有制度の変容と現状―北パレ農村の土地利用からみた制度問題
7 タンザニアの都市社会と国家セクター
8 結語


Culture and Imperialism

Edward E. Said著 1,584円(アマゾン/9月26日現在)ペーパーバック・416 p Vintage Books Reprint 版 (1994/06)

アフリカとの関わり、見方を描いたコンラッドの「闇の奥」(Heart of Darkness)に関する考察に相当ページを割いている、この本もアフリカに関わる本ですね。

日本語版「文化と帝国主義」はみすず書房から、大橋洋一さんの訳で出ています。
アマゾンへのリンクは次の通りです。


世界の子ども兵−見えない子どもたち

レイチェル ブレット (著), マーガレット マカリン (著), Rachel Brett (原著), Margaret McCallin (原著), 渡井 理佳子 (翻訳) ¥3,150 (税込) 282 p 新評論 (2002/07)

僕のページを経由して買ってくれた人がいて、知りました。

今週(2005年11月19日)から、アムネスティ・インターナショナルが日本に招聘した元子ども兵士が日本各地で講演を行います。詳しくは、 http://www.amnesty.or.jpをご覧下さい。


アラーの神にもいわれはない−ある西アフリカ少年兵の物語

アマドゥ クルマ (著), Ahmadou Kourouma (原著), 真島 一郎 (翻訳) ¥2,520 (税込) 405 p 人文書院 (2003/07)

話題作です。まだ読んでいません。アフリカ文学研究会会報で書評を読みました。僕のページを経由して買ってくれた人がいました。


近代スーダンにおける体制変動と民族形成

栗田 禎子 (著)  ¥19,920 (税込) 809 p 大月書店 (2001/03)

ダールフール紛争による難民、虐殺が問題となっている現代スーダンの歴史、政治体制を詳述。

一昨年、重い重い本を読みました。要領よく紹介する力はありません。


Long Walk to Freedom: The Autobiography of Nelson Mandela

Nelson Mandela著  ¥1,899 (税込) 638p Little Brown & Co (October 1995)

初版ハードカバーを読みました。日本語訳「自由への長い道―ネルソン・マンデラ自伝」(上・下)は、大きく改定された版によるものだと聞いています。改訂版の方も読まなくては思いつつ、ウオッシュリストに入れたところで止まっています。


アフリカ国家を再考する

川端 正久・落合 雄彦編 ¥5,040(税込) 389p 晃洋書房 (2006年3月)

【目次】
第1章 アフリカ国家論争を俯瞰する(川端正久)
第2章 アフリカ国家論:フランス語圏からのアプローチ(加茂省三)
第3章 アフリカ国家の変容と「新しい帝国」の時代(高橋基樹)
第4章 崩壊国家と国際社会:ソマリアと「ソマリランド」(遠藤貢)
第5章 アフリカの「影の国家」:国家主義から市民社会へ(ニッキ・ファンケ、フセイン・ソロモン)
第6章 「下からの政治」とアフリカにおける国家(岩田拓夫)
第7章 ルイスの多元的統治モデルと現代アフリカ国家(峯陽一)
第8章 アフリカにおけるエスニシティと国家の再構築(エゴーサ・E・オサガエ)
第9章 国家がつくる紛争:国民を守らないのはなぜか(戸田真紀子)
第10章 シャリーア問題とナイジェリア国家の連邦制度(望月克哉)
第11章 アフリカ国家の分権化とパートナーシップ(斉藤文彦)
第12章 アフリカにおける地域統合と国家再建(ダニエル・パック)
第13章 エイズ政策にみる南アフリカの国家と市民社会(牧野久美子)
第14章 南アフリカにおける国家と都市統治(プリジ・マハラジ)
第15章 南アフリカにおける核開発政策と国家の民主化(藤本義彦)

第13章は、先日、「アフリカひろば」で牧野さんがプレゼンテーションしていた内容を分かりやす文章でまとめてあります。具体的なテーマに即して考える手がかりという意味でも、この本の中では一番判りやすい章でした。
第15章で取り上げられた南アの原爆製造・解体・記録破壊の問題は、すんでしまったこととは言えないことと感じました。
第1章は、学説と文献紹介にあたる基礎的な作業で、全体の五分の一くらいの分量ですが、もっと書き込んでほしいと感じました。
ナイジェリアと取り上げた第8章、第9章、第10章、トーゴとベナンを比較した第6章も興味深く読みました。
軍出身者が政治に登場する場面の多い国々における軍人養成システムと政治参加、サーリーフ・リベリア大統領ほか世界銀行や国連機関での活動と自国での政治参加などについても知りたいと思いました。文献紹介などお願いします。


アフリカとアジア―開発と貧困削減の展望

高梨 和紘編 476ページ 8400円(税込み) 慶應義塾大学出版会 (2006/04)

【目次】
第1部 苦闘するアフリカ
アフリカにおけるIMF・世銀政策の実績 坂元浩一
アフリカの都市に対する食料供給問題―ウガンダにおける実態調査より 吉田昌夫
「過剰な死」が農村社会に与える影響 島田周平
開発政策と農民―セネガルの落花生部門 1960‐2000年 勝俣誠
アフリカ諸国におけるマイクロファイナンスと貧困削減 高梨和紘

第2部 グローバル化するアジア グローバリゼーションの中の日本―アジア共生への課題 木下俊彦
東アジアの国際分業の新展開―電子産業のケース 太田辰幸
インド経済の台頭とIT産業 小島眞
南北間技術移転に関する覚書 小林直人
東アジア共同体論の危うさ―中日韓台関係論 渡辺利夫

第3部 開発協力の現在
貧困削減・経済成長・援助 小浜裕久
成果主義的ODA評価の意義と陥穽 山形辰史
国際公共財と国内公共財に対する最適援助政策 寺崎克志
囚人のジレンマの克服―地域協力による信頼醸成 不破吉太郎

島田さんの『「過剰な死」が農村社会に与える影響』は、昨年、東京外語大で開かれた日本アフリカ学会「女性とエイズ」フォーラムでのプレゼンテーションを基にした論考です。

先行研究を参照しながら、HIV/AIDSはじめとするさまざまな要因による「過剰な死」がザンビア農村社会におよぼす影響を概観した後、自身の調査を基に、共同耕作グループの中心メンバーが「過剰な死」への対応に精神的にも物質的にも疲弊したためにグループが分裂したケースおよび親に死なれた子どもたちの扶養を祖父母の世代が引き受けている状況を報告しています。

島田さんには、2004年11月にAJF食料安全保障研究会公開セミナーで同じタイトルの問題提起をしていただきました。

吉田さんの「アフリカの都市に対する食料供給問題」は、2002年〜2003年に吉田さん自身が実施した実態調査から見えてきたカンパラ、ジンジャへの食料供給の現状報告です。調査対象となる食料品、市場の選び方、そして「運送卸し商」へ焦点を絞り込んで行くという調査の進め方に興味を感じました。

坂元さんの「アフリカにおけるIMF・世銀政策の実績」を読んで、「世界の貧困をなくすための50の質問―途上国債務と私たち」を読んだ時に理解しきれなかった点が理解できました。

高梨さんの「アフリカ諸国におけるマイクロファイナンスと貧困削減」は、バングラディシュ・グラミン銀行によるマイクロ・ファイナンスの取り組みとアフリカ諸国で実施されているマイクロ・ファイナンスをていねいに比較しながら、課題を明らかにするものです。松田素二さんがケニア・ナイロビのスラムでの調査に基づいて紹介した「講」の取り組みなどと比較する試みがあれば、もっと議論が深まり、実効性のあるマイクロ・ファイナンス・スキームが生まれるのではないか、と感じました。


絵はがきにされた少年

藤原章生著 ¥1,680(税込) 258p 集英社 (2005年11月)

1990年代後半の5年間を南アで暮らしアフリカ各地からのニュースを届けてきた毎日新聞記者が書いたルポルタージュ。著者が特派員として書いた記事を、「アフリカを探って 特派員の通信録」で読むことができます。この本は、ニュースの形では扱えなかった著者の思い、出会った人々のことが記されています。


RACE AGAINST TIME

Sephen Lewis著 ¥1,576 (税込) 198p  House of Anansi Pr 2nd(2006年8月)

現国連事務総長アフリカHIV/AIDS問題特使スティーブン・ルイスさんが、20代の初めにガーナを訪れたことから始まるアフリカとの関わりを踏まえて行った5回シリーズ講座を出版。

教育水準とHIV感染率の関係、1985年の事務総長スタッフ32人が全員男性だったことを示す写真、などが印象に残る。

アフリカ諸国のエイズ問題を解決しようとする努力は、初等教育無償化、栄養保障、ジェンダー・バランス確保などなど包括的な取り組みにつながることがひしひしと伝わってくる。


世界の貧困をなくすための50の質問―途上国債務と私たち

ダミアン ミレー著 大倉純子訳 ¥2,100 (税込) 254p  柘植書房新社 (2006/05)

