【5月5日(月)】

 セミナー疲れがどっと出たところへ風邪を引き込んでダウン。先週から発作的に見はじめた「ふしぎの海のナディア」のビデオを最後までクリアしたり、いまごろ西村健の『ビンゴ』を読んだりでだらだら過ごす。なんかノドのリンパ球も腫れてきてまずい感じ。


【5月6日(火)】

 あーノドが痛い。ふらふらしながら起き出して、3時、山の上ホテル@お茶の水で、小説すばるの特殊メイクつきスプラッタ座談会。
 特殊メイクアップ・アーティスト兼映画監督の松山仁さんの会社、モビーディックに依頼してスプラッタなメイクをしてもらい、写真を撮ってからホラー映画について語るという企画。カラオケ座談会、時代劇座談会につづく、色物コスプレ座談会シリーズなんですね。
 参加者は竹本健治、綾辻行人、京極夏彦とわたし。竹本さんは歯茎むきだし、綾辻さんは目玉たらり、京極さんは人面疽、わたしは頬にぱっくり傷のゾンビ系。さすがにプロの特殊メイクは感動的な技術で、メイク後の顔にほとんど違和感がない(笑) 2時間ほどで全員のメイクと写真撮影が終わったところで、他の三人の強硬な反対を押し切り(笑)、そのままの姿でお茶の水駅前までぶらぶら歩いてって、ゲーセンのプリクラ互換機でシールをつくる。途中、明治大学の学生が道にあふれてたけど、ぎょっとした顔で振り返った人が若干名いた程度。やっぱりあのメイクのままマクドナルドに行ってバリューセットを注文するとかしたかったな。いや、しかしプリクラの出来は爆笑でした。
 QV10を持ってくのをすっかり忘れてしまったので、お目にかけられなくて残念――と思ったら、綾辻さんが買ったばかりのデジカメを持ってきてて(考えてみると、第一回カラオケ座談会のとき、綾辻さんはポータブル録再MDを購入したのだった)、メイキング場面をばしゃばしゃ撮影。その後、リクエストに応えてメールで3枚分のjpg画像を送ってきてくださったので、ひと足はやくここに公開するざます。小説すばるのはモノクロだし、このカラー写真は撮影:綾辻行人なのでけっこう貴重かも。しかし本人のアップはないな(笑) 集合写真はちょっと重いけど、オリジナルサイズのままで掲載します。

メイク終了後の京極夏彦(うしろは竹本健治)
メイク途中の大森(寄りすぎてて気持ち悪いぞ(笑))
スプラッタだよ、全員集合写真

 ちなみに京極さんは魔道士風、大森は傭兵風のコスチュームなんですが、この写真ではほとんどわかりませんね(^^;)

 プロが撮影した写真とホラー座談会は6月中旬売りの小説すばるに掲載予定。

 あ、ついでながら、先月のゲームショウのときに撮影した綾辻・舞阪・松本のYAKATA発表インタビューの模様は、YAKATAビデオトークと題して、SCEのプレステページで公開中。リアルプレイヤーが利用可能な環境にある人は、動画+音声で楽しめます(若干編集したテキストもあり)。

 座談会終了後は、別館のロビーで11時ぐらいまでお茶。京極さんも体調悪いみたいだし、大森もさすがにカラオケに流れる気力はなく、そのまま解散。


【5月7日(水)】

 風邪がよくならないので病院に行って抗生物質と薬をもらい、体調最悪の状態で2時に早川書房。SFインターセクションの次回用に使うスティーヴン・バクスター来日インタビューの収録。バクスターのイギリス英語は比較的聞きとりやすいほうなんだけど、早口でどんどんしゃべりたてるので、ツッコミを入れるタイミングがすごくむずかしい。途中からはほぼ会話を放棄して、ひたすらお話を拝聴していました。
 それにしてもTime Shipsがイギリスだけで5万部売れたっていうのはすごいね。イギリスの森岡浩之か(笑) 英国SF界は日本SF界以上に景気が悪い(本が売れない、作家が食えない)んだけど、アメリカ進出に成功しさえすれば広大なマーケットが開けているのが強み。ヨーロッパと日本で翻訳が出れば、一点あたりの部数が合計で10万を越えるわけだから、バクスターみたいな作風でも全然オッケーなんですね。
 まあでもそうやって食えているイギリスのSF作家は片手に足りないくらいだけどさ。イワン・ワトスンがウォーハンマーのノベライズを書いてる状況ってのは、中井紀夫や大場惑がアスキーでゲームのノベライズやってる状況と変わらなかったり。

 4時過ぎにインタビューが終わり、神田多町から小川町まで歩いて都営新宿線に乗り、匿名座談会のために笹塚徒歩10分の本の雑誌編集部へ。推理日記のネタに選ばれたおかげでいまや渦中の人(笑)となっている茶木則雄氏と、最近ミステリ関連ウェブサイトのウォッチングに余念のない西上心太氏と三人で内緒の話をする。あいにく、SFとは全然関係ない話です(笑) けっきょく雑談してる時間はほとんどなかったので、司会の目黒発行人とも、その後のSFクズ問題に関する意見交換はナシ。

