海外図書 『編集前のカット』

 書名:a cut above
 著者:Michael Singer

 ISBN :1-58065-000-7
 出版社:lone eagle
 価格:U$19.95
 出版年:1998


<内容>
『映画監督:完全ガイド』や『メイキング・オブ・バットマン』など、製作の内幕に近い立場からの著書の多い、映画ライターのマイケル・シンガーが、15年間のキャリアの中で取材した監督たちへのインタビュー50人分をまとめたもの。

掲載されている監督は以下の通り(ついでだから、全部書いてしまおう)。

マイケル・アプテッド
ジョン・バダム
ポール・バーテル
マーチン・ブレスト
ジャームズ・キャメロン
ヘニング・カールセン
ギルバート・ゲイツ
マーサ・クーリッジ
ジョー・ダンテ
リチャード・ドナー
テイラーハックフォード
ランダ・ヘインズ
エイミー・ヘッカリング
スティーブン・ヘレク
ウォルター・ヒル
アーサー・ヒラー
ノエル・ハワード
ハリー・ハーウィッツ
ノーマン・ジュイソン
フィル・ジョアノウ
ローランド・ジョフィ
ジーン・ケリー
アーヴィン・カーシュナー
スタンリー・クレーマー
マリー・ランバート
バリー・レビンソン
ゲーリー・マーシャル
ミラ・ナー
グレゴリー・ナヴァ
ロナルド・ニーム
フィリップ・ノイス
ロバート・ロドリゲス
マイケル・シュルツ
ジョエル・シューマッカー
リドリー・スコット
ジョージ・シドニー
スティーブン・ソダーバーグ
オリバー・ストーン
キャロライン・トンプソン
マリオ・ヴァン・ピーブルズ
メルヴィン・ヴァン・ピーブルズ
ピーター・ウォン
ウェイン・ウォン
キーネン・アイヴォリー・ワヤン
サイモン・ウィンサー
ロバート・ワイズ
チェ・カーク・ウォン
ジョン・ウー
ロバート・M・ヤング
エドワード・ズィック

各章の前に1ページほどの解説がつき、本文のインタビューが5〜6ページ。章末に簡単なフィルモグラフィ(タイトルと会社、年代のみ)がつく。写真なし。

各章が短いので、内容的な掘り下げは浅く、しかも50名もいるから玉石混交といった感はいなめない(なにしろ、『パトリオット・ゲーム』のフィリップ・ノイスまで載っている)。リドリー・スコットやジェームズ・キャメロン、ジョン・ウーといった脚光を浴びている監督もいれば、ジーン・ケリーやロバート・ワイズといった古手の名前もある(気を使ったのか、単に面倒なのか、掲載の順序は名前のアルファベット順という工夫のなさで、ジョン・ウーとロバート・ワイズがすぐ近くというのが笑えるが)。どれも、いわゆる芸術的な監督ではなく、業界の職業監督が中心である(恥ずかしながら半数以上は私も知らない名前だ)。それでも、日本で紹介されることの少ない監督のインタビューが載っている点では貴重といえるだろう。

いくつかの監督の言葉を引用しよう。『T2』製作の5年前のジェームズ・キャメロンの言葉。「映画監督になるにはどうしたらいいかって聞かれると、待ってちゃだめだって答えるよ。とにかく作るんだ! たとえ8ミリでもいいからね。監督になる上で重要なステップは、自分が監督に向いているか見極めることだ。それを見極めるには、とにかく映画を作ってみて、映画的な手法でストーリーを語ることができるかどうか、考えてみるんだな」。もうひとつ、『ナチュラル・ボーン・キラーズ』撮影中だったオリバー・ストーンの言葉。「映画ってのは、自分を解放することだ。それは悪魔であり、女神なんだ。自分のすべてであり、人生でもある」。

15×18センチのペーパーバック版で、全341ページ。


<入手先>
 2000年11月、LAのBrentano'sにて、19.95ドル(税前)で購入。


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2000年11月7日作成