あ | か | さ | た | な | は | ま | や | ら | わ |
い | き | し | ち | に | ひ | み | り | ||
う | く | す | つ | ぬ | ふ | む | ゆ | る | を |
え | け | せ | て | ね | へ | め | れ | ||
お | こ | そ | と | の | ほ | も | よ | ろ | ん |
い | |||
読み | 文字 | 用語の説明 | 参考資料 |
いがき | 忌垣 | 瑞垣(みずがき)の別称。「井垣」「斉垣」「圍垣」とも書く。 神社の本殿を囲む垣のうち、一番内側のものをいう。 「忌」はけがれを清め慎むの意味。 |
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いかんもん | 偉鑒門 | 平安京大内裏(だいだいり)十二門のうちの一つで、 「達智門」(だっちもん)、安嘉門(あんかもん)とともに北に 面する門。 |
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いきぶし | 生き節 活き節 |
伐採(ばっさい)製材後も樹幹の組織と緊密に結合している節 「赤節」ともいう。これに対して抜け落ちる節を「死に節」という。 |
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いくほうもん | 郁芳門 | 平安京大内裏(だいだいり)十二門のうちの一つで、 「待賢門」(たいけんもん)、陽明門(ようめいもん)とともに 東に面する門。 |
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いしたまがき | 石玉垣 | 神社の敷地外周に設ける角柱に加工した石製の「玉垣」。 | |
いしのま | 石の間 | 「八幡造り」「権現造り」の社殿で、「本殿」と「拝殿」の間に ある部屋。古くは床を張らず石張りだった。「相の間」ともいう。 |
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いしのまづくり | 石の間造り | →「権現造り」 | |
いしぶたい | 石舞台 | 四天王寺、住吉大社、厳島神社にある「基壇」風の 舞楽用舞台。四周に「高欄」(こうらん)をめぐらす。 奈良明日香村にある古墳石室の俗称で「石舞台古墳」という。 |
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いしまるけ | 石丸家 | 江戸時代、幕府の「大棟梁」(だいとうりょう)に任ぜられた 家名のひとつ。 |
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いすかつぎ | 易鳥継ぎ | 角材の継ぎ手仕口の一種で天井竿縁や桁などにもちいる。 右図参照 |
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いたあぜくら | 板校倉 | 「校倉造り」の壁を厚板で組んだもの。 正倉院正倉の中央部分は「板校倉」となっている。 |
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いたかえるまた | 板蟇股 | 厚板の輪郭だけを「繰形」(くりがた)加工した「蟇股」。 棟木などを受ける斗(ます)の下に設ける束の役目を持った構造材。 |
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いたがき | 板垣 | 平安・鎌倉時代の住宅で特定の部屋の前に作られた目隠しの板塀。 柱の間に「下見板」(横張板)を張り、立て押し縁で押さえ、上部に 襷(たすき)などの装飾をほどこし板葺き屋根が乗り、「源氏塀」ともいう 伊勢「神宮」内宮、外宮の「板垣」は上記と異なり、単に横板を巡らせ たもので、これが古来の形式と思われるが、時代の流れにより形態が 変化してきたものと思われる。 |
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いたからど | 板唐戸 | 「和様」。一枚または数枚の厚板をたてに矧ぎ(はぎ)あわせ、 上下に板の反り(そり)を防止するための「端食み」(はしばみ)を もうけた扉で、「軸吊り」開き戸の形式で、社寺、住宅などにもちいられた。「板扉」「板戸」ともいう。 桟を見せた形式は唐様の「桟唐戸」という。 |
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いたご | 板子 | 板厚5〜30cmくらいの「杣取り」(そまどり)斧で切出した材のこと。 これをさらに薄く挽いてもちいる。幅50cm以上、厚さ18cm以上程度を 厚板子。幅42cm厚さ12cm以下程度を小板子などというが一定したも のではない。 ちなみに「板」とは、厚さ8cm未満で、幅が厚さの3倍以上のものをいう。 現代の感覚では、上記小板子でも立派に大型角材として通用してしま うが、古代では、これを「板」と称するなど、祖先の壮大さが忍ばれる 言葉である。 |
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いただたみ | 板畳 | 床の間にもちいる。板に畳表を張ったものをいう。 | |
いたたまがき | 板玉垣 | 間隔を開けて並べた厚板の裏に貫を打った玉垣。神社などに使われる | |
いたぶき | 板葺き | 板で葺いた屋根の総称。 立葺きでは「大板葺き」「大和(やまと)葺き」など。 横葺きでは板厚の順に「柿(こけら)葺き」「木賊(とくさ)葺き」 「栩(とち)葺き」などがある。 |
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いため | 板目 | 樹木を樹幹と平行方向に挽いたときに現れる渦状木目をいう。 樹幹方向に挽いた場合は平行な木目となり、「柾目」(まさめ)という。 |
