ひたすら書評用の本を読む。『スロー・リバー』は前半退屈だけど、全体としては悪くない。近未来描写のディテールも面白いけど、これはむしろミステリファンにおすすめでしょう。『こちら異星人対策課』は……すぐ読めるのが取り柄か。おなじ宇宙人ネタなら富樫義博の『レベルＥ』のほうがはるかに面白い。まあ、70歳過ぎたディクスンがこれ書いたかと思うとほほえましいけどさ。

『本の雑誌』の原稿が終わったんで、レイモンのBiteを読みはじめる。
　昔の彼女がとつぜん訪ねてきて言うことには、「わたし、吸血鬼につきまとわれてるの。毎晩のように血を吸いにやってきて、これ以上はもう耐えられない。お願いだから吸血鬼を殺してちょうだい」
　で、彼女の家に行った主人公は、木の杭と金槌わたされて、たんすの中に隠される。で、
全裸の彼女がベッドで血を吸われてるあいだに飛び出して、吸血鬼の背中に杭をたたきこむわけですね。
　すったもんだのあげく、なんとか吸血鬼退治に成功。が、ここで新たな問題が発生。
「映画とかだと、杭を打ち込まれた吸血鬼って、塵になって消えちゃうだろ。きっとそうなると思ってたのに」
「それって年寄りの吸血鬼の場合じゃない？」
「消えないね、この死体」
「困ったね」
「……」
　というわけで、主人公カップルは吸血鬼の死体を車のトランクに積み込み、死体の捨て場を求めて旅立つのでした……。

　ってこんなバカな話よく思いつくよな。殺害後はほとんどずっと車で走ってるので、これは珍しいバンパイア・ロードノベル(笑)。なんかタランティーノみたいかも。吸血鬼おたくのお兄ちゃんとか出てくるし。

　夕方出かけて、馬場の芳林堂に寄ってからジャンナンで仕事。三村美衣と合流して早稲田へ。駅前のケンタで星野富美男師範代と落ち合って、五十嵐・寺島邸へ。今日はストロングホールド到着記念の仲間内シールドトーナメント。
　寺島さんのヘルプで寺川よしこ嬢も来てて、チャンネルゼロの話とかを聞く。うーん、そうですか。
　寿司で夕食のあとは、持参のTPスターターにSHブースター×２でスイスドローのシールド戦。赤黒二色デッキを構築、そこそこ強いか思ったけど、五十嵐、星野と撃破したものの、田中としひさ画伯に敗れ、２勝１敗で６人中３位に終わる。優勝は寺島さん。デッキ強すぎでしょう。しかし６人中ふたりもMox Diamondを引いてるし。くそー。
　いったん休憩のあとはSHブースタードラフト。もうドラフトから全然ダメ。カードの点数ぜんぜん理解してないよな。やっぱり最初から色を絞っちゃだめっす。まあ目標通り一勝できたからよしとしよう。ああでも、オレのパックからSliver Queenが出たのに(;_;)
　終了は午前６時。

　午後１時に必死で起き、３時吉祥寺着。今日は白城るた＆高梨ふみこ主催のお花見会。すでに１時間遅刻している。携帯で連絡とって、丸井付近で小浜夫婦と合流、井の頭公園の花見会場に到着……してみると、そこは桜が一本も生えてない場所でした。って文句言う筋じゃないけどさ。緑の中にシート広げて宴会してる人々の群れはなかなか不思議な光景かも。まあ、遠くのほうには桜が見えるんですが。
　まあしかし、花見というといつも寒さにふるえてた記憶しかないので、今年はあったかくてよかったね。相当な人手だったけど、まあ歩けないほどでもなかったし。
　参加者は、角川の編集者や同人系の人々を中心に二十数名の大所帯。ほとんど女性ばかりなので、食べ物は異様に豊富。河内さんが製作した稲荷寿司とか、うまいもの多数。
　かつてはカッターを漕ぐのが趣味だったらしい三村美衣と15分待ちでボートに乗り、池の桜を愛でる。他人に漕いでもらうと楽ちんなり。池から生えてる桜とかあってなかなか。まあこれできっちり花見はしたと言えよう。

　日が落ちると真っ暗になる場所なので、６時には撤収。さすがにちょっと寒い。最後に残った12人でぞろぞろ吉祥寺のルノワールに流れてお茶。河内さんとかと２時間ばかりしゃべったあと、小浜夫妻と四人で吉祥寺の町を歩き、ホープ軒に並んでラーメンを食べる。今日はよく並ぶ日だな。しかし並んだだけのことはある味。天下一品系ですね。
　ラーメン後、ひさしぶりのゆーからを１時間。いつのまにか、吉田拓郎の「カンパリソーダトフライドポテト」とか入ってて驚く。が、よく覚えていないのだった。

　11時ごろ吉祥寺を出てまっすぐ帰宅。テレビで「サイバー美少女テロメア」の第一回。これって「透明少女エア」のあと番組だっけ？　「エア」よりはましかも。しかしあのコスチュームはすごすぎ。爆笑でしたね。三輪ひとみにアレを着せるか、ふつう。敵役の男の子はけっこういいかも。
　ぼんやりテレビを見てたら「割れ目でポン」がはじまっちゃって、つい２時間ぐらい見てしまう。眠いはずなのに。やっぱり山城新伍が優勝したんでしょうか。だれか教えて。

　レイモンのBite読了。いやあ、へんな小説でした。なに考えてるのかさっぱりわからん。しかし会話はうまいよね、この人。というか、ほとんど会話が暴走して小説になってる。初期作品の傾向にさらに拍車がかかってるみたい。あと二、三冊読んでみるかな。