【8月15日(金)】

 夏コミ初日はゲームの日。M:TG本を買いにいこうかとちょっと思ったけど、さすがに三日間通うのもバカだと思ったのでおとなしく仕事。しかしお盆なので店があんまり開いてなかったり。とりあえずブライアントの短篇を仕上げてメールで送り、ひさしぶりにバッティングセンターに出かけて、さいとうと12ゲーム。しゃぶ玄でしゃぶしゃぶ夕食のあと、MAG TIMEで仕事。


【8月16日(土)】

 昼過ぎにタクシーで有明ビッグサイト。めちゃめちゃ涼しくて楽勝な感じ。会場到着は1時前ですが、行列もなく、あっというまに西2ホールまでたどりつく。
 とりあえず壁サークルの「鞠夫続編対策委員会」に顔を出して、午前中、河内さんに買ってもらってた同人誌の山を受けとる。森博嗣本・倉知淳本・麻耶雄嵩本が中心。あと河内さんおすすめの京極本少々。去年の冬コミでは売り切れ続出だったんで、今回はサークル入場な人のご好意にすがってたわけですが、さすがに今年は各サークルとも部数を増やして臨んでた模様。それでもコピー誌とかはけっこう午前中完売のものがあったんで、やっぱり頼んでて正解でしたね。ありがとうございました>河内様。
 買ってもらった本の山を確認してから、ぶらぶらミステリ系サークルを見て歩く。貞ラブこと法*貞*ラブリー友の会の*槻さんからは前にメールもらったことがあるので挨拶に寄って、*槻さん、*東さんと立ち話。麻耶本の『宇宙戦艦マヤト』、貞本の『のりづきんパパ』、西澤本の『風邪伝説 特攻のタック』、猫丸先輩本の『ねこまる子ちゃん』、森本の『てんこMoRi森博嗣』を購入。最後のやつ以外は夏コミ合わせの新刊。あいかわらず飛ばしてます。しかし伏せ字にして意味があるのかっ(笑)

 甲影会の別冊シャレードのブースに寄ったら、小森健太朗、倉知淳両氏とばったり。倉知さんはコミケ二度目らしい。猫丸本がいくつか出てるのでチェックしに来たらしい。
 そのうち唐木さん@講談社文三もやってきて、森博嗣夫妻を紹介していただく。コミケは十数年ぶりとか(笑)。ここじゃ煙草吸えませんよね、ってことで、壁の外に出て、マイルドセブン(森さんはライト)を吸いつつ、『ドガ』のころの昔話とか聞かせていただく。森ファンの女性たちもちょこちょこやってきてサインを求めたりとか、なごやかな雰囲気。
 実物の森さんは、日記とかアンケートとかインタビューから想像するほど浮き世離れした人(失礼(^^;))じゃなくて、わりと気さくな感じでした。メフィストのマンガの自画像はよく似てるかも。奥様の佐々木スバルさんもかっこよくて、ああいうお母さんを持つ子供がうらやましいかも。

 4時ごろになって、森夫妻・唐木さん・野村さん@講談社文庫と8階のラウンジに上がり、お茶を飲む。犀川・萌絵シリーズの今後とかの話もちょっと聞いたけど、そのへんは内緒。でもだいたいコミケ関連の昔話してましたね。楽書館とかコミカとか。
「ホームページを見るようになって、むかし同人誌でやってたようなことがみんなこっちに移っちゃったんだなと思ってたけど、コミケに来てみたらそうじゃないですね。まだまだWWWは同人誌に追いついてない気がする」
 というようなことを森さんがおっしゃってて、なるほどと納得。質的にも物量的にも、まだまだ紙の文化が主流でしょう。

 高橋くん@みすりんから携帯で呼ばれたので、はるばる東館の奥のレストランまで出かけていって、シャレード組と合流。でも結局5時閉店なので、またラウンジまで引き返してきて、別冊シャレードの麻耶本座談会。司会は白薔薇の君。あとは高橋くん、広沢吉泰@元神戸大SF研会長、鷹城宏、それと元京大推理研の人。麻耶雄嵩・GAINAXシンクロ説(『エースをねらえ』を下敷きに、『トップ』と『痾』が誕生)とか、夏冬=エヴァ説とかが炸裂する。「和音島の地下には臓器培養プールがあって、無数の桐璃がぷかぷか浮いてる」説ね。
 『痾』で神社に放火して、「ああ、おれはどうしてこんなことをしてしまったんだああ」とか悩む烏有の前に、ふっと桐璃が現われる。
「教えてくれっ。和音島ではほんとはなにがあったんだっ」と烏有が叫ぶと、桐璃が林原の声で言うんですな。
「わからない。わたし、たぶん二番めだと思うから」
 っておまえ同人誌出せよ(笑)。夏冬ゲリオンか。
 あと、ウテナネタで、「消えた凶器」話とか。って麻耶くん関係ないですね。それにしても麻耶同人誌はどうしてみんなメル×美袋なんだろう。メル×烏有があってもよさそうなのに。って、短編集直後だからかな。
 それにしても、広沢くんの白薔薇仕切りは見事。そうか、ああやって操縦するのか(笑)。おかげで座談会は比較的スムースに進んだような気がする……がどう原稿化されるかは謎。