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いちもんじ がわら |
一文字瓦 | 軒先に用いる瓦。垂れの下部は水平で巴瓦は付かない。 無紋の「一文字軒瓦」と、紋入りの「一文字唐草瓦」がある。 数寄屋建築や門、塀などに用いる例が多い。 |
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いちもんじ ぶき |
一文字葺き | 同じ大きさの厚さ0.3〜0.35mmの銅板などの金属板を、棟に平行な 一直線となるように、相互の端を二重に曲げ、噛み合わせて葺く工法。 噛み合わせの部分を「はぜ」といい、屋根「野地板」に釘打ちされた 「とんぼ」という同材の折り曲げられた小片に、引っかけて取り付ける。 「はぜ」は常に「水上」(みずかみ)側を上、「水下」(みずしも)側を下、 となるように施工する。 こうしないと「雨仕舞い」が悪くなり、雨漏りの原因となる。 |
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いちょうば | 銀杏葉 | 檜皮葺(ひわだぶき)の切妻軒付けの拝み部分に付ける飾り板。 その形が銀杏(いちょう)の葉ににていることからこの名が付いた。 軒付けの転びによる交点での折れ目を隠すために工夫された工法 銅板葺きの場合もこれにならって同様の「銀杏葉」を付ける。 |
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いっけん | 一間 | 社寺建築の場合、寸法の尺度としてではなく、柱間を一間と呼ぶ。 従って「一間四面堂」とは柱間が正面側面とも一間の堂という意味。 また「一間社」は柱間が一間の小型の社殿をいう。 寸法の尺度では、一間は6尺で約1.82m。一尺は約30.3cm。 ただし、一尺の寸法は時代によって異なり高麗尺(こましゃく)、 奈良尺などがある。 |
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いっけん いっこ |
一間一戸 | 柱間が一間で、入り口が一カ所の意味。 従って三間一戸といえば柱間が三つで入り口が一つのこと。 |
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いっすんべり | 一寸縁 | 畳の縁幅(へりはば)が一寸(30mm)のこと 江戸間では八分(24mm)、細縁(ほそべり)では七分(21mm) 高麗縁(こうらいべり)では一寸五分で(45mm)となる。 一寸(いっすん)は十分(じゅうぶ)で一分(いちぶ)は3mm。 |
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いなかま | 田舎間 | 江戸間のこと。一間を六尺(1.82m)基準の柱芯々寸法とした。 このため畳寸法はさらに小さく、六畳間の場合柱寸法を三寸五分として 実際の畳寸法は(12×303−105)÷2=1.77mとなる。 ちなみに京間は一間を六尺五寸(1.97m)の畳実寸法とする。 また六尺三寸(1.91m)の畳実寸法を「並京間」又は「関西間」という 従って民家の場合、関西と関東では同じ坪数でも実面積は全く異なり 関東の片田舎に開府を行った江戸幕府の苦労がうかがわれ、 この違いは現代まで引き継がれている。 |
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いなご | 稲子 | 天井板の継ぎ目に隙間が出来ないように裏側に取り付ける竹釘 | |
いなずま かなもの |
稲妻金物 | J形に二つ折れした金物の総称。 神社建築の蔀戸(しとみ)を跳ね上げて先端を引っかける金物 軒裏の化粧垂木などからつり下げてもちいる。 |
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いなずまくぎ | 稲妻釘 | 床の間正面上部の廻縁などに下面に、下向き取り付けられるJ形の釘。 「軸」「花活け」などをつり下げる。「雷紋釘」「自在釘」「稲妻折れ釘」 ともいう。 1寸5分程度の角材に溝穴を掘り、「稲妻釘」を横移動出来るように 取り付けたものを「無双四分一」(むそうしぶいち)と呼ぶ。 単に「折れ釘」と言う場合はL形の釘をさす。 用途は同様だが「雲板」(くもいた)などの垂直面に横打ちして使用する。 |
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いなり | 稲荷 | 五穀(ごこく)(稲、麦、粟(あわ)、稗(ひえ)、豆)司る~ 「宇迦之御魂~」(うかのみたまのかみ)を祀る神社。 この神は「延喜式」では伊勢神宮外宮の祭神豊受大~(とようけのおおかみ) また五穀を生んだ~として古事記上巻に見える「大宣津比賣~」(おほげつひ めのかみ)、日本書紀巻第一に見える「保食~」(うけもちのかみ)の二柱の~ とも同一視されている。 ちなみに後の二柱の~は「繭」(まゆ)とか牛馬も生んでいるが 古事記では「速須佐之男命」(はやすさのおのみこと)に、 日本書紀では「月夜見尊」(つきよみのみこと)に殺されている。 狐の異称。 |
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いなりとりい | 稲荷鳥居 | 明神鳥居(みょうじんとりい)の柱上に台輪(だいわ)を挟んだ形の鳥居 | |
いぬくぐり | 犬潜り | 床の間で用いるときは「狆潜り」(ちんくぐり)が正しい言い方。 「犬潜り」の本来の意味は垣根の下の犬の潜る穴をいう。 床の間と床脇を隔てる壁の下側に開けられた開口部のこと。 ちなみに、隔て壁中央部の穴は「洞口」(ほらぐち)という。 |
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いぬばしり | 犬走り | 建物外周部の「雨落ち溝」までの間で石張りなどで舗装された部分 | |
