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小山隆
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同志社大学社会福祉学科小山ゼミ用レジメ


卒論の書き方
小山 隆版



T.研究の方向について

  @これまでの研究や学説を概観しまとめるもの。 =文献研究
  A資料を集め、分析考察するもの。 =調査研究
  B現実をとらえ、それについての問題点や改善案を指摘するもの。
  Cその他


U.良い論文とは

@ 一カ所を書くのに一つの資料で書くな!!

  学生が、自分の頭の中だけで、何かを発明発見できるはずはない
  本や資料を「基」にして書くのは当たり前=ある意味で、「丸写し」は研究の出発点

  こつ:一冊の本を丸写しすれば、「ただの丸写し」だが、100冊の本を読みこなして、まとめたのならば、すばらしい論文になる。
  
A自分の頭を一度通せ!!
   
複数の資料を読んで、ただ「切り貼り」するだけでは、勿論ダメ!!
  その資料を、自分で読みこなして、「まとめる」作業が必要。資料間の違いや、関連性に注目して、自分なりに整理したとき、オリジナリティが出てくる。

B自分の思いや意見を明確に、しかし、同時に反対の意見立場を意識せよ

  例
調査によると、大阪市のボランティア経験者が(過去経験者も含めて)7年間で、16.4%から26.2%へと増えた

   なんと5割増し!!と理解する人と、
   いずれにしろ1〜2割台と考える人!!

  価値志向の学である「福祉」等では、ただの紹介は面白くない−自分の立場・思いが出たら良い。

ただし、それだけだと、「独断」!!になり「中立」に劣る。
   自分の思いを証明する資料を集める
   自分の疑問を解決する資料を集める

いずれにしろ、最後判断するのは自分!!
             ↓
     証明する方法 A 自らのアンケート等による B 既存のアンケート統計データ等による C 先行文献の記述による 

                  オリジナリティ 新しさ 信頼性 網羅性
            単純に言えば、データで語るか、オーソリティに任せるか
            

  C評価のポイント<例>

    1.論旨の一貫性・整合性
    2.研究方法・手法
    3.明解性
    4.創造性・独創性
    5.表現力

    A.正確性(Accuracy)
    B.客観性(Objectivity)
    C.不偏性(Impartiality)
    D.追証性(Verifiability)
    E.平易性(Readability)
    F.独創性(Originality)

V.論文の書き方について

  @第1章,第2章 T,U 等といった章だてを行なうこと。

論旨が流れるように。
 
章毎に関係のない「塊」があるのではない!!

☆最低3章以上
☆各章2節以上(はじめに−終わりに/序章―終章を除く)

   起承転結/序破急/=内容と構成は同程度のウエイト!
   論理的/人間的関心の流れに則った構成を!

  A本文が所定の枚数(字数)以上あること。

ページを入れる。目次、文献一覧等はページに含まない。
(同志社の社会福祉学科の卒論の場合400字×30枚相当以上)

とはいえ、30枚ぎりぎりは一般的ではない。五六十枚が一般的であり、百枚を超えることもある。
多ければよいというわけではないが、何とか三十枚に達したという論文ではNG

  ワープロの場合は目次に、
「1ページ=1行○○文字X△△行 合計○○ページ 400字詰め□□枚相当」
等と記す。

   極力1行あたり文字数や、1ページあたり行数はきりの良い数字
(400,500,800,1000等)で。(計算の便のため)

  ゼミによっては、フォーマットが決まっている。小山ゼミは自由。

  B小山ゼミの卒業論文としてはワープロ原稿を原則とする<添削・推敲がしやすい>

   一般的に、手書きの場合はペンかボールペン→黒書き

   ワープロの場合は白紙の所定サイズ(A4)
手書きの場合は400字詰め指定原稿用紙

  C所定表紙をつける。

    提出が近づいた頃に生協から発売される。

  D文体は「です、ます」調または「だ、である」調etc.の統一を行なうこと。

「論文」においては、「である」調が一般的

参考文献の文体に流されないこと。←重要!!