 座談会が終了するなり、ふたたび早川書房にひきかえし、地下のリヴィエールで開かれているバクスター歓迎レセプションに出席する。いやあ、SFマガジンと本の雑誌を一日で往復するとは、まったくコウモリですね(笑)。しかしその本の雑誌編集長はSFマガジンに連載してたりするわけだしなあ。
 バクスター歓迎パーティのほうは、柴野さんの強力な根回しにより、黎会メンバーが中心。ひさしぶりに会った浅倉さんと近況について情報交換。バクスター夫妻は明日箱根に行くとかで、いつのまにか、その帰りに柴野さんちに寄るという話ができていた。こういう場面で柴野さんが発揮するホスピタリティっていうのはとても真似できませんね。京都観光のお膳立てまですっかり済んでたし。

 パーティが終わり、バクスター夫妻がホテルに引き上げたあと、神田駅前の小鍛冶でお茶。別件の打ち合わせを終えた白石朗氏が登場、例によっていきなり下品な世界に突入する(笑)。
 その後、塩澤・山岸・白石と4人で近所の葡萄舎に流れてバカ話。会社で残業中のT内元HMM編集長も合流してもう一軒まわり、餃子を食ってからタクシーで帰る。


【5月8日(木)】

 セミナー後の疲れがどっと出て、ひたすら眠る。綾辻・宮部座談会のテープ起こしがはやくもメールされてきたので、ちらちら眺めて手を入れる。が、体力が落ちてて根気が全然つづかない。


【5月9日(金)】

 ようやく風邪が治りかけたかと思ったら喘息。天候不順のせいですかね。ベロテック・エロゾル(KG所属のナース知世嬢から、「使用者の喘息死率が高い」との情報を提供していただいた吸入薬)を濫用しても症状が改善しないので、新葛西病院に出かけって点滴2時間。杉元令一の講談社ノベルス『スリープ・ウォーカーズ』を読み終わるころには発作はおさまったんだけど、睡眠不足と心搏上昇で体がだるい。
 家に帰って一時間ぐらい寝てから、日経クリックのM:TG取材ページの打ち合わせのためにユタ@馬場まで這うようにして出かける。編集部の福井嬢とライターの小林そーみん氏にひとしきりルールの説明とか。
 ヒマらしいので召喚した三村美衣とコンストラクションデッキのデモ対戦とか5thのブースタードラフトとかやって、9時ごろ解散。

 家に帰るとスタジオ・プロテウスのトーレン社長が到着してました。調子悪いからまあ適当にしててね、と挨拶だけして寝室に引き上げたんだけど、寝ようとするとふたたび咳と喘息の発作に襲われる。ぜんぜんダメかも。


【5月10日(土)】

 家にいると咳が止まらないのでファミレスに避難。インターセクションの原稿をまとめたり、一次選考の原稿を読んだり、ベアの『火星転移』を読んだりして朝を待ち、家に帰って昼寝。だいたい深夜から朝までが危険時間帯なので、昼寝てる分には平気なのである。


【5月11日(日)】

 ファミレスも飽きたので、近所の公園に行って、『火星転移』を読む。これがなんでこんなに評判がいいのかよくわからん。火星相手に地球がめぐらしてる陰謀とかって全然リアリティないし、話のバランスもよくない。だいたい前半のラブストーリーなんかほとんど無意味では。最低のベア作品よりはちょっとましだけど、これはやっぱりゴミでしょう。山岸真のベア評価は謎。
 それともつまらなかったのは体調が悪いせいか。これも風邪のせいならいいんだけどなあ――と歌ったのは吉田拓郎ですが、うーん。

 家に帰って午後3時から午前1時まで寝たら、だいぶん調子がよくなった気がする。


【5月12日(月)】

 夜中に起き出して茫然とテレビを見てたら、WOWOWで「ケス」をやってたのでつい見てしまい、つづいてニック・ノルティの「ハリウッド・トラブル」がはじまったのでそのまま見てしまう。これは拾い物でしたね。
 午前5時になったのでNHK衛星にチャンネルを変えて、エクスポズ×ドジャーズ戦。はじまったと思ったらエラー×2(あとのほうは、記録では内野安打)でノーアウト1,2塁になり、あっという間に2点入る。ルイスじゃないんだからさ、まったく。
 ちらちら野球を見ながら、締切を一週間超過している小説すばる新人賞の評価表記入事務をすませ、段ボールに詰め込んで返送の手配。

 つづいてファンタジーノベル大賞の段ボール箱4個の処理に着手する。こっちもぼちぼち締切なんだよなあ。

たいせつなおしらせ
 最近、www.ltokyo.comが全然つながらないという苦情が殺到してますが、更新ファイルに関しては、すべてリムネットのほうでもフォローしてますので、リロードできないときは、とっととhttp://www.st.rim.or.jp/~ohmori/のほうをクリックしてください。


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