アフリカ諸国にとっても重要な問題である債務問題の発端、現状、解決策を50のQ&Aで解説。

訳文は読みやすく、たくさんの訳注もあって、国際協力、アフリカに関心を持っている人にとっても、世界のまずしさについて考えている人にとっても非常に参考になります。

本の造りがもう一つなのが残念。


インドリコテリウム救出作戦

佐藤良彦著 ¥1,680 (税込) A5判 204 p 新風舎 (2006年4月)

タンザニアを舞台にしたジュブナイルSF。

中央アジアの3000万年前の地層から発見される巨大哺乳類インドリコテリウムの化石が、タンザニア・オルドバイ渓谷から発見されたという想定で書かれた、古生物学への関心、獣医師としての知識を生かしたSF小説です。炭疽菌感染によって草食獣が急死するようすや、化石発掘現場のようすがいきいきと描かれていて、おもしろく読みました。

小学校高学年からを対象としており、福永令三児童文学賞も受賞しています。


ようこそタンザニア NGOのアフリカ・ワークキャンプ奮闘記

佐藤良彦著 ¥1,260 (税込) B6判 237 p 新風舎 (2004年6月)

20年ぶりのタンザニア訪問記録。

かつて一緒に仕事をしたタンザニアの人々と再会して、急速にスワヒリ語を思い出すところが、なるほど。


人間の安全保障の射程―アフリカにおける課題

望月克哉編 ¥3,465 (税込) A5判 287p  アジア経済研究所 2006年2月

まえがき
序 章 アフリカにおける人間の安全保障の射程・・・望月克哉
第1章 人間の安全保障の観点からみたアフリカの平和構築―コンゴ民主共和国の「内戦」に焦点をあてて―・・・篠田英朗
第2章 新たな予防外交と人間の安全保障―マラウィの民主化の事例から―・・・平井照水
第3章 人間の安全保障と国際介入―破綻国家ソマリアの事例から―・・・滝澤美佐子
第4章 紛争が強いる人口移動と人間の安全保障―アフリカ大湖地域の事例から―・・・武内進一
第5章 「移動する人々」の安全保障―エチオピアの自発的再定住プログラムの事例―・・・石原美奈子
第6章 地域社会レベルの紛争と人間の安全保障―ナイジェリアの事例から―・・・望月克哉
索引


国際協力成功への発想

廣瀬昌平著 ¥1,995 (税込) B6判 209p 農林統計協会 2006年2月

技術者としてアジア、アフリカで農業分野での国際協力活動に関わってきた体験を踏まえ、在来の技術体系を活かす農業支援のあり方を判りやすくまとめています。長年撮りためた写真に関連する説明や考えを付けて配った小冊子が原型になったというだけに、収録されている写真がどれも興味深いです。


私たち、みんな同じ―記者が見た信州の国際理解教育

城島徹著 ¥1,400(税込) B6判 238p 一草社 2006年8月

タンザニアから長野へ嫁いできた女性、青年海外協力隊での経験を学校で活かしている女性教師、松代大本営跡について調べたことを原点に国際協力NGOで活動している長野県出身の女性、外部講師を活用しながら国際理解教育に取り組む女性と目に付く登場人物には女性が多い。国際協力と女性の活動はすごく密接に結びついているようだ。
わかりやすいことばで語られ、記録された実践は、きっと参考になります。


貧困と飢饉

アマルティア セン著 黒崎卓, 山崎幸治訳 岩波書店 ¥2,940(税込) 四六判 348p 2000年3月

1970年代のアフリカ・サヘル地域の飢饉および1980年代エチオピア内戦と飢饉の関係についての考察も含む現代の古典。天候不順により人びとが購買力を失った地域から食料が運び出されて行く現実にどのようにアプローチするかを問いかけ、貧困と飢饉に関する新しいパラダイムを提示している。


アフリカのろう者と手話の歴史―A・J・フォスターの「王国」を訪ねて

亀井伸孝著 明石書店 ¥2,940(税込) A5判 254p 2006年12月

一昨年夏、慶応大学で開かれたアフリカ・セミナーの際、亀井さんが予告していた本が出版されました。

AJF会報「アフリカNOW」次号に、著者自身による内容紹介を寄稿していただきます。

先週末、届いた本を読み始めたら、非常におもしろく、週末大阪へ向かうバスを待つ時間、大阪からの帰りの新幹線の中で読み終えました。

社会的弱者のエンパワメントとはどういうことなのか、という国際協力におけるホットなテーマを考える材料をたっぷり与えてくれる本です。 また、識字教育の課題ともつながる「外来言語による教育」をどう考えるのか、どのように対応していくのか、という点でもたくさんの課題を提示しています。

今年はガーナ独立から50年。アメリカ南部で生まれ育ち北部の都市で学んだ黒人青年が、アフリカのろう者にキリストの福音を、学ぶ場と集う場を、と願ってまず訪ねたのがガーナだったのは偶然ではないでしょう。

著者も少し触れているパンアフリカニズムやアメリカ黒人とアフリカとの関わりへの関心もかき立てられました。


新しいアフリカ史像を求めて―女性・ジェンダー・フェミニズム

富永智津子・永原陽子編 御茶の水書房 ¥4,950(税込) A5判 510p 2006年12月

2000年に始まる研究会を通して深まった日本国内外の研究者の交流・連携を基に、主として海外の研究者の論考を収録した500pを超える論文集で、以下の方々の論考が収録されています。

第1部 フェミニズムと歴史
富永智津子、アミナ・ママ、マージョリー・ムビリニ、吉國恒雄

第2部 奴隷制の再考にむけて
富永智津子、クレア・ロバートソン、マーガレット・シュトローベル

第3部 抵抗運動史の再検討
永原陽子、タデウス・サンセリ、栗田禎子、モニカ・セハス

第4部 生活史の中のジェンダー闘争
永原陽子、パトリシア・ヘイズ、アイリス・バーガー、マージョリー・ムビリニ

第5部 歴史と文学のはざま 女性たちの語りから
永原陽子、レロバ・モレマ、テルマ・ラヴェル=ピント、デズリー・ルイス

第1部に収録された故吉國さんの論考は、「アフリカ人都市経験の史的考察」で興味深く読んだものでした。

第3部の栗田さん、モニカさんの論考、第4部のマージョリーさんの論考そして第5部の諸論考が対象としているテーマは、いくらかなじみのあるもので、新しい知見や方法論に触れることで僕自身の考えも深まってきたと思います。第2部で検討されている奴隷制再考というテーマからは、これまで全くなじみのなかった歴史の一面がかいまみえて、びっくりしました。


見る、撮る、魅せるアジア・アフリカ!映像人類学の新地平

北村皆雄・新井一寛・川瀬慈編 新宿書房 ¥3,675(税込) A5判 245p 2006年11月

若手研究者や民俗学・人類学的なテーマに取り組む映像作家が、自身の制作した映像作品について、撮影対象者の紹介と自らの関わり、作品の目的、問題意識の背景、研究的意義、撮影や編集などの技術的・美的側面等をまとめる。

執筆者の一人・分藤大翼は、自らが撮影・編集・発表するだけでなく、昨年秋には、カメルーンの若い映画監督を日本に招き作品上映の機会を作っている。


モザンビーク解放闘争史―「統一」と「分裂」の起源を求めて

舩田クラーセンさやか著 御茶の水書房 ¥9,240 A5判 700p 2007年3月

国連ボランティアとしてモザンビークで活動したことをきっかけにモザンビーク研究を始めた著者が、12年近くの年月をかけてまとめた本。

南ア経済の大きな影響を受ける位置にあり、反アパルトヘイト闘争の前線諸国でもあったモザンビークの歴史・政治を踏まえた分析。


開発フロンティアの民族誌―東アフリカ・灌漑計画のなかに生きる人びと

石井洋子著  御茶の水書房 A5版 310ページ ¥ 5,040 2007年3月

サブサハラ・アフリカで最も成功したと言われてきた国家的潅漑計画の歴史と、1990年代末から始まった新しい動きを伝える標記の本を興味深く読みました。農民組合によるコメの集荷・販売に対する弾圧によって、個々の農家がどのようにしてコメを販売しているのかを伝える第3部は、八郎潟を埋め立てて誕生した大潟村に入植した人びとの減反反対闘争、自主販売の取り組みを思い浮かべさせました。


ガーナのココア生産農民―小農輸出作物生産の社会的側面

高根務著 日本貿易振興会アジア経済研究所 ¥3,150  262ページ (1999/10)


アフリカ経済実証分析

平野克己編 日本貿易振興会アジア経済研究所 ¥4,200 360ページ (2005/04)


アフリカ昆虫学への招待

日高敏隆監修 日本ICIPE協会編 京都大学学術出版会 ¥3,150 A5版 285ページ 2007年4月

ケニアにある国際昆虫生理生態学センター(ICIPE)、ナイジェリアにある国際熱帯農業研究所(IITA)等でアフリカの昆虫研究に従事した日本人研究者が、人びとの健康や農業に関わる昆虫研究の課題を紹介する。