 そういえば、あとで唐木さんと話してたとき、
「ぼく、そのときは全然気がつかなかったんですけど、さっき白薔薇の君と話をしちゃったんですねえ。いやあびっくりしましたよ」だって(笑)。
 そこまでおびえなくても(笑) 「ふつうだったでしょ」と言ったら「ええ、ふつうでした」と唐木さん。まあふつうじゃない行動も目立つけど、ふつうのときのほうが多いと思う。あ、ネット上では主にふつうじゃないかも。ホームページを開くとかゆってるので、たいへんおそろしいことである。タイトルはやっぱり「白薔薇荘」でしょ(笑)

 座談会テーブルの横では、小森健太朗、福井健太、千街晶之その他の人々が10人ぐらいで集まり、でかい声でおたくな話をしている。どうでもいいけど、ギャグがひとつ出るたびにいちいち手をたたくのはなぜ。

 おなじラウンジでお茶を飲んでいた森夫妻ご一行は、われわれがジュース一杯で二時間座談会をしているあいだに、となりの展望レストランで優雅なフルコース。ああ、座談会に出るなんて言うんじゃなかった(笑) 麻耶座談会が終わったところで挨拶に寄り、ミステリな人々と別れてバスでレインボウブリッジをわたり、浜松町からJRで馬場に出て、SFな人々の集まりに顔を出し、ミステリ本の収穫を見せびらかす。

 今日いちばんのヒットは、島田倉庫の『アビコくんとノリヅキくん』で決まり。「友だち売ってウケをとる」同人誌の基本ですね。いや、ネタのほとんどは登場人物から聞いたことがある話なんですけど、いやもう面白すぎ。コハマくんはルノワールで三十分ぐらいかけて熟読し(本文9ページなのに)ずっと笑ってました。不気味かも。コピー誌だったので、手に入れそこなった人は残念でした。唐木さんもすげえ悔しがってたな。河内さん、ありがとうございました。
 しかしこれは反則技のノンフィクションマンガなので(笑)、ピュアな同人誌的にいちばんわらかしてもらったのは、「ストロボ式」の『少女革命コズミック じゅんびごう』。タイトルだけでバカウケして買ったけど、いやもう最高ですね。実録マンガ『「コズミック」にはまるまで』と『「少女革命ウテナ」にはまるまで』が特にけっさく。中川いさみネタのコズミック4コマも爆笑。ああ、『少女革命コズミック絶対運命世紀末探偵神話』が読みたい(笑) なんか今田耕司本とかやってる人みたいですが、ぜひ清涼院本に全力投入していただきたいな、と。なお、なしだあつしさんからの情報によると、ストロボ式やってる高さんのホームページがここにあるそうです。
 がんがん増えつつある森博嗣本では、傾城傾国の4コマ集、『熱い教室と博士たち』『笑う数学者』『私的指摘ジャック』の3冊が収穫。ネタが濃くてグー。ほとんど森博嗣が描いたような4コマだったり。メフィストに転載せんかなあ。京極本やってた今日骨野夢子さんのLand's Endも、今回は『Forest』っていうかっちょいい森本出しました。京極サークルの中にまだ点々と森本は出てたみたいなんだけど、うだうだしてたおかげでチェックしきれず。唐木さんが買ったやつは見せてもらったけど、データがわかりません。ちゃんとメモっとけばよかったな。
 麻耶本では、vice versaの『メルと美袋のサマー・バケーション』が4色カバーのオフセット本。『翼』で死んじゃったメルの幽霊が美袋にまとわりつくという設定で、けっこういいっす。あとは、ALICE IN MURDERLANDの『麻耶毒本』1+1.5と2、メルカトル・シスターズの『天上天下唯我独占』『メルカトルと美袋のための狂想曲』、幻影城の下僕『CRIMINAL』とか、そんなところ。
 河内さんが買ってくれてた京極本では、鉄鼠の坊主オンリー本、『坊主三昧』(京極ごっくん堂)が爆笑。ここはほかにも、『久保竣公の法則』とか、有栖川+京極の『目眩』(火村と有栖が80歳越えてる関口の家を訪ねる話)も出してました。つぎは二階堂+京極本らしい。榎木津と蘭子が対決するのかっ(笑) あと、こまったちゃんファミリーの榎木津ギャグ4コマ集『アイ・アム THE エノさん』も出来がよかったす。
 そうそう、あらきさんからは、あしかふみこさんが出してる『探偵倶楽部'97』をもらったんでした。対談本がなかったのは残念だけど、こっちのオフセット本はポアロ×ヘイスティングスから『13番めの人格』4コマまであってお得。わたし、あしか画のエノさんが好きなんです。か、かわいい。
 流水系では、すすきの○番地探偵事務所の『アニメのようなJDC』かな、やっぱり。猫丸本はいまいちぴんと来ない……。
 夏コミでいちばんレアな本としては、臥龍のチョンクォ本、『CHUNG-KUO THE WORLD』なんですが、原典を一冊も読んでないのでよくわかりません(^^;) そこでチョンクォ評論家の高橋良平せんせに読んでもらったら、けっこう面白がってました。

