HPの構成

 更新しようと思いながら、かなりの時間が経過してしまいました。というわけで、「真剣勝負 HP作り」の続きです。前回は私の弟のHPを作るにあたって、どのようなプロセスを経て作るのかを解説しました。今回は、実際に弟の作ったHPを紹介し、その長短所について解説していきます。

これが弟のHPだ
 「Touch me」と書いてある下のリンクボタンをクリックしてみてください。弟のHPが別のウインドウに出てきます。

ここをクリックすると、今から解析していく弟のホームページが新しいウインドウに現れます。

 で、出てきたのが私の弟のHPです。内容はコルベットという自動車に関するものです。なかなかきれいですね。そこでここでは、このHPについて「内容面」「アクセス数」に関する評価と問題点について解説していきます。

内容面
 特に問題はないと思います。また、Yahoo!に登録されている他のコルベット関連のHPと比較しても、その内容の豊富さはずば抜けているといえます。そうなった理由は、本編で解説している「5W1H+比較+思い入れ」が十分に反映された内容になっているためです。そこでこのHPを「よい例」として取り上げ、くどいようですが「5W1H+比較+思い入れ」について復習することにしましょう。というのは、これはHP作りで最も大切なことだからです。またYahoo!の激変でも述べている通り、Yahoo!登録までの審査が厳しくなったため、これができていないとYahoo!にはまず登録されません。これは事実上インターネットでHPが開設できないということを意味します。もっともこれができていないHPは、見る側からすると何がいいたいのかわからないHPなので、登録されないのは当然といえば当然なのですが・・・「登録できない!」と悩んでいる方がたくさんいますが、そういう方はもう一度勉強し直しましょう。なお既に「5W1H+比較+思い入れ」について十分に認識されている方は、読み飛ばしてもらって結構です。
 まず最初に「5W1H」から復習します。これは「いつ、どこで、だれが、なにを、いかにするか」のことです。というわけでこれにもとずいてHPの内容を作っていけばよいのです。ただしそのまま当てはめると「実行計画」ができあがってしまうので、格助詞を除いた部分で構成することにしましょう。「いつ、誰、何、場所、理由、いかにする」+「比較」という項目が構成要素となります。例えば「いつ」ならば時間に関するものなので、HPに取り上げる題材の歴史を書きます。同様に「何に」ではHPに取り上げる題材は何なのかを書きます。
 さて、弟のHPのどの部分が以上解説してきたことに当てはまるのでしょうか。最初は簡単なのからいきましょう。まず「コルベットの歴史」です。これは「5W1H+比較+思い入れ」の中の「いつ」に該当します。時間に関係あることだからです。また「Q&A」は「5W1H」すべてに該当します。「トラブルと対策」・「中古の買い方」は、やり方に関することですから「いかに」に該当します。あとちょっとわかりにくい所に入っているのですが、「コルベットの外観詳細」には「比較」も入っています。「スポーツカー、名車の条件」は「思い入れ」です。ただ「何」に該当する部分が明確になっていません。このことは「コルベットの歴史」の中に書かれているのでよしにしましょう。
 またYahoo!のコルベットというディレクトリの中に登録されている他のHPにアクセスして、その構成のの違いをご確認ください。


アクセス数
 次にアクセス数です。せっかく作ったHPですから多くの人に見てもらわないと意味がありません。価値のあるすばらしい内容になっている場合はなおさらです。では実際どうでしょうか。弟のHPのアクセス数は、開設してから半年で1万件となりました。これは2000近いサイトが登録されているYahoo!の自動車関連のカテゴリの中でも多い部類に属します。ただし、飛び抜けて多いというレベルではありません(本編で紹介しているアクセス数の増え方ですが、これも半年で1万件でした。ただしあちらのデータは古い時代に得たものなので、当時の比較でいうと飛び抜けたレベルになります)。またアクセス数の移り変わりを示すグラフを見ると、1日あたりのアクセス数が徐々に増えていっていることがわかります。従って徐々に人気が出てきたものと考えられます。

 また、Yahoo!に登録されている他のコルベット関連のHPのアクセス数と比較してみましょう。'99年3月現在、最後発の部類に入る弟のHPのアクセス数が一番多くなっています。厳密に比較するならば、各HPの開設時期も考慮して検討すべきですが、いつ開設したのか不明なHPもありますので割愛します。

 一見すると順当に伸びているようなアクセス数ですが、細かく見ると問題もあります。最も大きな問題は、これだけの内容と、特に問題のないYahoo!のカテゴリに登録されているにも関わらず、アクセス数の伸びが小さいということです。要はもう少しアクセス数があってもおかしくないHPなのに、実際にはそうなっていないということです。
 ではなぜそうなってしまったのでしょうか。それには2つ理由があります。まず最初は内容面での問題です。弟のHPは車の整備等のコンテンツが充実しているのですが、このことはコルベットに乗っている人以外は見る必要がないということを意味します。これではリピーターは来ません。車に詳しい人ならばコルベットに乗っていなくてもそれなりに面白い内容なのですが、そういう人はあまりいません。従って、より多くの人にも見てもらえるよう、内容面で工夫する必要があったのです。そうするための1つの手段として「コルベット以外の自動車に関する話題を適宜取り上げる」ということが考えられます。というのはコルベットだけの内容でHPを更新していくことはかなり大変である上、すぐにネタがつきてしまうからです。しかし、コルベット以外の自動車に関する話題を適宜取り上げることができればネタは車の数だけあるわけですから常にHPの更新が可能となります。そうするとリピーターが増えていきます。またこのように門戸を広げることで、今までコルベットに興味のない人にもコルベットのことを知ってもらうチャンスが増えるという本来の目的(どうしても人に知らせたい情報)を果たす可能性が高まります。これは私のHPで既に行っており、高い効果を上げています。具体的な数値をあげると、HP開設初期のアクセス数が50件/日程度だったものが、現在では300件/日を越えるレベルで推移しています。  ただしいくら門戸を広げるといっても、例えば音楽とか他の話題をコルベットのHPに加えることは問題があります。これをやってしまうと、何のHPかわからなくなってしまうからです。自分のHPの取り上げている話題の1つ上の概念のレベルの話題(コルベットなら自動車全般の話題を取り上げる)にとどめるべきでしょう。  次に問題なのが、このHPで紹介しているアクセス数を増やす手段を全く行わなかったという点です。強いていえば「適切なYahoo!のカテゴリに登録したこと」くらいでしょうか。せっかくのすばらしい出来のHPであるのに、その存在を広く知らしめる努力をしないというのは、非常にもったいない話です。
 というわけで、「以上の問題点を解決すべし」と、弟にはアドバイスしたのですが、実行する気配はありません。理由は定かではありませんが、どうやら「コルベットのオーナーだけのためのHP」にしたいようです。

 さていかがでしたでしょうか。本編で実例として解説してきた2つ(このHPを含む)のHPは私本人が企画・構成して作ったものでしたが、ここで紹介したのは私の指導のもとに弟が作ったHPでした(というふうに書くと、私が1から10まで構成を考えて、弟は単にキーボードを打っただけのように感じますが、実際はそんなことはありません)。その結果、内容面で他を圧倒するHPに仕上げることができましたし、実際にアクセス数も同類の他のHPを凌駕するものになりました。HPの作り方についてはいろいろな方法があると思いますが、サンプル数が3となり、そのいずれも成功に導くことができたことから、この今まで述べてきたHPの作り方の方法論は間違いではないといえるでしょう。弟のHPに関して面白い動きがあれば、また機会を改めて報告したいと思います。