アフリカに吹く中国の嵐、アジアの旋風―途上国間競争にさらされる地域産業

吉田栄一編 (独法)日本貿易振興機構アジア経済研究所 ¥1,575 A5版 161ページ  2007年4月

中国商品のアフリカ流入、中国経済人のアフリカでの活動がもたらしている影響を具体的に報告する。


アフリカにょろり旅

青山潤著 講談社 ¥1,680 四六判 281ページ (2007/02)

出版社/著者からの内容紹介
東大の研究者は、ここまでやります!
謎の熱帯ウナギ捕獲に命をかけた研究者の爆笑アフリカ冒険記
50度を超える猛暑、住血吸虫だらけの真水、水のないトイレ、そして未知の言葉。苛酷な環境が研究者たちの身も心も蝕んでいく。
「ウナギは、新月の夜、マリアナの海山で産卵する」
世界で初めて、ニホンウナギの産卵場をほぼ特定した東京大学海洋研究所の「ウナギグループ」。このたび、研究員の著者に下った指令は、ウナギ全18種類中、唯一まだ採集されてない種「ラビアータ」を捕獲することだった。ドイツや台湾の研究チームを出し抜くため、海洋研のターミネーターはアフリカへ! 「はちきれんばかりの著者の冒険に、僕の心も躍った!」永瀬忠志氏(リヤカーで世界各地を踏破し、2005年「植村直己冒険賞」を受賞)


僕は見習いナチュラリスト アフリカ野生王国編

加藤直邦著 情報センター出版局 ¥1,680 B6版 398ページ (2007/02)


ほった。―4年3カ月も有給休暇をもらって自転車で世界一周し、今度はアフリカにみんなで井戸を掘っちゃった男

坂本達著 三起商行 ¥1,260 B6版 151ページ (2006/04)


やった。―4年3ヶ月の有給休暇で「自転車世界一周」をした男

坂本達著 幻冬社文庫 ¥560 242ページ (2006/04)


晴れ、ときどきサバンナ―私のアフリカ一人歩き

滝田明日香著 幻冬社文庫 ¥560 249ページ (2007/02)


サバンナの宝箱―獣の女医のどたばたアフリカン・ライフ!

滝田明日香著 幻冬社 ¥1,470 四六判 221ページ (2006/12)


私の夫はマサイ戦士

永松真紀著 新潮社 ¥1,365 四六判 238ページ (2006/12)


世界遺産学検定公式テキストブック〈3〉南北アメリカ、アジア、アフリカ、オセアニアの遺産

世界遺産アカデミー (著) 講談社 ¥2,310 357ページ (2006/12)


アフリカンサバンナ―最期の大自然

小原 秀雄 (著), 青木 保 (著) 丸善 ¥2,447 71ページ (1992/01)


サバンナの風―東アフリカの自然と人と動物と

サバンナクラブ (編集) メディアパル ¥2,957 199ページ (1993/03)


コーヒー、カカオ、米、綿花、コショウの暗黒物語―生産者を死に追いやるグローバル経済

ジャン=ピエール ボリス (著), Jean‐Pierre Boris (原著), 林 昌宏 (翻訳)  作品社 ¥1,680 210ページ(2005/10)

フランスのラジオ局ディレクターが、取材経験を出発点に、アフリカ大陸の農民が直面している大きな壁(流通、価格決定・・・)について判りやすく解説している。


サハラのほとり―サヘルの自然と人びと

門村浩、勝俣誠編 TOTO出版 ¥3,364 246ページ (1992/08)


アフリカ自然学

水野 一晴(編集) 古今書院 ¥3,990 257ページ (2005/02)

★アフリカの自然をまとめて解説した初めての本

[主な内容] 「アフリカの自然をまとめて解説した本はありますか?」。編者の所属する京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科にたびたびある問合せがきっかけでできた初めてのアフリカ自然概説書。 第1部の分野別概説は,基本知識がわかる。第2部の自然科学〜人類学〜農学のトピック紹介は,地域研究の参照例としても役立つ。

[主な目次と執筆者]

第1部: アフリカの自然

  1. 地形からみたアフリカ(山縣耕太郎)
  2. 気候からみたアフリカ(木村圭司)
  3. 植生からみたアフリカ(沖津 進)
  4. 土壌からみたアフリカ(荒木 茂)
  5. 環境変化からみたアフリカ(門村 浩)
  6. リモートセンシングからみたアフリカ(吉田浩之)

第2部: アフリカの不思議な自然を探る

  1. 温暖化によるケニア山・キリマンジャロの氷河の融解と植物分布の上昇(水野一晴)
  2. アフリカの気候変動と植生変化からみた類人猿とヒトの進化(山越 言)
  3. カラハリ砂漠の砂丘の歴史を解き明かす(山縣耕太郎)
  4. ナミブ砂漠・クイセブ川流域の環境変遷と砂丘に埋もれていく森林(水野一晴・山縣耕太郎)
  5. 近年の洪水減少でクイセブ川流域の森林が枯れていく理由(水野一晴)
  6. ナミビアにおけるサバンナ植生景観の違いをもたらす要因(沖津 進)
  7. 雨や霧の発生の仕方は場所によってどう異なるか(木村圭司)
  8. リモートセンシングで季節河川を「見る」(吉田浩之)
  9. カメルーン北部における住居と農耕景観にかかわる地質の影響(水野一晴)
  10. 夢のなかの動物たち−−カメルーン, バカ・ピグミーの森の世界(都留泰作)
  11. ブッシュマンは自然を覚えて旅をする(高田 明)
  12. ギニアの精霊の森に暮らすチンパンジー(山越 言)
  13. セネガル中西部におけるアルビダ植生の維持機構(平井将公)
  14. ナミビア北部における「ヤシ植生」の形成とオヴァンボの樹木利用の変容(藤岡悠一郎)
  15. ナミブ砂漠の自然植生ナラの大量枯死とトップナールの人々への影響(伊東正顕)
  16. 短稈と長稈,2つのトウジンビエが併存する理由(宇野大介)  

アクション別フィールドワーク入門

武田丈・亀井伸孝編 世界思想社 1995円 四六判 270p 2008年3月

西さんによる「病と共存する社会をのぞむ エチオピアのHIV/AIDS予防運動」を読むと、西さんらが「リスクと公共性研究会」に寄せる思いを感じることができます。
全盲の人類学者・廣瀬浩二郎さんの発案をもとに実施された民族学博物館の触文化展は興味をそそります。何年か前、やはり全盲である社会学者の石川准さんが、たまたま博物館で触ることのできる展示に出会った際の感動を語っていたことを思い出しました。
内藤順子さんの『「途上国」の相手に教える チリにおける開発援助の現場から』は、「圧倒的に優位にある存在による援助の持つ暴力性」を鮮明にえがきだしています。
亀井さんの「異文化理解の姿勢を教室で教える ろう者の文化を学ぶワークショップ」は、彼と連れ合いの秋山さんの共著である「手話で行こう」にえがかれた講義保障要求運動の成果なのでしょう。


コーヒー学のすすめ 豆の栽培からカップ一杯まで

ニーナ・ラティンジャー (著), グレゴリー・ディカム (著)  世界思想社 2300円+税 四六判 333p 2008年8月10日

150pのグラフ「輸出総額に占めるコーヒー輸出額の割合(2003年)」にびっくりしました。
東チモールに次いで割合の高いグループに、ブルンジ(75%)、エチオピア(35%)、ルワンダ(25%)が並んでいました。
153pには、以下の記述もあります。

 不用心な資本主義体制は、世界中の国々に次々と悲劇をもたらした。90年代の前半、低いコーヒー価格がルワンダ経済を骨抜きにした。同国の輸入収入の80%はコーヒーから生じており、同作物を栽培していない国民はあまりいなかった。
 この経済への打撃が、政治的な不安定さと世界銀行による構造調整の要請(政府が生産者からコーヒーを買い上げるための「平等化基金」の廃止、農業支援の廃止、通貨切り下げなど)に結び付いて、同国は1994年、流血の惨事にまで追い込まれた。50万人が虐殺され、国民の4分の1が難民になった。


