1.RAID導入計画
以前から導入してみたいと思っていたRAID(PC版)が比較的安価で手に入る様になってきた。 安価なものでボードが6千円弱、HDDも1基1万円前後程度で購入できるのだからとても手ごろになったと言えるでしょう。 と言う訳で今回はRAIDの導入についてまとめてみました。
2.RAIDとは
RAID(レイド)と言っても知らない人がいると何ですのでここで解説します。 御存知の方は読み飛ばして下さい。(笑) RAIDとは「Redundant Arrays of Independent (Inexpensive) Disks」の頭文字が語源になっています。 ハードディスクなどの記憶装置を複数台用いてアクセスを分散させることにより、 高速、大容量で信頼性の高いディスク装置を実現するための技術として、 1988年(87?)に、カリフォルニア大学バークレー校のDavid A.Patterson、Garth Gibson、Randy Katzの3人が論文を発表したのが始まりです。 もともとRAIDの「I」は論文が発表された当初、Inexpensive(安価)の意味だったのですが、 最近ではIndependent(独立した)と言う意味で使われてことが多い様です。 これは元々、安価なハードディスクを複数台組み合わせることで、 高価なディスク装置と同等の性能や信頼性を実現することが目的だったのが、 近年のRAIDの普及に伴い、高価なディスク装置はRAIDによるディスクアレイに代替された為、 意味が置き換えられて言われる様になった為のようです。意味が通らなくなったとも言いますが…。
3.RAIDの種類
RAIDと一言で言っても機能によって、いくつかの段階に分けることができます。 論文が発表された当初、RAID1からRAID5という5段階のRAIDレベルが定義されていました。 その後RAID0(ストライピング)とRAID5より信頼性を向上させたRAID6が追加されました。 それ以外にもRAID0と1を組み合わせたRAID0+1(またはRAID10)やRAID0と3を組み合わせたRAID30。 RAID3と5を組み合わせたRAID35やRAID0と5を組み合わせたRAID50等、 共通化されていないRAIDレベルが実装されることもあります。 最近市販されている安価なRAIDボードには、RAID0(ストライピング)、RAID1(ミラーリング)、 両方の利点を持ち合わせたRAID0+1が主に実装されている様です。 ちなみにストライピングは2台のHDDを1つのドライブに見立ててデータを分割格納する方法で、 同時にデータを扱う為高速な処理が可能になります。 言い方を変えると、どちらかのHDDが壊れるとデータが2度と読めなくなります。 速度は向上しますが同時に故障率も上がります。 ミラーリングは2台のハードディスクに対して同一のデータを格納する為、 万が一どちらかのHDD壊れてもデータが読めないと言う事は起きません。 速度はHDD1台の時と変わらないか若干落ちるようです。故障率は下がります。
4.機材について
今回はIwill社製のSIDE RAID66と Seagate社製のバラクーダ15GB(ST315320 A)2基を使用しました。
※写真1
トータルで税込み2万7千円位になりました。
5.導入とベンチ結果
早速導入してみました。導入方法(インストール方法)は割愛します。 RAID0とRAID1のベンチマークの結果は下記の様になりました。 見ても判る通りRAID0がRAID1のおよそ2倍の値を叩き出している事が判るかと思います。 ちょっと結果の値には疑問が残りますが…。
※写真2
結果はこんな感じになりました。
上から2番目がマザーボード標準インターフェースと接続、以降、RAIDボードと単独接続(1基のみ)、RAID1、RAID0(1回目・2回目)となります。 RAID1の結果を見て分るかと思いますが、結果がまちまちのときがあります。時には単独接続時並みの結果になる事も…。 ベンチマークソフトがいけないのか、ドライバー(Bios)が変なのか今回試した範囲では いまいち良く分りませんでした。気長にチェックしてく予定です。
6.総評
テストをやって色々とメリットが判ってきましたが、当然の事ながらデメリットもあります。 1つは7200rpmのHDDを2基使用した時、発熱が異常に上がる事。 もう1つはHDDを2基使用する事により消費電力が上がると言う事です。
一つ目の問題についてですが、下記の写真を見て頂けば判るかと思いますが、 HDDに取付けた温度センサーが60℃近い事が判ります。(※下記写真3) 自分の環境ではFDドライブの下にHDDにをマウントしている事もあって 伝導熱によりFDDもかなり熱を持っています。(※下記写真4) このままフロッピーを使用した時そのままディスクを熱で破損しそうな気がしてとても恐いです。
もう一つの問題は電圧の変化に対応できずマシンが落ちると言う事です。 (環境によるので、人によっては発生しないかも知れません。) 言うなれば電子レンジとクーラーを同時に使ってブレーカーが落ちたと言うか…。 自分はCDドライブにCDを入れた時いきなりリセットが掛りました。 HDD増設前には起こり得なかった事なので、電圧がかなりぎりぎりで動いてる可能性が有ります。 これに関しては電源を300WOverの物に換えるなどの対応により改善可能だとは思いますが、 現在の所確認出来る状況では無いのでまた今度と言う事になります。 (電源を換える以外に増設したボードを外すのも有効かもしれません…) (※下記写真3)
※写真3
秋葉で買ってきたデジタル温度計です。約60℃になっているのが分るかと思います。(※データが見当たらないので見付次第掲載します)
※写真4
FDDの下にHDDが2基あるのが分るかと思います。
増設スロットほぼ満杯と言うのも見て取れますね(^_^;)
7.追記
最後にオチですが、RAIDで落ちるだけに意味無し(^_^;)。 えっ、洒落になってないって。失礼しました。 今後も継続的にテストは続けていくので、色々と分かり次第更新してくつもりです。 あと、今回使用したRAIDボード(メーカ?)がもあまり良くない様な気がするのでその辺に付いても確認次第報告したいと思います。 マニュアルにあるBiosの記述を見たらもう閉口です(苦笑)