型製作用AZ−1フロントガラスの原型

 幸いなことに、私が行く前に型製作用AZ−1フロントガラスが届いていたので見せてもらった。



 型用の現物を確認。確かにAZ−1のフロントガラスだ。




 ガラスのマーク部分。ガラス周辺のセラミックの部分(黒い部分)には、純正品では矢印で示すようなグラデーションが入っている。が、グラデーションを付けようとすると、「版下代」が発生しコストがかかるようになるため、阪神硝子工業製のAZ−1用フロントガラスはセラミックのベタ塗りとなる。詳細は明かせないが、実際の工程を見せてもらったら、確かにコストが上がることは理解できた。



 その他、ガラスの製造工程を色々見せてもらった(例えば、電気炉から取り出した灼熱のガラスにエアを吹き付け急冷し、強化ガラスとする工程など)。これまた詳細は明かせないが、別の車のフロントガラス用の型を見せてもらった。正直、我々が想像するような型とは全然違っており、いろいろな工夫がなされていることだけは、触れても問題無いだろう。
 また、案内してくれた社長さんがテスト中の巨大な強化ガラスの上に乗って飛び跳ね(その際、ガラスはものすごく変形する)、少々のことではガラスが割れないことを見せてくれたりと、いろいろ興味深いものを拝見させてもらった。
 他にも、日本自動車工業会の会員ではない(会員資格を満たさない??)自動車会社用のガラスとか、排気量約2000CCのグランドツーリングカー的な車のレプリカ用ガラスなんてのもあった。

 別に、工程監査のためにここまで来たわけではないのだが、確かな技術があることは確認できた。