南アフリカを知る60章

峯陽一編 明石書店 2000円+税 四六判 376p 2010年4月

1 南アフリカの成り立ち――歴史、人種、エスニシティ
第1章 南アフリカは「アフリカ」の国である―多数派を占める先住民の歴史【峯陽一】
第2章  「白いアフリカ人」の誕生―アフリカーナー社会の形成と大移動【峯陽一】
第3章 イギリス人、コーサ人、「ゴールドラッシュ」の時代―南アフリカ史の大転換【峯陽一】
第4章  人種隔離からアパルトヘイトへ―アフリカ大陸をさまようナチスの亡霊【峯陽一】
【コラム1】南アフリカのユダヤ人左翼【峯陽一】
第5章 土地法から強制移住へ―アパルトヘイトの根幹をなした土地問題【佐藤千鶴子】
第6章 反アパルトヘイト運動の展開―ANCに流れ込んだ3つの潮流【峯陽一】
【コラム2】国旗と国章【坂田有弥】
第7章 ズールー王国の勃興とシャカ―神話から歴史へ【佐藤千鶴子】
第8章 「カラード」の歴史―歴史がつくった「カラード」【海野るみ】
第9章 インド人社会の形成と「サティヤーグラハ」―ガンディーが過ごした21年間【鶴見直城】
【コラム3】国花と国歌【楠瀬佳子】
2 ポスト・アパルトヘイト時代の南アフリカ政治
第10章 「虹の国」としての再出発―1994年を振り返る【峯陽一】
第11章 ポスト・アパルトヘイト体制への移行と暴力の再生産―政治暴力と「タクシー戦争」【遠藤貢】
第12章 真実和解委員会(TRC)を通じた和解の模索―その限界と意義【阿部利洋】
第13章 ANCはどこへ行く―南ア共産党との歴史的関係を通して見えてくるもの【福島康真】
第14章 「闘いは続く!」―都市の社会運動・労働運動とANCの緊張関係【牧野久美子】
第15章 マンデラ、ムベキ、ズマ―個性豊かな指導者群像【長田雅子】
第16章 国民党の消滅と民主連合の伸長―ポスト・アパルトヘイト時代の白人政党【長田雅子】
【コラム4】核兵器を廃絶した南ア【藤本義彦】
第17章 伝統的指導者の新しい役割―「伝統」と「近代」の分裂は超えられるか【佐藤千鶴子】
第18章 スティーヴ・ビコと黒人意識運動の遺産【峯陽一】
【コラム5】エイミー・ビール事件【峯陽一】
3 世界が注目する南アフリカ経済
第19章 「レアメタル」がないと車は走らない―日本の自動車産業を支える南アフリカ鉱業【西浦昭雄】
第20章 「財閥」の変容―アングロ・アメリカンとデビアス【西浦昭雄】
第21章 アフリカから世界へ―資源メジャーBHPビリトンを創ったビジネスマン【平野克己】
第22章 「オール電化」の夢―南アフリカの電力不足とアフリカ電力網【西浦昭雄】
第23章  南アフリカ企業のアフリカ進出―スーパーから携帯電話まで【西浦昭雄】
第24章 スタンダード銀行と中国――南アフリカと中国の深い関係【平野克己】
第25章 BEEとブラックダイヤモンド―黒人は豊かになれるか【西浦昭雄】
第26章 拡大する所得格差―なぜ一部の黒人だけが豊かになるのか【岡田茂樹】
第27章 日本企業の動向―拡大する自動車・鉱業分野での投資【岡田茂樹】
第28章 日本と南アフリカの経済関係―過去と現在の鳥瞰図【西浦昭雄】
第29章 世界経済と南アフリカ経済―旺盛な民間活力が強み【平野克己】
【コラム6】お金の話―通貨ランド【長田雅子】
4 ダイナミックに変わる南アフリカ社会
第30章 犯罪―市民生活を脅かす南アフリカ社会の暗部【白戸圭一】
第31章 北から南へ―ジョハネスバーグの多様な顔【津山直子】
第32章 ポスト・アパルトヘイト時代の社会保障―ベーシック・インカムを中心に【牧野久美子】
第33章 草の根の国際協力―JVCの活動から【津山直子】
第34章 エイズとともに生きる―タウンシップの苦悩と支え合い【小山えり子】
第35章 南アフリカの医療問題―頭脳流出と伝統医療【佐藤千鶴子】
第36章 ズールー人の魅力―「戦闘的」なだけではない、前向きであったか〜い人びと【平林薫】
第37章 私のタウンシップ経験―ジョバーグからケープへ【木村香子】
第38章 南アフリカのジェンダー問題―アフリカ人女性の存在感【楠瀬佳子】
【コラム7】南アフリカの宗教【牧野久美子】
第39章 土地返還運動からコミュニティの再生へ―ルースブームの事例【佐藤千鶴子】
第40章 南アフリカにおける動物保護と共生―クルーガー国立公園を事例に【佐藤千鶴子】
5 底流をなす文化力
第41章 南アフリカ観光―ひと味ちがう見どころ紹介【長田雅子】
【コラム8】「南アフリカ料理」入門【佐竹純子】
第42章 雄大な自然と多様な文化―ケープを味わい尽くす【福島康真】
【コラム9】ワインとルイボス【福島康真】
第43章 南アフリカのスポーツは宗教である―観戦型も参加型もおまかせ【長田雅子】
第44章 「遠い夜明け」は来たか―南アフリカ映画あれこれ【海野るみ】
第45章 南ア黒人音楽の魅力―大地から響く、魂の歌声【佐竹純子】
第46章 南アフリカの演劇―「総合芸術」の魅力【楠瀬佳子】
第47章 多言語社会南アフリカ―11もの公用語【宮本正興】
第48章 教育改革の課題―「読み書きのパワー」を中心に【楠瀬佳子】
第49章 アパルトヘイト時代の文学―E・ムパシェーレの仕事を中心に【宮本正興】
第50章 ポスト・アパルトヘイト時代の文学―ゾイ・ウィカムの作品から見える新社会の課題【楠瀬佳子】
【コラム10】厳しさと柔和さと―ノーベル賞作家ク―ェー【くぼたのぞみ】
第51章 南アフリカのマスメディア・出版界―新しい動き【楠瀬佳子】
6 日本と南アフリカ、アフリカのなかの南アフリカ
第52章 21世紀の草の根交流――長野での「実験」【城島徹】
第53章  日本の反アパルトヘイト運動の歴史―JAACの運動を中心に【楠原彰】
【コラム11】反アパルトヘイト運動を支えた出版人【城島徹】
第54章  マンデラ歓迎西日本集会に2万8000人――関西の反アパ市民運動が原動力で開催【下垣桂二】
【コラム12】アパルトヘイト否!国際美術展【前田礼】
第55章 「名誉白人」とよばれた人びと―日本人コミュニティの歴史【山本めゆ】
第56章 移民―南アフリカと南部アフリカ・世界を結ぶ人の流れ【峯陽一】
第57章  モザンビークから見た南アフリカ―関係の歴史【舩田クラーセンさやか】
第58章  ジンバブエから見た南アフリカ―大規模農業とガーデニング【壽賀一仁】
第59章 「サウス・アフリカ」へ続く道―ボツワナのブッシュマンと南アフリカ【丸山淳子】
第60章 「虹の国」とゼノフォビア―アフリカ人としてのアイデンティティ【佐藤誠】
もっと知りたい人のための文献ガイド


国際協力と学校 アフリカにおけるまなびの現場

山田肖子著 創成社 800円+税 新書判 230p 2009年11月

教育開発の専門家で、ガーナでの調査・研究などを重ねてきた山田肖子さん(名古屋大学大学院国際協力研究科教員)の新刊です。

「はじめに」に

「なぜ国際協力をするのか」、「何のための教育なのか」についての自問自答を、公然と書いてしまった代物

とあるように、山田さん自身の経験や考えの変遷の振り返りがうかがえるところが、実に面白い本になっています。

たとえば10pには、

私自身、まさにこうした(国際協力に関わる大学院が創られ、留学制度が整えられるという)時代背景のなかから排出された人材である。私は学部生のときは法学部で、国際経済法のゼミに所属していた。もともと教育学部出身でもない私が、教育開発専門家として育っていったのは、この分野ですでに出来上がった人材が不足していて、活躍の場が与えられたからでもあったし、そうして仕事をするなかで、より高度な知識を身につけようと留学を考えると、奨学金制度が用意されていたからでもある。

という記述があります。自分自身のことを「人材」ととらえる距離感、重要ですね。

また、12pに

私は自分にも一端の責任があるかもしれないと思うのだが、情報が豊富になった分、悩んだり求めたりする前に、教科書的な答えが与えられ、教育開発の正解はこれで、それに対する理由付けはこう、とパターン化して覚えてしまう傾向があるような気がするのである。

と書かれているのを読むと、「教科書的な答え」を検討するところから大学院での研究が始まると思っていたので、びっくりしました(これまで読んだいくつかの修士論文の中で、先行研究の整理をしている部分はどれもたいへん役立ちました)。

終章の

大きな問題は、教育開発をやろうとする人々が、意外と日本の教育政策や現状に疎いことだ。他人の国の教育問題を云々する前に、自分の国の教育行政制度がどうなっていて、自分の身近なところにどんな教育問題があるのかを考えたことがなければ、どうして飛行機で何時間も飛ばなければ行けない国の教育問題が理解できるだろう。何かを理解するためには、自分のなかに、新しい知識や情報を関連付けられる基礎知識がなければならない。日本にも、学校を中退した人のためのノンフォーマル教育はある。そういう人はなぜ中退することになり、なぜまた教育を受けたいと思ったのだろう。そこで教えている教師はどんな課題ややり甲斐を感じているのだろう。あるいは、日本でも、ニューカマーの子どもたちは、日本語で学ぶことが困難で、学校になじめなかったりする。そういう子どものたちのために、日本語の習得を支援しながら、学校の勉強を教えてくれる特別教室もある。日本で、日本語を話せない子たちが抱える問題を知る努力をしたら、アフリカの他言語社会での教育についても、想像力が少し働くのではないか。

という記述には、山田さんが直面している大学院教育の現場の課題が凝縮されているのかな、なんて考えてしまいました。


開発と国家 アフリカ政治経済論序説 [開発経済学の挑戦]

