【8月12日(月)】

 やっぱりシングルで買わなきゃだめだっ!
 と決意してWWWをまわり、MTGのカードショップを物色。オンラインで検索・注文できるところがあったので、百ドルばかり注文する。4thのアンコモンセットとかけっこうお買い得な気がするけどよくわからん。だいたいよく知らないカードがいっぱいあるもんなあ。でもほしいカードは品切れだったり一枚制限だったりしてなかなか。象牙の塔とかネクロポテンスとか買えないの。くすん。
 敵に塩を送る行為だと思いつつ、三村美衣にもショップのURLを教えてあげるやさしいわたし。
 


【8月13日(火)】

 三村美衣もさっそく行って注文してきたらしい。これでミノタデッキができるとか喜んでいる。苦しめられるのは主におれか(笑)
 


【8月14日(水)〜15日(木)】

 このへんは仕事をしてたような気がするな。あ、そうだ、コクラノミコンをパスしてワールドコン(世界SF大会)に行こうかと真剣に考えはじめて、L.A.Conのページを見に行ったら、大会割り引きの宿泊予約が今週いっぱいだよんとか書いてあったんで、あわててアナハイム・ヒルトン&タワーズのシングルを予約したんでした。
 わざわざ登録フォームを落としてプリントしてファックスしたのに、折り返し、「直接ホテルで予約したまい」ファックスが来て、けっきょく電話予約(笑)。
 


【8月16日(金)】

 東京発15:30のスーパーびゅう踊り子で熱海に出発。喫煙席の車両は四人掛け固定式ボックス席の中央にテーブルがあるタイプ。まるでデュエルをやるための座席のようではないか(笑) と神様に感謝しつつ三村美衣と1勝1敗1分で熱海に到着する。なんかあっちゅうまでしたね。
 今年のSFセミナー事務局長(だっけ?)を勤めた東京理科大SF研OBの野口誠(の両親)が熱海にリゾートマンションを持ってるので、毎年夏はたいていそこで何日か泊まるんですね。最上階に温泉大浴場、屋上にプール、熱海中心街まで徒歩10分っていう理想的環境。
 今回は野口夫妻が先乗りしてて、大森・さいとう、小浜・三村が本日より合流のパターン。最近MTGに興味を示しているらしい野口くんのために、わたしは出がけにちゃんと日本語版スターターを2個買ってってプレゼントしたわけである。
 案の定、野口誠はノータイムでハマり、MTG公式ガイドブックを手放さない人になってしまった。MTGをしない人たちはヒマそうにしているが(小浜はいつのもようにひたすら寝ているので関係ない)、そんなことは知らないのである。いまさら桃鉄とかやる気しないもんな。
 


【8月17日(土)】

 起きたらいきなり天気が悪い。きのうまであんなに暑かったのに。とはいえ薄曇り程度の陽気だから、泳げないことはない。部屋でうだうだしている人々を残し、とっとと屋上プールに上がる。やっぱ夏は屋外プールっす。つーことで、デッキチェアに寝そべり『異形の愛』を読む。健康的なロケーションにぴったりの本だね。
 
 だらだら部隊も夕方近くなってようやく重い腰が上がる。野口家のプリメーラに6人詰め込んでとりあえず熱海サンビーチ。熱海銀座のすぐ先にある市営の海水浴場ですね。
 ここでも大森以外の人たちはだれも泳ごうとしない。夏に海来て泳がないなんて、冬に草津に行ってスキーしないようなもんだ――と考えると、まあ泳がない気分もちょっとわかるか(笑) ひとりで海に飛び込んでじゃばじゃば沖の浮き台まで泳いでったら、東京から来たというイラン人の集団が西瓜をおごってくれました。一個まるまる持ってって、ナイフで切り分けてるのね。泳いだあとの西瓜はうまいぜ。
 陸上部隊はなんだか砂の城をつくる暗い遊びをしている。これだからSFおたくはね。
 わたしは海に来るといきなり体を動かす人になってしまうので、バドミントンその他で筋肉を酷使する。
 
 夕食はヤオハンの向かいに新しくできた紅茶とカレーの店。スリランカカレーはいまいちですが、料理のほうはまずまず。まあひとり2000円くらいだからな。
 


【8月18日(日)】

 野口夫妻、小浜夫妻は昼ごろ、車で東京に帰還。わたしは近所の喫茶店でちょっと仕事してから例によってプールサイド読書。ここまで来たついでに沼津の知り合いに会いにいくというさいとうといっしょにタクシーに乗り、先に熱海本町で降りて、ビジネス喫茶ステータスで食事。経営コンサルタントとか手広く商売やってる人が経営してて、謎のビデオや本が壁を埋めつくしている店。いつもここでかき揚げ丼を食べるんだけど、なんか味が落ちてないか?
 熱海のマンションは黒電話なんで、モジュラージャックに付け替えるキットを持ってきてたんだけど、モジュラーケーブルを忘れた(笑) ので、ベスト電器に買いにいく。なんかヤオハンのビルの中に入ってるんですけど、ベスト電器ってヤオハンと関係あるんだっけ? それとも熱海だけ?
 
