【9月5日(木)】

(承前)
 4時ごろふたたび外出。ダウンタウンをぶらついて日航ホテルで朝日新聞を買う(笑) いやちょっとプロ野球状況の確認のためです。ブルーウェーブがファイターズに2.5ゲームも差をつけてるのか。びっくりびっくり。ASAHI.COM見てもいいんだけど、やっぱり新聞買うほうが安いな。

 きのうトレーディングカードショップで客のお兄ちゃんに教えてもらった情報を頼りにバスでエンバカデロ。「なんか、エンバカデロ4とかいうビルこのへんにある?」と聞いたらハイアットリージェンシーのとなりの巨大な高層建築を指さされる。なんかランドマークタワーみたい(笑)
 ビルの中は高級ショッピングモール風なんだけど、一階になぜかカールズ・ジュニアが入ってるわけですね。ふうん、ここかあ――と思って覗いてみると、店内はギャザる人々の山。ほとんど占領状態で、一種異様な雰囲気。ギャザだけじゃなくてほかのトレーディングカードゲームやってる人も。
 誘ってくれた兄ちゃんは見当たらないみたいなので、とりあえずそのへんでやってるデュエルを見物。うーむ、知らないカードの山だ。
 そのうち例の兄ちゃん(って名前知らない(笑))がやってきて、
「クロニクルの日本語版持ってきたよ」と言うとたいへん喜ばれる。ブースター一個10ドルでも売れるって状態みたいっす。つっても商売する気はないので(笑)レアのカード数枚とトレード。みんなでかい専用ファイルに入れてあっちでもこっちでもトレードしているのだった。
 一段落したあたりでチャイニーズ系の男の子が「デュエルする人いないっすか?」と寄ってきたので、黒デッキで対戦。3連勝(^-^) しかし赤のゴブリンデッキに変えたら、向こうもクリーチャーいない青デッキに変えてきて、あと1ライフまで追いつめたところで、対戦相手とライフを交換するっていう凶悪な呪文を使われる(笑) 向こうはクリーチャーいないんだけど、Icy Manipurator4枚とか出されてなにもできない。ライブラリ勝ち寸前にライトニングボルト打たれて負け。なんだかなあ。
 疲れたので外でタバコ吸ってると、常連らしいおじいちゃんが寄ってきて、タダでカード用の巨大なアルバムをくれた。段ボール箱に山盛り入れて配って歩いてるのね。んでひょいとその中を覗くと、Hacker and the Antsのハードカバーが(笑) 土曜日にこの人に会うんだよという話をしたら、「ここにもファンがひとりいると伝えてくれ。この本はたいへん面白い」だって。70歳は越えてそうな人なんだけど。アメリカは広い。
 9時をまわってだいぶん人が減ってきて、ゲーム者以外の客はゼロ(笑) ゲーム者もすでに食事タイムは終わって、なにも注文しないでひたすら遊んでいる。暇そうな店員たち。ううむ。
 ここに呼んでくれたおにいちゃんとデュエル。快調に勝つ。しかしHymnは一枚制限になってしまうので、もうこの黒デッキともお別れだな。
 しばらくナガノに住んでいたことがあるというヴィンセントくんがやってきて、カタコトの日本語で話をする。プロのイラストレーターで、趣味でオリジナルのカードを描いているというので見せてもらったらすごく出来がいい。
「そういえばうちの女房の妹が、Xxxenophileの絵を描いてるんだよ」と自慢したら、
「ダレ?」
「トモコ・サイトー」
「Oh, トモコサン、デスカ。チョットマッテネ」
 とかゆって鞄の中をひっくり返し、すばやく斉藤友子がイラストを描いたカード2枚をとりだす。友だちですごい斉藤友子ファンがいるらしい。友子サンのところに泊まってるならサインをもらってきてくれとか頼まれる。アメリカは狭い。
 ヴィンセントくんはわりと遅くMTGにハマったおかげで、300ドルくらいの投資でカードを集め、すでに800ドルくらい稼いでるんだとか。対戦したけど、「あー。このデッキ、いちばん大事なカード売っちゃってるかも。まずい(笑)」とかゆってるの。プレイより商売がだいじ、みたいな。そのデッキには勝ちましたが、自分のライブラリの上から5枚を見て4枚ディスカードして1枚手に入れるっていうランドを核にしたデッキには完敗。