高橋基樹著 勁草書房 4410円(税込み) A5判 541p 2010年1月

高橋基樹さんの新刊を手に取ったら、南部アフリカ研究会と高橋ゼミ合同で行った研究会で、高橋さんが、フランツ・ファノンを称揚しつつ革命的暴力支持を明らかにしたサルトルに対するハンナ・アーレントの批判を語っていた情景を思い出しました。

以下、目次と「はじめに」からの抜き書きです。

序章 個別と普遍:政治研究者のアフリカへの眼差しから
第1章 方法論:開発研究と地域研究の架橋を目指して
第2章 権力と収奪:新政治経済学の再検討
第3章 農業と政府:穀物土地生産性とその決定要因
第4章 民族と近代:難問としての「部族」主義
第5章 希少性と「国民」:独立の見果てぬ夢
結章 対話と国家:21世紀のための覚書

「はじめに」から

 わたしたちにいま最も必要とされているのは、富裕さの反対側へ視野を広げることである。日本にとって、西欧・北米の諸国は世界の富裕さを共有する同類であり、東アジアはその同類となることを目指してきた追走者である。大雑把にいえば、すべて昨日より今日、富裕になる過程を経験してきた社会ばかりである。農業・農村の停滞に足をとられず、工業化に足を踏み出すことのできた社会ばかりである。
 だが、自分と同じ側にあるものをつぶさに知ったところで、決して世界全体を認識したことにはならない。自分と大きく異なるもの、対極に位置するものを知らなければ包括的理解は生まれない。明らかに日本人および日本の知は、この点の努力を怠ってきた。世界の中で、文化、社会、自然などさまざまなな面において、国と社会のかたちにおいて、そして、とりわけ経済的富裕さにおいて日本と対極にあるのが、サハラ以南のアフリカ地域に属する貧困諸国だろう。アフリカには、形式的には他と変わらない主権国家があり、政府行政機構が存在しているが、それは、わたしたちが日常的に思い浮かべる国家や政府行政機構とは似て非なるものである。21世紀になり、アフリカ諸国は全体として経済成長を経験し、この地域に若干の注目が寄せられている。しかし、マクロ的な成長の陰には、広範な大衆の相も変わらぬ貧困が放置されている。この地域を理解することは、わたしたちの、人類社会全体の理解にとって不可欠の作業である。

現代アフリカ農村と公共圏

児玉由佳編 アジア経済研究所 3990円(税込み) A5判 307p 2009.12

序章 アフリカ農村社会と公共圏の概念/児玉由佳
はじめに
第1節 市民社会と公共圏の概念の検討
第2節 アフリカ農村社会に関する先行研究の検討
第3節 本書の構成と主な論点

第1章 エチオピア農村社会における公共圏の形成 ―市民社会/共同体の二元論をこえて―/松村圭一郎
はじめに
第1節 アフリカの市民社会/共同体への視座
第2節 エチオピア農村社会の現代的状況
第3節 社会関係の複合性
第4節 「公共圏」をつくりだす
おわりに 

第2章 アフリカ農村の生産者組織と市民社会−ガーナの事例から−/高根務
はじめに
第1節 アフリカ諸国における生産者組織
第2節 ガーナにおける生産者組織
結論

第3章 東アフリカ農村における森林資源管理と生計安全保障―タンザニアとケニアの参加型制度の事例分析―/上田元
はじめに
第1節 非木材林産物の利用と管理
第2節 公共圏に馴化した参加制度―タンザニア北部メル山南斜面−
第3節 制度導入の進まない森林保護区―ケニア中央部アバーデア山脈北東麓−
第4節 考察
おわりに

第4章 ザンビアの農村における土地の共同保有にみる公共圏と土地法の改正/大山修一
はじめに
第1節 ザンビアにおける土地制度の変遷
第2節 地域概要
第3節 ベンバの土地とチーフ,農村の公共圏
第4節 土地制度の改正と焼畑農耕民社会の混乱
第5節 慣習地の囲い込みにともなう公共圏の崩壊の危険性
おわりに

第5章 ルワンダの農村社会と民衆司法―アブンジを中心に−/武内進一
はじめに
第1節 アブンジ制度
第2節 アブンジの実態
第3節 アブンジの性格と評価
結び―民衆司法導入の意味−

補章1 新しい公共圏の創生と消費の共同体―タンザニア・マテンゴ社会におけるセングの再創造をめぐって―/杉村和彦
はじめに
第1節 アフリカにおける共同体の特質とマテンゴ社会
第2節 消費の共同体における公共圏のかたち
第3節 セングの再創造
第4節 開かれた共同性と新しい「公共圏」の創生
おわりに


ココア共和国の近代−コートジボワールの結社史と統合的革命

佐藤章著 アジア経済研究所 
56p
コートジボワール植民地は1893年に創設され,20世紀初頭にかけてその領土がほぼ今日のかたちで画定された

57p
1923年から1948年に至る25年のあいだ,コートジボワールが今日のブルキナファソの大部分を含むかたちで存在していたことは,独立後の政治経済情勢を考えるうえで重要な出来事である。

131p
コートジボワールの国家運営に参画した支配層は,もっぱら高級官僚であることにのみ社会経済的基盤を有する者たちであった。


越境する障害者 アフリカ熱帯林に暮らす障害者の民族誌

 戸田美佳子著 明石書店
地域と障害 しがらみを編みなおす』(わらじの会 現代書館)に描かれた1960年代半ばベッドタウン化が進む 東京近郊で、それまで豆の選り分けや糸紡ぎなどの労働に携わっていた肢体不自由の姉妹が、同じく「農家の半端仕事、半端家事」の担い手であった祖母と一緒に一室に押し込められてしまっていく様を思い浮 かべてしまいました。こうした日本においてもかってあった人と仕事とつながり方も参照しながら考察が深められていくのを見たい、と感じました。
* アフリカNOW第104号に執筆に至る経緯、執筆して感じたことを寄稿してくれました。


アフリカと政治 紛争と貧困とジェンダー−−わたしたちがアフリカを学ぶ理由 単行本

戸田真紀子著 御茶の水書房; 改訂版 (2013/09)
ケニアの女性が立ち上げて運営するママ・ハニ孤児院を紹介する終章「立ち上がる草の根の人々とその声」、次いであやうく「姦通罪」への処罰としての石打ち刑で殺されるところであったアミナ・ラワルさんが直面したナイジェリアの政治情勢を分析する第7章「女性だけが背負う重荷」と読み進め、そこで論じられている問題を読み解くために他の章を読むという読み方がありそうだなと思いました。
序章 アフリカを勉強する10の理由
第1部 アフリカの「民族紛争」の神話と現実
 第1章 アフリカの「民族」とは何か
 第2章 アフリカの民族紛争の「神話」
 第3章 突出する紛争犠牲者
 第4章 選挙民主主義が紛争を生み出す矛盾
 第5章 ナイジェリアの宗教紛争
第2部 ジェンダーから見るアフリカ
 第6章 アフリカの女性と「人間の安全保障」
 第7章 女性だけが背負う重荷
終章 立ち上がる草の根の人々とその声


序章のコラム、アフリカ援助に要する資金が全世界の軍事費の20分の1にすぎないことを紹介する註、そして債務問題がアフリカの子どもたちから未来を奪っていることを告発する記述で、参照されているスティーブン・ルイスの著作もぜひ一読してください。

Race Against Time: Searching for Hope in AIDS-Ravaged Africa


貧困、紛争、ジェンダー―アフリカにとっての比較政治学

戸田真紀子著 晃洋書房
106p
例えば,2014年現在,ブラジル政府と共同で日本政府がモザンビークで進めていうODAプロジェクトの「プロサバンナ」計画について,日本の研究者やNGO関係者,モザンビークの農民代表は反対の意思表示をしている。日本の商社やブラジルのアグリビジネスが大きな利益をあげるだろうが,土地を奪われ飢えに直面するかもしれないモザンビークの小規模農家にとっては死活問題である。モザンビークでつつしまやかに生活をしてきた人びとを犠牲にしてまで日本人は安い豆腐や納豆を食べたいと思うだろうか.

130p
ナイジェリアの外貨収入の95%を稼ぎ出すまでになった石油産出地域(ナイジャー・デルタ)では,イジョ人の武装勢力と連邦政府の対立が続いてきた.石油施設襲撃,技術者や労働者の誘拐が続出し,Shellやエクソン・モービル,シェブロンなどの生産は大きく落ち込んだ.治安の悪化,外資の減少,国際的評価の低下に直面したヤラドゥア大統領は武装グループに対する恩赦を決定したのである(2009年6月25日署名).
 しかし、恩赦に先立つ5月14-17日,陸・海・空軍の統合機動部隊は,デルタ州の多くのコミュニティを攻撃し,老人や妊婦や子どもを含む多くの市民を虐殺した.武装グループの中で最大の「ナイジャー・デルタ解放運動」に対する掃討作戦に,一般市民が巻き込まれたことについて,「1億2000万人の国民の平和のためなら,2000万人のナイジャー・デルタの住民が犠牲になっても構わない」という北部出身議員の発言が,同じナイジェリア人でありながら同胞意識の感じられない地域間の温度差を物語っている.