 2時間ほど仕事してからぶらぶら歩いてマンションにもどり、電話工事。ようやくメールが確認できたんだけど(PHSは熱海はまったく通じないっす)とくに急ぎのものはなし。
荻窪さんの神戸取材報告メールに返事書いたくらいかな。まあこれで、明日熱海から原稿が送れるというものだ。夜はひとりで仕事。
 


【8月19日(月)】

 昼ごろ起きて昨日とおなじコース。喫茶店で論座の原稿を仕上げ、部屋からメール送稿してプール。4時ごろ上がって温泉に浸かり、ざっと部屋をかたづけて、アクティのグリーン車で熱海を去る。アクティの二階建てグリーンは安くて快適っす。まあグリーン券があっても座席は確保できないので、閑散期にしか使えませんが。しかしグリーンとか乗ってると大人になった気がするね。910円だけどさ。
 


【8月20日(火)〜21日(水)】

 アニメージュと小説すばるの書評原稿。松尾由美「ジェンダー城の虜」と高野史緒「カント・アンジェリコ」。ジェンダ城は、ミステリとしてはかなりつらい。両方ともカメちゃんがめたくそにケナしてる小説ですが、某所に発表された書評のタイトル「前作とどこが違う?」だけを見て、その瞬間「カント・アンジェリコ」のことだろうと思ったらやっぱりそうだった(笑)
 でもいいんだ、電話フリークの話は好きだから。いっしょといえば西澤保彦だってどれもいっしょと言えなくもないんだけど、新ジャンルを開拓した場合は、そのジャンル内でずっと書いててもいいと思うっす。
 
 あとは『ハッカーと蟻』の訳者あとがき。5ページしかスペースがないんでわりとおとなしい。どうもアウトプット過多でテンション下がってるよね。
 
 SFマガジンでも『蟻』の時期に合わせてラッカーの短編をのっけたいというので、とりあえずTransreal!に入ってるAs Above, So Belowっていうハッカー物を推薦してあったんだけど、ご本人にも一応お伺いを立ててみる。Freewareの抜粋とかどうすかね、とゆったら速攻で第三章がメールされてきてラッキー。スタン・ムーニイも登場してるし、未発表原稿だし、こっちのほうがお得かも。
 L.A.Conには行かない予定と聞いてちょっとがっかり。まあ近いから遊びにいってもいいんだけど。まあサンフランシスコから電話くらいしよう。
 


【8月23日(木)】

 ふと気がつくと、一応予定しているLA出発日の一週間前じゃん。ということであわてて旅行代理店にあたりはじめる。エイビーロードネットは便利だね。
 しかしさすがにシンガポール航空とかの安い席は軒並み売り切れ。HISにもろくなチケットが残ってなくて、けっきょく馬場のよく知らない代理店でノースウェストのチケットをとる。8万くらいと高いけど、さいとうのほうは往復サンフランシスコ直行便がベストみたいなので、まあしょうがない。大森は30日にLAに入り、12日にSFから出る予定。さいとうは6日にSFについて帰りはおれといっしょ。
 うーんこんなに長くいるつもりはなかったんだけどなあ。二週間以上かあ。まあ向こうでも仕事はできるからいいんだけど、その前にやっとかないといけないやつだけで、指折り数えて両手で足りない締め切りがあることが判明、一瞬気が遠くなるが、失神してるあいだに原稿がファックスされてたりする事態は期待薄なので、とりあえず週刊現代の書評を書きました。キングのFour Past Midnightの前半分の「ランゴリアーズ」ね。久しぶりに読んだらけっこうおもしろかった。表題作はバリントン・ベイリーばりのバカSFだし。
 


【8月24日(金)】

 コクラノミコンのかわりに近場ですませようと、伊東温泉の旅館で開催の全国ミステリーファン連合(だっけ?)の合宿に遊びにいく。小説すばるのTV時代劇座談会リライトの仕事を抱えているので、電車の中でもえんえん録音テープ聞きながらテープ起こしのチェック。京極、我孫子、麻耶、貫井……という新本格作家たちがなぜかTV時代劇を語るっていう趣旨なんだけど(太秦映画村で撮影したコスプレグラビアつき(笑))、この人たちはテープだと声が似ていてたいへん。上がってきたテープ起こしには全然名前が入ってないし。まあこういう作業は基本的に好きだからいいんですけど。しかしわたしはTV時代劇薄いのでテープの話題についていけないのだった(笑)
 
 合宿所の旅館に顔を出してみると大広間でオークションのまっ最中。2時間くらいいて、温泉にちょっと浸かってから(綾辻さまはけっこう腹が出てるかも)、伊東線の終電で熱海に引き返す。今夜で座談会の仕事を片づけてあしたゆっくり遊ぶ計画。
 しかし、マンションについてみるとタバコがない。熱海の街では条例だかなんだか知らないけど、夜11時を過ぎると自販機はタバコの販売を中止しちゃうんですねえ。
 それからタバコを求めて三千里の旅がはじまる。けっきょくえんえん30分歩いて富士屋ホテルのロビーでゲット。ああ情けない。タクシーで帰って(帰り道が上り坂なの)朝まで仕事。

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