 ……と、コミケ本のチェックが終わったところで、三村美衣・小浜徹也夫妻にメグミ@アトリエ・サードを拉致して西葛西ビッグエコー。12時から朝まで……だったんだけど、わたしは強力に眠まったので、午前4時前にリタイアし、先に帰って寝る。


【8月17日(日)】

 11時起床。コハマ夫婦&さいとうよしこと四人でふたたび東京ビッグサイト。コミケ最終日の目当てはSF関連。パラドックスのブースに行ったら、大出さんに、「写真を削除して下さい」と強く抗議される。いい写真なのに。って覚えてないけど。ひょっとしたらほんとうに削除するかもしれないので、伊吹秀明ファンはいまから写真をsaveだ。なんかドラマガでスペオペの連載がはじまるらしいっす。
 はしもとさちこさんとこでは、みすてないでデイジー本が出てました。永野おたくの人は、みんなアニメがアレでナニなので困っているらしい。ふつうそうだよね。面は割れてないつもりだったので、持ってないやつをじっくり検分して大量購入したら思いきり恐縮されてしまって恥ずかしい感じ。でも去年買いのがしてたエス子ちゃん本が買えてラッキー。作中に『ドゥームズデイ・ブック』とか『フリーゾーン大混戦』とか登場しているのを発見してのけぞる。固有名詞の選択がいちいちツボを押さえてて気持ちいいっす。うーん、しかしはしもとさんって、昔はここまでディープなネタ繰ってなかったと思ったが。
 柳下毅一郎から携帯に連絡があり、東で合流。フランス系カナダ人の人と三人で東ホールを歩き、ウテナ本とかピカチュウのバッジとかを買う。
 さいとうから萩原ごんざっぷのブースナンバーの連絡があり、のぞきに行ったら寺本くんとか広重くんとかがいたことでした。あとミサトのコスプレのかおりん嬢とか。寺本くんはもりもりSFを読んでるらしい。
 カドフェル本を出してるみのうらさんとも遭遇。電波系の同人誌を見せられる。そういえば唐澤俊一さんにもばったり会ったんでした。青木光恵ちゃんや緒方さんもいたらしいけど遭遇できず。岡田さんも見なかったな。
 西1にもどってコハマ夫妻と再合流。ニュートーキョーでごはん。たまぴっちに呼ばれてタニグチリウイチ@裏日本工業新聞も登場。収穫披露会(笑)。柴田昌宏のとか、青木光恵本とかを見せてもらう。
 柳下とゆりかもめに乗り、新橋経由でタクシー帰宅。同人誌を読みつつ死んだように寝る。


【8月18日(月)】

 夜中に一回起きてまた寝て、9時ごろ一回起きてまた寝て、起きたのは午後1時。ああ16時間ぐらい寝ちゃったぜ。
 ひさしぶりにミストラル行って買ってきた同人誌のまとめ読み。ぼちぼちアニメージュ書かないと。やっぱり『ひみつの処女探偵日記』か(笑)
 珈琲館→ビルディ→MAG TIMEと移動して仕事。スポーツ新聞見たら、一面がプラム麻理子の死亡記事でびっくり。ジャパン女子時代に、後楽園ホールで一回見たことがあるだけなんだけど、わりと好きなレスラーだったのに。まだ29歳かあ。


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