ノー・タイム・トゥ・ルーズ ― エボラとエイズと国際政治

ピーター・ピオット著, 宮田一雄・大村朋子・樽井正義翻訳 慶應義塾大学出版会


現代アフリカ農村―変化を読む地域研究の試み

島田周平著 古今書院 ¥3,675 B6判 182p 2007年9月

【2007年10月に書いたメール】
京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究科の島田周平さんの本が今年2月に「アフリカ可能性を生きる農民―環境-国家-村の比較生態研究」(京都大学学術出版会)、9月に「現代アフリカ農村―変化を読む地域研究の試み」(古今書院)と出ています。
先日、「現代アフリカ農村―変化を読む地域研究の試み」を手にして、特に第9章、第10章を読みながら考えたことを紹介します。
この本は、島田さんが1991年からザンビアのC村で取り組んできた調査の過程で知ったこと、感じたことをまとめたもので、ザンビアについて知識のない僕にとってはエッセイ集的な読み方のできる、読みやすい本でした。
C村の成り立ち、土地をめぐる争いなどの叙述も非常に興味深いものですが、『第9章 村の政治と人権』は、外国人による農村調査が国際人権NGOまた開発支援NGOの登場につながって村の政治と人権に大きな影響を及ぼしたことを描き、『第10章 「過剰な死」の影響』はエイズが農村の人々の生活に及ぼす影響を具体的に記していて、特に関心を覚えました。
島田さんたちが研究成果を還元するために執筆してザンビアの大学に寄贈したレポートを参考に開発NGOが村の有力者を避けて村人に直接アプローチしたことが引き起こした波紋、また島田さんたちが調査への協力者を通して村の学校修復のために寄付したことが協力者の「追放」問題に発展したことにびっくりしました。第10章としてまとめられた文章にいたるいくつかの文章や報告(2002年のレポート、2005年のアフリカ学会「女性とエイズ」での報告、昨年出版された「アフリカとアジア」に収録された論考)を読んだだけでは、理解できなかったことが、C村調査の全体像の中で少し判ったような気もします。

NGOスタッフとしての活動経験の長い人に書評を書いて欲しいなと思っています。皆さんもどうぞ一読を。


アフリカ可能性を生きる農民―環境-国家-村の比較生態研究

島田周平著 京都大学学術出版会


どうしてアフリカ?どうして図書館?

さくまゆみこ著、沢田としきイラスト あかね書房

さくまゆみこ
東京生まれ。出版社勤務を経て現在はフリーの編集者・翻訳者。「アフリカ子どもの本プロジェクト」代表。青山学院女子短期大学教授

沢田としき
1959年青森県生まれ。画家・絵本作家。自作の絵本に『アフリカの音』(講談社 絵本日本賞)などがある。「アフリカ子どもの本プロジェクト」の会員として2008年、ケニア・シャンダ小学校の図書館づくりに参加。2010年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)


武力紛争を越える: せめぎ合う制度と戦略のなかで

遠藤貢編著 京都大学学術出版会 2016年4月12日

植民地主義の負の遺産と新自由主義的近代化がもたらした凄惨な混乱から脱しつつあるアフリカ諸国。国家と法による断罪・懲罰(応報的正義)とは異なる,被害者の要求(真相の開示,経験の語り,謝罪賠償等)に注意を払い,犯罪によって歪められた人々の関係を正す「修復的正義」を本質とした,アフリカの「移行期正義」の内実に迫る。

【推薦】長有紀枝氏(立教大学社会学部教授・認定NPO法人難民を助ける会理事長)
アフリカの,特に紛争地に関わったことがある人なら誰でも抱くであろう相反する二つの感情がある。深い絶望と希望と。アフリカ研究の第一線に関わってきた執筆陣による本書には,その絶望を絶望に終わらせず,希望を単なるスローガンにしないための処方箋が詰まっている。抑止と対応と紛争後という3段階における知恵――アフリカの人々が培ってきた「潜在力」を知る必読の書である。


紛争をおさめる文化: 不完全性とブリコラージュの実践

松田素二・平野(野元)編著 京都大学学術出版会 2016年4月12日

誰もが不完全であることを認める。これこそが,アフリカ文化に内在した世界観である。自らの「完全」性を信じ,それ以外のものへの不寛容や攻撃を「遅れたものを救済する」正義として正当化してきた西洋的近代の誤謬を糺す可能性がそこにはある。緻密な民族誌から,アフリカの日常的実践の持つ,紛争を回避し和解を進める力を析出する。

【推薦】立本成文氏(大学共同利用機関法人 人間文化研究機構 機構長)
ダイナミックで融通無碍な文化の技法――アフリカ潜在力!! 紛争の国々アフリカで醸成された新しい紛争解決の智慧が明らかになった。アフリカ社会の生の現場での,日本人とアフリカ人研究者との5年にわたる知的格闘の成果がここにある。危機に瀕している人間文化を見直し,これからのあるべき生き方に指針を与える人類の共通財産である。


アフリカの「障害と開発」−SDGsに向けて

森壮也編著 アジア経済研究所 2016年3月

第一章 アフリカの「障害と開発」 森 壮也(アジア経済研究所)
第二章 障害に関するアフリカの地域的取り組み 小林昌之(アジア経済研究所)
第三章 開発主義体制下のエチオピアにおける保健政策とHIV 陽性者・障害者の保健ニーズ 西 真如(京都大学)
第四章 ケニアにおける障害者の法的権利と当事者運動 宮本律子(秋田大学)
第五章 国境をまたぐ障害者−コンゴ川障害者ビジネスと国家 戸田美佳子(国立民族学博物館)
第六章 セネガルにおける障害者の政策と生活 亀井伸孝(愛知県立大学)
第七章 南アフリカの障害者政策と障害者運動 牧野久美子(アジア経済研究所)
第八章 終章:アフリカの「障害と開発」から学べるもの 森壮也(アジア経済研究所)
* テキスト・データ引換え券がついています。

123p
(2008年の国勢調査時に)調査員として選ばれたあるひとりのろう者によると、彼は耳の聞こえない人への聞き取りを担当したのではなく,通訳もなしに他の聴者と同じ調査をおこなったという。一方,手話が使用できるのはこの人一人だったので,手話を知らない大多数の調査員にとっては,耳の聞こえない調査対象者から十分な聞き取りができたは疑わしい。このろう者は,自分が調査員として選ばれたのは、手話によるコミュニケーションができるという理由ではなく,単に調査員のなかに障害当事者が参加しているということをアリバイとして残したかったのだろうと語っていた(2013年8月,宮本による聞き取り)。
264p
1990年代前半の憲法制定過程では障害者運動と同性愛者権利運動が共闘し,進歩的な差別禁止条項を勝ち取ったことについては上で述べた。HIV陽性者運動の初期のリーダーは男性同性愛者が中心であり,同性愛者権利運動とHIV陽性者運動とはリーダーシップにおける連続性がある。しかし、憲法制定以降,障害者運動とHIV陽性者運動との距離は広がっている。これは,両者の,ムベキ元大統領との対照的な関係にも負っているかもしれない。すなわち,ムベキはOSDPを副大統領府に設置し,その後自身の大統領就任にあわせて同オフィスを大統領府に移すなど,障害者運動・政策のパトロン的な存在であった(Matsebula 2004)。他方で代表的なHIV陽性者の当事者運動である治療行動キャンペーン(Treatment Action Campaign: TAC)は,ムベキ元大統領とは犬猿の仲であった。DPSAが,ムベキの理解のもと,当事者代表を政府内各所に送り込むことで政策的影響力を確保する戦略をとったのに対して,TACは独立した私印社会組織として政府のHIV/エイズ政策批判を行い,大衆的な示威行動や,政府を相手取った憲法裁判を通じて公的な坑HIV薬供給体制を求める要求を実現した(Makino 2009)。


アフリカの女性とリプロダクション−国際社会の開発言説をたおやかに超えて−

落合雄彦編著 晃洋書房 2016年2月29日

内容紹介
国際社会の開発言説の影響を強く受けながらも、それをたおやかに超え、みずからのリプロダクションのいまをひたむきに生きるアフリカの女性たち。
彼女たちの生活世界の諸相を複眼的に活写する。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
落合 雄彦
1965年、神奈川県生まれ。慶應義塾大学大学院法学研究科後期博士課程単位取得満期退学。日本学術振興会特別研究員、敬愛大学国際学部専任講師、龍谷大学法学部助教授をへて、現在、龍谷大学法学部教授(アフリカ地域研究、国際関係論)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)


崩壊国家と国際安全保障 −− ソマリアにみる新たな国家像の誕生

遠藤貢著 有斐閣 2015年11月

機能する崩壊国家
中央政府は存在せず,「崩壊国家」と呼ばれながらも,国内外のさまざまな作用によって,機能しているソマリア。その実態を,歴史的背景,国内の論理,そして国際社会の関与といった多様な視点から明らかにするとともに,今後の国家のあり方を再考する。


フィールドの見方 (FENICS 100万人のフィールドワーカーシリーズ)