  「引用」でない限りは自分の頭、心を通った文章でないとダメ!!

  E章がわりは改ページ、節以下は行空け。 →非確定

   1文字/1行のアフレは極力避ける。

  F図表は本文中の関連ページに入れることが一般的。大量の資料等は巻末にまとめる

  G目次、引用文献、参考文献、巻末資料は頁に含めない

  H漢数字を使う場合には、 ○ 一四六七八人
× 一万四千六百七十八人
                  一四000人
一万四千人
   用法の統一が前提!算用数字的に使うことが多い。
   「、」でも「。」でもない無駄な空白はつけない。(意図的な場合は別)

  I引用文は括弧でくくるか、長文の場合は別行として2字下がり程度
   引用文中の「」は『』に変える。

J引用文献は注をつけて巻末(章末)にまとめるか、文中で表現する。

参考文献も巻末(章末)にまとめる。

  参考:
菊池理夫著『日本を甦らせる政治思想―現代コミュニタリアニズム入門―』
2007年、講談社

引用:
秋山智久著「ソーシャルグループワークの新しい方向−米国における五つのモデルを中心に−」13−15『ソーシャルワーク研究』vol.1 no.4 1975年、相川書房

☆ 引用法については、「引用注」をつける従来のやり方と、文中に著者名、発行年を( )で記述し、巻末に文献リストを作る近年の表記法がある。
小山ゼミはどちらでも良い。一本の論文の中で統一されていれば良い。
新しい表記法については、
http://wwwsoc.nii.ac.jp/jssw/pages/policy.htm
の中の引用法を参考にすること。



W.資料の集め方・参考になるもの

◎インターネットの積極的活用

  ☆小山のホームページからのリンク(例)

「文献情報等検索システムへのリンク」
http://www.asahi-net.or.jp/~LC1T-KYM/link2.htm

GeNii /Webcat Plus/科学研究費補助金データベース/書誌検索(NDL−OPAC )/DOORS on the web/ OReL / Books.or.jp /日本国内図書館OPACリスト/ 政府刊行物関連書籍検索   など

「福祉関係の情報検索エンジン等へのリンク」
http://www.asahi-net.or.jp/~LC1T-KYM/kensaku.htm

社会老年学文献データベース/『社会福祉学』総目次検索/研究論文 E-TEXTリンク集(社会政策・社会福祉編)/『福祉ブックドットコム』/大阪府立大学社会福祉学部資料管理システム/ 厚生科学研究成果データベース/ 障害保健福祉研究情報システム  など

その他「福祉関係者のヤクダチ情報」http://www.asahi-net.or.jp/~LC1T-KYM/info1.htm
なども参考に。



  @本屋や図書館でタイトルだけ追うな

    本屋に「ズバリ」のタイトルの本などそうない!!
    本の中の一章に、一節に関連する情報があることがある。
    全部読まなくて良いから、目次を読め
    雑誌もgood 調査報告書もgood 
  
Aどのような文献があるか

   新聞記事データベース
   雑誌(大学研究紀要/月刊福祉/社会福祉研究/ソーシャルワーク研究/各施設協発行雑誌等)
   調査報告書/各種答申
   マガジンプラス/プックプラス   DOORS
   福祉の本出版目録   SOCIAL WORK ABSTRACTS

B文献のある場所

   図書館/社会福祉協議会/役所/施設/教員の研究室
   ジュンク堂/アバンティ京都/紀伊國屋/旭屋
   官報 京都刊行物販売所
   大阪政府刊行物サービスセンター
   司書や教師と親しくなること

C福祉系論文の作成に役立つ資料(全体レベル)

   その多くは、社会福祉士受験対策及び、大学院受験対策の資料と重なる
  厚生労働白書/その他各種白書(青少年白書、国民生活白書、障害者白書等々)
国民の福祉の動向/厚生統計協会3大誌
  事典・辞典類(雄山閣/中央法規/川島冊/全社協/誠信)=長短


D過去の卒論のタイトル例

 別紙




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