 そのうち11時30分の閉店時間になり、ヴィンセントくんのクルマで送ってもらう。トモコ・サイトーにその場でカードにサインしてもらって、ヴィンセントくんはうれしそうに帰っていきました。


【9月6日(金)】

 11時半ごろ、さいとうよしこが到着。飛行機は9時半着なのに、イミグレがめちゃ込みだったらしい。さいとう姉妹が山のような荷物を広げて盛り上がってるので、わたしはパークベンチカフェでお茶。
 さいとうがあとから合流、一応元気みたいなので、ダウンタウンに出る。パウエルのGAPとかサンフランシスコショッピングセンターとかそのあたり。靴とか服とかバッグとか。まあさいとうはアメリカに来ても買い物しか目的がないからな。

 6時ぐらいになってさてどうしようかと思ったらマーケット沿いにさびれた映画館があり、Escape from L.A.とThe Fanが2本立て(横ではTwisterとEraserの二本立ても上映中(笑))。さいとうは眠そうだけど、まあThe Fanのあいだ寝てて、スネークが出てきたら起きればいいじゃん。とかゆって映画館に入る。さいとうはThe Fanのあいだじゅうずっと起きてて(これはサンフランシスコ・ジャイアンツのご当地話だから、まあここで見たのは正解かも。話は『ミザリー』ですね)、スネークの活躍がはじまったとたん爆睡。まあそういうものだ。L.A.は完全に、「ニューヨーク1997」楽屋落ち映画になってて、とても今年のSF映画には見えない。このチープさがたまりませんね。スティーヴ・ブシェーミが出てるのがちょっと新しいか。いやあでもけっこう好きかも。


【9月7日(土)】

 コリーヌのデリで軽くお昼をたべて、さいとう姉妹とヘイト・アシュベリー。わたしは主にあやしいTシャツをさがす。3年たってもAmoebaはまだちゃんと存在してたんで、気が狂ったSFなシャツを買う。しかしいちばん欲しいと思ったのは、そのへんを歩いてたおねえちゃんがはいてた帝国の逆襲柄のジーンズだな。ショルダーバッグもお揃いだったし。あれは自作したんだろうか。ほしい。ほしすぎ。UMA BomberのTシャツも売ってたけどデザインがいまいち。ロズウェルのTシャツでがまんする。あと、テレビくんの付録をそのままプリントしたみたいなウルトラマンTシャツね(日本語で字がいっぱい書いてある)。
 姉妹はえんえん買い物をしているので、そのへんのカフェの表の椅子で日光浴をしつつコニー・ウィリスを読む。Bellwether。ぜんぜんSFじゃないっす。面白いけど。

 5時になったのでラッカーと待ち合わせのBooksmithへ。10分遅れぐらいで登場したRRは『ハッカーと蟻』の主人公といっしょのかっこうだったので大笑い。サンダルがリーボックだったので、バーケンストックは? とゆったら、3ヶ月前に変えたそうです。
 近所のコーヒーショップに入って、SFマガジン用にちょっと話を聞く。載せられなかったインタビュー部分については、そのうちWWW上で公開するかも。
「(新作の)フリーウェアはホームページに置いてタダで読めるようにしようかと思ってるんだ。ほら、タイトルがフリーウェアだからさ、面白いかと思って」とか。
 ラッカーのページに貼ってある写真は、この春50歳の誕生パーティを開いたとき招待状に使った写真で、場所はサンタクルズだそうでした。

 一時間ほどしゃべってから、結婚パーティに出かけるというラッカー(しかし半ズボンでねえ)と別れ、さいとう姉妹とぶらぶら歩いて、ヘイト沿いのタイレストランで夕食。タクシーで帰る。

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