増田研・梶丸岳・椎野若菜編 古今書院
145p
彼ら(ビレッジヘルスボランティア)に参加を呼びかけて質問紙調査の調査員になってもらったが、質問紙の標準化は一筋縄ではいかなかった。国際機関の質問紙には調査開始時刻と調査終了時刻の記入欄があるが、誰も時計を持っていない。また、「いつ発熱しましたか」「発熱して何日後に受診しましたが」という2つの簡単な質問でも混乱が生じた。発熱した日と受診した日という過去の2つの時点が出てくることが問題だった。時計なしでの生活が当たり前の彼らは、私たちとは時間に対する感覚が違っているのだろう。過去の2つの時点の時間間隔というのは私たちには実体のごとく日常生活に溶け込んでいるが、じつは抽象概念なのだ。結局「いつ発熱しましたか」「その後受診しましたか」「発熱したその日に受診しましたか」「発熱した次の日に受診しましたか」「発熱して2日以上経って受診しましたか」と、より具体的に聞いていけば混乱しないことがわかった。このようにして、質問文と回答の選択肢を何度も改変することとなった。たとえそれが測定したい項目だったとしても、調査員であるヘルスボランティアに少しでも混乱を招くような質問は断念せざるを得なかった。(塚原高広「ひとり学際研究のすすめ」)
168p
1歳の娘が数カ月入院し、入院先の病院が、小児の入院時に付添いを義務づけていたため、娘とともに私自身も病院に長く寝泊まりするという稀有な経験を得た。患者側に立って初めて経験した病院は、医療従事者側にいたときとは少々異なって見える。お互い長期入院者同士である同室者はしだいに家族同然の付き合いになり、それぞれの家族の苦労が直に伝わってくる。各家庭の苦労は千差万別、みな何かを犠牲にして入院生活を送っている。病室では医師や看護師などの医療従事者への評価が話題になることも多く、その評価はときとして辛辣な意見も含まれる。(駒澤大佐「日本の病院とケニアの小島にて」)
195p
生物医学モデルの医療協力は、予防接種を普及させ、保健施設を建設し、看護師を派遣し、保健ワーカーを育成し、知識の啓発活動を実施し、と数多くの有益な活動を継続させてきた。これだけやっても住民が病院で出産しないのは、あるいは、病気になった子どもを病院に連れてこないのは何故か。そこには当該地域で病気や医療を解釈し受け入れるための一定の型があるのであって、そこに馴染ませることができないかぎり生物医学モデルだけを暴走させるわけにはいかないのだ。(増田研「マラリア研究をめぐるアプローチいろいろ」)


崩れゆく絆

光文社 チヌア・アチェベ著、粟飯原文子翻訳
各国語訳を含め800万部余りが出版された古典的作品"Things Fall Apart"の新訳
古くからの呪術や慣習が根づく大地で、黙々と畑を耕し、獰猛に戦い、一代で名声と財産を築いた男オコンクウォ。しかし彼の誇りと、村の人々の生活を蝕み始めたのは、凶作でも戦争でもなく、新しい宗教の形で忍び寄る欧州の植民地支配だった。「アフリカ文学の父」の最高傑作。


ショー・パフォーマンスが立ち上がる:現代アフリカの若者たちがむすぶ社会関係

大門碧 春風社


南アフリカの経済社会変容

牧野久美子・佐藤千鶴子編 アジア経済研究所
バルク買いのワインを調製しブランドで売るという「あぶく商売」のその後が気になる。
牧野久美子「第9章 HIV/エイズ政策とグローバル・ガバナンス」、来週月曜日の授業で、どんな風に触れたものか・・・


アフリカの老人−老いの制度と力をめぐる民族誌

田川玄・慶田勝彦・花渕馨也編著 九州大学出版会
去年5月、日本アフリカ学会で開かれた「アフリカの高齢者」フォーラムでの論議とは違ったアプローチで興味深い。
2012年11月、セミナーで耳にした「タバコ耕作が広がり、耕作地を広げる農民たちの中では、仕事ができない老人を邪魔者扱いする言動も広がっている」という報告が思い出された。


ケニアへかけた虹の橋: 30年の国際ボランティア活動

NPO法人「少年ケニヤの友」編 春風社
アマゾンに掲載された紹介文が熱い! 


テンペスト

エメ・セゼール他 インスクリプト
【アマゾン:内容紹介】
ルナンをはじめ、さまざまな改作が行われたシェイクスピアの「テンペスト」。本書は、改作中最も重要と目されるセゼール「テンペスト」の本邦初訳とシェイクスピア「テンペスト」の新訳、さらに「さまざまなテンペスト」読解の基本文献であるニクソンの批評とフェミニズム的植民地主義批判を代表するルーンバの批評を併せて収録。黒人の抵抗を激しく主張するセゼールの「テンペスト」、17世紀初頭のイギリス植民地主義の人種的、文化的イデオロギーを色濃く反映するシェイクスピアの「テンペスト」、本書はグローバル化した暴力と地政的な格差をあらわにする現在のポストコロニアル状況を問い直し、参照する際の必読書と言えます。原文に忠実でありながら俗にくだけたシェイクスピアの新訳も読みどころです。


「その日暮らし」の人類学 もう一つの資本主義経済

小川さやか著 光文社新書
【目次】
 プロローグ Living for Todayの人類学に向けて
 第一章 究極のLiving for Todayを探して
 第二章 「仕事は仕事」の都市世界−−インフォーマル経済のダイナミズム
 第三章 「試しにやってみる」が切り拓く経済のダイナミズム
 第四章 下からのグローバル化ともう一つの資本主義経済
 第五章 コピー商品/偽物商品の生産と消費にみるLiving for Today
 第六章 <借り>を回すしくみと海賊的システム
 エピローグ Living for Todayと人類社会の新たな可能性


都市を生きぬくための狡知−タンザニアの零細商人マチンガの民族誌−

小川さやか著 世界思想社
【内容紹介】
自らマチンガとなり、タンザニアの路上で、嘘や騙しを含む熾烈な駆け引きを展開しながら古着を売り歩き、500人以上の常連客をもった著者。ストリートで培われる狡知に着目して、彼らのアナーキーな仲間関係や商売のしくみを解き明かす。


「その日暮らし」の人類学 もう一つの資本主義経済

小川さやか著 光文社新書
【アマゾンの書評欄から】
特に読んでほしいのは、行き詰まり感満載ではあるものの他の選択肢も見つけられない中で、既存の社会・経済システムの中に飛び込もうとして就職活動に奔走している学生諸君や、毎日の仕事や会社組織の中で息苦しさを感じているサラリーマン諸氏です。「世界にはこんな働き方もあるんだよ」と、ポンと背中を押してくれる本です。


アフリカと帝国−コロニアリズム研究の新思考にむけて

井野瀬久美惠・北川勝彦著 晃洋書房
【著者略歴】
井野瀬 久美惠
1958年生まれ。京都大学大学院文学研究科西洋史学専攻博士課程単位修得退学。甲南大学文学部教授。博士(文学)

北川 勝彦
1947年生まれ。関西大学大学院経済学研究科博士課程単位取得退学。関西大学経済学部教授。博士(学術)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)


ンクルマ−アフリカ統一の夢

砂野幸稔著 山川出版社
【内容】
ンクルマはアフリカの他の植民地に先駆けてガーナを独立に導き、さらに全アフリカ解放の戦いの先頭に立とうとしたが、軍部によるクーデタで失脚した。アフリカ統一の夢にこだわりすぎて政権運営に失敗したという批判も少なくない。しかし、この「失敗」とは何だったのだろうか。むしろそれは、アフリカにおける脱植民地化がいかに困難な事業であったかを示しているのではないか。一人のアフリカ人指導者の事跡を通して、アフリカの脱植民地化の時代を考えてみたい。


ナセル−アラブ民族主義の隆盛と終焉

池田美佐子著 山川出版社
【内容】
1952年にエジプトの「7月革命」を成功させた無名の将校ナセルは、スエズ運河の国有化宣言を契機に、アラブ民族主義を掲げてアラブの民衆を熱狂の渦に巻き込んだ。そしてアラブ民族主義は1967年の第三次中東戦争の敗北とともに消え去った。しかし、ナセルの究極の願いは今も生き続けている。それは、祖国の真の独立であり、ふつうの人々の尊厳や権利の保障であった。その願いの実現は、2011年の革命を経験したエジプトだけでなく、私たちの課題でもある。


ムハンマド・アリー−近代エジプトを築いた開明的君主

加藤博著 山川出版社
【内容】
19世紀前半にエジプトを統治したムハンマド・アリーは、現代にいたるエジプトの祖型をつくった。しかし、彼の施策が照らし出すものは、エジプトを超えて非ヨーロッパ世界を含む当時の世界情勢である。近代エジプトの開明的君主であったムハンマド・アリーという人物の生涯をふり返ることによって、近代という時代の意味を問う。


