6時、新宿ワシントンホテルで「森岡浩之の星雲賞受賞を祝う会」。森岡ファン主催の宴会で、出席は50人ぐらいですか。人外協とかの知らない人がけっこう多い。あとは各社編集者がちらほら。乾杯の音頭は草上さんで、オレも挨拶に指名される。
「ひとときはSFの冬だった」ではじまる「森岡の夏」ってのを考えたんですが、いまいちウケませんでしたね。
頻繁にフリーズをくりかえしはじめたTP535をだましだまし、翔泳社のデイヴィッド・モアハウス「Psychic Warrior」を仕上げる。一カ月で750枚だから、まあこんなもんでしょう。
最終的には、あんまりトンデモ本って感じでもなかったすね。部分的にはまあそういうこともあるけど、要するに陸軍が解離障害に悩む人を集めて超能力の実戦応用らしきものを計画していた、と。どれどれと思って調べてみると、Remote Viewing関係のウェブサイトってけっこうたくさんあるのね。本書登場人物の管理するサイトもあったり。この本自体は、スターゲイト計画内幕暴露本っていうより、魂の遍歴というか、ニューエイジ系の精神世界モノなので、いまいちセンセーショナルじゃないかも。
角川から奥ってもらった鈴木光司『ループ』のゲラを読了。いや、最初はどうなることかと思いましたけど、途中で茫然自失。まさかこんなネタが用意されていたとわ。
SFマガジン編集長も、読み終えるなり電話かけてきて、「いやあ驚きましたねえ」。まあ今回は百パーセントSFになってるので、SFインターセクションのゲストに出てもらうにはちょうどよかったんじゃないかと。
アニメージュ編集部のW辺T子嬢が京極プロジェクトの打ち合わせのために来訪。Pasta d'Oroで食事。まあなんかいろいろたいへんみたいですが、話を聞いてもけっきょくよくわからない。なぜアニメージュでKGなのかってことの理論的バックボーンをかためる役を期待されてるらしいんだけど、うーん。
まあでも別件でいろいろネタを仕入れさせてもらったので、なるべく期待に応えないとね。
4時、品川プリンスのティールームで、塩澤編集長、鈴木光司氏、H内さん@角川書店と落ち合い、住居棟のほうにある鈴木光司宅でインタビュー。
SFの話はやっぱりあんまりしたくないらしい(笑)。ニュータイプのインタビューでも『魔の山』を意識したとか語ってたけど、SF読者はそれじゃ納得しないでしょ。クラークは呼んだことあるけど小松左京は一冊も読んでないとかそういう人なので、やっぱり独力でSFを再発見してるんだろうな。ま、『ループ』のネタは、SF作家にはいまさらとても書けないタイプなので(いや、遠未来でなら書けるけど)、SF読んでなくてよかったかもしれない。
いよいよ本格的に535が動かなくなってきたので、動いているうちにPDにバックアップをとり、VAIOに環境を移してから、Tゾーンミナミ8階のIBM PC DOCKに535持っていく。HDD換装サービスもやってるみたいだけど、2ギガで6万越えるのはなあ。出荷時のソフト再インストールサービスだけやってほしいかも。
修理のほうは一週間から二週間だそうで、しばらくはVAIOでがまんするしか。まあ一週間仕事してればタッチパッドにも慣れるでしょ。
しかしVAIOのHDDはすでにほとんど空きがなく、FAT32なんでDrive Spaceも使えないらしい。535がもどってきたら、やっぱりHDD換装だな。で、夏までもたせると。
VAIOの入力環境整備と慣らし運転をかねて、リチャード・レイモンのThe Beast Houseの翻訳に着手。タイトルでわかるとおり、『殺戮の〈野獣館〉』の続編です。もっとも向こうの出版社は続編として売ってないので、シリーズってことはあんまり認知されてないみたいっすね。ほんとは一作目のタイトルがThe Beast Houseになるはずだったのに、なぜCellarに変更されたかというと、同時期にアルトマンの「アニマルハウス」が公開されることになったためらしい(笑)。この一件を皮肉った楽屋落ちのギャグがThe Beast Houseには出てきます。
ところで、オーストラリアにあるリチャード・レイモン・ページで仕入れた情報によると、レイモンが脱稿したばかりの最新長編は、The Beast Houseの続編。現代が舞台で、これがなんと900ページあるらしい(たぶんタイプ原稿で900ページだと思うけど)。
