【7月31日(木)】

 4時、ミストラルで、アスキーから出るパソコン書斎関連ムックの取材と写真撮影。ライターは一部で有名な(笑)「翻訳家になる方法」の取材のときにも来た人でした。テーマは「喫茶店を仕事場にすることについて」。なんか6ページもあるらしい。謎。

 6時半、早川にちょっと顔出してから、JR神田駅前の印度屋で吉永宴会。デザイナーの吉永和哉(a.k.a岩郷重力ほか)関係者が飲む会なので通称・吉永宴会なんだけど、吉永が主賓というわけでもない。謎。当初は早川書房SFパート系中心だったこの会も、早川現役勢力は衰退中。十人以上集まった段階で、「九月以降も早川書房社員である人」は阿部毅SFマガジン前編集長ひとりだけだったもんなあ。
 この日記にも何度か登場したはずのK野佐知(SF文庫担当)とK藤景子(FT文庫担当)が8月で退社しちゃうし、デュエリストだったH野(女)も関連会社に出向。今日は来てないけど元SFマガジン編集部だったUくんはCUTに移籍だし(Rockin' Onの契約社員になるんだけど、給料は増えるらしい(笑))。
 その他のメンバーは、元早川が二人(T山とN崎)、小浜徹也・三村美衣・山岸真に、SFオンライン軍団が堺三保・川崎昭博・添野知生・坂口哲也&めるへんめーかーとか。SFマガジン現編集長とミステリマガジン前編集長もあとから登場しましたね。まだ人がいたような気がするがよく覚えてない。さいとうは萩原gonzapとの仕事が大詰めらしくて欠席。
 印度屋には結局4時間ぐらいいて、パコラサモサタンドリカバブナンカレーと食いまくり。平日なので、ミカドでお茶飲んでおとなしく電車で帰る。

 あとはMAG TIMEで仕事。帰りに店員の若者から声をかけられる。
「あ、ホームページ見させていただきました」だって(笑)。なんか友だちの家でニュータイプ見てたら写真が載ってて、「あ、これ、うちのお客さんだー」とか発見して、urlがあったので見にきたそうです。うかつなことはできませんね。まずすぎ(笑)


【8月1日(金)】

 2時、ミストラルでSPA!のエヴァ取材。突発的にエヴァにハマったらしい元宝島の田中くんが担当。いまは休暇をとって、日本における電子音楽の歴史に関する本を書いてるそうですが(アスペクト刊行予定)、エヴァ特集にひっぱりだされたらしい。かつてはおたく系週刊誌だったSPA!も編集長交代以降、路線変更したとかで、でもやっぱりエヴァは無視できないし、とかそういう感じらしい。
 まあ取材を受けてると頭の中が整理されるから、COMIC BOXの原稿書くときに役立つだろうと思ったけど、うーん、要素が多すぎるかも。

 日本推理作家協会の文士劇のチケットは本日発売だったんだけど、なんかたちまち売り切れたらしい。9月27日に読売ホールで上演されるんですが、うーん、推理作家協会の販売分も残ってないみたいで。出演者の人でチケット余ってたら分けてください。あとは協賛社か。だめだったらテレビで見よう(笑)。

 待っててもメフィストが届かないので、まあいいやと明和書店で買ってしまう。おばちゃんから「これ、やたら売れてるけどどうしたの?」と質問される。さすが塗り仏効果。書泉西葛西では大々的に平積みして、手書きのPOPつけてました。
 メフィストのおかげで、「関口××」問題にも早々と決着がついてしまいましたが、めでたく正解したKGの久保るい子さん、おめでとうございました。一点買いじゃないとこが弱いけど、ここでも表彰します。ぱちぱちぱち。
 ところで塗り仏は二部構成で、上巻にあたる「祭りの準備」――じゃなくて「宴の支度」が中編集。その三番めがメフィストに載った「ひょうすべ」の話で、関口くんの回想の話。で、これが逮捕4日めの話なんですね。ここから邪推すると(笑)、逮捕一日目はきっと回想どころじゃないだろうから、二日目から関くんの回想モード開始。で、六日間にわたって毎晩いろんな事件を回想して上巻が終了(妖怪は六匹登場)。
 つまり拘留期間は一週間というのが大森予想で、下巻はその一週間のあいだの塀の外の出来事ではないか、と。でもきっと、七日目まで京極堂と榎木津はなにもしなくて、木場と鳥口くんが走り回るだけとか……なんて予想は日記に書かずにKGに書けってばよ>をれ。
 この推測に関しては全然裏をとってないので信じないように(笑)。

 座談会はほとんど修整が入らなかったみたいでよかったよかった。一部ではウケてるみたいだし。それにしてもアンパンマンとわ(笑)。顔むくんでたかも。
 清涼院流水の「自称・新本格十周年記念短篇」は壮絶でした。しかし読むところの多い雑誌だ。