「近代化」は女性の地位をどう変えたか: タンザニア農村のジェンダーと土地権をめぐる変遷

田中由美子著 新評論
【内容】
タンザニアは中央アフリカ東部に位置する国である。北部にはアフリカ最高峰のキリマンジャロ山があり、そのふもとでは一九七〇年代から、日本の支援で灌漑稲作の普及が進められてきた。貧困、干ばつ、生活向上のための支援である。その結果、タンザニア全土に灌漑稲作が広がり、トウモロコシの粉を煉った主食のウガリだけでなく、最近では調理の簡単なコメも地元の人々に広く受け入れられるようになっている。
コメの生産に従事しているのは男性ばかりではない。手間暇のかかる苗床、田植え、除草、収穫などは女性の仕事とされている。しかし、女性の役割はなかなか正当に評価されていない。
タンザニアでは多くの女性が農業に従事し、トウモロコシ、コメ、ヒエ、野菜などの栽培をしているが、ほとんどが零細で天水に依存した伝統的農業を営んでおり生活は厳しい。女性には資産と呼べるものはほとんどない。女性が所有する土地は全農地の約一三%だが、女性は労働力や労働時間などに見合うだけの土地に関する権限を保障されていない。
タンザニア政府は、財産権の私有化、土地制度の確立(地権・地籍の確定や登記)など、土地権の近代化を促進してきたが、女性の土地所有、相続に関する取組は全国的には進んでいない。だが、筆者が調査したキリマンジャロ州の灌漑稲作地区はこの点に関して目覚ましい成果を上げていた。
本書は、慣習的土地所有権の弊害を乗り超えながら、農村の土地権の近代化を先取りしてきたキリマンジャロ州の灌漑稲作地区に焦点を当て、一九七〇年代から現在に至るこの地区の土地権(耕作権、所有権、相続権など)の意味をジェンダーの視点に立って、個別面接調査手法などを駆使しながら明らかにした希少な研究書である。
調査結果として、女性の土地権が経時的に増加していること、その要因として、女性が土地の所有や相続を「価値あること」として認識していること、それに基づく共同的な取組が地域社会の変容とともに社会的に認知されるようになったこと、などが判明した。
入手しにくい土地権をめぐる実証的データに基づき、アフリカ農村女性の価値観や社会的地位に関する新たな側面を浮き彫りにしたのが本書である。内外を問わず、男女の社会的関係性の変革を重視する「ジェンダー視点の協力活動」がいっそう求められている今日、本書による「国際協力ジェンダー研究」の試みが、少しでもその発展に寄与しうるならば幸いである。(たなか・ゆみこ)


ネオアパルトヘイト都市の空間統治−−南アフリカの民間都市再開発と移民社会

宮内洋平著 明石書店
【内容】
アパルトヘイトが撤廃され新生南アフリカが誕生したのが1994年。それから20余年を経た現在、人種的差別とは違った別の格差が社会の中で生み出されている。大都市ヨハネスブルグを題材に、現代南アフリカ社会が抱える構造的不正義を明らかにする論考。


The Lion Awakes: Adventures in Africa's Economic Miracle

Ashish J. Thakkar著 St. Martin's Press (2015/8/25)
【内容】
Three little known facts: Africa is now the world's fastest growing continent, with average GDP growth of 5.5% the past 10 years. Malaria deaths have declined by 30% and HIV infections by 74%. Nigeria produces more movies than America does.

The Lion Awakes is the true story of today's Africa, one often overshadowed by the dire headlines. Traveling from his ancestral home in Uganda, East Africa, to the booming economy and (if chaotic) new democracies of West Africa, and down to the "Silicon Savannahs" of Kenya and Rwanda, Ashish J. Thakkar shows us an Africa that few Westerners are aware exists. Far from being a place in need of our pity and aid, we see a continent undergoing a remarkable transformation and economic development. We meet a new generation of ambitious, tech savvy young Africans who are developing everything from bamboo bicycles to iPhone Apps; we meet artists, film makers and architects thriving with newfound freedom and opportunity, and we are introduced to hyper-educated members of the Diaspora who have returned to Africa after years abroad to open companies and take up positions in government. They all tell the same story: 21st Century Africa offers them more opportunity than the First World. Drawing from his business experience, and his own family's history in Africa, which include his parents' expulsion from Uganda by Idi Amin in the 70s and his own survival of the Rwandan genocide in 1994, Ashish shows us how much difference a decade can make.


War, Politics and Justice in West Africa: Essays 2003 - 2014

Lansana Gberie著 Sierra Leonean Writers Series (2016/10/2)
【内容】
This book collects articles and reviews the author wrote for various publications, academic and journalistic, over the past 10 to 14 years. They are not arranged in chronological order, but there is a consistent underlying theme: the author's reaction to war, politics and transitional justice in Africa, with a particular focus on Sierra Leone and Liberia. He has studied these two countries more intimately than all others; but this book includes articles on Ivory Coast, Nigeria and the Democratic Republic of Congo, all of which he visited for the purpose of writing the articles, among others.


The Age of Sustainable Development

Jeffrey D. Sachs著 Columbia Univ Pr (2015/3/3)
【内容】
Jeffrey D. Sachs is one of the world's most perceptive and original analysts of global development. In this major new work he presents a compelling and practical framework for how global citizens can use a holistic way forward to address the seemingly intractable worldwide problems of persistent extreme poverty, environmental degradation, and political-economic injustice: sustainable development.

Sachs offers readers, students, activists, environmentalists, and policy makers the tools, metrics, and practical pathways they need to achieve Sustainable Development Goals. Far more than a rhetorical exercise, this book is designed to inform, inspire, and spur action. Based on Sachs's twelve years as director of the Earth Institute at Columbia University, his thirteen years advising the United Nations secretary-general on the Millennium Development Goals, and his recent presentation of these ideas in a popular online course, The Age of Sustainable Development is a landmark publication and clarion call for all who care about our planet and global justice.


Thomas Sankara: An African Revolutionary

Ernest Harsch著 Ohio University Press (2014/11/15)
【内容】
Thomas Sankara, often called the African Che Guevara, was president of Burkina Faso, one of the poorest countries in Africa, until his assassination during the military coup that brought down his government. Although his tenure in office was relatively short, Sankara left an indelible mark on his country’s history and development. An avowed Marxist, he outspokenly asserted his country’s independence from France and other Western powers while at the same time seeking to build a genuine pan-African unity.

Ernest Harsch traces Sankara’s life from his student days to his recruitment into the military, early political awakening, and increasing dismay with his country’s extreme poverty and political corruption. As he rose to higher leadership positions, he used those offices to mobilize people for change and to counter the influence of the old, corrupt elites. Sankara and his colleagues initiated economic and social policies that shifted away from dependence on foreign aid and toward a greater use of the country’s own resources to build schools, health clinics, and public works. Although Sankara’s sweeping vision and practical reforms won him admirers both in Burkina Faso and across Africa, a combination of domestic opposition groups and factions within his own government and the army finally led to his assassination in 1987.


エボラの正体 死のウイルスの謎を追う

デビッド・クアメン著, 山本光伸翻訳, 西原智昭(解説) 1620円(税込み) 日経BP社 208ページ 2015/1/9
【内容】
本書は、ジャーナリストである著者がアフリカ現地やウイルス研究者や生態学者などへの取材を重ね、エボラについて現在までにわかっていること、研究の余地がある点などをわかりやすくまとめました。この危険極まりないウイルスと戦っている人々の努力の歴史を振り返りながら、次のような疑問に答えていきます。

・エボラによる死者数、感染者数が爆発的に増加した原因は何か?
・エボラウイルスはどんなウイルスなのか?そしてどこから来たのか?
・どのウイルスも長期にわたって複製と生存を続けるためには、何らかの生物(宿主)に棲みつかなければならない。その生物とはいったい何なのか?
・その生物からどのように人間に移動したのか?
・新種のウイルスはコントロールできるのか?
・エボラは投薬治療やワクチンで対処できるのか?
・アウトブレイクを止めることは可能なのか?
・エボラは進化しているのか?

エボラの謎を追っていくうえでのキーワードは「人獣共通感染症(ズーノーシス)」です。人間と動物の両方がかかる感染症は、人間だけがかかる感染症(たとえば天然痘など)のように撲滅することはきわめて難しいといわれています。人間の間での流行が終息したように見えても、何らかの動物の中に息を潜めるように身を隠し、数年たつとまた出現するというパターンを繰り返します。エボラなどの最近出現してきた感染症ウイルスは、アフリカの熱帯地方の森林に住む動物の中に長い間ずっと潜んできたと言われています。しかし近年、森林伐採や鉱物資源の発掘などで森が切り開かれ、ウイルスを保有する動物と接触する「機会」の増加したことが、最近の感染症ウイルス流行の原因になっているのではないかとの説が有力です。
日本は、アフリカの熱帯材輸入国や鉱物資源に関して、世界有数の大輸入国です。したがって日本人は、エボラウイルスの発生、流行と決して無関係ではありません。全世界が一丸となってエボラの対策に向き合わなければならない今、本書には地球市民の一人として行動するために身につけておくべき知識が網羅されています。

Ebola: The Natural and Human History of a Deadly Virus

Books on African issues from "Africa Recovery" magazine

読書ノート2009年以降

読書ノート2004年〜2008年

読書ノート

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1999年までです。


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