ぶあつい本を書けってのは出版社サイドからの要望らしいんだけど、程度ってもんがあるよなあ。
まあ既刊の長編だけで25冊もあるので、『野獣館』の調子で売れてくれれば出すもんには困らないでしょうが。
レイモンは文章が短くて(そのまま訳すと短すぎるぐらい)テンポが早いので、翻訳はどんどん進む。『光の都』の三倍(当社比)以上か。
『光の都』といえば、あっという間に本ができちゃいました。ゲラになってから二カ月たってないのでわ。なにしろ五千部なので、めったに見かけないと思いますが、おまけにとんでもない値段がついてますが、なにしろたいへんだったのでひとつよしなに。
アニメージュ京極プロジェクト告知ページのレイアウトがファックスで届く。が、やっぱりなにを書くのかよくわからないので京極さんに電話して取材。ことここにいたるまでの経緯はだいたい予想したとおりだったな。なにを書いてもいいと言われたので、思いきり適当なことを書く。しかしこのプロジェクトはこの先どうなるんでしょうね。うまくいけば面白くなる可能性はなくもないが。謎。
7時、新宿南口、甲州街道沿いの歌広場で山岸主催カラオケ宴会。話題の的はやっぱり裁判でしょう。でも裁判の歌ってないんだよな。
あらきりつこ嬢とか北沢尚彦氏とか、珍しい人も来てましたが、わたしはアニカラの部屋にはあんまりいなかったのでよく知りません。梶元靖子さんの娘(中学二年生)が歌うSPEEDはさすがに絶品。やっぱりお母さんの年のひとが歌っちゃいかんでしょ。なあ、三村美衣。
といいつつオレはTMRとかSHAZNAとか。イエモンのベスト版の曲が歌いたいのにセガカラには全然入ってないのだった。やっぱJOYかGIGAかな。
11時まで歌って帰宅。
The Beast Houseのつづき。だいたい一日15ページのペース。でも400字30枚くらいですね。週に6日働いて4週間で終わる計算。しかしマシンが変わるとついいろいろカスタマイズしてしまうのでダメかも。
VAIOはFAT32ドライブなので、Drive Spaceが使えないと知って愕然。1.08ギガバイトしなくてどうしろというのだろう。FAT32対応のドライブ圧縮ソフトってないんだっけか。
しょうがないので、オレがぜったい使わないプリインストールソフトをPDに待避させる。Norton Utilityも買ってあるんだけど、空き容量が100メガ切ってると、若干導入に躊躇しますね。
SFオンラインの書評用に借りたチャールズ・プラットの『キーをたたく犯罪者たち』(ゆまに書房)を読む。WIRED誌の原稿を加筆訂正してまとめたもの。ミトニック事件の裏話とか、マーティン・リムくん騒動の話とか、けっこうおかしい。翻訳は、読みにくくはないんだけど、bitとbyteの区別がついてなかったりして、コンピュータ関連はかなり怪しい。まあ実害はないでしょうが。
「リング」「らせん」の試写をパスし、インターネット・アスキー98の原稿のため、シネセゾンで「三毛猫ホームズの推理」の試写。96年にテレビ朝日で放送したやつより30分長いディレクターズカットだそうですが、ううむ。「姉妹坂」よりはマシかな。
TP535の入院先、河合テクノセンターから、修理代の見積もりがファックスで届く。合計23万(笑)。FDDとPCカードスロットの片方を認識しないのは、マザーボードのトラブルだそうで、これのボード交換が11万ちょっと。液晶の回路交換が9万ちょっと。その他ケース類を交換すると、すでに新品を買うよりはるかに高くなっちゃうわけですね。
いまの実売価格だと、535Eは20万ぐらいか。おれのマシンのマイナーチェンジ版(CPUが120から133に、HDDが810メガから1.08ギガになってるやつ)で17万ぐらい。保証つきの新品買ってHDD詰め替えるほうがはるかに安上がりなので、当然修理はキャンセルする。しかし修理センターではちゃんと95が動いているらしい。起動不能にさえならなければ、いまのままでもじゅうぶん使えるんだけどなあ。どうせFDDなんて緊急起動にしか使わないんだから。
小説すばるの書評とインターネットアスキーの映画評を書き、レイモンのつづき。