【8月2日(土)】

 6時、ユタ@馬場。SFオンラインの次号アメコミ特集座談会を直前までやってたらしくて、尾之上俊彦(エヴァ本の尾之上浩司とは全然別人なのでまちがえないように)と柳下毅一郎とオンラインスタッフな人々も来ている。
 TVの再々放送と劇場版を見た柳下毅一郎とまたしてもエヴァ話。柳下はアダムとイヴ派。ラストシーンは「シンジが望んだ世界」のひとつであると考えないとアスカの包帯が説明できない――って説はわかるんだけど、まあアスカの意思だとしても(痛かった記憶があるので、ATフィールド復活時に包帯を実体化させた。包帯は綾波の外見の記憶からの引用)納得できなくはない。わたしは「ほぼ全員ATフィールド復活・再生」派です。旗色悪いけどさ(笑)

 しかし、今日の最大のニュースはやっぱりこれでしょ、「RPGマガジンに名前が載った」(笑)。DCI日本ランキング(リミテッド)の109位(1640ポイント)。三村美衣がわざわざ電話して教えてくれたんだけど、実物を見ると感慨深い。雑誌のランキングに名前が載るなんて、20年前のZ会以来だもんなあ(笑)。スタンダードのほうは500位にも入ってないけど、コンストラクションデッキのトーナメントにはほとんど出てないからしょうがない。ひょっとしたら、いまのナンバーで出たDCI公式戦はパリ予選一回だけかも。
 ちなみにリミテッドの俺の世界ランキングは3829位だって(笑)。しかし国内では朱鷺田祐介より上だもんね。寺島令子さんとは2ポイント差だし。星野師範代は1703ポイントで33位とさすがにずいぶん上にいますが、あと一回、シールドのトーナメントに出て勝ち越せば、二桁までは順位が上がるだろうし。もうタイプIIのコンストラクションからは撤退して、リミテッドのランキングに燃えることにしよう。人生、目標があるのはいいことだ(笑)。とりあえず、次は打倒・田中としひさかな(笑)
 しかし、リミテッドのランキングは「公式戦で10マッチ以上」の人が全員載ってるはずなのに、三村美衣や柳下毅一郎の名前がないのはなぜ? 謎。

 ところで、7月24日の日記で、
「『嗤う伊右衛門』の書評で、「よく知られた東海道四谷怪談を下敷きに」とかって書いてあったら、その時点でその書評は0点だと思うだんけど」
 と書いたことについて、一部で誤解があるようなので補足説明。
『嗤う伊右衛門』のプロットは、南北の「四谷怪談」の約百年前に成立したらしい「四谷雑談集(ぞうだんしゅう)」をほぼなぞるかたちで進行する。「雑談集」は一種の実話物で、それを材料にモダンホラーっぽいアレンジを加えたのが「東海道四谷怪談」だというのが大森の理解するところで、つまり『嗤う伊右衛門』は、よりオリジナルに忠実なわけです。「『東海道四谷怪談』に大胆な新解釈を加えて」式の書評もときどき見かけますが、それは話があべこべでしょ。まあ「雑談集」にしても一種の怪異譚だから、「伊右衛門とお岩の愛情を軸に、怪談から怪異を消し去った」という文脈なら、原典がどっちでも大差ないんですけどね。
 こないだ出たばっかりの『幻想文学』最新号(50号記念号)に、偶然にも、「四谷怪談」の原典についての論考が載ってるので、興味がある人はそちらをどうぞ。これがもうちょっとはやく出てたら、週刊現代の書評を書くとき楽だったんだけどなあ。


【8月3日(日)】

 お昼に起きてミストラル。とり・みきインタビューとCOMIC BOXエヴァ原稿。イレギュラーの原稿が多いとなかなか翻訳が進まないっす。ドゥームズデー・シフトのときみたいな体勢をつくって一気に片づけるしか。


【8月4日(月)】

 我孫子さんが仕事で東京に来てるので迎撃宴会。6時に新宿・滝沢で待ち合わせだったので、じゃあその前に三越でやってるSFX展に行こうぜと三越南館前で5時に集合――のはずが、三越は月曜定休だったんですね(笑)
 というわけで、三村美衣、我孫子武丸と5時から滝沢でお茶を飲み、今日もIntertopをさわる。いい機械なんだけどなあ、デザイン的には。しかし逆立ちしてもメインマシンにはならないので、やっぱりオモチャでしょ。
 喜国夫妻、貫井徳郎、河内実加、津原やすみの各氏が次々に登場、8人で中央通りのカプリ。2時間半たっぷり飲み食いして、ひとり2000円。さすが――って酒飲んでないからか(笑)
 最後のほうでさいとうよしこが合流、貫井くんと入れ替わってゼニス3時間。「パフィーのHey! Mountain」はすごい歌詞だねしかし。名曲かも。
 12時すぎに解散し、我孫子さんを山の上ホテルで落としてタクシー帰り。
 白黒の新デッキ(軽量プロテクションクリーチャー+マロアーマー+アーマゲドン)をつくった三村美衣を連れ帰り、自宅で朝までデュエル。赤緑デッキにはまだAnarchyとか入れてないので、さすがに最初からアーマーついちゃうと勝てない。黒デッキはサイドのGloomとDystopiaを全投入して2勝。土曜日に星野師範代から買ったWL半箱が残ってるので、3パックずつでシールド対戦。Gemstone Mine2枚引いたので楽勝。しかしPeasekeeper出されるとどうしようもない感じ。相手が辛抱強い性格だったら、ライブラリ負けしていたに違いない(笑)