いぬやらい | 犬矢来 | 円弧状の反りのついた割竹や細い桟木を並べた柵のこと。 建物外壁の損傷を防ぐために設けたもので犬を防ぐというよりも、 人が建物に近づくのを防ぐことを目的とし、京都祇園の町屋などで 使われるものが有名。 本来は「唾止め」の名称が正しい。「犬矢来」は「犬防ぎ」とも呼ばれ 縦型の柵を並べた「駒寄せ」「駒繋ぎ」「牛繋ぎ」の小型形式のものを 言ったようであるが、最近は「犬矢来」と混同されて呼ばれることが多い。 ちなみに本来の「矢来」とは細い竹や丸太を菱形に組んだものを言う。 |
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いのこさす | 猪子扠首 | 屋根「切り妻」面で「棟木」を受ける「斗」(ます)を乗せた「猪子束」 (いのこずか)を両側から三角形(扠首形)に「扠首竿」(さすざお) で支える構造形式の組み物。 「扠首」(さす)とは斜めに組むということで「合掌」と類似しているが 小屋組みの「合掌梁」(がっしょうばり)と、垂木の下に平行に組む 「扠首竿」(さすざお)とは構造的意味が異なる。 古来の形式で元は「神明造り」(しんめいづくり)から出た構造形式 |
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いのめ | 猪の目 | ハート形をした「繰り形」(くりがた)の呼称。 猪の目懸魚(いのめげぎょ)などの装飾の一部にもちいられる。 |
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いばら | 茨 | 「繰り形」の曲線が交わる部分に出来た尖った部分の呼称。 主に「唐破風屋根」(からはふやね)の湾曲した垂木をさして、 「茨垂木」(いばらだるき)などという。 |
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いばらびれ | 茨鰭 | 「唐破風屋根」に使われる「破風板」の「茨」部分をさしていう呼称。 | |
いぶしがわら | 燻し瓦 | 素焼き瓦を松葉、松薪などで燻すことにより炭化水素粒子を表面に 固着させ、燻し銀のように変化させた瓦。 昔は「だるま窯」と呼ばれる窯で一日がかりで制作された。 現代では重油、ガスなどの還元窯で大量生産が可能となっている。 「黒瓦」「銀色瓦」ともいう。 |
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いみばしら | 忌み柱 | 「大黒柱」(だいこくばしら)「大極柱」(だいごくばしら)とも呼ばれる。 中央の大きな加重を受ける柱。 元は「大社造り」および「神明造り」社殿の中央にある柱のこと。 「心の御柱」「真の御柱」「斉柱」(いんばしら)とも呼ばれ神聖なもの として扱われる。「忌」はけがれを清め慎むの意味。神を畏れ遠慮す ることから転じて喪に服する意味にも使われるようになった。 「斉」も同様の意味であるが主に飲食を慎み心身を清めることをいう。 |
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いもつぎ | 芋継ぎ | 天井の竿縁(さおぶち)などを継ぐときにつかわれる継ぎ手の一種。 一方に「ほぞ」を作りだし、他方に「ほぞ穴」を掘って一見「突きつけ」の ように見える。 |
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いもめじ | 芋目地 | 立て目地が一直線の目地のこと。 立て目地が交互にずれる目地は「破れ目地」「馬踏み目地」などという |
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いらか | 甍 | 本来は瓦葺き屋根の棟、または棟を構成する瓦の意味。 のちに瓦屋根そのものをさす言葉にもつかうようになった。 |
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いらかむね | 甍棟 | 瓦葺きの棟の下部に「甍唐草瓦」と「甍巴瓦」を積んだ棟を いう。 |
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いりかわ 又はいりがわ |
入り側 | 民家などで濡れ縁と座敷の間の縁側をいう。 また、入り側と座敷の間の柱を「入り側柱」という。 |
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いりすみ | 入り隅 | へこんで見える隅のこと。 でっぱって見える隅は「出隅」(ですみ)という。 |
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いりはっそう | 入り八双 | 先端が魚の尾のように開いた建具金物。 「鯖(さば)の尾」という俗称もある。 |
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いりもやづくり | 入母屋造り | 「寄せ棟」の「棟木」を水平に延ばし、上部が「切妻」に見え、 流れに境目の無い屋根形式 これに類似した形で「錣葺き」(しころぶき)があるが、これは上部切妻と下部寄せ棟の流れに境目が有るのが特徴。 |
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いんばしら | 斉柱 | →忌み柱(いみばしら) | |
いんぶもん | 殷富門 | 平安京大内裏(だいだいり)十二門のうちの一つで、 「藻壁門」(そうへきもん)、談天門(だんてんもん)とともに 西に面する門。 |
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いんろうつぎ | 印籠継ぎ | 継ぎ手の一種。二材の端部をそれぞれ凸凹形に作り嵌め合わせる。 |