【8月5日(火)】

 3時、飯田橋カフェラミルで本の雑誌のインタビュー。Y田N子から、中場利一事件のその後を聞く。検査の結果、覚醒剤常用者ではないことが判明したので(ほんとかっ)、略式起訴程度で済んだらしい。先週保釈になったそうです。しかし本の雑誌の連載は年内いっぱいぐらいはお休み。「芸能人でもふつうはしばらく謹慎するだろう」というおやぢ判断。中場母のインタビューという好企画(笑)が流れたのは残念でした。
 インタビューの本題は、「この10年でいちばん面白かった本」。SFは「みんなクズ」なので、新本格10周年記念の一冊を選びました。なにを選んだかはひみつ。いや、清涼院流水じゃないっす(笑)
 そういえばメフィストは今日になって速達で届きました。書き忘れてたけど、喜国さんのマンガは傑作。森博嗣の4コマも好きだな。中間小説誌的なイラストに混じって水玉さんとか吉田光彦のイラストが入ってるのも笑えますが。

 帰ってきてちょっと仕事してたら激烈に眠くなってきたので家に帰る。居間の電気消してソファに寝転がって「風のリグレット」はじめたら、すぐに眠ってしまう(笑)。入眠ソフトかも。


【8月6日(水)】

 ゆうべは11時ぐらいに寝てしまったというのに、起きたら午後1時半。あれえ、そういえばチャーリー・ブラウンの迎撃宴会って今日だっけ……と思いながら、SFマガジン編集部に電話をかけたら、塩澤編集長が、「それって昨日ですよ」。え? だって五日のはずでわ……と考えて、ようやく今日が6日だと気づく(笑) なんかいろいろと面白いことがあったらしい。まあいいけどさ。最近ローカスもとってないし。

 SPA!の最新号が届く。すっかり忘れてたけど、WWW日記の電話取材を受けていたんでした。日記系の原稿依頼とか特集とかががんがんあったのは一年ぐらい前だっけ。と思ったら二年前ですね。95年の11月にインターネット・サーファーで特集があったんでした。日記リンクスな人たちがメディアフロントとかインターネットガイドとかで連載してたのもその時期かな。SPA!から電話受けたときはなんでいまごろ……とか思ったんだけど、日記猿人はふたたびもめてたりするし(「630事件」がほとんど歴史と化しているのが感慨深い。しかし当時の文章を自分で読んでも、なんか5年ぐらい前の出来事な気がするので当然かも)、あいかわらず日記は増えつづけてるみたいで。おれの中では、日記リンクス中断で「日記の時代」は終わっちゃってるんですけどね。
 その証拠に、SPA!で紹介されてる日記はどれひとつとして読んだことがない。日記界との接点はワープ日記ぐらいかも。いや、昔のような意味での「日記界」はもはや存在しないんだろうけどさ。
 ところで、記事中には、日記猿人のせんべいさんの談話として、「現在のようなスタイルは'95年の初め、あるライターが始めたというのが定説」と紹介されているんだけど、わたしは寡聞にしてはじめて知りました。この日記がはじまったのは95年4月9日で、それ以前にわたしが読んでた日記っていうと、金子誠日記と大森英司(現・須藤玲司)日記ぐらいしか思いつかない。日記リンクスの最初のほうっていうとnbkzとかだっけ。しかし「定説」とわ。だれか「あるライター」を知ってる人がいたら教えて下さい。
 そういえばIRCの#にっきチャンネルにも久しく行ってないな。日記猿人の登録もはずしちゃったし。まあReadMe!があればいいかって感じですが、システム変わったみたいだから再登録しようかな。ああ、日記リンクスのランキングに燃えていたころが懐かしい(笑)

 ところで、伝言板の過去の発言を整理しようとしたら、#96から#116のログが残っていないことが判明しました。万が一データ持ってる人がいたら、メールしてくれるとうれしいっす。

 ミストラル→KFC→MAG TIMEと移動して、コミックボックスのエヴァ原稿とフィフス・エレメント原稿をやっつける。SPA!からもエヴァ取材をまとめた記事がファックスされてきたんで、事実関係の怪しそうなところをアニメのえらいひとに電話して確認。なんかぼろぼろ突っ込まれそうでいやかも(笑)。
「エヴァブームを予見したSF評論家」とか書いてあって、オレは予言者かい。だったらアニメファンはみんな(でもないか)予言者ですわな。新本格SFがブレイクしてれば大きい顔ができたんだけどなあ。まあSF本格は多少ブレイクの兆しがあるからいいか。あ、北村薫さんの『ターン』はもうゲラが出回っているらしい。わたしは反スキップ派ですが、北村ファンなので期待したいっす。


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